2024年07月15日

部屋の窓から22:ニューカレドニア

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 ニューカレドニアはヌーメアで滞在したホテルの部屋はキッチン付きの快適な部屋だった。町のベーカリーで買ってきたパンでクロックムッシュサンドなんぞ作って、ベランダのテーブルで鳥の声を聞きながら朝食を食べた日々が懐かしい。ただ、このホテルのベランダのガラス扉はオートロックになっていて、外から閉めると部屋に入れなくなってしまうのが不便だった。ガラス扉に描かれた注意をみるとフランス語英語と並んで日本語でも書いてある。ニューカレドニアには日本人観光客も多いということである。
 ところが、今年5月に発生した暴動以降非常事態宣言は解除されたものの、ニューカレドニアに来る観光客は激減、今現在も島全体閑古鳥が鳴いていると先日のニュースで報告していた。初めて訪れてこの島の美しさに歓喜したのはついこの間のことだったのに、こんなことになるとは想像していなかった。当時の印象でフランス人と先住民は「棲み分け」しているようだとやんわり書いたが、フランス領たる島のフランス政府と先住民との軋轢には深いものがあるようだ。島の地方参政権に関する本国の強引さに端を発する先の暴動で、カナックの人がインタビューに答えて「共存なんてことは今まで一度もなかった」と答えていた。ヌーメアのココティエ公園には独立運動の父ジャンマリー・チバウとフランス人有力者ジャック・ラフルールが握手をしている平和の像があるのだが、南太平洋の「天国に一番近い島」で対立はいつまで燻り続けるのだろうか。

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この記事へのコメント
KIDさんへ
おはようございます。
美しいニューカレドニアで5月に独立のための暴動が起きたことに驚きました。先住民の方はいろんなことに耐えてきたんだなと…日本における沖縄のような立場にあったんだなと…
南太平洋に浮かぶ「天国に一番近い島」の手つかずの美しさの陰には…あえて明るい「南の薔薇」をBGMに、演奏はご存じ東京大衆歌謡楽団。
Posted by ベティ at 2024年07月15日 07:39
 おはようございます。
 朝は怪しげなお天気だったけれどよく晴れてきました。予報では曇りだったのですけれど…庭の草も伸び放題だけれど草むしりもやりたくないな〜〜

 ニューカレドニアというと「天国に一番近い島」という美しくて平和な景色を思い浮かべますがフランスと先住民の間には問題もあるようです。映画南太平洋でのやはり美しい海の映像が思い浮かびますがやはり戦争中だったわけですもの・・・また観光客が訪れて素晴らしい海やホテルの快適な生活を取り戻してほしいですね。
Posted by ディナーのテーブルメイト at 2024年07月15日 09:45
●ベティさんへ●
先住民の方々には沖縄のような悲しみが心の奥に残っているのかもしれません。植民地とは何か、しっかり捉え直す時期が来ているかもしれません。東京大衆歌謡楽団、聞きました。いいですね。かなり前から活動しているんですね。
Posted by KID at 2024年07月16日 06:46
●ディナーのテーブルメイトさんへ●
勝手ながら9:1を3:8まで逆転するような共存の仕方って模索できないのだろうか、なんて思います。観光業が受けたダメージを考えるとこの島に早く平穏が訪れて気軽に訪ねられる日が来ることを願うばかりです
Posted by KID at 2024年07月16日 06:51
 
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