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強い南寄りの風が雨雲を呼んで朝方街のアスファルトを軽く濡らさせて、灰色の表層はドリクブルーグレーとフィルンブルーグレーが入り混じる色に染まっていた二月如月下旬二十三日の木曜日。

今日も仕事が終わって外に出れば雨はとうに止んだようで、そよぐ南寄りの風が街を春らしくさせていたそんな午後七時過ぎだった。

つい先日は京王井の頭線途中駅の久我山周辺に開業した新店を訪れたものだが、それで明大前経由で都営新宿線直通電車で帰途に就くパターンを覚えるところとなった。そこでそれならば 一度訪ねた永福町大勝軒系総本山のこちら へ、仕事帰りに立ち寄れると気づいた次第だった。

以前から触れているように大勝軒は大きく分類して、開業順に列挙すると人形町系と丸長系と永福町系に分けることが出来る。それぞれは全く繋がりはないものの、同じ店名で営業しているラーメン店同士だ。

戦前からの歴史ある人形町系大勝軒は、当時日本橋芳町と呼ばれていた人形町の地に1905年の明治38年に創業した最古参の大勝軒で、その当時に日露戦争で日本が大勝したことから命名されたと言う。

そのことを旧浜町の新川大勝軒でお聞きしたもので、人形町大勝軒系店舗は現在でも、日本橋横山町大勝軒、日本橋本町大勝軒、浅草橋大勝軒、清澄白河大勝軒などが営業している。

また丸長系大勝軒は荻窪丸長に端に発する大勝軒で、戦後まもない1951年中野の地に「大きく軒並みに勝る」と言う願いを込めて開業したもので、その後代々木上原大勝軒が本家となって行った。

そしてそちらは東池袋大勝軒や喜多見大勝軒に野方大勝軒(閉店)の暖簾分け店が開業して、東池袋からは多くの派生店が産声を上げて行った。

そう言えば永福町大勝軒は、何故その店名を命名したのだろうか。もちろん以前にもかなり調べて来たが、いまだその由来は判らずに至っている。

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そんなわけでそこら辺が再燃して今夜こそ解き明かされることが出来ればと、また帰宅時に中央線快速ならぬ京王井の頭線電車に飛び乗り今夜は夜の永福町に降り立った。

2011年に駅ビルが出来たらしく、様変わりしていた永福町駅にそれは驚くしかなかった。北口側に出て井の頭通りに出ると、変わらないこちらが営業していて、2009年秋に訪れて以来のその店頭にやって来た。

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さっそく入店して行くとさすが超が付く、老舗人気有名店だけに大盛況な店内が広がっていた。単身客であることを告げるために指を一本立てて行くと、店舗スタッフの方に入口辺りのカウンター席に案内を受けてそこに腰掛けた。

程なくオーダーを聞きに来られたので、予定通りチャーシューメンをお願いして、生玉子の文字にそれも一緒に希望することに。

ちなみにこちらも多くのその流れを汲む店が営業していて訪問した店舗を上げて行くと、大久保めとき・赤坂味一・柏大勝・まるき・西習志野大勝軒・ラーメンハウス中島・大宮大勝軒・東川口大勝軒・昭島大勝軒などが挙げられる。

ふと見ると2011年に発刊されたらしい創業店主草村賢治氏著の自伝本「ラーメンは味変え、人生も味変え。」がさりげなくカウンター席のあちらこちらに置いてあった。

これを見ればきっと店舗開業時のいきさつが記されているだろうと読んで行くと、その内容はタイトル通りの味変えに終始していて、製麺所草村商店が開業させたことが記述されているだけだった。

ともあれこちらの営業の変遷も記されていて、思わずそうだったのかと読み進めて行った。それによると1955年の昭和30年3月4日に創業し、1957年それまで対応していた出前を取りやめ、1966年より本格的に味変えに取り組み始めたそう。

その後1969年4月には何と火事で店舗が全焼したことがあったらしく、ともあれ10月には再開し、1985年店舗を渋谷に移転するものの三日で閉店しその翌年にまた永福町の店舗で再開。1994年からお土産ラーメンを開始したそうだ。

またラーメン通信最新版に寄れば、2014年に高品質こだわり食材による食材改革が成されたそうで、更なるブラッシュアップがあったそうだ。そんなラーメン通信に自伝本を見ても、店舗スタッフにお聞きしても、結局は店舗命名の経緯は判らず終いだった。

謎は深まるばかりだが、自伝本を読み進めて行くうち、容易に光明を見い出すことが出来た。製麺所草村商店を創業させた父親である草村繁勝氏から、どんな仕事でも日本一を目指すようそんな商人の教えを説かれて来た草村賢治氏らしい。

日本一美味しいラーメン屋になるとして、この大勝軒を開業させたと言う。それだけに大きく勝つことを目指して、店名を命名したことが伺えそうだ。そんな創業店主だが店舗スタッフにお聞きすると、最近になって体調を崩されたらしく、自宅で静養しておられる日々だそう。程なく到着。

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それではと行かせて貰えば、その絶大なる味わい深さに、それはもう打ちひしがれて実にたまらないもの。チャーシューがまた、めちゃくちゃ素敵だった。

それにしても大量の煮干しに、豚骨・背脂・玉ねぎ・人参・じゃがいも・昆布も利用して炊いたスープは、こちらならではのものがあった。草村商店謹製の中太麺がまた良かった。

後半になってから生玉子を投入して愉しめば、またその風合いに心がしみじみとなってこれまた実に良かった。それだけに、気がつけば完食。

いや、一網打尽・悩殺昇天・滋味招来・絶賛感銘・鮮麗妙味・精良博識・絢爛華麗・面向不背・風味絶佳・百様玲瓏・優美高妙・大慶至極の素晴らしさ。

そして、天下逸品・極上品質・軽妙洒脱・英姿颯爽・星河一天・絢爛華麗・秀色神采・風光明媚・絶妙可憐・切磋琢磨・仁者無敵・至純至高・当代無双・至大至高と言うしかないもの。

さらに、謹厳実直・質実剛健・気韻生動・英華発外・崇高冷厳・感慨多端・恐懼感激・感恩戴徳・最上無二・英明果敢・以下省略と続いた。

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★ 永福町大勝軒

※公式サイト~http://eifuku-taishouken.com/
住所/東京都杉並区和泉3-5-3 TEL03-3321-5048 定休日/不定休(月三日程度・盆休・年末年始)
※アクセス
京王井の頭線永福町駅下車。改札口を出たら左側の北口に出て、前方井の頭通り永福町駅前交差点の右奥にあり。


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