内閣府が2022年5月18日発表した1―3月期におけるGDP速報によると、実質で前期比0.2%減、年率換算で1.0%減でした。マイナス成長となったのは、2四半期ぶりです。
 ここで需要項目別の動向を確認しておきます。GDPの半分以上を占める個人消費は前期比0.03%減少し、2四半期ぶりのマイナスとなりました。感染力の強いオミクロン型の新型コロナウイルスの拡大で、飲食店の営業などを制限する蔓延防止等重点措置が適用され、飲食店は時短営業や酒類提供の制限を求められました。このため、外食や宿泊などのサービス消費は0.2%減となったのです。自動車などの耐久財は1.6%減、衣服などの半耐久財は1.8%減と不振でした。
 今後の消費は、コロナの感染状況に左右されると思われます。ワクチン接種が進み、行動制限が緩和されると人流が活発になり、対人サービスが好調となるでしょう。反対にコロナ感染拡大が深刻になれば、人々は外出を自粛し、消費の落ち込みが予想されます。
 次に設備投資は0.5%増となり、2四半期連続で伸びました。発電効率のよさや環境への配慮から、火力発電所ではガスタービンの採用が増えました。そのほか、研究開発向けの投資が好調だったようです。
 住宅投資は1.1%減と、3四半期連続でマイナスを記録しました。もっとも名目では0.2のプラス成長です。建築資材の価格上昇の影響を考慮した実質では落ち込んでいます。
 公共投資は3.6%減で、5四半期連続でマイナスが続いています。東日本大震災関連の復興需要が一巡したものと考えられます。
 政府消費(政府支出)は0.6%増と、2四半期ぶりのプラスでした。コロナワクチンの購入や接種にかかる費用が増えました。
 外需は3四半期ぶりにマイナスとなり、0.4%落ち込みました。自動車などを中心に、輸出は1.1%増えました。反面、海外から購入するワクチンなどで輸入は3.4%増えています。輸入の増加が輸出の増加を上回り、GDPへの寄与度はマイナスとなったのです。