夫ネタ★脱却!カサンドラ

13年前にASDと診断された夫との日常や日々思うことを綴ります

カテゴリ:第二章 夫ネタ!あるあるある?! > 「まずは、敵を知るべし?解決方法、ご提案」

同じASDでも、違う二人。
怒りの概念がない息子、楽しみの概念がない夫。

夫には、視覚的な伝達方法が有効だと気付いてから、
カードをつくったことがあります。


彼は、話しているうちに、身ぶり手ぶりも、声も大きくなり、
だんだん、相手に威圧感を与えるように、
エスカレートしていくことがありますが、本人は、まったく、気づかないのです。

もちろん、相手が、怖がっていることも、わかりません。

「声を荒げないで」と、口で注意しても、こういう時は、耳に入りません。

そこで、イエローカード・レッドカードを思いつきました。

激情度別に、顔を黄色と赤のカードに描いて、彼に話の途中に示してみたのです。

 

これは、有効でした。
取り合えず、彼の視覚に入ると、言動が止まって、若干トーンダウンしました。


のちに、アカンパニストの柳下先生に、たくさんの感情を表す顔の書いたカードが
SST用にあることを教わりました。

 

感情の概念の欠落は、人によって違います。

彼には、楽しいという感情が、希薄です。

息子には、怒りの感情が、希薄でした。

息子は、小さい時に、嫌な思いをしても、にこにこするばかりで、
怒りを表せませんでした。せいぜい、困った顔が、できるのがやっと。

だから、息子は、怒りの感情を現す言葉を後で少しずつ自分で学習していったようにみえます。

息子は中学3年の今になって、とってつけたような《言い返す言葉》を使うようになりました。

 

夫は、嬉しいという感情を表す表情を後天的に自分で工夫してつくっているようです。
営業で、人に対応した時に、気づいて工夫したそうです。

 

たとえば、私が、プレゼントを彼にあげたとします。
そのままだと、無関心そうに、
(むしろ、もらうのが億劫そうなぐらいに見える)
ありがとうと言われて、
物足らないので、私は「嬉しい?」とむりやり聞きます。

すると、彼は「嬉しいよぉ」と顔を恵比寿様顔にして、笑います。
これも、たぶん、相手に感情を伝えようとするパターン化した努力なのだと思います。


主人を動かすコツは、お願いでなく、命令です。


何でも、安請け合いする彼にも、やりたくないこともあります。


私『ねえ、このセミナーね、子供と一緒に参加してくれないかな?』

彼は、団体行動が大嫌いですから、セミナーなんて、出たい訳がありません。


主人『ねえ、それって、お願い?命令?』


私は、瞬間、自分に自問自答します。
どうしたいか?
答えは、どうしても出てもらいたい。

『命令』

『わかった』


彼は命令だと、自分の中で、それを仕事モードに切り替えて、
私情をはさまない回路に自らをチェンジするそうです。


彼の中の言葉のスイッチを見つけるのがコツです。


でも、間違えて押しちゃった時は、大変。

地雷を踏んだ時は、大爆発です。

最近は、お互い学習したこともあり、


「それって、爆発する発言なんだけど、続ける?」と彼も警告し、
私も、納得できない自分の感情をぐっとおさえて、不毛な

言い争いを避けるために、口を閉じます。




メールが、なかったころ、彼は、クライアントに、
ミーティングの内容を、後でまとめて、FAXさせていました。


話したことは、その場で、忘れてしまうからです。


彼には、視覚的な方法で伝達しないと、記憶に残らないので、
今は、FAXではなく、メールが役立ちます。


家で話したことも、「それ、明日、メールして」と言われます。


メールでは、書く側が、感情的な内容は避けて、
情報を整理して、箇条書きにするので、
彼にとって会話よりも、
わかりやすいのだそうです。


壁に、TODOリストを貼っておく方法は、
期間を何日までときめておけば有効ですが、
ただ貼っておくと、何年も、そのままで、黄ばんでしまうまで、
貼ってあるだけになります。


その日、その日に、繰り返し催促できるメールは、
付箋やFAXよりも、彼には有効です。


ただし、彼に答えられないような感情を問うような内容のメールは、
いつまで、たっても、返事はきません。


箇条書きの感情抜きの明快な指示。これがコツです。






彼と暮らしていて、学んだことは、「あ・うん」の呼吸でわかりあえるとか、
「空気みたいな存在」のような関係は、虚像だということでした。

そんな関係を望んでいるカップルには、夢を壊すようで、ごめんなさい。

 


お互いが一緒にいるためには、常に確認しあう。

話し合う。確かめ合う。

それをしなかったことでトラブルが起きても、後で、とやかく言わない。

 


相手によかれと思って、勝手にやったことが、相手にとって嬉しいことか
どうかなんて、わからないし、それは、身勝手で、一人よがりな感情でしかない。

 


だって、一緒にいても、各々でしかない彼に、空気で何を伝えろというのでしょう?

 


私が勝手にやっていることを、彼が実は気づいていて、
喜んでいるなんて、「ありえない」事象です。

 


確認しないことは、私の手落ち、私の手抜き、私のおごり。

相手が聞いてこないのは、相手も私のように、コミュニュケーションベタで、
聞くのが、苦手なのかもしれない。
だったら、私から聞けば良いのだというように、考えるようになりました。

 


だから、私がいつも心がけているのは、

「大切に思っている人には沈黙でなくコミュニュケーションを。」

です。

言いにくいことであれば、なおさら、言わないと。
確認しないと。呑み込んでしまいそうな言葉を、勇気をもって、口にする。

 


私は、対人関係に、内心、臆病で、コミュニュケーションベタなんですから、
これは、かなり、意識して、自分を奮い立てないと、出来ないことです。

 


彼は、私のように、こんなにごちゃごちゃと考えては、いないはずですが、
私は、彼にこんな風に、しばしば、大切な考え方の気づきをもらいます。

私は、物事をどちらかというと、察してもらいたいタイプです。

人にものを頼む時もついつい婉曲な頼み方をしがちな性格です。


ところが、彼には、まったくこれが、伝わらない。


仕事からすごく疲れて帰ってきて

『今日はすごく疲れているの』などとつぶやいても、

『あっそ』で、終わり。


『ご飯つくったら、後はお願いできるかな?』とさらに、
私としては、かなりはっきり言ったと思うセリフでも


『何を?』


ここで、私もキレて『洗い物してくれますか?!』と
剣呑な口調になって思わず言うと、

主人は『なんだ、初めから言えばいいのに・・・』ときょとん。

 

こんなことを繰り返す中で、私は、学習しました。

かなり、かな~り、明確に、
細かく箇条書きで、指示しなくちゃいけないのだ!ということを。


『その方が、僕はわかりやすいし、
キミが不快になられるより、うれしい。』という主人の言葉を信じて、
今日まで、紋切調で指示し続けています。

紋切調というよりも、箇条書き調という方が正しい。
頼む理由も、前置きも一切なく、指示します。


なぜなら、長いセリフは、頭に残らないし、
頼む理由は、彼には、関係のない私に起きていることでしかないからです。

 

一回に一つの指示が基本です。

『10時までに台所の食器を洗って棚に収納して。』

『コーヒーは新しく入れなおして、緑のマグカップにいれて、
ソーサー付きで私にだして。』

『布団カバーは、四隅を合わせていれて。』

 

もともと、細かく指示するタイプの人には苦痛がない言い方も、
苦手な私には、言う度ごとに、実はストレスですが、
これも、私にとって明確な指示ができるトレーニングに、なっているかもしれません。

 

私は、たまに、何も言わないのに、ニュアンスで動いてくれる人に出会うと、
魔法使いに出会ったように驚き、感動します。

 

「言わなきゃ、わかんないでしょ。」と、彼との生活の中で、
数限りなく、私は言われてきました。


私は、自分の意見を上手に伝える事が苦手でした。


上手く言えなくて、言い方が、感情的になってしまったり、
言うことを初めからあきらめていたり、ニュアンスで
伝わらないことで、怒ってしまったり。


私でなくても、誰にでも、ある経験だと思います。


彼には、ニュアンスなんてものは、皆無です。

感情も、読んでくれない。


「話していないこと」なんて、わかるわけがありません。


だから、普通の人の、何倍も、白黒はっきり、強烈に、しつこく伝えないと
伝わらないので、それを何度も指摘されて、必然的に、
私は、トレーニングされていったのです。


かなり、明確に伝えたと思うことも、
彼は、「知らない」と言いきります。


「先週言ったよ」「今週は言った?今週も催促しなきゃ、伝わらないよ」
彼は、結果、伝わってなければ、伝えていないお前が悪いと、
まったく譲りません。


この容赦のないトレーニングによって身についた慣習は、
仕事で、役に立ちました。


連絡したつもり・・・、相手が理解したつもり・・・のミスを
私は、仕事で回避することができるようになったからです。


「連絡しなくても大丈夫かなぁ」「した方がいいよ」


彼には、人に何回、同じことを言っても、
恥かしいとかしつこいと思われる回路はありませんから。
仕事だったら、目的を確実に達成するために、
するべきことは、するべしと回答するだけです。


もともと、そそかっしい上に、どちらかという人と連絡をとることが
億劫な私でしたが、彼に強制的に身につけさせられた慣習のおかげで、
連絡や確認が、億劫でも、できるように、自己変革できたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

私自身は、実は、コミュニュケーションに乏しい家族の中で、
育ちました。家族間で、ほとんど会話がない。

両親とも、兄弟とも腹を割って、話し合った記憶も、
大喧嘩した記憶すらない。


社会人になってからも、人つきあいには、
いつも自信が持てずに、自分を上手く伝えられなくて
悔んでばかりいました。

人に嫌な思いをさせたのではないかとくよくよ過ごすこともありました。


私は、8年ほど前から、コミュニュケーションスキルを
いくつか学び始めましたが、それは、もっと円滑に、
人と関わりたいという長年の願いが、あったからからです。


アスペルガーの彼は、対人関係が苦手な私に
コミュニュケーションが上手にいくためのスキルをいくつも、
教えてくれました。


彼は、たぶん、私より、人とのつきあいに、わからない感覚が
たくさんあるはずなんですが、その分、自分で、上手くいくコツを、
身につけて克服してきたのだと思います。


そのひとつに『ご相談があるのですが・・・』

という言葉があります。

『大切な人に失礼がないように、お時間をもらうには、
どうしたら良いかしら?』

そんな風に、彼に相談したような記憶があります。


目上の人に、自分の意見をどうしても、聞いてもらう必要が
あった時だと思います。


『ご相談があるのですが・・・』誰でも、使っている言葉なのかも、しれません。


でも、私は、もっと紋切調で、『私の意見を聞いてください!』なんて、
訴えて玉砕するキャラクターでした。


使ってみるまで、この言葉のニュアンスに気づきませんでした。


どんな相手でも、どんな案件でも、とりあえず、
相手に、大きな責任も、決断も負わせずに、話すことができる
魔法の言葉として、今も使う度に彼に感謝してしまいます。


彼は、こんな言葉を、距離感をつかめない相手とのコミュニュケーションにおいて、
必然的に、学んでいて、私に教えてくれたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

IQは130愛嬌は200」と、自分でジョークを飛ばしていましたが、
彼は、なぜか、人に好かれます。

お客さま相手の仕事でありながら、私から見ると失礼三昧。



まず、当然、遅刻します。
だって、打合せの時間になって、
はじめて気づいて、自分の仕事場を出るのですから。

すると、クライアントは、次から、彼に一時間早い打合せ時間を
教えてくれるのです、嘘をついて。



たまに、ちゃんと着くとびっくりされたとか。



あと、どこの会社にいっても、すぐに打ち解けてしまいます。
人の事務所に行って、待ち時間があると、対応する女性を制しながら、
勝手に、冷蔵庫を開けて、ビールを飲んじゃったり、
コーヒーメーカーでコーヒーをいれていたりします。



彼曰く、
「今思うと、客が『そんなことされなくて結構ですから・・』という言葉が、
遠慮しているのか、嫌がっていたのか、ニュアンスが
わかんなかっただけなんだよね」



そのキャラクターに親しみをもたれた会社だけが、
取引先に残っていったのですね。



彼は、アイデアがつきない企画屋として、イベント現場では、臨機応変、
縦横無尽に対処できるイベントマンとして、仕事のリピートは続きます。



反対に、彼ができない仕事は、ルーチンワークだったと思います。

コツコツしたことの繰り返しを、新人のころに
やらされていたら、どの仕事も一週間もたなかったでしょう。



もうひとつ、今でも彼が話す笑い話で、『絵日記業務日報』があります。



入社当初、営業だった彼は、社に戻ったら、
業務日報を書かねばならなかったですが、文章を書くより、
ついつい絵を描いてしまう。



タクシーに乗れば、タクシーの絵、会社に行けば、ビルの絵というように、
ほとんどがイラストでつないだような日報になり、上司に叱られたそうです。





 


 


 


 


 


 


 


 


 


 

このページのトップヘ