
若狭三方の「縄文博物館」横にある「福井県年縞博物館」は予備知識もなく訪れた新しい博物館だったが、思いのほか興味深いところだった。
「年縞」とは湖底にプランクトンや鉄分など季節ごとに堆積した泥の地層の縞模様のこと。水が攪拌されない条件を満たした若狭の水月湖では湖底までのうち45mの年縞が採取されており世界一の長さを誇る。その泥を薄くスライスしてスライドに固定し展示しているのだ。この縞模様をすべて数えたらなんと7万年になるという。一見地味な対象物だが、そこには花粉(気候や生命分布を知る重要材料)、火山灰、黄砂、洪水跡など7万年の地球の歴史が記録されているというわけ。この年縞は世界的にも知られる壮大なタイムマシンであり、放射性炭素年代測定法の精度を飛躍的に向上する世界標準の年代物差しにもなっているという。福井県すごいな。
年縞シアターでわかりやすい映像を楽しんだ後、運良く学芸員さんと共に年縞の時代時代の記憶を説明してもらうことができた(展示下部のQRコードを読み取ってスマホで説明を得ることもできる)。現生人類出現、氷河期と温暖化のサイクル、火山活動、地軸のゆらぎ、磁場の変化、いろんなことがわかるものだ。今、地球は氷河期に向かっていることも知った。ちっぽけな人間文化の歴史を遥かに超えたロマン旅行。縞模様がこんなに楽しいタイムマシンであるとは知らなかったなぁ。





展示室。学芸員さんの説明を聞くと面白さ倍増



年縞。左10000年前 右70000年前
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