夫ネタ★脱却!カサンドラ

13年前にASDと診断された夫との日常や日々思うことを綴ります

カテゴリ: 第二章 夫ネタ!あるあるある?!

彼に教わった事に、「人は我慢しない」という言葉があります。

 

彼には、本当に我慢がないのです。

白と黒しかないのです。
やりたいことは、その時にやるし、嫌なことはやりません。

「本当は・・・・」なんていう感情は、皆無です。

 

そうと知らなかった私は、この言葉を自分の気持ちを
よく見極めろという意味で、解釈してきました。

 

我慢は、最後まで貫いた時は、真実になるけれど、途中で、
挫折してしまった時は、浅はかな感情が露見してしまうことがあります。

 

私が、今、決めたことは、本当に、最後まで、貫けることなのか?

あとで、「本当はね・・・」なんて、泣きごとになったり、
相手に恩をきせるようなさもしい気持ちは出てこないのか?と
自分に問いかけるとき、私は「人は我慢できない」という彼の言葉を
思い出します。

 

私にとって、何が本当に、嫌なことなのか?
何が、本当はしたいことなのか?を、考えていくと、我慢はなくなり、
自らが選択した答えだけが残ります。

 


彼にこの言葉を、教わってから、私は、とても楽になりました。

自分の決めた事に、自分でけりをつけられるからです。

そして、私は、自分に正直でいることを一番に選択できるようになりました。

 


そして、同時に、自分が誰かを我慢させているのではないかと、
考えすぎることもやめられました。
人は、自分のしたいことを貫いているだけで、何者かに、
我慢させられているようなことはないのだと考えることが
できるようになったからです。

彼と別れないのは、我慢なのか?いや、我慢したことはない。

もし、我慢であったなら、とっくに別れていたはずです。

 

私は、誰のためでもなく、何のためでもなく、自分のために
彼と一緒にいる、それを自分に問いかける、ただ、それだけが
毎日続いてきたのです。



彼には、「今」しか、常にありません。

とんでもないことを言います。


「僕と会っていない時、キミが誰とつきあっても、関係ないよ。
だって、そこに、僕はいられないんだからね。
でも、僕が、キミと一緒にいたいと思ったときに、
そこにキミがいないのは、我慢できないな。」

 

おつきあいしていたころ、まだ、携帯が普及していない時代でした。
その我慢できない状況が起きたと思われる時、

電話がつながらなかったのでしょう。

ロール紙ひと巻き分の私を捜すファックスが、きたことがありました。
部屋にロール紙が渦巻いていました。


問題は、誰とつきあっても関係ないと言っちゃうことです。

自分がそこにいないものは、「今」ではないから、
関係ないと思うだけなんでしょう。


私は、束縛されすぎるのは、大嫌いですが、
日常的に、こんなことを言われつづけるのも、非常に心外、
不快なことを、わかっていないんだろうなぁ。

関係性の把握ができない彼が、物事をすっきり解決できる
わかりやすい手段として「法律」で、決めるということがあります。
 



「彼女と私とどっちが大事なの?」

答えが見つからない時に「キミだよ。だって婚姻関係にあるじゃないの」と、
彼は、自分が腑に落ちる説明に走ります。


聞きたいことは、そんなことじゃないのよぉぉぉぉぉぉぉ~!

って、普通の女性には、わかってもらえますよね~?この会話の憤り。

 

人間関係の把握や感情を言葉にできない時に、彼が白黒はっきり事を
整理するには、しばしば、法律用語が役立つようです。

何か、決めるときも、いつも二者選択を頭の中おいているという彼は、
法律が、とてもわかりやすい。



「〈結婚する好き〉と〈しない好き〉の違いは何?」

と聞いたら、子供をつくるか、つくらないかの違いだそうです。


「君と僕の子供は、見たいと思った。」

「だから、結婚したんだ、じゃあ、今、離婚したら、また、
  私と結婚したいと思う?」

 

ここで、彼は、嘘でも結婚したい!とは言わない。

 

「もう、今から、子供はつくらないから、しないと思う。

でも、一緒にいたいと思うけど・・・」

 

もし・・なんて未来のことは、考えられないもんね。
正直なので、あやふやになる。

嘘がつけない。彼の中にないものはない。


年商から考えると月40万のタクシー代は、経費として問題がないという
ルールや、
クライアウトとの打合せ時間が、14時だと14時に家を出るルールとか、
(これは、
Aさんに使用する時間設定として14時を約束したのだから、A
さんのために動き出すのは14時~というこだわりがあるそうです)
彼の問題がある行動には、実は、彼の中の独自のルールがあります。

 


後天的に、世間のルールに修正しようとしても、ファーストインプレッション
で、刷り込まれた自分のルールは簡単には解除されないようです。

 


息子も、20分で行ける通学路になぜ、2時間かかるかというと、
歩道のタイルの歩き方が決まっていたり、必ず立ち止まるお店があったり、
出来上がった彼の中のルールが、解除できないからです。

 

彼にとって、腑に落ちない世間のルール、自分と折り合いのつかない生活の
中で、とてもわかりやすいのが、法律です。
辞書も大好き。
何冊も収集しています。
基盤になるルールが彼には必要なのです。

法律によって、進行していく裁判も、わかりやすい出来事として大好きです。

 

メディアでとりあげられる裁判にも、自分の興味の対象だと見解を
よく話しますが、身近な出来事でも、裁判ごとになりそうなものは、
首を突っ込み、聞きたがります。

勝てそうな内容であれば、自分がやりたくなって、うずうずします。

通常の感覚だと煩わしく思う裁判の手続きや人と争うという心情的な
負担は、彼にはありません。

 

そこに関係する人達に対しての思い入れは、皆無です。
ゲームのように、勝ち負けだけを考えていきます。

 

もし、あなたが、ものすごく恩を感じている方に訴えられて、
裁判で争うことになったら、どうするの?と聞いたら、
裁判で自分を訴えたということ=自分の敵になったということだから、
勝つだけと答えました。

 

裁判の話は、彼の考え方が、とてもよくわかる例です。

争いごとで味方につけている時は、心強い人ですが、私は、一生、
敵には、まわしたくないと思う人でもあります。

彼は、買い物に一緒に行くと、なんでも触ります。

特に洋服は、ハンガーから取るより、先に、指先で布地を触る。


たぶん、普通の人の感覚の何十倍?何百倍も、感触の違いに神経を
尖らせているんだと思います。

どれぐらい触感に鋭敏かというと、子供の時に、お母さんと買い物に
行ったときに触った服地をいまだに覚えているぐらい。


食べ物の舌触りも、うるさい。
焦げ目とか、魚の焼き具合のほっくら加減とか。


困ったことに、女性も、触って確認が、必須事項です。

初恋だと思った瞬間、初体験です。
前日まで、女の子の前だと真っ赤になって、
話せなかった男の子だったそうですが。
「好きなものは好き 」が、子供だったから、もっとストレートに
出ちゃったのね、きっと。

おつきあいして、思っていた触感と違うと、いきなり、別れるわけにいかず、
かなり困るそうです。


嗅覚も、鋭敏です。

デパートの香水売り場や、コスメティックコーナーには、近寄れません。
鼻が壊れます。


何にもつけないでくれとそのままでも、十分にあなたの臭いがあるからと
言われます。


ちょっと、嫌です。


逆に、けがした後の痛みや発熱には、頓着しません。
自分が、38度ぐらいでも、働き続けるので、発熱で休む人に厳しいです。
計らなければ、いいんだと言います。

すねが肉離れを起こした時も、歩けないはずなのに、歩いて帰ってきたし・・・。
医者に行った時は、重症で、筋肉が離れているどころか、バラバラでした。
 

我慢強くて、立派だと思った時もあったけど、どうも鈍感なだけ?らしい。

病気に気付かずに、いつのまにか悪化している時がやっかいです。

 


「ねえ、そんなに毎日、飲んで朝方に帰ってくる生活で、誰と暮らして
いるか、認識があるの?」

と、新婚当初、聞いたことがあります。


当時、職住接近とばかりに、彼は、六本木の自分の事務所と
自宅がほんの数十メートルの距離に借りていて、広告プロダクション
経営という仕事柄、行動範囲も就労時間もまったく、掴めない生活でした。

 

平日、私といるのは、夜、夕食がてら飲みに行くときだけ。 

後は、誰と一緒にいるのやら。


彼曰く、
「どんなことがあっても、帰るよぉ。だって、そこに自分の荷物があるもん」

 

私がいるから、帰るというよりも、自分の所有するものが、ある場所が、
帰る場所であるというような、言い方です。

 

結果、朝方になってしまっても、かなり、泥酔していても、確かに、
彼は、家に向かって帰ろうとするようです。

これは、着替えたいとか、家の布団で寝たいという何か理由がある行動という
よりも、そうせねば、いられないという感じです。

 

つまり、彼の持ち物と一緒にいる私のところに、彼は、外で、誰と過ごしても、
必ず帰る習性があるということらしく、だから、安心して待っていなさいと
いうことなのかもしれません。
・・・・・・・ 
なにが安心?

彼は、浮気の概念自体ないし、日ごろ交流している数々の女性との
距離感が、わからない。

そもそも垣根が、低いのですから、相手次第というところが、
あります。

 


「ご飯つくるのに、一人も、二人も同じだから、
一緒に食べない?」と自宅に招かれるから、遠慮なく、
通っていたら、「あのね、材料代もただじゃないんだけど!」と
最後に、言われて行くのをやめたとか。

 


「おいでって言われたから、行っていたんだよ、時間ないから、
せかして食事して帰ろうとしたら、怒られた」って、
それ、食事じゃなくて、ゆっくり時間を
共有したかったんだと思うよ、たぶん。
共有感が、わかんないよね。



想像力?はすごいのです。

 

旅行に、行く気がないのは、行こうと思って、想像した途端に、
すでに行った感覚になってしまうからだそうです。


ナイアガラの滝を、蛇口から流れる水道水から、想像して、
感動できるみたいなので、行く気がしない。

 

時折、頼んでいたことが、放置されていることがあります。

たとえば、メールの返信を頼んだり、封筒の投函を頼んだり、
ゴミ捨てを頼んだり。途中で放置されちゃう。

 

ここまでやったのに、なぜ?と聞くと、8割やったあと、先を想像して、
やった気になっちゃうとか。そうなんだぁ??????


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 過去の失敗や経験にとらわれ過ぎて、上手くいかない人や、
未来を心配して、動けない人のための自己啓発を目的とした成功本を
読むと彼には、必要のない本だなあと思います。

 


彼には、今しかないから、好きだと思ったとたん、告白しちゃうし、
欲しいと思った瞬間、買っちゃうので、
悩むというプロセスがない。

 

徹底的に、自分が常に主役の生き方で、被害者意識も皆無です。


誰かのせいにすることもない。
潔く、責任感の塊のように見える時があります。

できないことは、しないし、したいことはするだけです。

 

今しかないという彼は、過去も振り返えらせないし、
未来も考えさせません。

 

彼のこの生き方は、真似られるものなら、真似た方が、
楽で楽しい生き方になるはずです。

それがなかなか、できないから、人は悔やみ、悩み、本を読んだり、
将来に不安を感じたり、 
セミナーを受けたり、
発想を変える工夫をしたりするのでしょうけれど。

 

ちなみに、彼はなんの工夫なく、できていることですから、
苦労している人の気持ちはわからないし、アドバイスももちろんできません。


「みんな、なんか複雑で大変だね~、面倒なんだね~。」と言うだけです。

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