息子は、私と夫と妹に毎朝、起こされ、叩き出され、
なんとか、授業日数を満たし単位を落とさずに、
高校を卒業した。
卒業することと、その先の進路を考えるという二つのことが、
同時に考えられないことを、年末に本人も気づき、私も納得したので、
卒業式まで、先のことは忘れた。
そして、卒業式の後は、私はおこずかいも与えず、息子がどうやって
食べていこうとしているのか、ただ見て見ぬふりで過ごしている。
家で、夫が時々持って帰るコンビニの廃棄を食べながら、昼夜逆転の
生活をいつまで、続けるのか、
でも、ここで、仮に私がわめいたところで、彼は動きはしない。
彼が納得できなければ、どうやっても、動かないことを、世間が、
理解できなくても私だけは知っている。
彼は、夫の息子だけあって、生きる力は、ゴキブリ並みである。
だから、私がしてあげられることは、何もない。
昨夜、その息子が、わざわざ、別居している私の家に来てたずねた。
「ねぇ、僕って、どこがお父さんと似てる?」
息子が、夫の事を自ら口にした。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
息子は、長く父親を嫌っていた。
息子は、小学校高学年になる頃から、夫に
叱られ続け、理不尽に怒鳴られ、家を追い出されてきた。
叱られ始めるとそれは、何時間にも及んだ。
答えられない質問を問われ続け、答えても、答えても、
解放されることはなく、追いつめるように、執拗に問い続けられる。
そして、最後に、叱責は、態度や言葉遣いにおよび、
出て行けと怒鳴られ、息子はいつも、静かに家を出て、何時間も彷徨した。
息子は、夫に反抗するよりも、大人になる事を選んだのだ。
息子には、小さい時から怒りという感情が乏しかった。
息子に対する虐待に近い仕打ちを、誰よりも認識していたのは、夫自身だった。
夫は、息子が、学校から『命の電話』のカードをもらって来るたびに、
カードを壁に貼って言った。
「僕に虐待されていると思った時は、ここへ電話をしなさい」
私には、
「僕は金属バットで息子にいつか、殴り殺されると思う。」
と語った。それでも、夫は自分を抑えられない。
息子は、金属バットを手に取ることなく、命の電話をかけることなく、
夫を避けるために、生活リズムを変え衝突から逃れた。
夫が寝静まるのを、見計らって、そっと家に戻ってきた。
息子は、夫よりも、はるかに大人の対応をとってきた。
長い間、息子に夫の話に触れることがタブーになるほど、息子は、
夫を嫌っていた。
息子は、自分に夫の血が流れていることを悔やみ、恨んだ。
私になぜ、あれを夫にしたか責めた。
自分は夫と全く違う生き方をすると誓うことが、息子の精一杯の反抗だった。
特性が夫と同じ事を起こさせる息子に腹を立てた私が、
「そんなところがパパにそっくり」と言ってしまった時には、
見たことがない形相を浮かべ、地獄から這い出てきたような声で、
「それだけは、言わないで欲しい」と唸られた。
そのセリフが、数日のちも繰り返されるほど、私は彼を傷つけた。
その息子が、自ら夫と自分の共通点をたずねてきた。
なんとか、授業日数を満たし単位を落とさずに、
高校を卒業した。
卒業することと、その先の進路を考えるという二つのことが、
同時に考えられないことを、年末に本人も気づき、私も納得したので、
卒業式まで、先のことは忘れた。
そして、卒業式の後は、私はおこずかいも与えず、息子がどうやって
食べていこうとしているのか、ただ見て見ぬふりで過ごしている。
家で、夫が時々持って帰るコンビニの廃棄を食べながら、昼夜逆転の
生活をいつまで、続けるのか、
でも、ここで、仮に私がわめいたところで、彼は動きはしない。
彼が納得できなければ、どうやっても、動かないことを、世間が、
理解できなくても私だけは知っている。
彼は、夫の息子だけあって、生きる力は、ゴキブリ並みである。
だから、私がしてあげられることは、何もない。
昨夜、その息子が、わざわざ、別居している私の家に来てたずねた。
「ねぇ、僕って、どこがお父さんと似てる?」
息子が、夫の事を自ら口にした。
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息子は、長く父親を嫌っていた。
息子は、小学校高学年になる頃から、夫に
叱られ続け、理不尽に怒鳴られ、家を追い出されてきた。
叱られ始めるとそれは、何時間にも及んだ。
答えられない質問を問われ続け、答えても、答えても、
解放されることはなく、追いつめるように、執拗に問い続けられる。
そして、最後に、叱責は、態度や言葉遣いにおよび、
出て行けと怒鳴られ、息子はいつも、静かに家を出て、何時間も彷徨した。
息子は、夫に反抗するよりも、大人になる事を選んだのだ。
息子には、小さい時から怒りという感情が乏しかった。
息子に対する虐待に近い仕打ちを、誰よりも認識していたのは、夫自身だった。
夫は、息子が、学校から『命の電話』のカードをもらって来るたびに、
カードを壁に貼って言った。
「僕に虐待されていると思った時は、ここへ電話をしなさい」
私には、
「僕は金属バットで息子にいつか、殴り殺されると思う。」
と語った。それでも、夫は自分を抑えられない。
息子は、金属バットを手に取ることなく、命の電話をかけることなく、
夫を避けるために、生活リズムを変え衝突から逃れた。
夫が寝静まるのを、見計らって、そっと家に戻ってきた。
息子は、夫よりも、はるかに大人の対応をとってきた。
長い間、息子に夫の話に触れることがタブーになるほど、息子は、
夫を嫌っていた。
息子は、自分に夫の血が流れていることを悔やみ、恨んだ。
私になぜ、あれを夫にしたか責めた。
自分は夫と全く違う生き方をすると誓うことが、息子の精一杯の反抗だった。
特性が夫と同じ事を起こさせる息子に腹を立てた私が、
「そんなところがパパにそっくり」と言ってしまった時には、
見たことがない形相を浮かべ、地獄から這い出てきたような声で、
「それだけは、言わないで欲しい」と唸られた。
そのセリフが、数日のちも繰り返されるほど、私は彼を傷つけた。
その息子が、自ら夫と自分の共通点をたずねてきた。
コメント
コメント一覧 (3)
私も父の前で何時間も正座させられ、理屈に合わない言葉をあびせられ、途中で父がうたた寝しても、膝を崩すことは許されず、様々な理不尽を感じながらも、お父さんはああだから仕方ないと、父に付き合ってきました。母は毎日のように殴られ、ボロ雑巾のようでした。バットで殴り殺したいと、父の寝顔を見ながら何度思ったかわかりません。家を出たくて出たくて、17歳の時、高校の卒業式の3日後には上京していました。
今頃になって、あの頃言えなかった言葉が込み上げて、あの時の嫌だと言えなくて辛かった感情に押し潰されそうになります。仕事中にフラッシュバックが起きてフリーズしたりします。あまりに辛いので、アダルトチルドレンを扱っているカウンセリングルームに通っています。
発達障害は怖いです。
コメントをありがとうございます。パートナーとの破局をむかえるきっかけが、子供であるケースはとても高いと思います。
自分のことは、どうにかなっても、子供のことは、耐えられなくなるのが、親なのではないでしょうか。同時に、自分の子供時代に戻る方も多いのがカサンドラの方ですね。
私の中のACは、今、静かに私の中に漂っています。
時折、自信を失ったり、不安に強く襲われると、そこが、激しく震えて揺さぶりをかけてくることがあります。揺さぶられた時は、泣くのも良し、怒るのも良しだと思います。
そして、また、静かに一緒にいてあげればいいと思います。
それも、大切な自分だと思って受け止めてあげればいいのだと思います。
丁寧なコメントありがとうございます。
過去の全てが今の自分を作っていますよね。過去も自分の一部だと思えばいいのですね。
心が元気になれない時も、あるがままでいいですよね。
マンションを買いました。自分と息子の為に。
でも、主人も一緒に引っ越します。仕事が見つかったので、今回は良しとしていますが、来年はどうなるか分かりません。私にとっては夫婦は相変わらず危ういままです。自分の心が不安定で、子供と自分の事で精一杯です。日々の生活を頑張るだけです。
SORAさんに出会えて良かったです。
お身体に気をつけてください。