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寒波を後退させる南寄りの風に気温上昇気味なものの日暮れから風の向きが変わる予報となっていた、青空から陽射しが煌めくそんな青い表層はパンジーブルーに色づく十一月霜月二十九日の水曜日。

今日も仕事が終わって外に出れば風の向きはそれほど変わらなかったのか、初冬と呼ぶにはまだ早いと言わんばかりに日暮れた街角の気温をそれほど上げずにいたそんな午後七時過ぎだった。

先日は新中野の某新店を訪ねたものだが、その際に幾つかの周辺店にもチェックを入れていた。そんな中でこちらの老舗中華店が、何故かとても気になっていた。

かなり昔に何処かの雑誌で一番から百番まで、首都圏辺りで営業している中華料理店を紹介する特集記事があり、そう言えば三番も在ったことを思い出したものだ。

ともあれ候補店の一つに過ぎなかったが、常連さんらしき方のブログでこちらのオムライスが紹介されており、その画像に釘付けにされてしまい、もはや今夜はこちらしか有り得なかった。

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そんなわけで、またしても荻窪で地下鉄丸の内線電車に乗り換え、新中野で下車。今夜は出口2から出て、青梅街道を右手に進んで行く。

程ない杉山公園交差点を右折し、その中野通りを80m程歩いた頃だろうか、通り沿いの右側に如何にも老舗らしい雰囲気に包まれた、こちらが風情も良く佇んでいた。

白い小ぶりな暖簾に店名が紅い文字で表されていて、その白生地2連の暖簾を見た時に、この中華店は他と違うと確信するしかなかった。

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さっそく入店して行くと、先客が数人に店主が厨房に一人おられる店内が広がっていた。中ほどのカウンター席の前に立つと、その後ろの壁面いっぱいにメニューがこれでもかと、手を広げるように列記されていた。

オムライスのオーダーは必須なものの、麺メニューは最後の最後まで決められずに来てしまった。チャーシューメンか、いや違う、それならばタンメンか、いやいやいや。

そんな心の葛藤に終止符を打たせたのは、そんな時はラーメンでいいじゃないかだった。今夜のメインディッシュは、やはりオムライス。ラーメンはシンプルに行こうとなった。


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ふと見上げれば、今は無き明治28年創業明治時計株式会社製の数字の書体が少し違う感じが素敵な、比較的大きい丸型掛け時計が頭上の壁に据えられていた。

その傍には招き猫が鎮座していて、入口寄りの壁面には奥さんの趣味だろうかフラワーアレンジメントの作品が飾られていた。オーダーを告げると、再確認を受けてから、注文したものの調理が始まった。その頃には奥さんもフロアにいらした。

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中華鍋で華麗な技の数々を目の当たりにしている内にオムライスがやって来た。お新香も一緒に付いて来た。玉子はいつの間にか気がつかない内に、チキンライスの上に乗せられていてマジックを見ているようだった。そして程なくして、ラーメンも到着した。

ケチャップソースが仕込まれた橙色に染まるチキンライスに、絶妙な火加減なふわふわの卵焼きが乗せられ、さらにケチャップソースがたんまり掛けられていた。

一方のラーメンは刻みネギが散らされて、チャーシューに柔らかいメンマとナルト巻き、さらに何故か台形のカタチに見える海苔が1枚が意味有り気に浮かんでいた。

それではとオムライスからまずは行かせて貰えば、もう何事が起きようともそのスプーンの往復運動は、何ぴとたりとも停められない勢いで喰らうしかなかった。


粗切りの鶏肉とタマネギが何とも言えない素晴らしさで、その絶大なる旨さはもはや神の領域とさえ言いたくなるものだった。

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そしてラーメンも行かせて貰えば、一口啜れば昭和を代表する数々の出来事が、まるで走馬灯のように目の前に現れては消えて行き、それはもう切なくなるほどの味わい深い持ち味が心を洗わせた。

多加水気味の中太縮れ麺がこれまた素敵で、プリプリした風合いが独特な個性を感じさせた。しばらく前に懇意にしていた製麺所が閉業したらしく、現在は蒲田にある製麺所を利用しているそうだ。

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実兄と共に1958年頃に創業した今は無き中華三番@大森で修業して、その後に高円寺でその実兄と共に中華三番を開業。そして実兄は現在阿佐ヶ谷で中華三番を開業させ、こちらも1976年から新中野駅周辺のこの地にそれぞれ開業して今日に至るそうだ。

大森本家は実家だったのかそこは聞き逃したが、その店名由来は背番号3こと読売ジャイアンツ終身名誉監督として知られる長嶋茂雄氏に起因するものだそう。

なるほど創業年にプロ入りされており、その大森本家には石原裕次郎さんが歌う背番号3が流行った頃と言うから創業まもない頃だろうか長嶋さんご本人が来店したこともあったそうだ。

思わずミスターが命名したと言う天外天@横浜中華街が脳裏を掠めたものだが、そう聞くと台形の海苔がホームベースに見えて来るから不思議だ。

そう言えば店頭の庇ビニールシートが、ジャイアンツカラーのオレンジ色だった。オムライスにラーメンどちらも実に美味しいもので、それだけに気がつけば完食。


いや、純情可憐・無垢一途・感激称美・非凡優美、感謝感激・感涙号泣・崇高可憐・切磋琢磨、卓越妙味・絶妙風雅・誠心誠意・群雄割拠、天下逸品・極上品質・百花繚乱・光彩陸離の感動風情。


そして、高論卓越・和而不同・深謀遠慮・理路整然、完全絶後・永遠偉大・優美高妙・大慶至極、敬服桂味・驚嘆風趣・絶品美味・格別風味、一意専心・堅忍不抜・驚愕感動・賛嘆情趣の無尽歓喜。


と来れば、往古来今・一意奮闘・一網打尽・悩殺昇天、不段節季・積水成淵・風味絶桂・百様玲瓏、絶妙均整・猛攻沁々・艶麗繊巧・秀麗皎潔、威風旋風・絶品美味・祖先伝来・祖先崇拝の猛烈怒涛。

となれば、完全無欠・猛烈号泣・絶妙激旨・決然感銘、絶妙可憐・極上清楚・円熟無礙・威風凛然、気骨稜稜・温良貞淑・千古不磨・永垂不朽、意気軒昴・感慨多端・拍手喝采・恐悦至極の余韻嫋々と言うしかなかった。

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★ 中華料理 三番

住所/東京都中野区中央4-6-9 TEL03-3382-8630 定休日/日曜・祝日 営業時間/11:30~14:00中休17:00~22:00
※アクセス
東京メトロ地下鉄丸の内線新中野駅下車。出口2から出たら青梅街道を右手に進んで行き、程ない杉山公園交差点を右折。その中野通りを80m程歩いた、通り沿いの右側にあり。


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