俺が片思いの子の人生を壊した話
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160901-10

1 :名無し:26/07/29(水) 23:33:51 ID:HkYO主
俺のスペック〜
・今年で三十路。
・普通の社会人としたら働く。
・隠キャ

俺が大学一年の頃の話。



公立の大学で友達作りの壁にぶち当たっていた中、
写真サークルに入った。
理由なんて大したことない。
新歓で飯を奢ってもらって、そのまま流れで入っただけ。


3: 名無し:26/07/29(水) 23:34:22 ID:HkYO主

カメラなんて持ってなかったから、最初は中古で二万円くらいのミラーレスを買った。
初心者は結構いた。
その中にYさんがいた。
別に目立つ子じゃない。
モデルみたいに綺麗なわけでもない。
サークルのアイドルでもない。
大学に行けばどこにでもいそうな普通の女の子だった。


7: 名無し:26/07/29(水) 23:35:18 ID:O9QW

隠キャは草

8: 名無し:26/07/29(水) 23:35:23 ID:HkYO主

髪も肩くらい。
化粧も薄い。
服もユニクロとかGUが多かったと思う。
今思えば、同年代の子の中でも胸は結構大きかった子だった。
だからといって別に男子にも注目されていたわけでもなかった。
でも、不思議と誰とでも普通に話せる子だった。


11: 名無し:26/07/29(水) 23:36:23 ID:HkYO主

俺とYさんは同じ初心者同士だった。
活動中も
「これどう撮るんだろ。」
「逆光って何?」
そんな話ばかり。
帰り道も方向が同じだった。
自然と駅まで歩くようになった。
気付けばLINEも毎日していた。


15: 名無し:26/07/29(水) 23:37:03 ID:HkYO主

授業が終わると
「今日の空きコマ暇?」
そんな連絡が来る。
昼飯を食べたり、
課題をやったり、
写真展を見に行ったり。
恋人じゃない。
でも大学では一番一緒にいる時間が長かった。
周りからも
「また二人?」
と言われるくらいだった。


22: 名無し:26/07/29(水) 23:37:56 ID:HkYO主

昼休みになれば、
「学食行く?」
とLINEが来る。
空きコマがあれば図書館。
サークルの帰りは駅まで歩く。
別に恋人みたいなことは何もない。
手も繋がないし、映画を見に行っても現地解散。
でも、その距離感が心地よかった。
俺は勝手に、「この関係はしばらく続く」と思っていた。

24: 名無し:26/07/29(水) 23:38:30 ID:HkYO主

十月の終わりだった。
サークルの写真展の片付けをしている時、三年の先輩がYさんを外に呼び出した。
先輩は高身長で茶髪。しかも頭も良い方らしかった。顔はというと高橋文哉似。


26: 名無し:26/07/29(水) 23:39:03 ID:irU4

よくこんなに思い出せるな

28: 名無し:26/07/29(水) 23:39:13 ID:HkYO主

「ちょっと話ある。」
そんな感じだった。
俺は特に気にしなかった。
十分くらいして二人が戻ってきた。
Yさんの顔は少し赤かった。
目も少し潤んでいた。
俺は鈍感であったから多分充血してるのか?と思って
「どうした?」
と聞くと、
「……なんでもない。」
そう言って笑った。


33: 名無し:26/07/29(水) 23:39:53 ID:HkYO主

その日の帰り道。
Yさんは駅で立ち止まった。
「ごめん。」
「ん?」
「今日、一緒に帰れない。」
先輩が改札の向こうで待っていた。
その時点で何となく察した。
「そっか。」
「またLINEするね。」
「うん。」
その「また」は、その日来なかった。


36: 名無し:26/07/29(水) 23:40:34 ID:HkYO主

翌日の昼。
スマホが鳴った。
Yさんだった。
「昨日ね。」
「先輩に告白された。」
心臓が止まりそうになった。
画面を見つめたまま、五分くらい返信できなかった。
何を書けばいいのか分からなかった。
結局、
「おめでとう。」
それだけ送った。
すぐ既読が付いた。
「ありがとう。」
「実は前から少し気になってたんだ。」
その文を読んで、スマホを伏せた。
俺はその日、一日中何も頭に入らなかった。


38: 名無し:26/07/29(水) 23:40:59 ID:87FX

フラれたほうなのかよ

41: 名無し:26/07/29(水) 23:41:32 ID:HkYO主

付き合い始めてから、Yさんは変わった。
昼休みは先輩と食べるようになった。
帰りも先輩と帰る。
土日も先輩。 
サークルの中では先輩の公式彼女ということでもてはやされることも多くなった。
LINEも激減した。
毎日続いていたやり取りが、週に一度くらいになった。


43: 名無し:26/07/29(水) 23:42:11 ID:HkYO主

それでも、
「最近ごめんね。」
「今度またご飯行こう。」
そんなメッセージは送ってくれた。
俺も、
「気にしないで。」
と返した。
本当に気にしていないつもりだった。

でも、人間ってそんなにできてない。


45: 名無し:26/07/29(水) 23:42:39 ID:HkYO主

スマホを開いても通知は来ない。
サークルでも、Yさんは先輩の隣にいる。
前なら俺に最初に見せてくれた写真も、
今は先輩に見せてからだった。
たったそれだけなのに、胸が苦しかった。
「恋人ができるのは普通。」

頭では理解していた。
理解しているからこそ、自分の嫉妬が情けなかった。


46: 名無し:26/07/29(水) 23:42:52 ID:L73y

わっふるわっふる

48: 名無し:26/07/29(水) 23:43:06 ID:HkYO主

十二月。
サークルで一泊二日の撮影旅行があった。
海辺の町だった。
昼間は灯台や港を回り、夕方には海に沈む夕日を撮る。
夜は旅館で宴会。
部屋の真ん中にはノートパソコンが一台置かれ、撮った写真をその場で映してみんなで笑っていた。
酒も入り、だんだん場が散らかってきた。


49: 名無し:26/07/29(水) 23:43:32 ID:87FX

サークルって旅行も行くの?

54: 名無し:26/07/29(水) 23:44:17 ID:erlL

>>49
サークルなんて多田野学生の集まりやから
仲良ければ行くで

56: 名無し:26/07/29(水) 23:44:36 ID:87FX

>>54
そうなんや

50: 名無し:26/07/29(水) 23:43:32 ID:HkYO主

先輩が俺に声を掛けた。
「悪い、スマホの写真まとめてPCに移しといてくれない?」
「明日の朝みんなに配りたいから。」
俺は酒を飲んでいなかった。
「いいですよ。」
先輩は充電ケーブルごとスマホを渡してきた。
「写真アプリ開いたままでいいから。」


53: 名無し:26/07/29(水) 23:44:06 ID:HkYO主

部屋の隅でノートパソコンに繋ぐ。
スマホの画面がそのまま表示される。
今日撮った写真が並んでいた。
海。
集合写真。
夕焼け。
俺は必要なフォルダを選んでコピーを始めた。
進捗バーが動く。俺はそれを見つめる。
「残り三分。」
暇だった。


58: 名無し:26/07/29(水) 23:44:44 ID:HkYO主

何気なく画面を見た。
先輩のホーム画面。
LINEのアプリが目に入った。
その時は本当に悪気はなかった。ただ、興味があったから、LINEアプリに指をタップしてしまった。
人付き合いの上手い先輩だったからか、やはりトーク画面にはすごい数の友達らしきLINEアイコンが並んでいた。
殆どが名前も知らない人たちのLINE。


62: 名無し:26/07/29(水) 23:45:18 ID:HkYO主

だが、YさんのLINEネームが目に入った。
反射的に進める手を止めて、Yさんと先輩のトークを見る。
「今日の講義疲れた」
とか、
「次どこいく?KFCにでも食べにいく?」
とかの他愛無い話だった。
さすがサークル公認カップルといったところか。


64: 名無し:26/07/29(水) 23:45:54 ID:HkYO主

先輩にも悪いし、そのままLINEを出ようと思った。だが、数ある友達リストの中で、一人のトーク相手が目に止まった。
どうやら女らしく、LINEの最新のトークがトークリストからでも見られた。その一つのトークが俺の目を止めさせた。
LINEの内容を見ると俺は驚いた。
「夏休み海行こう」
「いいね、空いてたらいつでも行くよ」
「やった♡うれしい♡」
といったような絵に描いたようなカップルトークがあった。

65: 名無し:26/07/29(水) 23:46:34 ID:HkYO主

過去のトーク履歴を漁り、先輩の二股疑惑は疑惑から確信へと変わった。
「なんだよ、コレ」
そう心の中でつぶやいた。
そして、俺は先輩のLINEを漁り続ける。
すると、さらにもう一人とのイチャイチャLINEを見つけた。
どうやら先輩は、同級生二人と後輩のYさんとで三股していたらしい。
俺はすぐにそれらの証拠をスマホで撮る。

それらの浮気相手とのピース写真などを三十枚ほど。

67: 名無し:26/07/29(水) 23:46:44 ID:GEt2

えぐw

69: 名無し:26/07/29(水) 23:46:57 ID:HkYO主

そして、そのまま、先輩のスマホの写真をパソコンに映して、何事もなかったかのように先輩にスマホを返した。

70: 名無し:26/07/29(水) 23:47:17 ID:HkYO主

その日から、先輩とYさんが一緒に話しているとこを見ると、無性に腹が立っていた。
なぜ何も無いような顔をしてYさんと話せられているのだろうか?
そういう嫉妬とも憎悪とれる感情が渦を巻いていた。


74: 名無し:26/07/29(水) 23:48:23 ID:GEt2

>>701000000正%先輩が悪い

71: 名無し:26/07/29(水) 23:47:49 ID:HkYO主

でも、Yさんはどんどん幸せそうになる。
クリスマス。
初詣。
誕生日。
サークルでも二人は公認カップル。
俺は笑って祝福する。
家に帰ると
一人で酒を飲む。
ある日の撮影会。


73: 名無し:26/07/29(水) 23:48:20 ID:HkYO主

一人の後輩が先輩に話しかけていた。
「先輩、今度レンズ見に行きません?」
「いいよ。」
その会話を聞いていただけだった。
なのに俺は、
「先輩って面倒見いいよね。」
と口を開いた。
「女子には特に。」
冗談っぽく笑いながら。


76: 名無し:26/07/29(水) 23:48:43 ID:HkYO主

その場も笑いが起きた。
「確かに。」
「モテますもんね。」
誰も深く考えていない。
ただの雑談。
俺もそういう顔をした。


78: 名無し:26/07/29(水) 23:49:03 ID:HkYO主

そして、数日が経ったころ、俺はとある策を考えつく。
先輩からYさんを助ける策を。

79: 名無し:26/07/29(水) 23:49:18 ID:GEt2

>>78
頑張れ

81: 名無し:26/07/29(水) 23:49:43 ID:HkYO主

俺は自分のスマホを手に取り、SNSで匿名の垢を作る。そして、毎日俺は自分は女なんだと妄想して、日記を綴った。
三週間ぐらい経ち、そろそろ頃合いか、と思い重い腰を上げて綴った。

『最近の私がときめいてるイケメン先輩に彼女がいたことを今日知った。ほんと最悪。しかもめっちゃ顔良いし絶対ワンチャンない』

あの日、先輩のLINEから撮った写真を貼る。


83: 名無し:26/07/29(水) 23:50:12 ID:HkYO主

指は震えていた。
「別にいいさ、きっと大事にならない。この程度でこのストレスが払拭されるなら大丈夫さ」
という思いと、
「もし、これで先輩の浮気がバレたらどうするんだ?Yさんにも迷惑がかかるかも」
ていう思いが頭の中で巡る。


だが、俺はYさんをあの不届者から助けるためにやるんだ、と正当化に似た考えをもって震える指をタップした。

84: 名無し:26/07/29(水) 23:50:50 ID:HkYO主

一週間後、再び投稿を見る。
投稿はいつも通り殆ど伸びない。
いいねも二桁ぐらい。

悔しい思いと、ほっとした感じがあった。
そしてそんなことも忘れかけていた日、教室で一人本を読んでいると耳に噂が流れ込んだ。


85: 名無し:26/07/29(水) 23:51:22 ID:HkYO主

「○○先輩、Yちゃんとは別の子とピースして自撮りしてるんだって。」
悪事千里を走るとはよく言ったものか、その日から先輩のいない場所ではその噂がよく囁かれていた。


88: 名無し:26/07/29(水) 23:51:48 ID:HkYO主

二月に入った頃。
サークルの空気は、目に見えて変わり始めていた。
誰も先輩を責めたりはしない。
でも、前みたいに話しかける人が減った。
飲み会の席でも、自然と隣が空く。
撮影会では、女子の後輩が前ほど近寄らなくなった。
何も言われない。
だからこそ、余計に重かった。


90: 名無し:26/07/29(水) 23:52:16 ID:HkYO主

先輩自身も気付いていた。
ある日、サークル室で苦笑いしながら言った。
「俺、なんかした?」
誰も答えなかった。
空気だけが流れた。
「あー……まぁ、気のせいか。」
そう言って笑った。
その笑顔が妙に痛々しかった。

93: 名無し:26/07/29(水) 23:52:43 ID:HkYO主

Yさんだけは、何も変わらなかった。
「お疲れ。」
そう言って先輩の隣へ座る。
帰りも一緒。
昼ご飯も一緒。
誰が何を言っても、
「私は信じてるから。」
その一言だけだった。


94: 名無し:26/07/29(水) 23:53:05 ID:HkYO主

でも、人の噂って怖い。
最初は、
「先輩って女友達多いらしい。」
だった。
次の週には、
「二股してるらしい。」
になった。

さらに一週間後には、
「三股してたって。」
に変わっていた。
誰もが「聞いたことある」状態になっていた。


95: 名無し:26/07/29(水) 23:53:38 ID:HkYO主

そして、矛先はYさんにも向き始めた。
「知ってて付き合ってるの?」
「利用されてるだけじゃない?」
「え?Yちゃんソープとかそういう仕事やってるって噂じゃなかった?」
「えぇ?じゃあ先輩だけじゃなくて他にも…?」
「類ともねぇ…(類は友を呼ぶの略語)」

そんな言葉を、本人のいない場所で耳にするようになった。


97: 名無し:26/07/29(水) 23:53:59 ID:HkYO主

誰か一人が言ったわけじゃない。
みんな少しずつ。
責任の所在が分からないまま、言葉だけが積み重なっていった。


100: 名無し:26/07/29(水) 23:54:32 ID:HkYO主

その日のサークル。
Yさんは来た。
笑っていた。
でも、前みたいな笑い方じゃなかった。
誰かと話していても、
どこか無理しているように見えた。
俺だけがそう思ったのかもしれない。

撮影が終わった帰り。
駅まで歩いている時、
珍しくYさんが一人だった。

先輩は教授に呼ばれて遅れるらしい。
俺は隣を歩いた。
久しぶりだった。


102: 名無し:26/07/29(水) 23:55:07 ID:HkYO主

「最近、大丈夫?」
思わず聞いてしまった。
Yさんは少し笑った。
「うん。」
少し間が空く。
「……大丈夫じゃないけど。」
初めて本音を聞いた。


103: 名無し:26/07/29(水) 23:55:34 ID:HkYO主

「最近さ。」
「みんな避けるんだ。」
「気のせいかなって思ってたけど。」
「違った。」

少し笑った。
だが、無理やり唇の端を吊り上げているだけで目元は全く笑っていなかった。


105: 名無し:26/07/29(水) 23:56:09 ID:HkYO主

その笑顔が痛かった。
「女の子たちも急によそよそしくなって。」
「話しかけても、すぐ終わっちゃう。」
俺は何も言えなかった。


「でも。」
Yさんは前を向いたまま続けた。
「私は先輩を信じてる。」
「噂なんて噂でしょ。」
「ちゃんと本人に聞いたし。」
「全部違うって言ってた。」

俺は息が詰まった。
先輩は否定したのか。
当然だ。
俺だって同じ立場なら否定する。

106: 名無し:26/07/29(水) 23:56:40 ID:HkYO主

「だから。」
「信じる。」
その一言に、俺は返事ができなかった。
俺は何も言えなかった。
言えるはずがなかった。
この空気を作った最初のきっかけが、自分だと知っていたから。


107: 名無し:26/07/29(水) 23:57:02 ID:HkYO主

春休みに入る少し前。
先輩はサークルを辞めた。
理由は、
「家庭の事情。」
そう説明された。
大学も休学すると聞いた。
誰も詳しく聞かなかった。
いや、聞けなかった。


108: 名無し:26/07/29(水) 23:57:06 ID:VKTq

二股3股くらいゆるしたれ

110: 名無し:26/07/29(水) 23:57:22 ID:hWWl

なんかYさん憎めないわ、先輩許せんわ

113: 名無し:26/07/29(水) 23:57:41 ID:HkYO主

Yさんは、その日から一度もサークルへ来なくなった。
最初は、
「先輩と何かしてんのかな」
「忙しいんじゃない?」
そんな話だった。
一週間。
二週間。
一か月。

誰もYさんを見なくなった。


115: 名無し:26/07/29(水) 23:58:17 ID:hWWl

そしてYさんが...そんな展開やだよ?

118: 名無し:26/07/29(水) 23:58:27 ID:HkYO主

新学期。
どうやら噂…というより本当のことだが、Yさんは学校を中退していたらしかった。
俺はその噂を聞いたまま動けなかった。
周りでは、
「マジか。」

「やっぱり噂の件かな。」

「怪しいよね、やっぱり変なのやってたんでしょ」
そんな声が聞こえた。

俺は逃げるようにその場を離れた。


119: 名無し:26/07/29(水) 23:59:07 ID:HkYO主

その夜。
久しぶりにYさんとのLINEを開いた。
最後のやり取りは、三週間前。
「また写真撮りに行こうね。」
既読は付いていなかった。
画面を閉じても、その一文だけが頭に残った。
俺はずっと、
先輩からYさんだけを守りたかった。そう思っていた。
だが、どうやら俺は最もYさんを攻撃していた人間になっていたようだった。


121: 名無し:26/07/29(水) 23:59:45 ID:HkYO主

それから、十年以上が経った。

俺は社会人になった。
地方の会社で営業をしている。
毎朝七時に起きて、満員電車に乗り、夜はコンビニで弁当を買って帰る。
誰が見ても、ごく普通の人生だ。
会社では「真面目な人」と言われる。
飲み会も断らない。
後輩の相談にも乗る。
笑うこともある。
でも、それは全部表向きだ。


122: 名無し:26/07/30(木) 00:00:11 ID:PEkC主

毎年二月になると、あの頃のことを思い出す。
スマホの通知音。
サークル室の空気。
Yさんの笑顔。
全部、夢に出る。
十年以上経っても、一度も消えたことがない。

124: 名無し:26/07/30(木) 00:00:24 ID:Xenk

三股してた先輩も悪いけどね...

125: 名無し:26/07/30(木) 00:00:40 ID:PEkC主

サークルの同期とは、今でも年に一回くらい集まる。
結婚した奴。
子どもが生まれた奴。
転職した奴。
みんな少しずつ歳を取った。
でも、あの話だけは今でも出る。
酒が入ると、誰かが言う。
「そういえば、○○先輩いたよな。」
「ああ、いたいた。」
「結局、あの噂って何だったんだろうな。」
「さぁ。」
「今思えば、誰も証拠なんて見てなかったよな。」


127: 名無し:26/07/30(木) 00:01:03 ID:PEkC主

笑いながら話している。
俺だけ笑えない。


129: 名無し:26/07/30(木) 00:01:34 ID:PEkC主

「Yさん、元気にしてるのかな。」
その名前が出るたび、心臓が止まりそうになる。
「中退したあと、そのまま引きこもりなったんだって。」

「引っ越したって聞いた。」

「結婚したって噂もあったけど、本当かな。」

「えぇ?夜のお仕事でもしてるって聞いたけど」


131: 名無し:26/07/30(木) 00:02:16 ID:Xenk

噂が途絶えてないのか...
>>129

130: 名無し:26/07/30(木) 00:01:57 ID:PEkC主

誰も知らない。
本当に誰も知らない。
俺だけが、何も言えない。

去年、部屋の片付けをしていた時だった。


132: 名無し:26/07/30(木) 00:02:25 ID:PEkC主

押し入れの奥から、大学時代の外付けHDDが出てきた。
中を開くと、写真が何千枚も入っていた。
海。
紅葉。
文化祭。
集合写真。
そして、一枚の写真で手が止まった。
写真展の準備の日。
Yさんが俺のカメラを覗き込んで笑っている。
俺が撮った一枚だった。


133: 名無し:26/07/30(木) 00:02:51 ID:PEkC主

「露出、これで合ってるよ。」
そう言って笑っていた日。
その写真を見た瞬間、涙が止まらなかった。


134: 名無し:26/07/30(木) 00:03:18 ID:PEkC主

その夜、何年ぶりかにYさんの名前を検索した。
SNS。
何も出ない。

もう、どこで何をしているのかも分からない。


136: 名無し:26/07/30(木) 00:03:42 ID:Xenk

>>134
イッチにとっては悲しいな...

137: 名無し:26/07/30(木) 00:03:50 ID:PEkC主

幸せになっていてほしい。

本気でそう思う。

でも、その願いを口にする資格は、俺にはない。

今でも、あの日々を思い返す。
最初は、本当にYさんを助けたいと思っていた。
そう信じていた。
でも違った。
本当は違った。
俺は、Yさんを助けたかったんじゃない。
先輩から奪い返したかっただけだ。
その醜い感情を、
「正義」
という言葉で誤魔化していただけだった。


138: 名無し:26/07/30(木) 00:04:22 ID:PEkC主

人はよく言う。
「噂なんて、すぐ忘れられる。」
違う。
噂は消える。
でも、その噂で壊れた人生は戻らない。
俺はそれを、この目で見た。


140: 名無し:26/07/30(木) 00:04:55 ID:Xenk

イッチにもYさんにも幸せになってほしいわ

142: 名無し:26/07/30(木) 00:05:29 ID:mzdU

先輩と結婚してるかもしれない

143: 名無し:26/07/30(木) 00:05:29 ID:gc08

誰も救われないな

145: 名無し:26/07/30(木) 00:06:02 ID:YQhb

ん?なんでYさんが学校辞めた?

149: 名無し:26/07/30(木) 00:06:39 ID:Xenk

>>145
噂に耐えきれなくなったんやない?

146: 名無し:26/07/30(木) 00:06:25 ID:y8MS

自殺したって噂がないのはまあ誰も責任を負いたくないからなんやろうな

156: 名無し:26/07/30(木) 00:08:53 ID:Xenk

こういうのって何が正解がなのか分かんなくなるよな...

158: 名無し:26/07/30(木) 00:09:28 ID:y8MS

>>156
イッチの行動だけは間違いやったって言いきれるけどな

161: 名無し:26/07/30(木) 00:10:37 ID:Xenk

>>158
そうやな…