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昨日はエルビスの特集に夢中になって寝るのが2時になってしまった。
それゆえに普通ならば、通勤時間は眠くてしかたがないのに、
この本に夢中にさせられた。
茶事に関わった25年間が凝縮されて綴られている。
その丁寧な文体と茶事にまつわるエピソードに何度も感動をした。

映画『道』を若き頃に観たのだが、年を経てから観たときに、
知らないうちに心を魅了されて泣いていたというエピソードから、
自分も『道』を再度観てみたいと感じた。

さらに、正月の茶会に呼ばれた際に観た、
古臭いと思っていた日本の文化。
それが、ことのほかモダンでこれこそが異国人が絶賛した
日本の「伝統」であると心底感じたと綴っている文書に打ちひしがれた。
伝統は接してこそわかる気がする。

さらに、簡単だと思っていることこそが難しい。と書いてあった。
こういう文章にあたると自分は『夢十夜』の運慶と快慶の
エピソードを思い出す。

この本は、茶事を通して何度も感動させられる本で、誠に良い作品だ。

昨日、文庫の「解説」の素晴らしかった本を2冊紹介したが、
この本の解説もまたよかった。解説をしているのは、柳家小三治師匠。
小三治師匠が時には独演会での落語を中止して、
この本の文章を豊かに朗読することがあるという。
茶事を通して感じる部分を丁寧な文章で、「言葉」として
表現している。それを小三治師匠は日々声に出して読んでいるようだ。