September 28, 2006

★極楽坊(ごくらくぼう)の秋

    元興寺(がんごうじ)極楽坊の秋極楽坊の秋(●地図)












 数日前、地元では(萩の寺)として知られる元興寺(がんごうじ)極楽坊(ごくらくぼう)を訪れました。
 そういえば、昨年も同じ頃に(萩の花が見たい)と秋篠寺を訪ねたことを思い出します。落ち着いた静かな奈良のお寺には、萩の花がよく似合います・・。

 拝観受付のおじさんが
(いい気候になりましたねぇ。)と声をかけてくださいました。
(ほんとに・・。自転車で来たんですが、とっても気持ち良かったですよ。)
(どちらからですか?)
(近くなんです、市内から。萩のお花がきれいだと聞いて・・。)
(そうですか。どうぞゆっくりご覧になってください。)

 平日だったので、もっと人が少ないのかと思っていましたが、境内に入ると、写生をする人やカメラを構えた人たちがたくさん来ておられました。

 萩の花は、お寺全体では(五分咲き)といったところでしょうか。本堂前の萩の花は、まだ咲き始めといったところでしたが、本堂やその後ろにある禅室を囲むようにして、萩の花が咲いていました。
 ★本堂(曼陀羅堂)南面      ★禅室
曼陀羅堂(本堂)禅室





 ここのお寺で驚いたのは、本堂には、仏さまではなく、曼陀羅図が祀られていたことでした。(智光ちこう曼陀羅)と呼ばれ、奈良時代の終わり頃、このお寺から出た智光(ちこう)というお坊さんが描かせたという曼陀羅図です。智光が住んでいた僧坊に、この曼陀羅図が祀られたことにより、この本堂は(極楽坊)あるいは(曼陀羅堂)と呼ばれるようになりました。板に描かれた曼陀羅図は、今は彩色がはげ落ち、年代を感じさせるものでしたが、この絵を見て、中世の人々が(極楽浄土)を願い信仰を深めていったのも、うなずけるような気がしました。
 本堂は、鎌倉時代に再建されたものですが、禅室は奈良時代の僧坊の遺構といわれ、昔ながらの風情を残していました。
 
 境内には、百日紅(さるすべり)木槿(むくげ)芙蓉(ふよう)といった花々も、夏の名残りを感じさせるかのように咲いていました。
    
木槿(むくげ)        ★芙蓉(ふよう)木槿(むくげ)芙蓉(ふよう)





 

 元興寺は、もともと日本最初のお寺である(飛鳥寺)を、平城遷都に伴ってこの地に移したお寺だそうです。当時は、東大寺に次ぐ大きなお寺で、大伽藍を誇っていました。この(極楽坊)は、その時の元興寺の一坊に過ぎず、元興寺の金堂や五重塔・講堂の跡には、もう一つの(元興寺)があります。(●地図

 中世以降、元興寺は次第に衰え、広大なお寺の敷地には、民家が建ち始めました。そういうお寺の境内の中にできた町では、土の中から御仏がおでましされることも多くあったようで、そういった石仏はこの元興寺に寄せられてきたと言います。
 このお寺の南側の庭には、そういう石仏が並べられ、桔梗(ききょう)彼岸花がお供えの花のように、寄り添って咲いていました。
  石仏・彼岸花・桔梗彼岸花・桔梗・石仏    ★お地蔵さんと彼岸花石仏と彼岸花   







   ★白花彼岸花白花彼岸花
 私がよく来る猿沢池の近くに、元興寺極楽坊がありました。夏のJoさんの『元興寺拝観』記事に触発されて行ってきましたが、(近くに、こんないいお寺があったなんて・・。)と新しい発見をしました。(Joさん、ご紹介してくださってありがとうございましたm(_ _)m。)



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この記事へのコメント
元興寺

 夏の暑いさなかに出かけました。もう秋ですね、お地蔵さんの周りも彼岸花が咲いていますね。夏の桔梗は未だ咲いているんですね?

 奈良時代には大きなお寺だったそうですが、今はひっそりとして、”穴場”ですね?沢山のカメラマン諸氏はおられませんでしたか?業界筋では有名だそうですからね。(笑)

 萩が見事ですね、家内もほかもさんの写真を見て喜んで、いましたよ。
Posted by jo at September 28, 2006 19:25
5
>joさま

 ありがとうございます〜。

 joさんが行かれた時には、本堂の前には(蓮)の鉢が置いてありましたね。
また、秋とは雰囲気が全然違いますね。

 南側の墓地?に、本格的なカメラマンさんがたくさんいらっしゃいました。
大きなレンズのカメラを片手のカメラマンが男性も女性も・・。
あの場所は人気があるんですねぇ。

 私のいつもの散策コ〜スの近くに、あんなに由緒あるお寺があるとは、知りませんでした。
こちらこそ、いいお寺を紹介していただいて、ありがとうございましたm(_ _)m。
Posted by ほかも at September 28, 2006 21:02
おはぎとぼたもち

 萩の花はいいですねえ。
秋篠寺の写真も見直して、へえ〜そうだったんだと、若年期を思い出します。
日本古来の花なのだろうなあ、と想像します。
国立には萩はあまり見当たりません。
木が(行方定まらず)という風情なので家の庭には植えにくいのでしょうか。
我が家の萩は今年は不調でほとんど花をつけませんでした。

 ところで、(はぎ)と言えば(おはぎ)というのがこの季節あったなあと古い記憶が蘇りました。
アレは萩と関係ないのだろうか、と例によってグーグルに聴きました。
春は(ぼたもち)秋は(おはぎ)。
春と秋のお彼岸のころの同じような食べ物なのですね。
牡丹と萩。
日本人は家の襖にも自然を呼び込んだし、食べ物にも・・・。
お後がよろしいようで・・・。
Posted by ふうてん at September 29, 2006 04:24
5
>ふうてんさま

 昨年、新薬師寺に(声明と聖歌)というコンサートを聴きに行ったとき、新薬師寺の(萩)も見事でした。
あいにくの雨だったんですが、雨に打たれしなだれた萩も、なかなか風情がありました(笑)。

 時々、庭に(萩)を植えられているお家もみかけます。
咲き終わった花は、地面に落ちて花のじゅうたんのようになっています。
家で植えるには、花びらの掃除とか、枝の剪定とか、結構難しい植物じゃないでしょうか。

 春は(ぼたもち)秋は(おはぎ)
・・・エエッ〜!季節によって呼び名を変えてたんですか。
(牡丹餅)と(お萩)なんですね。
ワタシャ、一年中(おはぎ)って呼んでますが・・。
あ〜、ゴクリ。(おはぎ)が食べたくなってきました(笑)。
Posted by ほかも at September 29, 2006 08:02