2022年12月08日

若狭かに旅行8:七万年旅行

年縞4

 若狭三方の「縄文博物館」横にある「福井県年縞博物館」は予備知識もなく訪れた新しい博物館だったが、思いのほか興味深いところだった。
 「年縞」とは湖底にプランクトンや鉄分など季節ごとに堆積した泥の地層の縞模様のこと。水が攪拌されない条件を満たした若狭の水月湖では湖底までのうち45mの年縞が採取されており世界一の長さを誇る。その泥を薄くスライスしてスライドに固定し展示しているのだ。この縞模様をすべて数えたらなんと7万年になるという。一見地味な対象物だが、そこには花粉(気候や生命分布を知る重要材料)、火山灰、黄砂、洪水跡など7万年の地球の歴史が記録されているというわけ。この年縞は世界的にも知られる壮大なタイムマシンであり、放射性炭素年代測定法の精度を飛躍的に向上する世界標準の年代物差しにもなっているという。福井県すごいな。
 年縞シアターでわかりやすい映像を楽しんだ後、運良く学芸員さんと共に年縞の時代時代の記憶を説明してもらうことができた(展示下部のQRコードを読み取ってスマホで説明を得ることもできる)。現生人類出現、氷河期と温暖化のサイクル、火山活動、地軸のゆらぎ、磁場の変化、いろんなことがわかるものだ。今、地球は氷河期に向かっていることも知った。ちっぽけな人間文化の歴史を遥かに超えたロマン旅行。縞模様がこんなに楽しいタイムマシンであるとは知らなかったなぁ。

年縞2年縞8
年縞1
年縞3年縞9
展示室。学芸員さんの説明を聞くと面白さ倍増

年縞7
年縞5年縞6
年縞。左10000年前 右70000年前

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この記事へのコメント
KIDさんへ
おはようございます。
こんな形の博物館が存在することにびっくりです。素晴らしいですね。
悠久のロマンですね。たしか福井県は恐竜でも有名でした。
この縞模様は地球の作ったバーコードなんですね。
太古のデータ、そして未来の地球すら推し量ることができる。
ブルッと震えがくるほど衝撃です。なんだか嬉しくなります😃
Posted by ベティ at 2022年12月08日 08:30
 おはようございます。
 今日も良いお天気洗濯日和です。さてそろそろクリスマスの飾りつけしようかな…とサンタクロースを出してきました。

 へ〜〜〜ビックリです。こんな年縞博物館があったなんて知りませんでした。そういえば湖の底だって地層のようなものがあっても不思議ではありませんね、でも7万年を数えた人すごいですね、大昔の謎が解けるどんな生物が存在したか生活がわかるカギになる大変なものです。その湖底潜んでいたものが見ることができる大切な場所ですね。
Posted by ディナーのテーブルメイト at 2022年12月08日 10:17
●ベティさんへ●
「地球の作ったバーコード」いいですねぇ。確かに福井には恐竜博物館もあり、福井県はけっこう持ってるものがすごい。この年縞博物館、興味を持つとはまりそうな面白さです。
Posted by KID at 2022年12月09日 07:13
●ディナーのテーブルメイトさんへ●
この縞の数を数えた人はドイツの研究者だと聞いた気がします。気が狂いそうな作業ですよね。実は世界あちこちで地中を掘り下げ年縞を採取し研究しているそうです。ここの年縞は中でも世界的な興味を集めているようです。
Posted by KID at 2022年12月09日 07:18
 
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