
自分の所有する全てのモノを把握していて、それらがどこに収納されているのかを把握している人はどれぐらいいるだろうか。
現代人、とりわけ日本人のモノの所有点数の多さは、過去の歴史を遡ってみてもダントツだと思う。
人によって差異はあるだろうが、使わないモノや存在すら忘れているようなモノが、部屋のどこかで眠っている環境は、なんとなく落ち着く環境だとは言えず、ゆっくり本を読むこともままならないような気がする。
それが現代人のライフスタイルと言ってしまえばそうなのだろうけど。
国が国民に借金をする。
国民が大して必要もないモノを買い漁る。
そういう暗黙のシステムによって、現代日本経済は誤魔化しで循環している。
民主主義を国民自らが放棄し、権威主義にすがる傾向が強い昨今。
弱い者はより弱く、強い者はより強くなり、弱者側に行かないように必死に権威にすがりつく我々の行く先はどこにあるのだろう。
そんな「怯え」からくるストレスが、たくさんのモノにカタチを変えて部屋のどこかで眠っているのだ。
そんな、「どことなく疲弊している」社会で、少しでも正常な精神状態を取り戻すには、日常とは距離を置いた場所に身をおくことがいいと思う。
私にとっては、カブでどこかへ出かけたり、キャンプに行くことだったりする。
特に今年はキャンプに力を入れている。
日常とは違う場所へ身をおくには、キャンプはうってつけである。
しかしキャンプはたくさんの道具が必要なので、毎回キャンプの準備には頭を悩ませる。
キャンプの準備が好きな人もいるだろうけど、私は苦手である。
一年中パッキングした状態でカブのリヤキャリアに積みっぱなしにしておきたいぐらいなのだが、それはあまりにも現実的ではない。
「非日常の場所に身をおく」と先に書いたが、私にとってのキャンプの楽しみは、正に字面そのままで、普段の住んでいる場所とは違う場所で日常を営みたいという趣向が強い。
なので、キャンプ道具の理想は、常日頃から使っているモノが望ましい。
要するに家で使っているお茶椀や布団のことだ。
もちろんキャンプ道具には独特の美しさがあり、古い道具などは骨董のごとく、見ているだけで興奮してしまうのだが、現実にキャンプするとなると、どうしても日常使いのモノが望ましいと思えてしまうのだ。
しかし家庭用の調理器具はかさばるし、食器類は割れやすい。
もちろん布団なんてカブに積めるはずはない。
では発想の転換ということで、キャンプ道具を日常生活に取り入れることにより、無理やりに「日常化」することを考えてみた。
たまにしか作らない晩御飯(その時点である意味非日常体験だけどもね)で、ガスバーナーとコッフェルを使ったり、布団の代わりにシュラフを使うなどを試してみたわけである。
さすがに家を飛び出して、近くの公園にテントを設営して住み着くわけにはいかないし、焚き火や炭火をベランダでやることはできないが(庭でできる人がうらやましー)。
日常でも使えるキャンプ道具を、実際に日常で使い続けてみた結果、そこそこ「日常化」することに成功したように思う。
なんとゆーか、道具に余計な気を注ぐ必要がなくなった感じ。
しかしまだ課題はある。
収納である。
道具を日常化することに成功はしたが、収納の日常化こそ大切なのではないか。
と、今週末のキャンプの準備をしている時に気がついたのだ。
毎回キャンプをするたびに、道具の収納場所が変わってしまう。
つまり、どこに何があるのかを、頭で考えながら作業しなければならない。
これは前頭葉の活性化にはいいことかもしれないが、非日常空間で日常生活を営みたい私にとっては、大きな問題となっている。
でも日常からモノがどこにあるのかを把握できていないのであれば、ある意味収納場所を把握することは日常的とは言えないのだが。
で、一番初めのことが頭をよぎったのです。
まあ、それはそれとして。
野宿ライダーでおなじみの寺崎勉は、パッキングはもちろんのこと、キャンプの準備から撤収の順序、荷物を固定する為のロープのフッキングの位置まで、全て決まっており、ルーティーン化しているという。
これは完璧なキャンプ行為の日常化だ。
寺崎氏は、月に10日ほどキャンプをするそうなので、年に10日ほどしかキャンプしない私と比べるわけにはいかないが、私が目指したいところは、寺崎氏の場所である。
そこに近づく為には、地道にキャンプ経験を重ねることでしか無理なのだろうか。
日常からキャンプ用のボックスやダッフルバッグを使っていれば、効果があるかもしれないが。
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そんなアレコレを考えながら、仕事をしておりました。
結局は、そんな試行錯誤も含めてキャンプは楽しいんやな、と至極当然ともいえる結論に達しただけでしたが。
今週末の私の住んでいる京都市内の予想最高気温は38度。
こんなクソ暑い場所は速やかに離れて避暑地でキャンプするに限ります。
でも道中はクソ暑いけどね。
部屋でガンガンにエアコンつけて、キンキンに冷えたビールを飲んでいる方が快適なのは百も承知ですし、実際、キャンプに行ってもやることは同じ。
なのに、なぜかワザワザしんどい思いをして遠くのキャンプ場まで行って、ビールが飲みたくなるのです。
今回のキャンプ場はスーパーなどが近くにないので、ビールを買っても、キャンプ場に着く頃にはヌルくなっていることでしょう。
それでも、部屋で飲むビールとは違うんですな。
どっちもうまいに違いはないんやけども、やっぱり何かが違うのだ。
この「何か」というのは、いくらネットで検索しても見つけることはできません。
実際にやってみるとすぐに「あーなるほどね」となるのですが。
まあ、マッチポンプと言ってしまえばそれまでなのですが。
二輪キャンパーはやっかいな性を持っておりますな。
そんなやっかいな自分が嫌いではない、なんて思うから、自分という人間はメンドーな存在である。
なんて、もうとことん自分と付き合うしかないってことかね。
と、いうわけで、今週末、テキトーキャンプ、やっておりますんで。





