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夏の表層が暗い雲間から射す陽射しと共に大気にさらされて、九州南部から明けて行く梅雨の終わりもそう先ではなくなって来たと思っていたそんな七月文月十八日の祝日月曜日。

今日も仕事が終わって外に出れば、穏やかな夜風がそよ風のようにそよいで、九州南部から東海地方まで一気に梅雨明けしたことが報じられていた午後七時過ぎだった。

また今年も冷し中華の季節がやって来た。そんな冷し中華発祥の店と言えばこちらで、実は未だ一度も訪れておらずそれならばとなって、今夜こそと訪ねて見るかとなった。

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と言うわけで仕事帰りに立ち寄ることにした次第で、新宿で都営地下鉄新宿線電車に乗り換え神保町で下車。

A7出口から出て前方の大通りを左手に進んで行き、程ない神田すずらん通りを左折して20mほど歩くと左側に風情も良く佇んでいた。

京劇で目にも止まらぬ早さでお面を変えて行く中国伝統芸能があり、それで利用される京劇の面がトレードマークになっているこちらで、それが何とも異彩を放つ店先だった。

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さっそく入店して行くと雰囲気のいい、ヌーベルシノワの中華店をイメージさせる比較的広いフロアが広がっていた。上の階もあるようだが、そちらは宴会フロアなのだろうか。

数人の先客が居る店内でスタッフが奥から出て来ると、予約席もあるのか来店客を集中させるように先客の隣り合うテーブル席に促されてそこに腰を下ろした。

メニューリストなどから元祖冷し中華と添え書きされていた、五色涼拌麺と焼き餃子を予定通りオーダーした。

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中国寧波出身初代店主の周所橋氏が1906年の明治39年に西神田で創業させたこちらで、すると今年で開業して110周年にもなる老舗中国料理店だが、その創業年前にも支那そば店を営業していた店主らしかった。

昭和初期頃に西神田から現在の神田神保町すずらん通り沿いに移転を果たしたようだ。かなり由緒ある中華店で、思わず現存最古の中国料理店である、1884年の明治17年に創業した横浜中華街の聘珍樓を思い出させた。

元祖冷し中華は二代目店主である初代店主長男の周子儀氏が、1933年の昭和8年に神田生まれだけに蕎麦好きが高じザル蕎麦のような中華そばを開発しようとして作り上げたものらしい。

なお3代目店主は2代目店主の長男である周祖基氏が継いで、現在の4代目店主になる沈松偉氏は、祖基氏の従弟にあたる方らしい。当時上海に在住していて、そこから呼ばれて来日。10年ほどの修業を経てから、こちらの中国料理店を代継ぎしたようだ。

また池波正太郎など数々の著名人から愛された、上海式肉焼きそばも人気のこちらだそう。

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昭和63年に現在のビルを竣工したそうで背中の壁面の額縁に映るフォトは、それ以前の建物であることを精算カウンターにちょうどおられた四代店主である沈松偉氏が教えてくれた。

そのカウンターには年代物の木製レジスターが飾るように置かれていて、お聞きすると昭和初期に製造されたものだそう。現在でも使用することが出来るそうだが、金額が9999円の四桁までまでしか打ち込めないため利用していないそうだ。

銀座に系列店が営業していた時代もあったこちらのようだ。ちなみにネットに寄れば元祖冷し中華店と言うと、龍亭@仙台も同時期に冷し中華を提供していたと言う。程なく到着。

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1992年に刊行された冷し中華とラーメンのムック本を所蔵しているが、そこにも正統派冷し中華として紹介されている。それを以前に神田古書街で購入した頃から、ずっと温めていた宿題店の一つのこちらだった。

そのページの冒頭に映るものとほぼ同じ五色涼拌麺が目の前にやって来た。それは富士山の四季を表現した、美しい彩りをテーマにしていると言う。

特製卵麺の上に具材類を7㎝にほぼ切り揃えて立て並べた、チャーシュー・キュウリ・筍・糸寒天・インゲン豆の上に錦糸卵が散りばめられ、その足元などに剥き茹で海老・うずら茹で卵・鶏団子・椎茸が配置されていた。

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それではと行かせて貰えばそれはもう、醤油に甘酢が効いた持ち味に風情も豊かな味わいが実にたまらないもの。

穏やかなさざ波が心を揺らすように、感無量の三文字が脳裏で肥大して行くしかなかった。1500円ほどの提供メニューながら、それに見合った満足感が心の中で加速して行った。

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焼き餃子がそれを食し終えた頃に来て、思わず半ライスを追加オーダーして食せば、これまた実に美味しいもので、それだけに気がつけば完食だった。

いや、感慨無量・言語道断・桃李成蹊の素敵な味わいで、歓天喜地・欣喜雀躍となった素晴らしき五色涼拌麺と焼き餃子と言えた。

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★ 天下第一味 揚子江菜館

※公式サイト~http://www.yosuko.com/
住所/東京都千代田区神保町1-11-3 TEL03-3291-0218 定休日/年中無休 営業時間/11:00~22:00(21:30LO)
※アクセス
都営地下鉄新宿線神保町駅A7出口下車。前方の大通りを左手に進んで行き、程ない神田すずらん通りを左折して20mほど歩いた左側にあり。
       
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