キッチンカーの開業、とは…【商材編】

吉清です!

多分、誰からも求められてない気がするけど、テレビの「ノンフィクション」を見て、思ったことを!

いや自分も開業して11年、何というか、そろそろ業界的なことを書いても許される気がして笑

たまーにこのブログの一番最初の開業までの流れを見てくれている人もいるみたいだし、自分のこれまでを振り返る目的のためにも、ちょっと書いてみます。

今回は、商材について!

「タマネギカツレツ」に「おかゆ」ねえ…もう商材を見ただけで、「あっ…」ってなっちゃいました。

「誰もやってない商材でやる!」みたいな気持ちはわかる(自分も「点心」って誰もやってないじゃん!で始めたので)んだけど、なぜ誰もやってないのか?は重要。

それって「誰かが一回やってみたけど結局売れないからやめちゃって、今は誰もやってない」だけの可能性があるよね。

「俺がパイオニアだ!」なんて思ってたら
実はもう既に誰かが一回通った道。
売れないから今はやってないだけ。

おかゆの人とかいた気がするけど、今もいるのかなあ?あんまり聞かない。

ビジネスの基本は「売れている商材をベンチマークする」ことだと思うし、現にキッチンカーもそういう人が多い。

自分の知ってる「流行りメニュー」は、

最初期は「カレー」

次に「ガパオ」とか「グリーンカレー」とかのタイ料理

その次が「タコライス」とか「ローストビーフ」かな?

ちょっと前は「チキンオーバーライス」

みんな、売れてるから、売れそうだから、それで始める。売れなくなったらそっちに方針転換する。

多分、これはビジネスとして正解なんだろうと思う。ぶっちゃけ、似たようなキッチンカーばっかりでつまんないなとは思うけど、売れなきゃビジネスとして成立しないし、やる意味がない。まあ真似すらできない、美味しい店の劣化版にしかなれずに辞めちゃう人もたくさんいたけど。

自分も「点心」で始めるぞー!って思った時に、

「点心なんて誰もやってないし、シューマイ好きな人たくさんいるでしょ!これはウケるぞ」

なんて思って始めたものの、実際は全然。
開業当初はまーったく売れなかった。

「なんでだ?こんなに手間暇かけて美味しいものを作っているのに…?」

たくさんキッチンカーが集まる現場に行っては、他のお店の行列を眺める日々。

ローストビーフのお店には30分以上並んで待つのに、待たずに買えるウチの店は見向きもされない。

そんな悔しい思いする日々を1年くらい続けた。

売れる商材には理由がある。
誰もその商材をやってないのも理由がある。

みんながタコライスやってるのは、タコライスが売れるからだ。タコライスって聞けば共通する味のイメージが持てるし、安心して買える。

逆に言えば、味のイメージができないものは買いにくい。なら安心できる方を選ぶのは当然。

それがわかっていても、自分はオリジナルで勝負したかった。誰かの真似だけは絶対にやりたくなかった。

だって「あーこういうキッチンカーよくあるよねー」とか思われるの、絶対に嫌だもん。

せっかく「自分の店」が持てるのに、売れる商材を真似して売るなんてつまんねえ!

だから商材を真似するのではなく、「売れている商材に共通すること」は何か?それを考えた。

たくさんキッチンカーが集まる場所に行って、売れてる店をチェック。売れてない店のものも両方買って食べ比べて、満足度を比較する。

休みを使って、都内の有名現場はほとんどチェックした。一番行列している店のメニューは全部写真に撮った。並んでいる時は前の方のお客さんが何をオーダーしてるのか聞き耳を立てて、メモった。

ピークタイムが終わったらお店の方に話を聞いた。蛇足だけどそこから関係ができて、本格開業してから現場を紹介してもらったりもできた。

結論



「わかりやすい肉」



売れてるキッチンカーは、みんな肉。
わかりやすく肉が乗ってることが重要。

そこに気づいた。

「誰もやってないオリジナルのメニューで、かつ、肉」

そこで思いついたメニューが「台湾まぜごはん」だった。

9F158759-C709-49CD-A635-790A915E71FE


ウチの近くのラーメン屋さんで「台湾まぜそば」を食べて「これお肉使ってるし、ガパオもタコライスもひき肉だし、麺をご飯にしたら…?」と閃いた。

ここから、全てが変わった。

色々自分なりに肉の味付けを考えて、これをリリースしたら、結果全然変わった。ウチの店のメニューを見て「この台湾ナントカ美味しそうー!」みたいに言ってくれる人が増えた。当然お客さんも増えた。

「台湾まぜごはん」はウチの店を変えるきっかけになってくれた、恩人ならぬ恩メニュー。あとラーメンるい◯さん

「やっぱり!やっぱり肉だ!」と確信した自分は、次はお客さんに安く提供できる鶏のメニューを充実させようと「ホロホロ鶏ごはん」「麻辣鶏飯」をリリースしたら、これもたくさんのファンがついてくれた。

そして、点心は単体では輝けなかったけど、メインのおかずプラスアルファの「掛け算」としてはものすごい可能性があった。

「メインだけでも美味しいのに、それに蒸したてアツアツの点心がつくなんて!」

そう言ってもらえるようになった。

こうして、売れるキッチンカーのメニューの本質は残しつつも、きちんと「蒸したてアツアツの点心」という、自分の店のオリジナルを出すことができた。

言ってしまえば、どのメニューも自分のオリジナルなので「いや全然ビジネスの正解じゃないじゃん!」って感じだけど、本質さえ外さなければきちんとビジネスとして成立させつつ、オリジナリティを出せるということがわかった。

相変わらず初見では「え、これ何のお店?中華?よくわからんない」みたいに言われるけど、常連さんがついてくれるところにいけば美味しさはわかってくれるし、自分もそういう動き方をしている。

ビジネスとして成功するためには「売れている人たちをベンチマークすること」、これがやっぱり大事。

売れてるキッチンカーから学ばせてもらう。
ど素人の発想なんて、たかが知れている。

テレビに出ていた若者も、売れなかったら学ぶべきだった。売れているキッチンカーから。

そこのベースを作ってから、自分のオリジナリティを足す。そうしたらもっと成功したんじゃないかなあ。

自分が開業した時よりも、肩に乗れる巨人はいっぱいいただろうから。その人達の力を借りれば良かったのになあって思う。

自分が思いつくだけでも、

基本のパティのチーズバーガーにポテト、それに加えて「タマネギカツバーガー」がある!とか。

おかゆの人なら、トンポーローとかわかりやすいお肉のおかずのご飯を「おかゆ」にする!とか。

シューマイ足したって、シューマイで成功しているキッチンカーほとんどいないでしょ?あれ?いるっけ?まあその店はめっちゃこだわって作ってるからなー笑

あと、テレビに出ていた2人とも、やたら「ヘルシー」を売りにしていて、「ターゲットはOLさんとか…」って言ってたんだけど、これ、現場に出てる人が見たらみんな笑っちゃったと思う。

マクドナルドのサラダマックがビジネス的には失敗だったのは有名な話。

OLさんはヘルシーなもん食べないよ。
みんなガッツリ食べたいんだよ。

いま、期間限定でチャーシュー丼出してるけど、買うのは圧倒的に女性が多い。ご飯の量は減らす人も多いけど。

そもそも「キッチンカーのメシ」が何を求められているのか、理解しないまま始めちゃったんだろうな。

正直、自分も現場に出て気付かされたことだけど、そういうのって車をリースする会社とか教えてあげなかったのか、それとも聞いていたけど聞く耳を持たなかったのか。

これもやっぱり「ヘルシーメニューのキッチンカー」が成功しているのかしていないのか、そういう先人の歴史から学べば全然違ったと思うんだよな。

100万円も出して開業したのに、何だかすごく勿体無いというか、やれることはまだたくさんあったのにな、そんなふうに観させていただきましたとさ。

その他にもたくさん思ったことはあるんだけど、これだけでもめっちゃ長くなっちゃったので何回かに分けてまた書きます。気分で笑

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!

「坦々風豚肉シチュー」終了しました。

吉清です!

昨日、新メニューの「豚肉と香味野菜のオイスターXO醬炒め」、スタジアムデビューとなりました!

White Green Modern Food Promotion (Flyer)のコピーのコピー


皆さんからの反応も上々で、本当に感謝です。ありがとうございます!

それに伴って、今まで提供していた「坦々風豚肉シチュー」は一旦お休みということになりました。

そして、この「坦々風豚肉シチュー」に関してはちょっとした思いがあるので、ブログで書かせていただきます。

実は、この「坦々風豚肉シチュー」、思いついた時には自分の中でも「久しぶりのヒットか?」と思ったメニューでした。

まず、ウチの店は「創作中華」を謳ってはいるものの、やはり「どんな味か想像できない」と言われてしまうことが多く、それでなかなか選んでもらえないことがあるのかな?というのが悩みでした。

そこで季節ごとの新メニューにはわかりやすさ、味のイメージしやすさを念頭において色々作ってきたのですが、そこに「オリジナリティ」を上手く融合させられないか、と考えた末に生まれたメニューが「坦々風豚肉シチュー」でした。

担々麺!
シチュー!

これはイメージしやすいだろ!と。

今にしてみれば「担々麺とシチューが一緒になるところが想像できない」と言われるだろそりゃ、という反省はあるのですが、やはり中華メニューの中でも親しみのある「担々麺」のテイストを自分のお弁当の中に取り入れつつ、オリジナリティを出した美味しいメニューを作れたぞ!という達成感がありました。

実際に、こちらはすぐに人気のメニューとなり、平日のランチでも必ずこれを頼む、というお客さんもかなりの数いらっしゃいました(ありがとうございます)。

正直、このまま定番メニューにしてしまおうか、と思っていたくらいでした。

しかし、そうすることはできませんでした。
かなりショッキングな出来事があったからです。

2024.5.3の日産スタジアムでの出店の時です。

営業終了後、片付けをしている時に「ゴミ袋がちょっと重たいな」と思い、中を見てみたら、ほとんど手付かずの「坦々風豚肉シチュー」がそのまま捨てられているのを見つけてしまいました。

10年間の営業の中で、お弁当がそのまま捨てられている、ということは一度もなかったので、心の底からショックでした。

何がいけなかったんだろう?
考えた末に、二つ思い当たる節がありました。

その日は最後まで残ったメニューが「坦々風豚肉シチュー」だったのですが、最後の方にお子さん連れの方が並んでいました。

その方に「子供でも食べられますか?」と聞かれたので、自分の感覚で「はい」と答えてしまいました。

ひょっとしたら「坦々風」はお子さんには辛かったのかもしれません。お子さんが食べられずにそのまま捨ててしまったのかな、と。

自分の感覚で「シチュー」の部分で辛さはだいぶマイルドになっているだろう、と思っていたのですが、もうちょっと考えてから答えるべきでした。

あと、同じ日の最後の最後くらい、キックオフギリギリの時間で並んでくれた女性のお客さんに「あとは坦々風豚肉シチューしかないんです」とお伝えしたら、

「え、何それ?テンション下がるわー」

と言われてしまいました。


そうか、このメニューはテンションが下がるのか…それでそのまま捨てられてしまったのか…?

ひょっとしたら辛そうだからか…?

よくよく考えてみたら、この日のメニュー4種類のうち、全く辛さがないのは「ホロホロ鶏ご飯」しかなく、辛いものが苦手な方が並んでしまったあとにそれが売り切れてしまったら、並んでくれた方に選択肢がなくなるんだよな…

「創作」と「定番」の融合、などというのはあくまでもお店目線の話。自分の中でいいな、と思っていても、お客さんの目線ではまた違った視点が必要になる。

自店のメイン営業は平日のランチだから子供さんは買いに来ることはまずないし、最後に一種類しか残らないということも滅多にないけど、土日の出店は同じ考えじゃダメだよな…

泣けてくるほど反省しました。

ということで、今夏からの新メニュー「豚肉と香味野菜のオイスターXO醬炒め」は豆板醤などの辛味を全く使っていない、食べやすい美味しさとなっています。

もちろんただ辛くないだけでなく、オイスターソースとXO醬を使った「海の美味しさ」を存分に味わえるように、たっぷりお肉を入れたお弁当です!

…というのがメニュー交代の経緯なのですが、

10年間もお店を続けさせていただいて、日産スタジアムでも本当に本当にありがたいことにご好評いただき、少し自分の中に「緩み」があったのかもしれません。

これを機に、メニュー開発だけでなく、仕事の基本姿勢をもう一度考えなければいけないな、と強く思いました。

何年やっても、反省することばかり。
まだまだ未熟な当店ですが、美味しいものを作ること、それを提供すること、そこだけは外さずに、初心に帰ります。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!

雑草

吉清です!

AB62A19C-FBF2-4B66-ADB3-4560B774DD49


(コミプレ「あつあつスタグル旅」より。作者の能田達規さん、ありがとうございます!)


何だか最近嬉しいこと続きで、超絶久しぶりのブログなんか書いてみたりします。

マリノススタグルの名店!として載せていただけたり!

https://www.instagram.com/p/Cod7q_kPZkH/?igshid=YmMyMTA2M2Y=

なんと!連載マンガに掲載していただけたり!(実名ではないですが笑)

https://viewer.heros-web.com/episode/4855956445078476864

こうして「美味しい!」の思い出を「広げたい!」「みんなに伝えたい!」まで昇華していただけるというのは本当に嬉しいことですね…!

ただ、店主の性格は根っからの雑草なので、陽の当たる場所に出るのがどうも慣れないんんですよねえ…

そして、こういう嬉しいことがあるたびに、気を引き締めないとなあ…と逆に思ってしまうのです。

そこで、ちょっと過去のことを思い出しました。

http://blog.livedoor.jp/kichi_sei/archives/48669299.html

気づいたらもう6年以上前ですか。この日、吉清は1人のお客さんからクレームをいただきました。

内容としては

「動きが遅い、無駄が多い。チンタラやってるように見える」

「並んでいる間に買おうと思っていたメニューが完売していた」

「こんな店が横浜を名乗らないで欲しい」

という内容でした。

最後のことは主観ではありますが、指摘されたことに関しては何も反論できません。仰る通りでした。

開業間もない時期で、ズラーっとお客さんが並んでしまうような状況が初めてだったということもあり、頭は大混乱、オペレーションもめちゃくちゃでした。意見をくれた方だけでなく、皆さんにご迷惑をかけたと思います。

現在では「ワンオペにしては早いよね」という評価をいただいております。スタジアムでは2回に1回の確率で2人体制になりますので、なるべくお待たせしないように努めます。

完売についてはブログでも理由は書きましたが、現在でもなかなか解決は難しく、普段のランチや日産スタジアムでも営業の終わり近い時間には全てのメニューから選べない、という状況になってしまっています。

キッチンカーの宿命ではありますが、少しでも魅力的なメニューを増やして一つの人気メニューにオーダーが集中するということを避けられるようにする、という努力はこれからも続けていきます。

そして、最後です。あの頃はまだ「横浜」を名乗るには相応しくない店だったかもしれません。しかし、今となってはあのご指摘をいただけたからこそ「絶対に横浜を代表するキッチンカーになる!」と気持ちを強く持てたと言えます。

まだまだ名店はたくさんあります。「ウチが横浜代表だ!」などと烏滸がましいことは言えません。が、「横浜を盛り上げるキッチンカーの一台」としてなら、いま胸を張って言えます。

6年以上経っているのだから、これくらいの成長は当然成さねばならぬことです。それでもまだまだ理解のあるお客さんに助けられています。お客さん、管理してくれている皆さんの温かく受け入れてくれる気持ちで成り立っていることは言うまでもありません。

大切にしていただけるからこそ、こちらも全力で応える。できることを増やす。改めて気持ちを強く持ちます!

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!

追伸 

今の大河ドラマ、主人公は徳川家康なんですね。家康公のエピソードで一番好きなのはこれです。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/徳川家康三方ヶ原戦役画像

諸説あるみたいですが「慢心を自戒して生涯座右に置いた」という話が好きです。自分にとって2016.10.16のブログはこの肖像画と同じようなものです。
ギャラリー
  • キッチンカーの開業、とは…【商材編】
  • 「坦々風豚肉シチュー」終了しました。
  • 雑草
  • 甘え
  • 甘え
  • 本気出します!
  • 本気出します!
  • 本気出します!
  • 残念、残念だなあ…