菅内閣は今日22日、2020年度までの財政健全化策などを示した「財政運営戦略」を閣議決定しました。特に基礎的財政収支(プライマリーバランス)については、2015年度までに赤字幅を半減し、2020年度までに黒字化する目標を設定しました。しかしこの目標を達成するための具体的な歳出削減や歳入増の手法の明記は先送りされています。また菅首相が表明した消費税率の引き上げ方針も、「税制の抜本改革で早急に具体的内容を決定する」との表現にとどめています。
一方2011〜13年度予算の大枠を示す「中期財政フレーム」では、国債の利払い費などを除く一般歳出を今年度(71兆円)並みに抑制する方針を明記しています。
2011年度予算での新規国債の発行額は、今年度の44.3兆円を上回らないよう「全力をあげる」と述べています
加えて新規施策を実施する場合は、恒久的な歳出削減か歳入増で財源を確保するという基本方針を盛り込みました。
同時に公表したマクロ経済の中長期試算では、3年間歳出を抑制したとしても健全化目標を達成するには、2015年度で約5兆円、2020年度で約22兆円の歳入不足となる見通しであり、もはや増税は避けられない状況です。
ここであらためて国の債務残高を確認しておくと、国債や借入金などを合計した「国の借金」の総額が2009年末時点で871兆5,104億円に達しています。2008年末に比べ 24兆8,199億円増え、過去最大を更新しました。今年1月時点の推計人口で計算すると、1人当たりの借金は約683万円です。
このような危機的状況にもかかわらず、10年もかかって財政悪化に歯止めをかけるという悠長な方針で大丈夫なのでしょうか。歳出を抑え、歳入を増やすということは国民に痛みを求めることにほかなりません。この痛みについて全くふれられていないのが気がかりです。また、いつ何%に引き上げるのか、低所得層にどんな配慮を行うのか、増収分の使途は何かなど、肝心な点が不明確で、逃げ腰の色彩が強いように思えます。
一方2011〜13年度予算の大枠を示す「中期財政フレーム」では、国債の利払い費などを除く一般歳出を今年度(71兆円)並みに抑制する方針を明記しています。
2011年度予算での新規国債の発行額は、今年度の44.3兆円を上回らないよう「全力をあげる」と述べています
加えて新規施策を実施する場合は、恒久的な歳出削減か歳入増で財源を確保するという基本方針を盛り込みました。
同時に公表したマクロ経済の中長期試算では、3年間歳出を抑制したとしても健全化目標を達成するには、2015年度で約5兆円、2020年度で約22兆円の歳入不足となる見通しであり、もはや増税は避けられない状況です。
ここであらためて国の債務残高を確認しておくと、国債や借入金などを合計した「国の借金」の総額が2009年末時点で871兆5,104億円に達しています。2008年末に比べ 24兆8,199億円増え、過去最大を更新しました。今年1月時点の推計人口で計算すると、1人当たりの借金は約683万円です。
このような危機的状況にもかかわらず、10年もかかって財政悪化に歯止めをかけるという悠長な方針で大丈夫なのでしょうか。歳出を抑え、歳入を増やすということは国民に痛みを求めることにほかなりません。この痛みについて全くふれられていないのが気がかりです。また、いつ何%に引き上げるのか、低所得層にどんな配慮を行うのか、増収分の使途は何かなど、肝心な点が不明確で、逃げ腰の色彩が強いように思えます。