「ねえ、そんなに毎日、飲んで朝方に帰ってくる生活で、誰と暮らして
いるか、認識があるの?」
と、新婚当初、聞いたことがあります。
当時、職住接近とばかりに、彼は、六本木の自分の事務所と
自宅がほんの数十メートルの距離に借りていて、広告プロダクション
経営という仕事柄、行動範囲も就労時間もまったく、掴めない生活でした。
平日、私といるのは、夜、夕食がてら飲みに行くときだけ。
後は、誰と一緒にいるのやら。
彼曰く、
「どんなことがあっても、帰るよぉ。だって、そこに自分の荷物があるもん」
私がいるから、帰るというよりも、自分の所有するものが、ある場所が、
帰る場所であるというような、言い方です。
結果、朝方になってしまっても、かなり、泥酔していても、確かに、
彼は、家に向かって帰ろうとするようです。
これは、着替えたいとか、家の布団で寝たいという何か理由がある行動という
よりも、そうせねば、いられないという感じです。
つまり、彼の持ち物と一緒にいる私のところに、彼は、外で、誰と過ごしても、
必ず帰る習性があるということらしく、だから、安心して待っていなさいと
いうことなのかもしれません。
・・・・・・・ なにが安心?
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