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暗い灰色の空ながら上空から降るものもないものの、疎らな雨雲が一部の地区を濡らしながら移動しているようだった、何処からともなく蝉の鳴き声が聴こえていたそんな七月文月上旬の水曜日だった。

東京ラーメンストリートで営業していた麺や七彩がいつのまにか閉店してしまい、その区画にベジソバ等で人気を博している、ソラノイロの新店舗が先月18日から営業を開始した。

さて麺や七彩はどうしてしまったのだろうかと思っていた矢先にこちらの移転オープンを知って、まだ体調に波があるものの多少の移動ならば問題ない程度だけにそれならばと2015年7月7日オープンの翌日さっそく訪ねて見ることにした。

ネットで調べると2015年5月10日を以て、東京ラーメンストリート店の営業が最終日を迎えたようだった。

麺匠むさし坊で修行されていたお二人によって、2007年2月27日から都立家政駅周辺で開業したこちらで、創業した年の暮れに訪れたものだ。

オープン当時から続いた絶大なる人気を博すこちらであっただけに、その後東京駅一番街の東京ラーメンストリートの一店舗に相応しいとしてオファーがあったようで、2011年4月8日からその店舗営業が華々しく開始された。

東京ラーメンストリートの店はファンの期待に応えた限定提供メニューも見られ昼のレギュラーメニューでは喜多方ラーメンを中心に提供し、夜は創業店で行っていたように江戸甘味噌ラーメンの店としてブランドを変え「TOKYO味噌らーめん江戸甘」の暖簾が掛けられた。

本店機能がラーメンストリートの店舗に委譲されたこともあってだろうか、都立家政の創業店を2012年5月23日から食堂七彩としてリニューアルさせて現在に至っている。

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そんなわけで秋葉原で車輌が更新されてもシルバーカラーのボディは変わらない、久しぶりの地下鉄日比谷線電車に乗り換えて八丁堀へやって来た。

このレポートでも何度となく触れているが、私にとって何とも縁のある界隈だけに、街を眺めると懐かしい思いが蘇るしかなかった。

八重洲通りを東京駅方面へ向かって行くと、大垣共立銀行がある交差点の少し手前の真新しいビルの一階で、店舗名が記載された看板が程なく見えて直ぐにその場所がわかった。

見ると数人が入店して行ったが、そうしない内に出て来て、私の横を素通りして違う外食店へ入って行った。

はて?と思うまもなく到着して中へ入ると、奥に10人近くが店内で並んで混雑しているので時間に余裕があればどうぞとのことだった。

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奥が死角になって見えず、それに配慮したお店の方の対応のようだった。サラリーマンのランチタイムは、それほど無い方も多いだけに、その後も諦めて他店に流れる方も若干見受けられた。

しかもこちらでは新しい試みとして、直前に小麦粉にカンスイを合わせてこね上げて、木製の棒で広げ麺帯状に形成させ、それを包丁で麺状に切り上げて行く手打ち麺の提供を実践しているようだ。

これが追いつかなくなると、予想外に待つことも考えられるだけに、ランチタイムの時だけはある程度作り置きの麺を用意する必要に迫られることになるのかも知れないと心配になった。

ともあれ券売機の前に立って、予め考えていたチケットを購入。提供メニューはネットでも見たように、やはり喜多方(煮干)と喜多方(醤油)のみだった。

思わずこちらの創業時に食堂はせ川の醤油と坂内食堂の塩味で、無化調による喜多方ラーメンの店としてスタートしたことを思い出した。

やはりそこは選択するならと煮干の方で肉そばを選んで、単品と付記されていた味玉のボタンを連打した。

チケットを手にすると煮干では無くSAと記載されており、お店の方に手渡す際に念のため確認するとそれで間違いないとのことだった。

どうやら八周年を迎えた今年の記念ラーメンとして作られたものらしく、喜多方ラーメン店のさゆり食堂を参考にして作られただけにさゆりの頭文字からSAと呼んでいるそうだ。

ちなみにさゆり食堂は喜多方ラーメンの人気店としてファンも多かったが、数年前に残念ながら閉店してしまったものの2年間のブランクを置いて先代の味を受け継ぐ方が現れて現在復活して営業しているようだ。

店内には先述したように、10人近い行列が出来ていた。外に流れると色々とあったりするが、店の中であれば文句を付ける人もいない。なるほど なるほど。

などと思っている内に空いたカウンター席に促されて、そうこうしている内に程なく到着。

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チャーシューは弾力性が良く旨味のいい豚バラ肉に、低温調理されてほんのりと紅みがかった豚モモ肉の2種類。まるで大当りしたスロットルマシンのコインのように、それらが丼の上にこれでもかと山積みされていた。

それではと行かせて貰えば、もう至福のチャーシューワールドと、暴れ太鼓を打ち鳴らすバチさばきの如く口の中でうねる極太自家製麺の持ち味がたまらないもの。

しみじみと来る無化調の喜多方系らしいえぐみの少ない優しい味わいの煮干し醤油スープで、目をつぶれば喜多方の蔵が続く町並みが広がり、遥か遠くには雄大な会津磐梯山が臨めて、耳を澄ませば何処からともなく、会津磐梯山は宝の山よ~♪と、力強いその民謡の歌声さえ聞こえて来るほど。

箸を持つ速度が次第に高まり、それだけに気がつけば完食だった。少し離れた券売機のすぐ上には、大木から切り出した木板に次のような文章が綴られていた。

らーめんとは麺を美味しく食べるための料理である。余計な仕事はいらない。どこまでもシンプルに、そしてどこまでも素直に素材の魅力を引き出してやる。

一つひとつの食材に耳を傾け、その声を聞く。美味い一杯の醤油らーめんを創るために。そして多くの生産者に感謝。

厨房の方にご挨拶して席を立ち外に出て上空を見上げると、ちょうど水蒸気をたっぷりと含んだ不安定な雲行きで、案のじょう数分もしない内にアスファルトを濡らす水滴が一つ二つと落ちて来た。

それが何処か梅雨明け近くに降るような、夏の知らせが待ち遠しくなる静かな雨音だった。いや、かなりとんでもなく絶大に果てしなく、途轍もなく壮大に明確に明瞭に的確に実に素晴らしくて良かった。

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★麺や七彩 SHICHISAI 八丁堀店

ツィッター公式アカウント/https://twitter.com/ys0829ys1006
住所/東京都中央区八丁堀2-13-2 ドミノビル1階 TEL 非公開 定休日/火曜日 営業時間/11:00~15:30/17:30〜21:00

※アクセス

東京メトロ日比谷線八丁堀駅A5出口下車。出口前の交差点を左折してその八重洲通りを進み100mほど先の通り沿い八丁堀二丁目交差点手前の左手にあり。



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