2004年05月05日

ウラン兵器

劣化ウラン(DU)弾についてのたいへんわかりやすい記事を見つけたので紹介しよう。

「至る所でDU弾汚染が広がっていた」

この文章のタイトルを、僕は「ウラン兵器」として、「劣化ウラン弾」とはしなかった。それは、この記事で次のように書かれていたからだ。

「汚染調査の報告の前に、「劣化ウラン」について少し言わせてください。というのは、私は「劣化ウラン」という言葉に多少こだわりをもっているからです。原子力産業および核兵器産業は、核分裂反応というウラニウム特有の物理的性質を利用して、発電や核爆発を行うものです。そこで使われる核分裂性のウラン235同位体は、自然界から採取した天然ウランには0・7%しか含まれていません。残りの99・3%は核分裂しないウラニウムのため、資源価値のない「劣化ウラン」と呼ばれる。

 これはウランに対する差別でしてね(笑)。「劣化ウラン」といっても、原子力産業や核兵器産業にとって資源価値がないというだけのことであり、れっきとしたウランに他ならない。むしろウラニウムという物理的な存在においては「本体」であり、235の方が不純物といえるでしょう。ですから私は「ウラン兵器」とは言いますが、「劣化」という言葉は使いません。」

「劣化」という言葉は、あくまでも商品価値が「劣化」しているという意味で使われているのだそうだ。決して兵器としての威力が「劣化」しているのではない。むしろ恐ろしい兵器であるのに、この言葉から、その恐ろしさが伝わってこないと言う悪しき影響があるように感じたので、「ウラン兵器」という言葉を僕も意識してみた。

この「ウラン兵器」は、元々が対戦車用の兵器として開発されたようだ。次のような記述がある。

「周知のとおり、DU弾はウラン金属の持っている物理的性質を極めて巧妙に利用した対戦車用の兵器です。戦車の装甲板は10センチ弱のかなり厚い鉄板で出来ている。そういうものを打ち抜く力を持った砲弾としては、硬くて重いウラン金属は大変性能がいい。衝突した瞬間に戦車の装甲板を突き破り、突き破ると同時に発火して3000度ぐらいの高温で燃える。貫通する瞬間から燃え始めて、中に入って火の玉になるので、中の兵士は瞬時にして炭になってしまう。アルジャジーラが作成したドキュメントにも炭化した兵士の写真が出てきます。」

しかし、藤田さんが調べた結果では、「バグダッドの中心部にある計画省にいくと、壁にはボコボコ穴が空いており、庭にはおびただしい数のDU弾が散乱している」と言うことだったそうだ。藤田さんの話では、戦車のような熱い鉄板を通過するようなことがなければ、この「ウラン兵器」は発火するようなことはなく、抜けるだけなんだそうだ。それ自体では爆発するようなことがないらしい。それなのに、なぜ建物なんかを撃つんだろうか。藤田さんの話では、遊んでいるようにしか見えないという話だった。これだけの環境汚染をもたらすものを、遊びで撃ち込むほど、米軍のモラルは低下しているのだろうか。

この「ウラン兵器」の問題を藤田さんは次のように指摘している。

「一つは、ウラン金属そのものです。純粋100%のウラニウムは天然には存在しないため、普通大学や研究所で扱う時には厳重に管理します。そういうウラン金属がごろごろ転がっている。この場合はまだ金属のままなので汚染は始まっていません。ですから今のうちに回収することは十分可能です。」

「2つ目は、地中に埋まった弾です。地面に撃ち込まれたものは時間とともに水溶性ウランに変わって生態系に影響を与えます。これに対する予防的な措置としては、まずイギリス軍およびアメリカ軍がどの地域にどれだけのウラン弾を使用したのかを公表することです。その地域については、深さ2メートルまで全部掘り起こし、一発残らずDU弾を回収すること。これは次世代に対する我々の責任です。」

「3つ目は戦車に当たりミスト化して大気中に拡散したものです。これについては残念ながらなんの対処のしようもありません。」

もしこの問題の指摘に、誠実に応えることがなければ、アメリカと、それを支持した日本も、正義や民主主義という大義名分が、すべてウソであったことを告白するようなものだろうと思う。僕は、アメリカや日本が言っていることがウソであると感じているだけに、この「ウラン兵器」に関しても、誠実な対応がされることはないだろうと思っている。悔しいことではあるけれど。

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この記事へのコメント
コメントありがとうございました。

情報が溢れる現在という状況の中で、何が信頼できる情報なのかの判断基準を持っているといいですよね。僕が「劣化ウラン」関係の記事で信頼できると思ったのは、この記事を書いた藤田さんです。藤田さんが信頼できると思ったのは、その論理の一貫性です。ご都合主義的に主張が変わるのではなく、一貫して自己の論理に忠実な判断をしていると思えることが、信頼できるという判断につながっています。
Posted by 秀 at 2004年05月06日 08:45
「漠然と怖いこと」が
「はっきりと怖いこと」になったら
人にも伝えていきやすいので
ありがたく読ませていただきました。
よ〜く、わかりました。
と同時に理不尽さに腹が立ちました。
知ったからには、自分のできることをしていきます。

Posted by まだ考え中 at 2004年05月06日 00:50