健康チェック付き乗馬体験プラン　(平成19年度青森県健康ビジネス創出支援事業)

１．事業の背景


現在、ダイエット機器などに代表される乗馬の身体的効果が注目されている中、昨年度、北里大学にて「ホーストレッキング前後の安静状態におけるヒトの自律神経活動および心理状態の変化」を測定した結果、ホーストレッキングにより騎乗者の副交感神経活動(リラックス時の活動)のレベルが上昇するとともに、抑うつ・落ち込みの減少や活気の上昇などといった心理状態の改善が認められ、乗馬活動を健康増進の手段として社会に提供できる可能性が見出されました。
馬に乗って野山を駆け巡るホーストレッキングに「楽しさ」のみならず「健康増進」といった価値を付加することにより、リラクゼーション・自律神経機能の調整・心理状態の安定・あるいは白然免疫機能の向上などといった、身体機能の向上を目的とした乗馬サービスを提供することができ、北里大学と共同研究を行うことにより、科学的データが蓄積され、より良いサービスの向上に資することができる。
十和田市の地域資源でもある「馬・乗馬」と「豊かな自然」を生かした健康増進ビジネスの可能性を感じ、平成１９年度青森県健康ビジネス創出支援事業の補助を受け実施いたしました。


２.事業の内容


今回の事業では、3種類の検査手法を用い、運動(ホーストレッキング１時間)を行った後の自律神経の変化を調べました。
1.心電図R-R間隔変動解析（HRV）
　心電図の波形から解析を行ない、心臓の副交感神経活動を評価します。
2. 唾液酸化還元電位測定
　だ液から体内の疲労レベルやストレスの度合いを測ります。
3. 唾液中IgA濃度測定
　採取しただ液に含まれる免疫グロブリンA（IgA）抗体の濃度を細かく調べ、ストレスの度合いを測ります。


3.実施結果
この検証により、わずか1回1時間のホーストレッキングだけでも、心臓副交感神経の活動レベルが増大し、交感神経の活動レベルが低下することが明らかとなりました。
感覚的には健康的で体に良い感じのするホーストレッキングが、免疫力の向上効果、病気の予防や抑制効果につながることが科学的に明らかになりました。
さまざまな病気をもたらす要因とされる交感神経の過度の活動を抑えるには、副交感神経を刺激して免疫力をアップさせることが大切であり、その副交感神経を誘導する効果的な方法のひとつに「ホーストレッキング」があげられるわけです。


4.事業を通じて


定期的に開催している流鏑馬競技・地吹雪トレッキングといった「乗馬イベント」や「ホーストレッキング」も私達にとっては当たり前の事業活動ですが、遠くから来られた方、初めての方にしてみれば、馬もその景色も新鮮で、すべてがリフレッシュにつながるものであると、これまでの事業を通じて感じました。
つまりは、私達が日常の中で行っている生活活動やその地域の文化のような形のないもの、食資源や自然環境といったものすべて、他地域の人からすれば、非常に関心が高く健康につながる要素を含めた資質を持っていると思われます。
それをいかに表現し、アピールしていけるかが、青森県の健康ビジネスの創出のヒントになっているのではないかと、私達は考えます。
これからも私たち驥北会は、遊び、楽しみの要素を重視し、変わることのない交流の喜びと、自己実現への欲求を保障するために、暮らしの変化や、新たな社会的課題に挑みながら、自分達の強みを生かした乗馬ビジネスを目指していきます。

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■実施主体
特定非営利活動法人 驥北会（講師派遣）
十和田乗馬倶楽部（会場・乗用馬の提供）
北里大学獣医学部（ホーストレッキングの科学的検討）

■実施期間
2007年10月7日(日)〜2008年2月28日(木)
サービスプログラム「健康チェック付き乗馬体験」
2008年3月1日(土)・3月8日(土)
セミナー「青森型乗馬健康ビジネス創出の可能性」

■実施地域
青森県十和田市　十和田乗馬倶楽部内およびその付近

■参加費
5,000円(税込)

■実施プログラム
(1)健康チェック付き乗馬体験プログラムの提供


8：30 測定内容説明、騎乗・測定準備
9：00 1時間前測定
10：00 ホーストレッキング（乗馬シミュレータ）開始
11：00 ホーストレッキング（乗馬シミュレータ）終了
11：10 10分後測定
12：00 1時間後測定
13：00 2時間後測定
13：10 プログラム終了

(2)参加者募集のための広告宣伝活動

(3)事業記録ＤＶＤの作成


(4)啓発活動用パンフレット作成


(5)事業セミナーの開催