2013年01月23日
敗忘せず

昨年のクリスマスイブ、修斗主催のVTJ観戦に代々木第二体育館へ。
数年振りに心躍るカード、佐藤ルミナvs所英男を見届けられれば今年は
もう充分だと、この時既に11年続いた大晦日さいたまSAの現地観戦を
不参加と決めていた自分にとっての2012年最後の格闘技生観戦だった。
会場入りすると、いつもの修斗熱気とは明らかに違う緊張感が張り詰めて
いた。それはオクタゴンという金網の存在感ではなく、不確実ながらも
明確に浮かんで来てしまう銀狼の最期をかき消そうとする多くのルミナ
ファンの願いが一念となり木霊していたからだろう。
定刻19:00、煽りVTRはルミナ・所の両選手と繋がる人々、家族の表情、
二人の背景を紹介、今日の日本メジャー格闘技破綻のトリガーとなった
谷川氏までもが登場し、以前からの懇願していた対戦だったと言い放つ。
高鳴る気持ちを抑制しつつ両者の入場を見守る。舞台は整い場内の熱気と
緊迫感は最高潮となり試合が開始された。
が、たった39秒で斗いは決した。
開始早々、飛び込んできた所選手の足払いでバランスを崩され後転、
そのまま亀の子状態でパウンドを喰らい続けるルミナ選手を見て
レフリーは試合を止めた。勝者の所英男選手は呆然とした表情で立ち尽くし
目前の出来事を受忍できず、長い静寂が金網の内側と外側を包んでいた。
こんなことは誰も想定していなかった。対峙した二人さえも。
惨敗という次元ではない、ただただ凄惨な光景でしかなかった。
「何もできなかった」敗戦の弁としてよく耳にする言葉だが、無冠と言えど
修斗のカリスマ、佐藤ルミナの余りに無抵抗な姿、我々の知る銀狼は
こんなレベルの選手ではなかった。皮肉にもそんなトラジックな想いを
手応えなきまま勝者とされた所英男の顔色が代弁してくれていた。
格闘技バブルの絶頂期だった2002年11月、東京ドームでPRIDE.23を
観戦していたら、偶然にも隣の席が佐藤ルミナ選手で休憩時間中、
PRIDE参戦について質問してみると彼は端的に「自分は修斗なんで」と
答えた。その紛うことなき一言にはっとして愚問の非礼を謝罪した。
その後、彼は”日本格闘技界、最後の大物”として実際に何度もオファー
されたそうだが、結局、一度も外のリングへ上がる事はなかった。
対照的に修斗の後輩たちは次々へと大金が渦巻くメジャー団体へと
参戦して脚光を浴び、一時は富と名声を手に入れもしたが格闘バブル
崩壊という大きな渦に拐われた今、希望と行き場を失い埋もれかけている。
ただ一人、修斗に生きた狼は今回、愛息に己の斗う姿を魅せたいという
想いで試合に挑んだ。ファイターとして屈辱的な結果であっても初志貫徹の
佐藤ルミナが敗忘されることはない。それは彼がプロシューターとして
刻んできた生き様をファンや関係者は敬服しているのだから。
忘却されかけ試合がしたいと彷徨っている選手とは対照的である。
2012年07月24日
夢を少し後ろから
需要と供給バランス
格闘技には縁遠い言葉に聞こえるが、何事も基本は同じ。
どんな仕組みもINPUTとOUTPUTが両立して初めて循環
していくもの。格闘技も選手がいて、ファンがいて、スポンサー
がついてこそプロスポーツとして成立していた。
日本プロ格闘技に君臨してきたK-1とDREAMという2大メジャーが
消滅してしまった今、ジムや道場運営者は選手を上げれるリングが
限定され、門下生も減り経営は苦しくなるばかり。
また、所属するプロ選手たちも闘える機会が激減し、以前より安い
ギャランティーの小規模大会で必要以上に出場枠を奪い合っている。
そんな閉塞感の漂う格闘氷河期な現在でも、選手たちは志高く持ち
直向きに格闘技と向き合っている。
どんなに逆境でも習練を怠らず、不安と孤独に立ち向かい、次なる
闘いに備える日々、そんな日本の希望である彼らを見殺しになど
するものか。ブームが去ったとか、人気が薄れたとか、世間一般が
冷めたとか、我々、格闘技ファンは過去に何度も疎外など経験済み。
格信犯は、これからもファイターが追う夢を少し後ろから追い続けます。
そんな我々、格信犯が追いかけている選手を紹介させて頂きます。
漆谷康宏選手 (公式Blog Good Lacqer)
第3代修斗世界バンタム級チャンピオン
UFCを主戦場とし長年所属した慧舟會からこの夏、独立しフリーに。
次戦は9月1日(土)に開催されるUFC151でハンズ・オブ・ストーンと
呼ばれし強豪ブラジリアン、ジョン・リネカー選手との対戦が控えている。
UFC初陣の敗戦後、日沖選手らと共に直ぐに渡米してヘンゾアカデミー
などで最新MMA技術を体得して帰国、現在は国内で最終追い込み中。
円熟期を迎えた漆谷選手は今、一番、強いに決まってる。
清水清隆選手 (公式Blog 清水屋)
Sフライ級キング・オブ・パンクラス
所属ジムの解散という悲運もあったが、殺戮ピラニアこと長南亮選手が
主宰する今、格闘技界で一番勢いのあるトライブトーキョーに参加し、
新たな環境で強豪選手たちに揉まれながら修斗で戦い続けている。
3月の修斗大会で判定負けを喫した際、選手にとって最も辛いであろう
試合直後に態々、僕たちの席まで挨拶に訪れてくれた彼。
だが、あの時、彼の目は全く死んでいなかった。彼は試合を重ねる度に
スキルアップを感じる選手。次戦は8月25日(土)に開催のSHOOTO GIG
TOKYO Vol.11で修斗の叩き上げ長身の菅原雅顕選手との対戦だ。
リーチ差も体格差もあるが清水選手はスピードとスタミナで圧倒すると予測。
彼の成長幅は底なし。
麻原将平選手
RISEライト級4位
今月1日にディファ有明で行われたRISE89にて菅原勇介選手と対戦する。
1Rこそサークリングからジャブとローでリズム良く、出入り素早い動きで
菅原選手を翻弄していたが、2R以降は本来1階級上の菅原選手が前蹴りで
牽制しテンカオやハイを駆使して重たく見栄えする攻撃を繰り出す。
麻原選手も手数を落とすことなく随所で反撃するもジャッジは3−0とフルマーク
で敗戦となった。前戦の王者挑戦権を賭けた試合で敗戦した麻原選手にとっては
今回は是が非でも勝たねばならない、背水の陣の覚悟で挑んだ試合。
けれど、これで終わった訳じゃない。次戦に備え湊谷コーチの下更なる習練を
積んで再び勇姿を見せてくれるに違いない。
2012年06月04日
擬態
若年の自己顕示欲を利用する者たちが目に余る。
不適格で分不相応で我を知らず、安易に名声を求め、
恥という概念を持たず意地汚い思考で行動する者たち。
化身して自らを擬態化させてまで他人に媚びて生きる哀れさ。
そんな餓鬼の戯れを利用する大人、擁護する同類、
伊達や酔狂が文化なんて表現で持て囃されている。
僕には彼女らがこんな風に映る。
軽自動車にベンツのグリルを埋め込んでもベンツにはなれない。
自虐やパロディーでやってるなら救いようもある。
ニセモノが本物ぶるなど笑えない。
そんな偽装を良しとする風潮も気に入らない。
何の美学もない。
人間とは、生きるとは、そんな容易いものじゃない。
顔に嘘を貼り付けて胸を張って人生を歩んでいける訳がない。
幻想というのは永く続かない。
周囲の大人にとってはひとときの消費でしかなく、食い飽きれば
次を探せばいいが、主我という尊厳を無闇に切り売ってしまった
若年である当事者に対する責任はこの先、誰も負わない。
親も周囲も大人たちが昨今、無責任、極まりない。
やりすぎだ。
2012年05月29日
大乗利他
昔、日本人は他国から笑われるほど愚直で勤勉であった。
他に施しを受けるは恥、働かざる者食うべからず、
と教えられ、遠慮と配慮を美学とし、ボロは着てても心は錦と
貧しくとも気高く誇りを持って忍耐強く生き抜き、大乗利他の精神で
自分が食えなくとも家で待つ親兄弟を必死に養った。
次課長・河本とその母親、姉、叔母
この問題を国会まで取り上げた片山、世耕の両議員、
吉本興行、周囲の擁護する芸人や有名人
そして、誹謗中傷をする人々
全ての人々に道徳心が欠けている。
河本の家族は貰えるモノは貰っておけ、皆、やってる。
国会議員は問題を大袈裟に扱えば世論の支持を容易に得られる。
擁護派は悪い人じゃない不正じゃない、人権侵害だ!と問題すり替え。
批判派は鬼の首をとったごとく、許されないぞ!と過剰に糾弾する。
得したい、絶対に損したくない
敬われたい、絶対に嫌われたくない
自身には寛大で他人には狭量
極悪ではないが人格劣等というか皆、下品だ。
偽りと卑しさに支配された者たちの上っ面には反吐が出る。
この散々たる現状を見ていると敗戦権益に群がった人々の
主導により施された日本の教育は根本から大事なモノが
欠けていたのだろうと思う。
道徳というカリキュラムは存在したが、本来の意味とはかけ離れた
在日や同和の得権益者を正当化する刷り込みばかり。
日本人は罪人、日本国は悪国、そうやって民族否定をされて
愛国心を削がれ、国家に好感を持つ国民はなくなり、
戦後復興は経済発展であり、それが残された唯一の
外部に対する国勢誇示、国力だと国民は信望した。
結果、国は豊かになり万人の生活も豊かとなったが、
戦後60年を経過した頃から日本経済は伸び悩み陰りをみせ
多くの日本人の安定した人生は脆くも消え去った。
人口は減少し自殺者は増加し、希望より諦めを口にする国民で
溢れていった。不安やストレスはやっかみへと姿を変えて、
法令遵守の名の下に自分よりも安定した者を陥れるかのごとく
他人の粗探しに躍起になったり、頭打ちとなった商いは子供や
老人という社会的弱者から搾取する横着者が横行し、
また、それを黙認する風潮が蔓延り、儲かるならば何でも良し
として紛い物宗教や犯罪に至るまでモラルやポリシーを喪失し
索漠とした社会に成り下がっている。
我欲と利他
我々は生きる権利を有しているんじゃない、多くの人によって
生かされているんだ。自己都合よりも先に考えるべき大事が
あるはずだ。
生活保護費だけじゃない、この国の殆どの公的な場面で
不正というモノが存在している。
昨年の震災後に日本人は目覚めたのではなかったのか、
今、団塊ジュニアと言われる我々世代が食い止めなければ
この国は崩壊する。
だから、根幹から引っくり返すならば今しかないんだ。
先人に恥じぬ様、日本国を未来の子供たちに受け継いで
いかねばならない。
追伸
児童や生徒に今、この本を読ませるべきだと思う。
「利他」 人は人のために生きる
瀬戸内寂聴 稲盛和夫 共著

2012年05月23日
シンパシー

元K-1富平辰文さんと元パンクラス王者の和田選手
僕ら格信犯が大阪と東京で別々に出会った二人の格闘家
キックボクシングと総合格闘技、別々の道を歩んできた二人
そんな二人を結びつけたのは我々、格信犯ではない。
天下無双の空手家、塚本徳臣という存在が二人を共鳴させた。
その男に挑んだ富平さん、その男を仰いだ和田さん
長い格闘技キャリアで武神の光輝に触れてきた二人が
互いにシンパシーを感じるのは当然であった。
富平さんが和田さんに語りかけ
和田さんが富平さんに応じる
かくも贅沢な時間はゆっくりと流れていった。
格闘技が好きで良かった。
そしていつか叶うならば生ける伝説となった塚本師範も交えて
打撃論を教授頂きたい。

この男だけは二人を引き合わせたのは自分や!と
自分の手柄と言い切り一番、ハシャいでたが・・・
5月15日(火) 渋谷 ゆきだるまにて



