クーヤ家の日常

アニメ、特撮、映画の感想などなど。たまに小説、ssとか書きます。

アイドルマスターシンデレラガールズ CAERULA 第5話「奏は頼らない」

【アイドルマスターシンデレラガールズ CAERULA】

「おっはよー♪」
事務所のドアを開け、高らかに声を上げながら塩見周子は入ってきた。
事務所には既に4人のアイドルがソファに座りくつろいでいた。
「おはようございます」
周子の方を向かずタブレットを見つめたまま、挨拶をする橘ありす。
「キミか」
そして、相変わらず砂糖とミルクの入ったコーヒーを飲みながら、挨拶と言えるのか分からない言葉で答える二宮飛鳥。
「おはようございます…」
丁寧に頭を下げ、丁寧に挨拶する鷺沢文香。
「おはよう。最近は機嫌が良いわね」
そして、最後に挨拶の後に一言話しかける速水奏。
「んー…なんでやろなぁ?真面目にやってきたからじゃないの?」
「らしくないこと言うわね。まぁ、頑張ってるなら何よりだわ」
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アイドルマスターシンデレラガールズ CAERULA 第4話「周子は嘘つき」

【アイドルマスターシンデレラガールズ CAERULA】


「…」

少女は、自分で淹れたコーヒーにありったけ(という程でもないが割と多め)の砂糖とミルクを入れていた。

澄ました顔をしながらそれをかき混ぜ、スプーンを置くと、コーヒーを一口。

「フゥ…」

少女がカップを置くと、後ろから誰かに声をかけられた。

「そんなに砂糖とミルクを入れたコーヒーで、何カッコつけてるんですか」

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アイドルマスターシンデレラガールズ CAERULA 第3話「ボクは鎖」

前回→http://blog.livedoor.jp/kidoo0302/archives/10939366.html

【アイドルマスターシンデレラガールズ CAERULA】


「む〜〜…」

「ぐ…」

まだ始業前の事務所。そこでは、二宮飛鳥と橘ありすが互いに睨み合っていた。

その様子を、ソファに座っている塩見周子はニヤニヤと楽しそうにしながら、鷺沢文香は心配するかのような表情で見つめている。

「おはよう」

「お、おはよ〜奏ー」

「おはようございます…」

すると、事務所のドアを開け速水奏が入って来た。奏の挨拶に、周子と文香の二人は返す。

奏は、挨拶を済ませるや否や口を開きこう言った。

「あれ…またケンカ?」

もちろん、飛鳥とありすが睨み合っていることについてである。

「あー…なんかねー。いろいろあったらしいよー」

飛鳥とありすは、実に5分ほど前からずっと諍いを繰り広げていたらしい。

「大体二宮さんは何を言ってるのか全然分かりません!」

「それはキミの頭脳に問題があるんじゃないのか?もう一度一からやり直してみたらいい。まあ、今も"お子様"だし変わらないとは思うけどね」

そんな醜い争いを見て、奏はポツリと呟いた。

「…どっちも"お子様"ね…」

「子供じゃありません!」

「子供じゃない!」

しかし聞こえていたみたいで、飛鳥とありすはピッタリと同じタイミングで奏に向かってそう叫んだ。

「おっはっよー!!」

そして、またもや何者かが事務所のドアを開け入って来た。そう、この俺、プロデューサー参上。

「あれ?なんすかこの雰囲気」

俺は、事務所の空気が少し重い、というか緊張感溢れていることに気づいた。

見ると、飛鳥とありすちゃんが睨み合っているではないか。

「あ…プロデューサーさん…あの二人、止めてくれませんか…」

困っている文香は俺に向かってそう頼み込む。

「うーん…別にあのままでいいんじゃねえの?な、奏!」

「ええ。あのままでいいと思うわ。ケンカするほど仲が良いって言うからね」

「奏さん!別に私はこの人と仲良くなんかありません!」

ありすちゃんがすぐさまそう怒鳴りつけてくる。ケンカしてるのにこういう聞かなくてもいいことはなんで耳に入ってんのこの子は。

「お前らもよくケンカするよなー。と、そこでそんなお前らに仕事が来てる!」

「え?」

「ん?」

ありすちゃんと飛鳥はタイミングばっちし同時にそう答える。やっぱり仲良いよお前ら。

「なんかの飲み物の新商品が発売されたっぽくて、二人でそれの宣伝に行ってこい!」

「ちょっと待ってください…」

「なんだ、不満か?ありす…橘ちゃん」

チラッと、ありすちゃんは一瞬飛鳥の方を見つめる。飛鳥もそれに気づいたようで、なにやら不満気な表情を浮かべていた。

「いや、仕事自体は嬉しいのですが、二人で…ってことは、私と二宮さんで…ということですか?」

「うん。何か問題ある?」

ありすちゃんと飛鳥は、そこでもう一度二人で向き合い、やはり不満気な表情を浮かべていた。

「私が二宮さんとですか!?無理です!」

「ボクは構わないけど、こうも騒がれると仕事の邪魔になるかもね」

「おいおいあり…橘ちゃーん。初仕事だぞー?どんなことがあってもしっかりやり遂げるのがプロだろうが」

「仕事はやります。ですが、なぜよりによって私と二宮さんにしたのか…理解ができません!」

せっかく仕事を持ってきたというのに今度は不満不満。やっぱり子供だ、ありすちゃん。

「その仕事、プロデューサーさんは付いていくの?」

と、そこで奏から良いところを突いた質問がやってくる。やっぱり大人だ、奏。

「いや、俺はシューコちゃんと二人で別仕事」

「じゃあ私たち二人ですか!?」

「キミはついてこないのか…」

「お、仕事?」

なんでそこ一番反応遅いのがシューコちゃんなんだよ。今のどう考えても反応すべき優先ランキング第1位はシューコちゃんだろうが。本当に仕事する気あんのかこの子は。

と、まあよく考えてみたら間髪入れずにありすちゃんがそう言ってきたワケだからな。シューコちゃんが反応遅くても仕方ない。

「よし!じゃあ行ってきなー!」



第3話「ボクは鎖」


「で、あたしはなんの仕事?」

「仕事っていうか…オーディションだな!」

ありすちゃんと飛鳥のいない事務所でシューコちゃんは聞いてくる。

そう、シューコちゃんは今回、CM出演のオーディションを受けることになっているのだ。

俺はその内容を、簡単に説明した。

「へえ、良かったじゃない。周子」

「んー。でもCMじゃん?やっぱ出るならもっとババーンとドラマとかで主演張ってみんなに見られたいかなー。CMだとやる気出ないかもー。なんてね♪」

「ま、言うてオーディションに受からなきゃCMにすら出られないんだけどな!この新人アイドルめが!」

俺らが談笑していると、近くにいた文香がこんなことを聞いてきた。

「あの…なんで橘さんと二宮さんを二人で行かせたのですか…?」

「お、いい質問だな」

「二人の仲を良くするためでしょ。プロデューサーさん」

俺が答えようとした矢先急に奏がそう答えてきた。おい、俺の仕事を奪うな。

「うん…まあその通りだ!」

少し詰まりながらそう答えた俺は、奏に小声で言ってやることにした。

「奏、頼むから俺の仕事奪わないでくれよ!ただでさえ信頼無いのかもしれないのに!」

「あら、別に奪ったつもりなんか無いわよ。それより、そういうとこですぐムキになるから信頼が無いんじゃない?」

奏は苦笑交じりにそう言ってくる。くそ…勝てないぜこの女性には。

「あの二人は確かに仲が良いとはいえ、実際ぶち当たることが多いからな!二人だけにして早く打ち解ける作戦だ!まあいわゆる吊り橋効果ってやつだ!」

「そうですか…」

「とか言いながら、実はシューコちゃんと二人きりになりたかっただけだったりして♪」

そう言い俺は奏の方を見てニヤニヤする。

「あら、そうなの?プロデューサーさんは周子のことが好きなのね」

「あははー。ごめん、無理だわー」

「…」

奏、ちょっとは嫉妬してくれ。シューコちゃん、ちょっとは動揺してくれ。

「そういえば、周子とプロデューサーさんの出会いって知らないわね。教えてよ」

「話せば長くなるんだよねー。そりゃもうプロデューサー、シューコにゾッコンだったからさー」

「…」

少しはこいつらを動揺させて勝ち誇ってやろうと思ったが、逆に俺の発言が仇となりうまく利用され逆転サヨナラホームラン。というか、もう最初から勝負決まってたようなもんだわ。



それから数分後、俺とシューコちゃんは346プロダクション駐車場の車の前にいた。

「…なあ、シューコちゃん」

「んー?」

「…バイクで行っちゃダメ?」

「えー…やだわ」

俺の愛車…いや、バイクの場合愛車って言うのか?まあ単車って言うから愛車でも良いのか。いや、案外愛単車だったりして。

ってのはどうでもよくて、この京女、俺のパンペーラ250の後ろに乗らないとは良い度胸じゃねーか。

「だってバイクって、必然的にプロデューサーに抱きつかなきゃいけなくなるじゃん?なんかやだ」

そんなくだらない理由で…!くそ、大してムネも無いくせに、押し当てるのが嫌だってか!?

あ…でもプロフィールにはバスト82センチって書いてあったな…意外とある…。

「ん…ゴホンゴホン!!」

と、まあ我を忘れる前に咳払い。

「とりあえず…乗るか」

「事故らないでねー」

「…あ、ああ」


…車…か。



ショッピングモールの手前。

「お願いします」

「お願いしまーす」

ボクと、この"橘ありす"という生意気な小娘は、新商品のスポーツドリンクを宣伝していた。

近づいてきた人に、配る。かなり多くの量を渡されたこの飲み物だが、意外と減ってきている。

だが、何か違和感を感じるのはボクだけだろうか。

人通りが少なくなってきた時間を狙い、ボクは橘に話しかけた。

「…気づいているかい?橘」

「…何がですか?仕事中ですので、あまり話しかけないでください」

「通りかかる雑踏はみな、この"スポーツドリンク"というボクよりも遥かに小さいコイツに"魅せられている"」

「…何が言いたいんですか?」

全く、頭の固いヤツだ。今ので理解してほしい。

「つまり、ボクたちにアイドルとしての輝きが無い」

「…」

橘は黙り込む。この様子は理解してないのではなく、言い返せる言葉が見当たらなかったのだろう。

「…仕事に、戻りましょう」

橘はすぐに向き直る。

「…悔しく、ないのかい?」

「…二宮さんは、悔しいのですか?」

「飛鳥でいい。悔しくはない。ただ、偶像になりきれていない。これじゃあただの虚像さ」

「…」

橘はまたもや黙り込む。全く、それじゃあ集中してるのか言い返せないだけなのか分かりにくい。まあ、言い返せないだけなのだろうが。

「…私は、ベストを尽くしているつもりです。こういうものは、自然体のまま、通りかかった人に飲み物を渡す。それだけです」

橘がそう言うと、ちょうど人が通りかかる。

橘は「お願いします」と言い飲み物を渡すと、「ありがとうございます」と丁寧にお辞儀する。

通りかかった人は、ボクたちに見向きもせずそのままショッピングモールの中に入っていった。

「…どうだ」

「じゃあ、お手本を見せてください」

橘がボクにそう頼み込むと、また人が通りかかる。

「お願いしま…」

通りかかった男性は、ボクからスポーツドリンクを半ば強引に取ると、そのまま歩いていってしまった。

「…分からないのさ」

「…」

「キミがどうなのかは知らないが、ボクには分からない。どうすれば光が見えるのか、分からない」

「私だって、分かりませんよ」

「…」

「…」

二人の間には、沈黙が走った。

「その、じゃあ方針を変えてみる、とか」

橘は、言葉を詰まらせながらそう言ってくる。

「どうするんだ?」

「私たちは、表情が固いので…敢えてにこやかにやってみる…とか…」

「なるほど…それで光が見えるのなら…」

橘も橘なりに、悩んでるらしい。

すると、男性が一人歩いてきた。

「お願いします…」

「橘。今だ」

「!」

男性は「ありがとうございます」と言いスポーツドリンクを受け取る。その瞬間に、橘は行動を起こした。

「あの…」

「はい?」

「橘ありすです。アイドルやってます!よろしくお願いします!」

ニコッと、男性に微笑み明るくそう答えた。

笑顔に慣れていないのか、絶妙に固い笑顔なので思わず、吹き出してしまった。

「あ…は、はい」

スポーツドリンクを受け取った男性は、困惑と同時に少し赤面しながら、その場を去っていった。

そして、橘も頰が赤く染まっていく。

「よ…良かったじゃないか…プッ」

「ふ、ふざけないでください!あんなの子供騙しです!」

「言い出したのはキミだろう?」

「…っ!ま、まあそうですが、ともかく、私もやったんですから飛鳥さんもやってください!」

なぜそうなるのか。

「確かに、ウケは良かったかもしれないね」

「…」

「…」

困った。この流れはボクもやらなくてはいけないという流れだ。

流れに身を任せるべきか、逆らうべきか。

すると、また一人男性がやってきた。

ボクはスポーツドリンクを渡す。

しかしさっきから橘の鋭い視線が気になる。やらなくてはいけない使命か…。

「あの…」

「はい?」

「に、二宮飛鳥です。アイドルやってます!よろしくお願いしましゅ!」

「え…あ、はい」

男性はそのまま去っていった。

橘は、ボクから視線を背けていた。心なしか、何かを隠すために視線を背けているように思える。

「キミ…笑ってるだろ」

「い…いえ、笑ってなど…いま…ププッ、せん」

「笑ってるじゃないか!」

「だって…!言ってること私と全く同じだし、噛んでるし…顔真っ赤ですよ飛鳥さん」

子供に馬鹿にされた…屈辱だ。

「くっ…恥をかいた…。やはり、子供の意見などアテにならないね」

「…そうやってすぐ子供子供いう飛鳥さんが一番子供なんじゃないですか?」

「フッ…分かってないなキミは。ボクは14歳。キミは12歳だ。数字という絶対領域を脅かすことはボクたち人間にはできない」

「それだと18歳、もしくは20歳じゃない方はみんな子供ということになると思います」

「…ファミレスでイチゴパフェ頼んでるキミにそんなこと…」

「飛鳥さんだってカッコつけてブラックコーヒー飲もうとしてますけど毎度飲めなくてこっそりミルクと砂糖入れてるじゃないですか!」

「じゃあキミは飲めるというのか!?」

「自分が飲めるようになってから言ってください!」

「イチゴパフェ!」

「ミルクと砂糖いっぱいコーヒー!」

「イチゴパフェ!!」

「ミルクと砂糖いっぱいコーヒー!!」

ボクたちがそんな醜い争いを繰り広げていると、何やら近くから笑い声が聞こえた。

ボクたちが争いを止め、前を見ると何やら人だかりができているではないか。

「クスクス…あの子達、かわいいね」

「コントでもしてるのかな?」

「面白い子達だなー」

ボクと橘は、その光景を見て思わず動きを止めてしまった。


"光"だ。


これが、"光"。いや、輝いてるのは、ボクたちなのかもしれない。

ボクと橘は、目を合わせる。

二人は、頷き、前を見た。

「新商品です!みなさん、よろしくお願いします!」

「コイツを…受け取ってやってくれ!」

人々は、一斉にこちらに来た。

ボクたちは、PRと同時に、こうも言った。

「あの、橘ありすです!アイドルやってます!まだ新人ですが、応援よろしくお願いします!」

「ボクは二宮飛鳥。これから先、どうなるかは分からないが、キミたちがボクの鎖を解き放つ鍵となってくれることを、心から願うよ」

人々は、「応援してるよ」と言ってきた。

不思議だ。心が軽い。

呪縛から解き放たれたのだろうか。

いや…それはこれからだ。


そう、解き放ってくれるのは、"ボク自身"だからだ。



「鎖を解き放つってどういう意味なんですか…もっと簡単に言えばいいじゃないですか…」

「相変わらずキミは頭が固いな。少し考えれば分かることだろう」

帰り道。日も暮れた頃、事務所に向かってボクと橘は歩いている。

「私じゃなくて、ファンの皆さんが理解できているのか…」

「フッ…ファンというものはボクと共鳴するものだ。理解るさ」

まあ、そのファンもまだ付いていないのだが。

「まあ、そのファンもまだ付いていないんですけどね」

「…!」

「ですが、ここからです。ここから、私たちのアイドルとしての人生が始まった気がします」

「…フフ」

ああ、そうだ。ここから、ボクたちのアイドル人生は幕を開けた。

鎖から解き放つのは、ボク自身。

そして、橘は橘自身だ。

「…なあ、ありす」

「…橘です。何ですか?」

「フッ…どうだ?仕事の成功祝いに二人で晩餐にでも」

「行きません。帰りますよ。それに、お金持ってるんですか?」

ボクらしくなかったか。…確かに、お金も無いしね。

「そうだな。このまま帰ろう」


橘ありす、か。どうやら、悪い奴ではなさそうだ。


第3話、完


第4話に続く。


※pixivの方に上げたままこちらに上げるの忘れてました。申し訳ありません。次回は2/5に更新です。

アイドルマスターシンデレラガールズ CAERULA 第2話「文香は文香」


【アイドルマスターシンデレラガールズ CAERULA】

正午。この346プロダクションに所属するアイドル達も特別な予定が入っていない限りは昼休みに入る時間。
事務所では、レッスンを他の3人より早めに終わらせた二人がすでに休憩に入っていた。
「んー…アイドル、かぁ…」
アイドル雑誌『idea』を読みながらソファにだらしなく寝転がる塩見周子は、何かを悟るようにそう呟いた。
「正直、まだ実感湧いてないわ」
ニコッ、と笑みを浮かべ態勢を横にし、近くのソファに座っていた速水奏にそう伝える。
「まだ仕事らしい仕事もしてないからね…レッスンばっかり」
奏も、同じ雑誌を読みながらそう答える。
「それも全部あのプロデューサーが悪いんです」
「お、おつかれーありすちゃん」
「…橘です」
周子と奏の元にやってきた橘ありすは、レッスン後にかいた汗をタオルで拭いている。
「このプロジェクトが創立してから早二週間。大手の346プロなら数多くのパイプラインを持つはずなのですから、先輩方のバックダンサーでもなんでもいいので仕事を持ってきてほしいです」
「パイプラインて…ま、プロデューサーもプロデューサーなりに頑張ってるんじゃないのー?分からんけど」
「塩見さんはアイドルとしての姿勢が真剣じゃないからそう言えるんです。それに、女の子なんですからそんなだらしない格好はやめてください」
「お、言うねぇ。ちなみに、塩見さんじゃなくてシューコで良いよ。なんか堅っ苦しくて嫌やわそれ」
「分かりました…周子さんと呼ばせていただきます」
ありすは、周子の意見に納得できないのか、不満気にそう答える。
「ありすちゃんは小学生の割にしっかりしてるのね。周子も周子だけど」
「橘です!子供扱いしないでください。それに、速水さんは周子さんに甘すぎる気がします」
「あら、そうかしら?それと、私も速水さんじゃなくて奏でいいわよ」
その時、事務所のドアが開き男性が一人入ってきた。
「よ!おっつかれー、お前ら!」
そう、プロデューサーである。俺がまさしくプロデューサーである。
「あれ?飛鳥と文香は?」
「まだレッスン中だよー」
「おう。って、だらしねえ格好してんなーシューコちゃん」
「疲れたしいいでしょ?」
「ま、だらしない格好ってのもまたそれも魅力が出ていい!奏さんはやるとしたらセクシー系だと思うけど、シューコちゃんはそれが似合ってる気がするよ」
俺は、グッ、とサムズアップしながら奏とシューコちゃんに交互に目を合わせた。
「ありすちゃんは?プロデューサーさん」
「そうだなー…ありすちゃんは…」
「そんなことどうでもいいです。プロデューサー、仕事は取ってきたんですか?」
そんな話をしていると、またもや橘ありすが俺の邪魔をしてくる。もう恒例になってきてるな、これも。
「まあちょい待ちな。ありすちゃん、お前には渡すものがある」
「…橘です。なんですか?」
俺はありすに近づき、バッグの中からそれを取り出した。
「ほい、これ」
「…なんですかこれ…?」
それは、俺が毎週日曜の朝に好んで見ている特撮テレビドラマ『マスクライダー』シリーズの一つ、『マスクライダー空我』のDVD第1巻だった。
「それ、俺がオススメする特撮!それ見ていかに特撮が深いかってこと、そして人生の教訓となることを学びな!それもまた仕事の一つだ!」
「…」
ありすは、興味津々にそれを見つめている。
「…周子さん、これあげます」
「どうもー♪」
訳ではなかった。
「ちょ、おおおい!!それはお前のためを思って…」
「周子さんと奏さんはお昼ご飯どうするんですか?」
「聞けよ!」
「私と周子は食堂で食べるわ」
ありすちゃんも奏も、まるで俺のことなんかこの部屋にいないかのように話を進める。
「ありすちゃんはお昼どーすんの?」
「橘です。私はお弁当を持ってきたのでここで食べます」
「お、なら俺と一緒か」
俺はそう言うと、ありすちゃんの隣に座りバッグの中から風呂敷に包まれた弁当箱を取り出した。
「プロデューサーさんもここで食べるんですか?」
「え?そうだけど」
「…そうですか…」
ありすは不満なのか、ため息を吐いた
「じゃ、あたしらは食堂行ってくるから、仲良くしなよー。あと、これ返すわ」
シューコちゃんはソファから立ち上がると、俺、正確にはありすちゃんが勝手に渡したDVDを返してきた。
「見ないのかよ…」

「…」
シューコちゃんと奏が部屋から出て行った後、俺とありすちゃんの間には沈黙が走る。
ありすちゃんは弁当箱を開き、小声で「いただきます」と口にすると箸を掴み白米を口にした。
「…ふふ」
「…なんですか?」
弁当を食べる仕草はなんとなく子供っぽいな、と思いながらありすちゃんを見つめていると、思わず笑いをこぼしてしまった。
まあもちろん、ありすちゃんにジロっと睨まれる。
「いや、なんでもないよ」
とりあえずありすちゃんを眺めていてもしょうがないので、俺も風呂敷を開き弁当箱の蓋を開けた。
「いただきまーす」
「…」
食べようとしたが、ありすちゃんが今度は俺の弁当をジロジロと見てくる。
「どうした?」
「…いえ。これ、プロデューサーさんが作ったんですか?」
ありすちゃんの見ている俺の弁当。それはご飯、おかず、野菜とバランスよく仕上がっているも、周りには伊達巻やハム巻きなどがあり、やけに豪勢に仕上がっているように見えた。いや、豪勢なのかは分からんけどよく出来ているとは思う。
「いや、愛妻弁当」
「えぇ!?プロデューサーさん結婚してたんですか!?」
「うん。嘘。俺が作った」
「…まあそれはそうですよね…」
「お前失礼だろそれ!」
ありすちゃんにそう叫びながらも、とりあえず昼飯に手を進める。
と、まだありすちゃんが俺の弁当のある方向を見つめていた。
それは、主食の入っている弁当箱とは別の、小さい弁当箱。
中には、『イチゴタルト』が入っている。
「…」
スッと、俺はそれに手を近づけ蓋を開けると、ありすちゃんの目が確かに光ったのに気づく。
「…食べる?」
「……は?なんでですか?」
「じゃあ俺食べちゃうよ」
「え…それは…!」
「…欲しいの?」
「いえ…そう言うわけではないんですが…」
「じゃあ…」
「ちょっと待ってください!なんで先にデザートから食べるんですか!?」
「…」
どうやら、ありすちゃんはかなりのイチゴ好きらしい。
このままからかい続けてやろうか、と思ったその矢先、レッスンを終えた二人の女の子が部屋に入ってきた。
「おや?ありすと…プロデューサーだけかい?」
「お、おつかれー」
「お疲れさまです…」
飛鳥と文香は、俺とありすちゃんが座っているソファの反対側のソファに座る。
「…これ、キミが手をかけたのか?」
「手をかけた…まあ、うん。そうだけど」
飛鳥も俺の弁当をジロジロと見てくる。
「…上手、ですね…」
「お、そうか文香!ならこのイチゴタルト一口上げる!」
「…え…いえ…そんなの悪いですよ…」
「いいからいいから!飛鳥もやるよ!」
「ボクは遠慮しておくよ。何せ、キミの横に目を輝かせている女の子がいるからね」
飛鳥にそう告げられ横を見ると、ありすちゃんが目を輝かせていた…と思いきやすぐさま仏頂面になった。
「…お前も素直じゃないな」
「今なんて言いました?」
「ご、ごめん…」
さすがにからかい過ぎるとありすちゃんが本気で怒りかねないので、もうからかうのはやめることにした。というか、今の目つき、普通に怖い。
「あ、そうだ」
俺はその暗くなりかけたムードを壊そうと、すぐさま新しい話題を取り出す。

「撮影の仕事が入ったから明日午後からスタジオな」


第2話「文香は文香」

「と、いうわけで明日は雑誌モデルの仕事があるから、みんなしっかり体を休めてこいよ!」
5人のアイドルをきっちり並ばせ、俺はそう告げる。
「…て、あれ?なんかみんな元気ないな…」
初仕事が入ったというのに、誰一人として喜びの声を上げない。
「…プロデューサーさん、なぜそれを先に言わなかったのですか?」
やはり、一番最初に不満を漏らしてきたのは橘ありすだった。
「いや…なんかサプライズ的にしようと思ったんだけど、驚かなかった?」
「驚くというより、呆れたよ。キミのいい加減さには」
その横で、飛鳥がありすちゃんの気持ちを代弁するかのようにため息を吐きながらそう答える。
「そういうことは、先に伝えておくのが普通よ」
奏は、まるで俺より人生経験豊富な先輩かのようにそう言い放つ。
「それに、私には仕事が入っていないというのに、私に対してもサプライズなんて意味がわかりません」
その後、またもやありすちゃんが不満を漏らす。
そう、今回の撮影した写真は女性向けファッション誌に載るため、ありすちゃん以外の四人でやることになっているのだ。
「う…」
「まぁ、これが我らがプロデューサーの良さということで!」
そして、最後には大したフォローにもなっていないシューコちゃんの一言で締められた。


「いいね〜!じゃ、次行くよー!」
カメラのシャッター音が聞こえてくる中、俺は奏の撮影を見守っていた。
「はいお疲れー!」
「ありがとうございました」
346プロ社内の撮影スタジオ。とりあえず飛鳥と奏の撮影が終わった。
「お疲れ!奏」
「お疲れ様」
「奏さんはさすがだな…まだ高校生だというのに…見習いたいよ。そうやって自然に身を任せながらも大人らしさを残しているところは」
「言いすぎよ。飛鳥ちゃん」
「い〜や飛鳥の言ってることは的を得ているぞー?さすが奏さん!」
「ああ。キミとは違ってね」
五人のアイドルを担当しているがありすちゃんとこの飛鳥はよくいらん皮肉を言ってくる。俺、ナメられすぎてないか?
「プロデューサーさん。こういう時だけ"さん"付けするのはやめてくれないかしら」
「あ…はい」
本当、この速水奏という女の子には頭が上がらない。人生の先輩にしたいところだ。
「ま、飛鳥もうまく撮れてたし、とりあえずこれで二人は終了だな!さて…問題はこっからだな」
「問題?」
「ん…ちょっと文香がな」
「周子は問題じゃないの?」
「いや…だからこそ敢えてこの順番にした」
「?」
飛鳥と奏は、俺の言っていることが理解できていないらしく首を傾げている。
最初に飛鳥、次に奏と撮影が終わり、残りは文香とシューコちゃん。撮影もこの順番でする。
「では…行ってきます。プロデューサーさん」
「お、行ってらっしゃーい」
文香は俺にそう伝え、カメラの方に歩いていく。
「…文香にはそれだけなの?」
「ん?何が?」
「私と飛鳥ちゃんには、『力を抜け』とか、『深呼吸、英語で言うとdeep breath』とか、全然ためにならなかったけれどアドバイスしてきたじゃない」
…奏も一言多いな。ちなみにdeep breathは特撮ソングの一つである。
「まあ、これで通ったら別にアドバイスする必要ないからな」
「さっきから言っている意味がわからないのだけれど」
「生憎だが、ボクもキミの世界に触れることができない。キミだけの殻に閉じ込もらないでくれ」
「いや…飛鳥、お前の言っていることも全然分からないんだが」
俺らがそんな話を繰り広げていると、文香の撮影が始まった。
「多分…文香はこの撮影に手こずると思う」
「なぜかしら?」
「アー写の時に全員の"コンディション"は把握してあるからな」
「コンディション…?」
奏と飛鳥は、またもや俺が何を言っているのか理解できず首を傾げた。
「アー写…そういえば、プロデューサーさんは私たちが撮影しているところをずっと眺めていただけだったわね」
「だが、今日はボクらに羽ばたくための知恵をくれている…決して意味のあるものとは言えないけどね」
「アー写の時はな、"観察"してたんだよ。お前らのクセとか立ち方とか、得意な撮り方とかな」
俺は、少しドヤ顔気味にそう言い放った。
すると、それを見た飛鳥がため息を吐いた。なんだよ、ナメんなよこっからだからな。
「奏はそのままでも十分大人っぽいからな。だから今回の撮影でも自然といい感じの写真になりやすい」
今回の撮影した写真が載る雑誌は女性向けファッション雑誌。大人のフェロモンが出てる奏にとっては相性抜群。不安要素はほとんどないのである。
「飛鳥は決して大人っぽいとは言えないが、お前にはお前の"世界"がある。故に、自分らしい立ち回りができるんだ」
飛鳥はもともとその独特な世界観から自分の世界を作り上げることができる。飛鳥自身がクールなのもあるから、割と何を着せても安定した写真が撮れる。
「簡単に言えば、お前らは今回の雑誌にとっては最適のモデルということだな。カメラマンからも好印象を持たれやすい。まあでも、こんなのはお前ら一目見たら分かると思うけど」

「もう少し自然にやってほしいかなー!」

「…!」
その時、カメラマンがそう口にしたのが聞こえる。

「は…はい…」
文香は、力のない返事をするとまたカメラの方に向き直るが、どこか自信の無さげな表情をしていた。
「う〜ん…なんというか、もう少し雰囲気を大事にして!表情が少し曇ってるから」
「はぁ…」

「カメラマンさん!」
俺は、その様子を見てカメラマンに声をかける。
「はい。なんでしょうか?」
「一旦その撮影打ち切ってもらっていいですかー!?」
「!!」
カメラマンも文香も、俺の横にいる奏も飛鳥も何を言ってるんだこいつはみたいな感じで驚く。
だが、奏と飛鳥は俺が「文香は撮影に手こずる」と予想していたのが当たったことに対しても驚いているように見えた。
「え…まあ、いいですけど…」
「ありがとうございまーす!シューコちゃん!文香の先に入って!」
「お、あたしの出番ねー♪」
「文香カモーン!」
俺はテキパキと次の指示をみんなに伝えた。
「プロデューサーさん。一体何を考えてるの?」
「まあ見てな。奏、飛鳥よ。ここからがその"コンディション"が関わってくるところだ」
奏と飛鳥をその場に置き、俺はこちらに向かって落ち込みながら歩いてくる文香の元に向かった。
「悪いな。急に撮影打ち切って」
「あの…プロデューサーさん…申し訳ありません…」
文香は、撮影が上手くいかなかったことに対し頭を下げて謝ってくる。
ポン、と俺は文香の下がった頭に手を乗せた。
「顔上げな。別に謝らなくていいから」
「はい…」
「ほら、シューコちゃんの撮影見てみ」
「…?」
文香は、シューコちゃんが撮影している様子を見つめる。
シューコちゃんは、いつもと変わらぬ緩やかな表情で、一つ一つあくまで自然体のままポーズを取っていた。

「いいよー!じゃあ次行こうかー!!」

「…周子さん…すごいですね…」
文香は、そんなシューコちゃんを見て思わずそう口にした。
「私なんかと違って…緊張しないでいつもの自分を引き出せています…」
「だろ?」
「プロデューサーさん…そしてカメラマンさんの方々はああいうものを望んでいたのですね…」
シューコちゃんの撮影を眺めている文香の表情は、まるで欲しいトランペットを眺めている楽器好きの少年のように、純粋な表情だった。
俺はポケットから取り出したスマホで、その文香の姿を撮る。
「…え?」
「ほら、これが今のお前な」
「…」
「う〜ん…言うなればピュアだろ?なんというか、『これが鷺沢文香です!』みたいな」
「…?」
文香はイマイチ理解に苦しんでいる。もう少し俺自身の語彙力が欲しいものだ。
「ま、要はシューコちゃんはシューコちゃんらしさが出てる。奏は奏。飛鳥は飛鳥」
「はい…」
「なら、文香も文香だろ?別に無理して"雑誌モデル"にならなくたっていいんだよ」
「雑誌モデル…」
「ただただ自分を見せればいい。いつもの自分でいればいい。そういうことだ。ま、でもそれができないから苦労してるんだろうけどな」
文香は、返事はしないもののしっかりと頷き、俺の言ってることに理解を示している。
「文香は、なんで自分らしさを引き出せないのか分かるか?」
「…それは…おそらく…緊張しているから、でしょうか」
「そ、まさしくそれ。アー写の時は普通に撮影できたのに、今日はうまくいかない。それはお前が"大勢の人に見られる"ってことを意識しすぎているからだ」
「なるほど…"雑誌モデルにならなくていい"とは…そういうことなんですね…」

「はい終了!お疲れ様ー!」
「おつでーす♪」

その時、丁度シューコちゃんの撮影が終わりを迎えた。
「…ですがプロデューサーさん。どうしても意識してしまい…自然と自分らしさを引き出すことは私にはできません…どうすれば…」
「ま、俺に任せな」
文香にそう言い残し、俺はカメラマンの方に向かう。
カメラマンと周囲に聞こえないくらいの小さな声で、俺は頼みごとをした。
「…って感じで、ダメですかね?」
「いや、全然オッケーですよ」
「そうですか!ならお願いします!」
話は終わり、カメラマンは文香を呼ぶ。
文香は、まだ不安げな表情を残したまま、ホリゾントに向かって歩き始める。
「…!」
文香がホリゾントに着くと、椅子が出されていることに気づく。
「嬢ちゃん、それに座ってくれるかな」
「これに…ですか…?」
「うん!よろしく頼むよ!」
「はい…」
カメラマンから指示が入り、文香はホリゾントの中心に設置された椅子に座る。
「文香!」
俺は、文香が座ったのを確認すると、文香に向かってブックカバーの付いた一冊の本を投げ渡した。
「それ、読んで!」
「え…撮影は…」
「いいから!」
「分かりました…」
文香はブックカバーに包まれたその本を読み始める。

「…へぇ、面白いことするのね」
「革新的だな」
「さっすがプロデューサー。あたしらとは考えることが違うねー。いろんな意味で」
奏、飛鳥、周子の三人はその様子を見て感嘆の声を上げた。

「…」
文香は、本を読み進めていく内に徐々にいつもの表情に戻っていく。
その姿は、まさに本の世界に没頭している一人の女の子、『鷺沢文香』の姿であった。
「文香、こっち!」
「…え?」
俺がそう呼ぶと、文香はカメラの真横に立っている俺の方を向いた。それはほとんど、カメラ目線であった。

その瞬間、カメラマンはシャッターを切った。


「おー。載ってる載ってるー♪」
シューコちゃんは、ファッション誌に載っている自分を見ていつもに似合わずちょっと興奮している。
「よく撮れてるじゃない」
「まあ、良いんじゃないか」
奏と飛鳥も、自分自身の写りに満足したのか自分の姿を目に焼き付けていた。
「いやー!お前ら最高!間違いなくこの雑誌歴代ナンバーワンモデル!」
あの撮影から数週間。我が事務所にも雑誌が届き丁度今みんなで読んでいるところだった。
「文香さん…すごく綺麗ですね…」
「そ…そうですか…?」
ありすちゃんは、椅子に座って本を持っている文香の写真を見て、見惚れていた。
「それ、良いだろ?今回のベストショットだな!」


撮影終了後。
「コンディションって、そういうことだったのね」
「ん、ああ。文香はおそらくみんなに見られるってことを意識すると緊張するって気づいてたからな!」
「だから文香が撮影に手こずった時のために、周子を控えさせておく。周子がこういうの得意だってことも分かってたの?」
「まあな!すごいだろ俺!」
俺は珍しく奏に勝ち誇れた気がして、原点回帰のドヤ顔を披露した。
「少しは見直したわ。少しだけどね」
「なんだよー!少しかよー!」
まあ、奏に褒められただけ良しとするか。
「でも、私たちの特徴をアー写で理解できたのって、元から人間観察とかが好きだったのかしら?」
「…まあ、それは……」
俺は、そう口にしたところで少し言い淀んだ。
「プロデューサーさん?」
「…あぁ、そうだ。経験だな!経験!お前らより人生経験豊富なんだよ俺は!」
「…」
奏は、少し疑るような目で俺のことを見つめていた。


そして現在に至る。
「なんでプロデューサーさんがそんなに勝ち誇っているんですか?プロデューサーさんが何かしたんですか?」
「ふっふー。お前には分からないだろうな!何せ、撮影に来てなかったからな!」
「なら仕事取って来てくださいよ」
「うっ…!」
そう言われると、言い返す言葉も見つからない。
「ふふ…プロデューサーさん」
「お、なんだ文香?」
「前は…本当にありがとうございました。プロデューサーさんがいなかったらどうなってたか…」
「良いって良いって!それより文香、自分らしさ、大事にしていけよ!文香は文香!だからな!」
「ふふ…分かりました…」
文香の顔は、少しであるが笑みを浮かべていた。この表情をデジカメで撮りたかったな。
「…そういえばそうだ。文香」
「はい?」
「あの本、気に入った?」
「へ?…まさか、撮影の時に貸してもらった…」
「そう!『マスクライダー空我』の小説版!」
「…」
瞬間、文香の表情から笑みが消え、困惑の表情に移り変わっていった。
「…あれ?文香?」
「…全く、やはりプロデューサーさんは相変わらずですね」
ありすちゃん、呆れる。
「良い話をしたと思ったら、いきなりそんな話…」
奏、呆れる。
「やはりキミのセカイには踏み込めん…」
飛鳥、呆れる。
「え…なんだよみんな…」
俺、困惑する。
「ま、これが我らがプロデューサーの良さ、そして悪さということで!」

そして、シューコちゃん、締める。

第2話、完。

第3話(1/25に更新予定)に続く。



アイドルマスターシンデレラガールズ CAERULA 第1話「俺はスーパープロデューサー」

なんとなく書いてみました。第1話となります。CAERULAメンバーがみんな新人アイドルというお話。なのでPも完全オリジナルキャラとなっています。






【アイドルマスターシンデレラガールズ CAERULA】

女の子が夢見る憧れ。それは、一言で言っても数多くある。
スポーツ選手、美人モデル、女優、パティシエール…目指すところは人それぞれ。
その中でも、一際目立つ存在。"アイドル"。
ではアイドルとは何か?キラキラしたもの?そこも、人それぞれの感性で決まる。
しかし、アイドルが目指すものは、常に一つだ。
そう、"トップアイドル"。

これは、そんなトップアイドルを目指すクールな5人の少女の物語である。


第1話「俺はスーパープロデューサー」


「〜♪」
346プロダクション。どうやらこの業界ではかなりの大手企業であるらしく、今俺はオフロードモデルのバイクを駆りそこへ向かっていた。
日差しが強くなってくる午前10時ごろ、好きな特撮ソングの鼻歌を響かせながら、右ペダルのスロットルを強く絞り、40kmオーバーになってるんじゃないかとも見れるスピードで346プロダクションに向かう。

走らせていると、大きな建物が見えた。何やらお城のような外装をしている。俺は、その建物の前でバイクを止めた。
「へぇ〜…かなり大っきいな〜…」
ヘルメットを取り、よく確認したけど間違いない。ここが346プロダクションだ。
「…よし!」


俺は、そのお城のような建物の中に入った。なるほど、内装もどことなくお城のようだ。
「…!」
やはり大手も大手。有名人がそこら中を歩いていてもおかしくはない。
「高垣楓だ〜…!生で見たの初めて…」
「…は!いけないいけない。楓さんに眼を奪われちゃダメだ…」
「俺にはやることがあるからな…ただでさえ"遅刻"してるんだから急がなきゃ…」


そう、俺は、今日から346プロダクションアイドル部門のプロデューサーを務めることになっている。
だが、このプロダクションを見るのも入るのも初めてなのは、俺がある"特殊な方法"でここに所属することになったからだ。
そのため、何をすれば良いのかなど一切聞いていない。だからまずはアイドル部門部長の"今西"さんから話を伺わなくてはいけなかったのだ。
「君…ねぇ」
「はい!」
「初日から遅刻するって、どういうことなんだい」
「いや〜すいません!ちょっと道に迷ってしまって…でも部長!大丈夫なんで!だって俺、期待の新人なんですからね!」
「…まあ確かに君には期待しているよ。そこで、期待している君に悪いことなんだが…」
「なんです?」


どうやら部長はこれから仕事が入っているらしく、俺の付き添いに来れないらしい。
そこで、まず最初にやる事が書いてあるホチキス留めの書類を渡されたわけだが…
「読むのめんどくさいなー。まあやりながら読んでいけばいっか!」
と、こんな感じで書類にはほとんど目を通さずに新館28階のプロジェクトルームに来た。
「ここから俺のプロデューサー人生が幕を開ける…これはその記念すべき第一歩…」
「頼もー!!」
ガァン!
「え?」
勢いよくドアを開けると、何かに当たったらしく大きな音がした。
「…い…」
見ると、小さな女の子がおでこを抑え蹲っていた。かなり痛かったらしく、今にも泣きそうだ。というか、泣いてる。やべぇ。
「あー…ご、ごめん君!大丈夫か!?」
「うぅ…」
「よしよし。痛かったか、ごめんなー?」
俺はしっかりとその女の子の頭を撫で、謝った。
「ほら、子供がこんなとこいちゃダメだろー?俺が送ってやるから、もう泣かないで…」
瞬間、パシッと俺の手がその女の子に弾かれる。
「子供扱いしないでください!!」
「うお…!急に元気になったな…立てるってことは、一人でお家に帰れる…」
「だから子供扱いしないでください!私は子供じゃありません!」
「いや…子供じゃないって…どう見ても…。というか、じゃあ君誰?」
「あなたこそ誰ですか?急にドアを開けて入ってきて…もしかして不審者…」
「いや違うから!」
…なんかいきなり想像してたものと正反対な人が俺に対して厳しい言葉を放ってくる。その子は腰まで届く長い髪に、大きなリボン。しかしどう見ても子供だよなあ…。
とりあえず、この子に勘違いされないためにも俺は自分の役職を名乗ることにした。
「俺はなぁ…」
そう…俺は
「夢は俺含めてトップアイドル!346プロダクションの赤い彗星と言われた期待のスーパールーキー様!今、ここにいるアイドルのプロデュースを務めるものであーる!」
…決まった。
「まあ、一言で言えばプロデューサーってことだ。さあさあ、子供はお家に…」
「え…ぷ…プロデューサー…?」
「ん?どした?」
何やら女の子に驚きと同時に不快な視線を浴びせられている気がする。何がおかしいのだろうか。

「…フフ。相変わらずだね」

とか考えていると、部屋の奥から一人の女の子の声が聞こえた。"聞き覚え"のある声だ。
「…あ、シューコちゃん!」
「おっひさー♪」
俺が以前会っていた女、シューコちゃんこと塩見周子は笑みを浮かべながら手を振ってくる。
よく見ると、シューコちゃん以外にも部屋の中には3人の女の子がいた。多分、あの人たちが今から俺がプロデュースするアイドルなんだろうな。
「え!?知ってるんですか周子さん!」
「うん。まあねー。ちなみにありすちゃん。受け入れられないようだけどその人があたしらのプロデューサーだよ?」
今まで俺がケンカ(?)していたありすと呼ばれた女の子はクルッと振り返り俺の瞳を見つめた。
「え…ちょっと待てよ…?私たち"の"…ってことは…。君…名前は?」
「橘です…橘ありす」
「ちょっと…待ってね…」
俺は、部長に渡された書類を捲る。すると、そこの『担当アイドル』と書かれた欄には、『橘ありす』という名と一緒に俺の目の前にいる女の子の写真が載っていた。
「え…嘘だろ…」
「嘘ですよね…こんな人がプロデューサーなんて…」
「「…」」
俺とありすは、お互い見つめ合う
「「えー!!??」」


担当アイドルの五人は、事務所のソファにそれぞれ掛けていた。俺は、それを眺めるように前に立っている。
「よし。とりあえず自己紹介しよう。名前のついでに、好きなものとか趣味とか…とりあえずなんでもいい…あ、あと忘れちゃいけないのが夢だな!各自夢を言ってくれ!あ、待ってもう一つ!俺の第一印象もよろしく!」
さて、ここからが本当のプロデュース人生への第一歩となる。さっきのドアのくだりはもう無かったことにしてくれ。
「まあさっきも言ったように、俺が君たちの担当をするプロデューサーだ!趣味は特撮鑑賞!」
「…ププ」
「あ、そこ笑うな!」
「だって…さっき私を子供扱いしてたくせに特撮鑑賞って…」
「お前なぁ…特撮は深いんだぞ!」
「あの、プロデューサーさん」
俺とありすがケンカを繰り広げていると、大人っぽい風貌をしている青髪の女性に話しかけられた。
「話、進めてくれないかしら?時間がもったいないわ」
「あ…すまん」
すげー大人…俺より年上かもしれない。22歳くらい?それは大人じゃねえな。25歳?
「夢は、先ほども申したが俺含めてここにいるみーんなトップアイドル!ちなみに、女の子のタイプは笑顔の素敵な女性な!あと、夢を追い続けるもの!」
アイドルというものに笑顔は必要不可欠、ということをいつだかに聞いたことがある。俺は笑顔の素敵な女性が好きだから、これほど俺にぴったりな職業はない。
「じゃ、次。右から行こうか」
「ほいほーい」
色白で銀髪、俺から言わせりゃ今にでも倒れそうな女の子は律儀にもしっかり立ち上がった。
「あたし、塩見周子。18歳。シューコって呼んでいいよ。趣味は…献血とダーツかな。夢は…今は特にないけどとりあえずアイドルをやめないようにはしたいね」
「シューコちゃんは俺が連れてきたからな!俺の目に狂いはないことを祈りたい!」
「ふふっ、まあ仕事はしっかりやるよ。プロデューサーの第一印象は…なんというか…強引な人…あはっ、今となっては懐かしい思い出だね」
「おいおいシューコちゃ〜ん。そんな言い方、俺とシューコちゃんがラブラブなように見えるぞ〜?」
「あははっ、んなわけあるかーい」
実は、俺とこの塩見周子は以前会っているのだ。まあそこら辺の話をすると長くなるから、今度にしよう。
「じゃあ次」
「はい。橘ありす。12歳。橘と呼んでください。趣味は読書です。夢は…何か音楽関係の仕事ができたらいいな、と」
「ありすちゃんは歌が好きなの?」
「…橘です。まあ、好きですけど」
「そっかー。ありすちゃんといつかカラオケに…」
「橘です!」
「…う、うん」
どうやらこの橘ありすという女の子は名前で呼ばれるのを嫌っているらしい。どうしてかは分からないが。
だが、こういうのに対して後ろ向きに対応してちゃダメだ。だから俺はあくまで名前呼びを貫き通す。
「プロデューサーの第一印象は…そうですね。頼りなさそうに見えます」
「ありすちゃんはキツイなー」
「橘です!!」
「…は、はい」
以上です、と一声掛けてからソファに座りなおすと、今度は先ほど俺が25歳くらいに見えると判断した青髪の女性が立ち上がる。
「速水奏。17…」
「ウソォ!?」
俺は思わずその数字を聞き仰け反り帰るかとも思った。
「本当よ。なぜか分からないけど、よく大人に間違えられるのよね」
「いや…そりゃあ間違えられると思うぜ」
この人17歳だったんだ…俺より年下じゃん。
「趣味は映画鑑賞ね。でも恋愛映画は苦手よ」
「へぇー。割と見てそうな雰囲気あるけど」
「……恋はするものでしょ?」
なぜか、奏が一瞬俺に呆れたかのような視線を向けてきた。
「は…はい」
「夢は…今は分からないわ。仕事していく内に見つけて行こうと思う」
夢ない人が多いなー、この事務所。
「プロデューサーさんの第一印象は、空気が読めないことかしら。別に悪く言ってるわけじゃないわよ?空気が読めないというのもまた長所の一つでもあるんだしね」
「…はぁ、空気が読めない、ですか」
なんか、この奏ってコ…ちょっと苦手かもしれん。
奏が座ると、続いて…何か一言で表せないような…いや、一言で表すのなら"中二病"とでもいうべき姿の女の子が立ち上がった。
「ボクは二宮飛鳥。スキに呼んでくれ」
ぼ…ボクっ娘かぁ〜…
「…君と出会ったことが、何かの始まりだということを望むよ…」
「おぉ〜…。俺もお前と出会ったことが何かの始まりだということを望むぜ!」
「フ…14歳。趣味はラジオを聴くことかな…夢か…夢というものには程遠い、儚きものさ…」
それは夢があるのかないのか?と不思議に思ったが「面白いコだな」とも同時に思った。
「キミの第一印象か…そうだな。騒がしいやつだな、と」
「うん。騒がしいね。はい」
先ほどの奏と同じくきつい言葉を浴びせられた。というか、今のところきつい言葉しか浴びせられてない気がしてならない。
飛鳥が座ると、今度は前髪が目にかかりすぎて前が見えてるのか心配なほどの女性が立ち上がった。
「鷺沢文香…と申します。趣味は…読書ですかね…」
「お、ありすちゃんと一緒じゃん」
「橘です!!!いい加減にしてください!」
「うおっ!す…すまん」
さすがにこれ以上ありすちゃん呼びすると本当に嫌われそうなので、次呼ぶ時は橘と呼ぶことを心がけよう。まあもう十分嫌われてると思うが。
「…あ…あの…」
「お。ごめんな文香。続けてくれ」
「はい…。夢は…今のところは特に…」
また夢ないんかーい。と、シューコちゃんみたいな口調になっちゃうほどツッコみたいと思った。みんな、夢が無さすぎる…。
「プロデューサーさんの第一印象………」
最後なのだからいい加減プラスな内容が来てほしいと、オラワクワクしてきたぞ。
「………優しそう…に、見える…と思います」
「…お、おう…」
なんとも反応に困る答えだ。やはり俺の第一印象はそんなに良くないらしい。
だが、この鷺沢文香だけは別のように見える。
「もしかして、文香はあまり人付き合いとか得意じゃない方?」
「そうですね…ずっと本を読んで過ごしてきたので…」
「ふふーん…そうかそうか〜」
多分、文香は第一印象と言われてもどう答えれば良いのか分からなかったのだと思う。だからとりあえず「優しそう」と言っておいたのだ。
「なにニヤニヤしてるんですか。気持ち悪いです」
と、そこでありすちゃんから痛恨のボディーブロー。今いい雰囲気なのにやめてよそういうの〜。
「ま、とりあえず自己紹介はこれにて終わりだな!みんな、仲良くしような!」
「まあそんなこと言っても、もう大分打ち解けてるんだけどねー。ね、奏」
「ええ。そうね周子」
「え…なんで仲良くなっちゃってんの!?」
「フフ…キミだけがこのセカイに入りきれてないようだね…」
まさか、部長が先に顔合わせでもさせといたのか?おのれ部長。とでも言ってやりたいところだったが、その考えはあの小生意気な少女によって切り捨てられた。
「プロデューサーが1時間も遅刻したからじゃないですか。反省してるんですか?」
「あ…そういやそうだったね。ごめんありぃぃぃぃぃ橘、ちゃん!」
「全く…」
「あの…少し言い方がきつすぎると思います…」
お、文香が説教を始めた。いいぞもっとやれ。
「いいんですよ鷺沢さん。"子供"にはこれくらい…ふふ」
さりげに俺のことを子供扱いし、ニヤリとした顔でこちらをチラリと見るあり…橘ちゃん。
「…えー、みんなが仲良くなってるようで何よりです!ここで、もう一度俺たちの目標を確認しよう!」
「…」
俺が急に叫びはじめたからなのか、今までペチャクチャくっちゃべっていたアイドルの五人は急に静かになった。
「目指すは俺も含めてトップ…」
「プロデューサーさん」
「アイドォォォ…って、なんだよあり…ばな!?今いいところなのに」
「ありばなじゃないです。橘です。お言葉ですが、その"俺も含めて"ってどういう意図で言っているのですか?」
「う…」
痛いところを突かれてしまった。確かになんとなくノリで言ってただけで、深い意味はない。
「確かにそれはボクも気になるね。キミがどんな解釈をしているのか…」
「えー…そうだな…」
「…」
事務所に沈黙が走る。誰も言葉を発しようとせず、あくまで俺の言葉を待ち続けているという感じだ。
そこで、俺は秘儀を使う!それは、シューコちゃんにコンタクトを送る!
多分、シューコちゃんなら適当にフォローしてくれるだろうと思ったが、その考えが甘かったとは今の俺が知る由もなかった。
チラリ…と、シューコちゃんの方に視線を送る。
「…!」
気づいてくれた…第一関門突破といったところだ。
だがしかし、シューコちゃんは何も言わず、ただ俺に「頑張って!」とでも言わんばかりの笑顔を見せてきた。というか、なんとなく楽しんでるように見えるのは気のせいだろうか。
「…えー…まあ細かいことは気にしなくていいよ!俺含めてってのはなしで、『みんなトップアイドル!』ということで!それで、俺はトッププロデューサー!」
「…ハァ」
1コンボ目。橘ありすのため息。
「…つまらないね」
2コンボ目。二宮飛鳥の本音。
「…」
3コンボ目。こちらを心配するような顔をする速水奏。
「…?」
4コンボ目。よく分からなく首を傾げている鷺沢文香。
「うんうん」
5コンボ目。いつもニコニコシューコちゃん。
「…じゃあ、とりあえず、ひと段落ついたしなんかしようか!えっーと…ちょっと待ってな…」
もう今までのことは無かったことにしようと思い、部長から渡された書類を捲り始めた。
「なぜ先に仕事の内容を確認してこなかったんですか?」
しかし、こんなとこでもまたアリスタチバナが邪魔をしてくる。

俺のプロデュース人生は、様々な不安を抱えながら幕を開けることになった。

第1話、完。

第2話に続く。


※第2話は一週間後に更新予定。

映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』感想 完結編としてはまあ良いのではないか

みなさんこんにちはクーヤです。


先月12/31(土)に遅ればせながら2016年を締めくくるために観てきました。映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』。

映画『バイオハザード:ザ・ファイナル』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ

今作は人気映画シリーズ「バイオハザード」の最終作。

とにかく、前作の『バイオハザードV リトリビューション』は「ここからどうやって続くんだー!」みたいな展開で終わったので(一応ネタバレは伏せます)、やっと見れることができて感謝感激です。

バイオハザードの映画シリーズは正直不評な声が多いのですが、私はかなり好きなので非常に楽しみにしてました。(ただ、「バイオハザードじゃない」、「1が一番面白かった」というのには頷ける…)

そして、ローラが出るということで、「ローラの演技気になる!」みたいな感じも含めて楽しみでした。

※以下、ネタバレ注意となりますのでこれから観に行こうと思っている方はブラウザバックを推奨します。





















まず、観終わって最初、


今までで一番バイオじゃねえ!

ローラ出番少ねえ!!!


と、思いました。



いやあね、正直この作品、「バイオハザード」という映画自体は好きなんですけどね、もう完全に「バイオハザード」というゲームとは別物だと思って見ているんですよ(ぶっちゃけ最近のゲーム版バイオも最早バイオとはかけ離れてる気がするけど)。

しかし、今作はマジで今までで一番バイオしていないと思いました。

まず、大前提としてゾンビ(映画ではアンデッドって言うのかな)がほとんど出ません!

いや、出るには出るんですけど、それも前半だけで後半はほっとんど出ません。というか全体的に人間との戦いがこの映画のほとんどなんでクリーチャーとの戦いを期待している方々は肩透かしを食らいます。

そして、その前半なのですが基本は大量のアンデッドがひたすら走ってるだけ。恐怖も緊張感も一切ない。「走ってるだけってどういうこと?」とか聞かれても答えるのがめんどくさいほど。一応ゾンビとの戦闘シーンはあるけどかなり短い。

また、最序盤には原作ゲームの「5」で出たポポカリムが出てきますがこいつも対して目立ちません。ただ、アリスが地雷(クレイモア)を使ってポポカリムを倒していたのですがそれは原作ゲームをやっている方にとっては懐かしいものがありました(原作ゲーム「5」において、ポポカリムに対し感知式爆弾という地雷のアイテムが有効である)。

しかし、中盤でハイブに入る直前に登場したケルベロス、ハイブ内でのジュアヴォはいい感じに緊張感があり良いと思いました。ただ、ジュアヴォはビジュアルを見たらすぐわかると思いますがゲームの「6」に出てきたジュアヴォとは全くの別物です。ウィキにもブラッドショット(6に出てくるクリーチャー)と書いてあるほどでした。
※パンフレットでデザイナーがジュアヴォと言っているそうですが、僕はパンフレットを買っていないので実際は分かりません。すいません(観に行ったときに丁度売店が閉まっていました)


そして、公開前から注目を浴びていたローラなんですが…

出番少なすぎる

私はローラが好きでしたし、主演のミラも「ローラは演技が上手い」などと言っていましたし、あのおバカキャラのローラが一体どのようなキャラとして出るんだろうとかーなーり期待していたのですが

本当に出ない!セリフも少ない!

これじゃあローラが演技上手いかどうかなんて分かったもんじゃありません。だってセリフも三個くらいしかありませんもん。しかもすぐ死ぬし。

あんな大々的にPRしておいてこの扱いは…正直私にとって一番不満でした。

他、気になった点をいくつか。

・ゲームのキャラで出てくるのはクレアとウェスカー、マーカスのみ。最後でこれは…

・そしてそのクレアとウェスカー、マーカスだが、活躍が少ない。クレアは一応全体的に出番多めだったのであまり文句はないのですが(どうせアリスが無双するし)、ウェスカーの退場があっけなさすぎる。なんか上から降ってきたドア?に足を挟まれてそのまま死亡って…マーカスはどうでもいいね、うん。

・全体的に画面が暗く、見にくい。また、アクションシーンはカメラの動きと切り替えが激しく、見ていて疲れる&何が起こってるのか理解しにくい。

・仲間キャラの魅力が皆無。すぐ死ぬし名前も覚えられなかった。

・仲間にいた裏切り者が弱すぎる。また、正体が簡単に判明する(視聴者も想像しやすい)。裏切り者「なぜ分かったんだ!?」 アリス「最後まで生き残ってるからよ」って…

・前作最後で登場した大量のアンデッドとの戦闘が全て省かれている=前作との繋がりがほとんどない。

そう、これなんですよ。前作は「地下施設からなんとか脱出できた!」→外には大量のアンデッドが。→「俺たちの戦いはこれからだ!」ってところで終わるのですが、その戦いは一切描かれない。

映画が始まり、アリスからあらすじが説明される(正直、これを聞けば前作までの話を見る必要が完全に無くなる)。そしたらその後、アリスが登場するのですがなんとそこは前作で最後にアリスたちがたどり着いた場所じゃないか!大量のアンデッドは?レオンは?ウェスカーは?となり、どうやら戦いが終わった場所から物語が始まったみたいです。ちなみに生き残ってるのはアリスだけで、レオンや仲間たちはみんな出てこない=死にました。

まあでも、今までのバイオ映画も毎回そんな感じで終わって、次作ではてきとーに回収して終わるのが恒例なんですよね…なので、そんな気にしませんでした。でもアンデッドとの決戦は見たかった!


ともかく、不評点はこんくらいにして。ストーリーの話をすると

物語スタート。アリスが生き残っていました。

レッドクイーンに地球の終わりまであと48時間(だったっけかな)。ラクーンシティにウイルスを破壊する抗ウイルス剤がある、と伝えられる。

ラクーンシティに急がなきゃ!となりまあいろいろあってラクーンシティに着く。

ゾンビとの戦いが終わってハイブに突入する。

いろいろあって、ラスボスのアイザックス博士と戦う。

抗ウイルス剤ゲット!でもウイルスを破壊するんだったら体内にウイルスが入っているアリスも死んでしまう。構わない。薬の入っている容器を破壊する。

なぜかアリス生きている。レッドクイーン「抗ウイルス剤はウイルス『だけ』を破壊するから、生きてるんだよ」。まあ要は完全にウイルスに染まってないアリスは生きているってことね。

私はアリス。俺たちの戦いはこれからだ

ED

…やっぱりこの映画にツッコんだら負けなんだなあ、としみじみ思いました。

ちなみに、なんと今まで主人公やってたアリスは実はアリシアのクローンだったらしいです。まあでも、もういいよね。


逆に良かった点。
・全体的にアクション→アクション→アクション…と、トントン拍子で進んでいくので見ていて飽きない。私は話が退屈だったら寝てしまうタイプなのですが寝ずにしっかりと最後まで見れました。

・急にゾンビが出てくる演出などはやはり怖い。映画館の中で体を「ビクッ!」とさせてしまいました。

・レーザートラップ。やっぱりバイオ映画といえばレーザートラップだよね。サイコロステーキは無かったけど、久しぶりに見れて良かったです。

・最後は割としっかりしてたと思うよ。ちゃんと希望が見えたし。

別にご都合主義とかはもういいんですよ。しっかりとハッピーエンドで終わった。それだけでこの映画は満足です。



まあともかく、良くも悪くもないなんともいえない出来でした。

しかし、バイオハザードの映画には今まで楽しまさせてもらったので、やはり終わりとなると感慨深いものがありますね。

映画の最後にレッドクイーンが「あなたたちはここでみんな死ぬのよ」と言ってたけど、まさかまだ続くのか?
結局抗ウイルス剤も全世界に広がるのはまだ数年かかるみたいだし、今作も例に漏れず俺たちの戦いはこれからだエンドだったわけだし、一応続きは作れるからね。

ともかく、主演のミラ・ジョヴォヴィッチさん。お疲れ様でした。ミラさん主演の作品をまたお待ちしています。


おしまい。

当ブログの概要(クーヤ家の日常)

みなさんこんにちはクーヤと申します。


・プロフィール
名前は先ほども記したように、タイトルにもなっている通り『クーヤ』と申します。twitterやっています(@wadorururu。仮面ライダーをはじめとした特撮作品、アニメが好き。最近はアイマス(特にデレマス、ミリオンはあまり知らない)に夢中。咲-Saki-も大好きで咲関連の記事だけの麻雀自由帳(http://wadorururu.blog.jp/)というブログもやっております。

・ブログ概要
プロフィールで記したように特に好きな特撮やアニメ関連の感想記事などが大半。特撮、アニメに限らずも映画、漫画などの感想記事も多め。たまに小説やSSなども書いたり、旅行記事なども書いたりします。
コメントなどは常に確認しているわけではないので遅れるかもしれませんが、基本返信させていただきます。感想などいただけたら幸いです。



最終更新日(2017/01/05)
どうも麻雀自由帳、クーヤ家の日常の中の人です。最近は仮面ライダーが好き。相変わらず穏乃と山巡りに行きたいです。デレマス卯月P。他にもまゆとかあすらんとか結局みんな好き。趣味・創作系ブログhttps://t.co/8fI1L3jvzW下のURLは咲関連のブログだよ。
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