ウフフフフ~な夫の親切

今日から夏季処遇により、自弁のタオルケットを所持使用していない者には

タオルケットを貸与するとアナウンスがあったのは、613日だった。

私は今月初旬にこの処遇変更を知り、夫には手紙で伝えた。


「三越と高島屋のカタログに、東京西川とロマンス小杉が出している

今治タオルケットが載っていました。

ゆいわた、あまわた、ガーゼケットやジャガード、シャーリングなど色々あります。

15日までに3枚送って下さい。電話かネットでも注文できます。」


どうせ、デパートに足を運ぶんだろうと思いつつ、三越伊勢丹通販と

タカシマヤ通販の申込方法も書いておいた。

案の定「日本橋高島屋に行って来ました。」と返事がきた。


いままで通販の件では、夫と何度も言い合いをした歴史がある。

私が指定したサイトにクレジットカード番号を登録して電子決済できるようにして、

と頼んだら、夫に物凄い剣幕で叱られた。


「ネットの買い物で、利用するごとにカード番号を入力するのは不正利用の被害を

防ぐ常識だから。俺はネットや電話でカード番号を教えるのが不愉快なんだ。

見たこともない相手からカード番号を聞かれることに腹が立つ」とまで言っていた。


クレジットカードの不正利用というと、私はカードを複製するスキミング被害しか

思い浮かばないのだが、昨今はサイバー攻撃で情報流出するケースが増えているとか。

それだからといって夫は、ネットもカードも使わないアナログ人間かというとそうではない。


毎日株価チェックには余念がないし、一支援者時代は、ブログ入力も手伝っていてくれたし

ネット通販も利用してくれていた。


恋人になってから、本当は嫌だったけど我慢してやってあげていたと告白されました(泣)


夫はひたすら、店舗に行き、クレジットカード払いでショッピングの道を選んでいる。

高島屋がお気に入り。

理由は、利用金額の10%のポイントがもらえるからだって。

そのポイントは商品券に交換できるからだって。

夫はデパートでの買い物が大好きな人なのだ。


「タオルケット買っときました。今治!!どれも8千円ぐらいでした。ぜいたくな嫁だねェ~。

タオルケットなんてスーパーじゃ2千~3千円ぐらいだよ。たいした嫁さんだねェ~。」


褒められちゃった!

トミー君はこの日、ちょっと機嫌が良かったので、高いタオルケットを

素直に買ってくれたのだと思う。」


「今日はいい事がありました。」

文頭から喜びみなぎる手紙が届いた。

「実は昨日、家の鍵を落としてしまったのです。地下鉄に乗って座ったとき

小銭入れごと右ポケットから落ちたんでしょう。困りましたねェ~。

帰宅して、入れる事は入れたんです、例の方法で。

しかし、我が家の鍵はコピーの作れない特殊な鍵で、しかも現物1つしかないんです。

その鍵が、落し物センターに届いていたんです。うれしかったですね。ありがたい事です。

私もこれから人には親切にしますよ。

佳苗さんにも。(ウフフフフ~あやしい)」


ということで、怪しい親切心が芽生えた夫からのタオルケットが届き

蒸し暑い梅雨の夜も快適に過ごせている。ありがたい事です。

夫婦になると、思考や言葉遣いが似てきます。

ウフフフフ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人が睦まじくいるためには

詩人の吉野弘さんが42年前につくったという「祝婚歌」の冒頭の一節。

普段まったく詩を読まない私に詩集が届いた。

 

毎月1冊詩集を届けてくれるというパンフレットに

「いい詩を読むと、心のあるじが優しくなり、いのちへのいとおしみの

気持ちがあふれてきます。」

と書かれてある。

そんな、大袈裟な。

「うたには荒んだ人の心をやわらげ男女の仲を睦まじくして

さらに天地をも動かしてしまう力があるのです。」

まさか、ご冗談を。

と思いながら読んだ詩集に感服。

いい詩を読むとやさしい気持ちになりますってホントだわ。

「祝婚歌」という詩の主語は「二人」。

「二人が睦まじくいるためには」というテーマで貫かれたこの詩は

吉野さんが姪御さんの結婚式に出席できなかったお詫びに

贈られたものだという。

夫婦としての長い星霧を経た人にしか書けない詩だ。

 

トミー君と私は、愚かで立派すぎず、完璧をめざさず、どちらかがふざけていて

お互いに避難したあとには、自分に非難できる資格があったかどうか疑い

正しいことを言うときはひかえめに、立派でありたいとか正しくありたいとは

思わず生きている。

なぜ胸が熱くなるのか

黙っていても

二人にはわかる

 

今日、夫から大きな封筒が届いた。

その中には定形郵便の封筒がいくつも入っていた。

それはすべて夫宛のものだった。

夫から私への手紙に

「開封していませんが、佳苗さんのことだと思うのでそのまま送ります。」

と書かれてあった。夫の親族からの手紙だった。

 

私の手元に届いたときには開封されていたそれらは

明らかに拘置所の書信係の検閲が開けたものであり、夫のやり方では

ないことはすぐに分かった。

東拘と夫は、それぞれ特徴のある封の切り方をするのである。

 

その中の1通は、夫との婚姻によって私と2親等の関係になった人からのものだった。

 

「色々な事が急に起こり、戸惑う日々です。受け入れられる事、そうでない事、

人によってその基準は違うのでしょうが・・・」

と綴られていた。相容れない事もあるけれど、夫のことをいつも気にしてるという内容だった。

「今回の事で互いに連絡しづらくなっているかも知れませんが

何か不安になられたり、心配になられることがあれば、必ず連絡下さいね。

ご自身も色々な変化でお疲れだと思います。どうぞお体だけは大切に

なさって下さい。そして私達がいることを忘れずにいて下さい。」

 

文面すべてに私の存在が見え隠れすることに、胸が苦しくなってきた。

そして、私の名前が一度も出てこないことが余計に事の重大さを感じさせ

頭とお腹がきりきりと痛くなる。

 

夫はこれまでずっと、こうした手紙をひとりで読み、胸にしまってくれていたのだと知った。

私との結婚について、様々な方面からの非難があったことは聞いていた。

しかし夫は、一度も私を責めなかった。

今回の親族の手紙から、夫が体調を崩していたことも初めて知った。

私にはいつも笑顔を見せてくれていた夫を思い、彼の大きさを知った。

 

夫は、私が入籍したことで被った不利益に関して、一度も愚痴を

こぼしたことがない。別れを口にしたこともない。

様々な面で損害が出ているのに、おくびにも出さない。

本当に凄い男である。

 

私の心は、この男、唯一人の所有であることを誇りに思う。

私へのもっとも多い質問と答え

「拘置所では毎日何をして過ごしているのですか?」

いままでで何百回尋ねられただろう。

一言で答えられぬからブログを書いているのだが、未だに訊かれるこの質問。

世の中の多くの人たちは、拘置所の実情を知らない。

入所経験のある人は、暇だと思っている。

これらの人々に、私の生活を伝えることは容易ではない。

 

一般的な拘留者は、書き物か読書をしている。

未決者は裁判準備のために、訴公記録を読んだり書面を作成したり

弁護士と接見する。

あとは、食べてるか寝てるか。

 

居室の外に出るのは、面会室や調べ室、医務の診断

捜検、調髪、運動入浴に呼び出されるときくらい。

弁護士接見以外は、どれも最長で30分程度だから1日の

ほとんどを部屋で過ごすことになる。

 

保護室収容や反則行為調査はもちろん懲罰経験は一度もなく

物品制限もされていない私は、東京拘置所のごくごく一般的な未決者の

処遇で暮らしている。

ただし、全被収容者の1割にも満たない女子の中でも

得意な扱いが必要とみなされた者しか入れない独居房だけが並ぶ

フロアにいるということは付記しておく。

 

私は最高裁で判決が変わらず確定しても同じフロアのままだと

聞いたので、ここは東拘の女区の底辺と言って差し支えないだろう。

私の感覚では、住民の9割が向精神剤の処方をされている。

「イライラのお薬くださーーい」

「不安時の薬お願いしまーーす」

「デパス飲みまーーす」

 

1日中、同フロアのそちこちから、こんな頓服薬の希望が聞こえる

環境で正気を保つ難しさたるや!

精神科の入院病棟みたいなフロアの真ん中に私はいるのだ。

察して。

 

「何をしてるんですか?」の次に多い質問は

「未公開記事はいつアップされるんですか?」

「どうして更新されないんですか?」

 

新しい記事を公表せず1ヵ月以上も放置していることもあるというのに

毎日ほぼ一定数の人たちがチェックして下さり、嬉しくも不思議にも

プレッシャーにも・・・。

いや、ありがたい。

未公開のいちばん古い記事が何と1年前の5月31日。

これからアップすると、今年の記事と混乱するでしょう。

どうしたものか、迷っている。

ニコニコチャンネルのチームと方針が合わないので、ネットで公表する場合は

こちらになると思う。

しかし出版社の人に相談すると、書籍化するなら公表していない

書下ろしをほしいと言われる。

けれど折角フリーでオープンな表現スペースがあるのだから

素早く近況を伝えたいと思う私もいる。

夫に叱られ続けた皐月

夫は私の悩み事や困っている事を早急に解決してくれる頼りになる男だ。

しかし、5月は私が相談するたび、ガミガミ叱られた。

新婚2か月なのに20年連れ添った夫婦のよう。

なぜこんなに遠慮会釈なくガミガミ言えるのか。

 

ムカッイラッとしながらも私は夫にお願いし続けた。私が下手に出なければ

いけない事態だったのだ。

民事案件に弁護士を雇ってほしいというお願いである。

 

当初夫は、かたくなに拒否していた。夫は

「そんなことを訴訟にするのはみっともない。俺の貴重な時間をつぶす気か。

地位とカネという大事な武器をそんなちっさいことに使わせるな」

と言っていた。

「ネットで探して契約してよ」

と頼んだら、夫はたちまち不機嫌になった。

Face to Faceで話したことのない人間に弁護士を任せる馬鹿がいるか」

と言い出した。

「いるから弁護士ドットコムが儲かっているわけでしょ」

と答えた私に

「何でもネットで済ませようとする根性が気に入らん」

と、スマホに挫折し、ガラケーに戻った夫は息巻いた。

 

だが、ここですごすごと引き下がる私ではない。

日頃の感謝と愛情をしたためた手紙を送り、改めてお願いした。

夫から

「褒めてもらってありがとう。グヘェ~照れるぜ。明日弁護士の事務所に行って来ます」

と返信がきた。

 

そして日後に紛争相手から連絡がきて、あれよあれよと解決に向かっていくのには

驚いた。私だけではどうにもならなかったのに。

実は手紙で夫を脅したのであるが、

「今回は判ってて騙されてやったんだからな。二度とあんなことは言うなよ」

と注意を受けた。すべてお見通し。

大人だな~と感心した。

彼を夫に選んで良かったな~と思った皐月。

ブラとショーツは合した方がいいと言う夫

夏のブラジャーを買ってもらった。

デパートから送る手配をしたと夫から手紙がきた。

 

「ショーツは買わなくていいのですか?ブラとショーツ合したほうが良くないですか?」

と書いてあった。

この文面で気になる事は2つ。

 

60代の男がパンティではなくショーツと呼ぶ驚き。

「合わしたほうがいい」という日本語のおかしさ。

「合わせたほうがいい」が正しいよね?

この変な活用には「知らしたほうがいい」というバージョンもある。

 

「手紙は原稿にそのまま引用しますから言葉遣いに注意して下さい」

と伝えたので、今回はやけに丁寧な文面だった。

 

「佳苗様、ご機嫌いかがですか。」

と始まる便り。しかし、2枚目にはお行儀よい文章も乱れてゆき

「いやぁ~、酒を飲みだすと止まらない()、酒が旨くって。ボトル1本飲むと

突然足にくる。意識不明!バタッ・・・倒れて起きれない。

でも大丈夫だから。何の心配もしないで。佳苗さんを大切にします」

ん~。こんな夫からこんな手紙をもらって心配しない妻がいるだろうか。

 

こだわるようだが、ショーツと言う60男だよ。

下穿きとかズロースなんて言ってもおかしくない。

パンツやパンティが普通の世代なのに、ショーツという男は絶対若い女と

遊んでいる。間違いない。

60男がブラとショーツ合わせろなんて言う?

実は旦那さまとセックスの話をしたことないんですよね~。

そろそろしてみようかな。

「スッキリ!!」出演

2か月前から取材を受けていた日本テレビの情報番組「スッキリ!!」。

新聞のテレビ番組表に“愛人稼業”を告白 拘置所 木嶋佳苗被告

と載っていた529日の朝。

あ~今頃、テレビを見てる家族や支援者たちはさぞや驚いているだろう

なと思いつつ、今季最後の甘夏みかんを食べていた。

夫はちゃんと録画予約をして出勤しただろうか。

逮捕されてから5年半で、テレビ局の取材を受けたのは初めてのこと。

リポーターの熱意にほだされて承諾した、と言っても過言ではない。

取材を受けてゆく過程で、私は様々なことを考えさせられた。

本当に勉強になった。これほど有意義なメディア取材は初めてだった。

阿部祐二さんって凄い人だよ。本当に毎週拘置所まで会いに来た。

着眼点や取材のアプローチ方法も素晴らしい。

ディレクターも誠実な人だった。

テレビというメディアを見直した。

 

実際のところ、私はGlaxo Smith KlineVALTREX500㎎を

服用するほど、体調を崩していた。

夫は「拘置所でバルトレックスが処方されんの?健康保険使えないのに

そんな高い薬が出んの!凄いね~」

と薬価の高さばかり感心して妻を苛立たせた。

 

「患部がパンツに擦れていずい」

「何を言うてんねん」

 

北海道の女と大阪の男が夫婦になるとは、こういうこと。

喧嘩にもなりゃしない。

理解し合おうなんて思わない。

相手を受け入れるだけ。

案外それでスッキリうまくいってます。

朝日新聞の節電記者に対する違和感

5アンペア生活をしている新婚男性記者とアンプラグド女性アフロ記者のことは

以前から気になっていた。

アフロ記者がテレビに出演してから批判されているのを知り

次回のコラムで彼女はどう反論するだろうかと待っていた。

載った。読んだ。

「この世は親切に満ちている」

は?

自宅で家電製品を使わない生活により、カフェや銭湯へ行き世話をするのが

楽しいと。

節電生活は世の情けなしには成り立たぬと。暑さ寒さが厳しい日はカフェへ。

銭湯へ行くのも習慣になったと。

 

そこでの親切って、お金払って得るサービスでしょ。

節約した電気代の何十倍も、外でお金使ってますよね。

節電生活のために新たな道具も買い揃えて。

それなのに、叩かれた理由を、電気の否定は豊かさの否定につながるから

貧しさの強要と受け取られたのではないかってアフロ記者の分析は

的外れじゃないの?

高給もらってる人間が、道楽で節電しているようにしか思えないんだけど。

この2人の記者の生活を真似しようと思う読者はいるのだろうか。

 

24時間電灯が煌々と光っている東京拘置所で暮らす私の僻み根性から

くる考えかもしれませんが。

こっちは廊下も部屋も1日中明る過ぎて眩しいんだよ!

埼玉の廊下は暗闇だった。電気のスイッチには必ず「節電」のステッカーが貼られていた。

お日様に恵まれている時間は電気が消えた。

午睡時間は減灯で薄暗い。

それが拘置所の常識と思ってきた。

だが東拘は強制的に1日中電灯が光り輝いている。

腹立たしいほどに。

私は節電する自由を奪われているのだ。

 

貧困からエアコンが使えない人からすると、節電のために暑さ寒さをカフェで

凌ぐなんて話はムカツクと思うんだけど。

アフロヘアの美容院代なんかより、私はカフェ代の方が気になるよ。

お金払えば親切なサービス受けられるのは当たり前だし、採算無視の

節電生活って意味あるの?

だから朝日の記者は偉そうって言われるんだよ。

夫の言葉遣いと婚前契約違反

夫は三十路に会社の人事異動で東京に転勤した。

人生の半分を関西で、半分を関東で過ごしてきた。

だから、西の方言と標準語が混じっている。


手紙は書き写せば済むのだが、面会での会話を文字に書き起こすのは

一苦労。特に語尾が難しい。


「そうだね」、「そうやろ」

「そうじゃん」、「そうなん」

「そっやで」、「そうです」

夫は、どれも使うのだ。

原稿の方言チェックをしてほしい、なんて頼んだら面倒だと言われるに決まっているので

私はひたすら記憶をたぐって書いている。


恋人時代は何でも書いていいと言ってた彼が、結婚してから

あれは書くなこれはダメだと言い出した。

「これについては絶対に書くなよ。ネットも紙も取材もダメ。

どんなメディアにも一切出すなよ、わかったか!親戚がうるさいからな

旧家の出が多いから何かと言われるんだよ。忖度してくれ」

なんて言うじゃないの。

入籍前の約束では、旦那として後ろ盾になってくれるって話でしたが。


雑誌の人生相談に

「何もかも夫に頼ってしまいそうで怖い」

という奥さんの投書があった。それに対し伊集院静先生は

「何言っとるの。何が怖いの。頼って、甘えて、生きて行けばいいの。

女の方が男よりエライんだから」

とお答えになっていた。

私は早速これを実践し夫に

「あのね、女の方が男よりエライなんてことは世の中の常識だよ。

歯ミガキは白、消防車は赤みたいなことと同じだから」

と威張って言った。

結婚するときに約束したことを守ってくれない夫の相談をしてきた奥さんに

伊集院先生が答えた。

「結婚前と後で男の態度が違うのは世間の常識」

の方が当てはまる事態になるときは夢にも思っていなかった。


結婚前の話を今さら持ち出したって仕方ない。

私だって理解ある女と思わせながら、今では夫に深酒するな、酔ったら

PC開くな、SNSは使用禁止、妻が木嶋佳苗だということは内密に!と

厳しく言ってるもの。

酒席とゴルフも仕事なの?

私と仕事どっちが大事なの?って責めているもの。

お互い様だな。

 

 

 

 

 

ブログが更新できなかった理由

新緑もすがすがしい5月の面会室。場所はもちろん東京拘置所。夫婦の内緒話

 
「スーからの内容証明郵便トミー君の家にも届いた?」
「郵便受けに不在通知が何枚か入っていたけど内容証明なら拒否するよ」
「えっ!?差出人はスーじゃなくて代理人の弁護士だよ」
「 そんな怪しいもん受け取らないよ。脅迫状みたいな内容証明送りつけるなんて紛争の常套手段やから」
「ふーん、普通受け取っちゃうでしょ」
「俺を誰だと思ってるの」
「ハハハ・・・あのね、スーの妻は朝青龍そっくりだから気をつけて。アメリカに住んでるからって油断できないのよ。
日本の実家に戻ったりしてるから」
「だから何」
「小学生の子供でナイフを持ち出す女だよ。泣き叫んで夫を殴ってるんだよ。
木嶋佳苗と自分の夫が浮気したと思い込んでいるんだから、逆恨みしてトミー君にナイフを突き刺したって
何の不思議もないでしょうが。
その夫は去年浮気相手の彼女から、自分の思うようにいかなかったら
私は殺されるかもしれないって言われた男だよ。
彼女にアスペルガーのあなたが怖いって言われたんだって。
そんな気がふれている夫婦なら何でもするよ。
素人だから肝臓プスっと刺すなんて器用なことできないよ。
手加減なく心臓をグサッと刺されるって。襲われたらどうするのよ。
会社だと目立つから待ち伏せするとしたら自宅でしょ。セコムをつけようか」
「心配ないって俺はそんなヤワじゃないから」
「うーん、シラフで素手なら負けないと思うけど相手が道具を持っていたら怖いって。
反撃し過ぎたら正当防衛が認められないこともあるし」
「うざいね」
「ホントだよ。おかしい人と関わり合いたくないね。
支援者から勝手に恋愛感情もたれて怨恨沙汰ってストーカー被害でしょうが。
トミー君だって弁護士から内容証明届いたら怖いでしょ」
「全然!俺がそんなもんにビビるわけないやろ。何とも思わんよ。何年金融と法務をやってきたと思ってんの。
プロやで。刑事告訴なんてそう簡単に受理されないから。
スーの名誉って何やねん、アホかって言って門前払いがオチだから。検察は暇じゃないの。
警察も忙しいから被害者届けを出したってそんなのほったらかしだよ。
そんなアホなことより、これを見てよ。傷が残ってるやろ」

「どうしたの。なんで顔にそんな傷ができるのよ。まさか喧嘩?」
「いや、飲み屋でウイスキー1本空けちゃって、警察呼ばれて」
「えっ。警察?」
「警察に財布見られて、10万くらい持っていたからタクシーに押し込まれたんやけど、
降ろされた所が傾斜が急な坂の上でな、下まで転がって顔からつんのめったらこれだよ」
「・・・。そんな泥酔している時に朝青龍に襲われたらどうするのよ。そんなに飲まないでよ」
「大丈夫。飲んだ時はタクシーで帰ってるから」

「全然大丈夫じゃないでしょうがッ」
「池田屋からバター入れておいたよ。他に何か入れて欲しいもんないの? 時間ないから早く言えよ」
「あなたって人はもう・・・」
お酒の話になるとはぐらかす夫をどうにかしてほしい!

先月のこと、夫は当たり屋の被害に遭いました。ゴルフの練習場に行った帰り道
ふらふらしている女がいたので夫は車を止めました。
すると女はフェンダーをバンと叩いて、へなへなと崩れ落ちたそうです。夫が引っ張りあげても起きません。
野次馬がいっぱい来ました。さあ大変、人身事故です。

普通は大慌てで救急車を呼ぶでしょ。
ところが、夫はふざけるな!と怒鳴り、女を抱えて放り投げたのです。そして衆目のなか、さっさと自宅に帰りました。
警察から電話が来ましたが夫は当ててないし、轢いていないので何の問題にもなりませんでした。

しかし、「心の中では、誰にシノギかけてんだよ。一般ピープルだと思ってんのか?ということで新しい車を探してます」
と手紙が届き、一部上場企業に勤めるサラリーマンと結婚した堀の中にいる妻である私はクラクラしました。

夫はこんなヤンチャ親父なので女朝青龍に刺されそうになり思わず蹴りを入れて
相手の肋骨折ったと聞いてたとしても、私は驚きません。
表面的にはインテリのジェントルマンですが、本当は怖い男です。
結婚するまで知りませんでした・・・・・(泣)
 
GM明けに届いた手紙に
「最近、夜歩いていたら、キャッチに声をかけられるんです。
不思議だよ。40代からこの前までキャッチなんか寄って来なかったのに。
これまでは歌舞伎町なんか歩いても皆がすっと道を開けてくれたのに。
佳苗さんと結婚して顔が優しくなったんだ。なんか幸せを感じますね」
 と書いてあったのです。私は強面の彼の顔が好きなのですが。でも、ちょっと嬉しい気もします。

夫は上海へ行くGW直前に、預金、貴金属、株、時計、年金、生命保険etcを
記した財産目録みたいなものを突然送ってきたのです。
以前の私なら喜んでいたと思います。
「佳苗さんに半分入るから安心して。」
とありました。それらが法廷相続人として私の手に入る時、彼はいないということ。
そんなものいらないと思いました。彼の代わりになるものなどないのです。
結婚はしてみないと分かりませんよ。人生観が変わりますからね。
自分でもびっくりです。

私にとって夫より大切なものはないですもの。
日増しに夫婦愛が深まっていくのを感じます。大きな愛で包んでくれる夫がいるからこそ

どんなトラブルに巻き込まれても気丈でいられるのです。

未公開記事のアップはタイミングを見計らっています。

今春以降のことは、獄中結婚生活編として書いています。
スー夫妻の件を筆頭に様々な問題をかかえ、スムーズに発信できない状況にありますが
読者からのお手紙にはとても励まされています。

トミー君とのことは面白い話がいっぱいあるのでお楽しみに!

このブログ運営に、配偶者である夫を含む親族は携わっておりません。
夫も共同して行っているものであることは明らかだ!
という頓珍漢ないちゃもんをつける輩がいるので明記しておきます。

夫には内緒で書いています。今回の記事を夫が見たら、ちょっと叱られるかもしれません。
その時は削除するので、どなたかミラーサイトを作って下さい。(笑)
夫は王様、夫は神様、夫の言うことは絶対です。
彼がダメと言ったら絶対ダメ。

神様で思い出しましたが、私の結婚をいちばん祝福してくれたのは石神さんでした。
「貴女にとって嬉しいことは僕も嬉しいのです。今後もいつでも貴女を気にかけています。
頑張る貴女を応援しています」
という手紙を頂きました。石神さんは、生涯の親友です。

夫からの手紙は100通を超えました。
悪意ある誤報を掲載した「女性自身」記者・八木秀和氏に強く抗議しましたが
2ヶ月経っても謝罪はおろか釈明すらありません。
この八木氏、私の著書の印税だけはちゃっかり受け取っています。
私は約束していた社会福祉団体へ寄付できず困っています。
こんなやり逃げ許されるの?
週刊誌記者の民度ってこんなもの?

夫からは「そんな男と付き合った君がバカ」と言われています・・・・。

獄中結婚生活は甘くない!

追記:6月に著者が30箇所の入力ミスを確認し、訂正致しました。
3週間ほど読みにくい表記になっていたことをお詫び申し上げます。

陽春の衣替えと夫の災難

4月になり、家族や支援者から春物寝具や衣類が続々届いている。

真っ先に送ってくれたのは石神さん。

癌の摘出手術後ICUから一般病棟に戻った井川さんが手配してくれた

ハート柄の布団カバーは、夫が買ってくれたボタニカル柄のカバーと付け替えた。

 

今治タオルのことばかり話していたら、タオルマニアだと思われたのか

色々な人からタオルがたくさん届いてちょっと困っている。

 

ジャガード織の今治、折ったあとの後さらしが特徴の泉州タオルに細かい綿糸を

使用した薄手のおぼろタオル・・・これはタオル日本の3大名産地

お試しセットという商品で、フェイスタオルが9枚も届いた。

 

何と、パジャマとタオルケットまで今治タオル!何から何まで

Imabari towel Japanの赤と白と青のロゴマークのタグがついている!

 

私は春用に、スーピマコットンのカーディガンと半袖セーターとTシャツをカタログで選び

好きな色を順番に書いて彼に送った。

ピーチブラッシュ(桃色)、ミスティックイラック(薄紫)、ブライトシトラス(明るい黄緑)

キャメロットブルー(水色)、ライムライト(レモン色)、ライトコーラル(淡いオレンジ)

ワイルドブロッサム(ピンク)、アクアスカイ(空色)、ノーティカルネビー(紺)

ホワイト(白)。

 

通販は品切れがあるから、多めに書いておいたのだ。

何と全色届いた。びっくり。

私が愛用しているカタログはLandsendL.L.Bean

すべてに、Tのモノグラムを入れている。

夫のイニシャルを刺しゅうした春色の服を着てご機嫌になった。

結婚報道以来、夫には肩身が狭い思いをさせている。

夫は4月に突然職場が異動になった。

 

「人事異動があったけど、まったく気にしてません。楽ですよ。やっぱ大企業は良いよ。」

と手紙に書かれてあったが、閑職に移されたのでは、と心配している。

 

「たとえクビになっても仕事は出来る方なので、すぐ別のところに採用されるし

自分の会社もあるし、食って行けるから大丈夫。何ら心配はありません。」

ともあった。

私はこれほど肝が据わった男を知らない。

 

「車屋から新しい車が出ましたよと電話がきて乗ってみたら、これはいい。

う~ん、買おうかな。」

自暴自棄になっているかと思ったけれど、彼は去年も車を買い替えていた。

 

人事異動についての私の心配は杞憂かと思ったら

「俺の悩みは分からんだろうなぁ~世間は厳しいよ。」

と小さな文字で書かれてあった。

親族からの声も書いてあった。

本当に申し訳なくて、でも私には何もできなくて、泣いてしまう。

これからは、夫がダメだと言うことは素直に聞き入れようと反省した。

「木嶋佳苗の夫」になることの厳しさを夫婦で感じた春の一日。

週刊文春の「女の窓」で私の名前を発見して驚いた話は、改めて。


後妻業

昨日の新聞の書評で、黒川博行さんの「後妻業」に参考文献として

婚活練炭殺人事件の裁判記録が挙げられていると知り

えッ!これって私の裁判のことだよね?と驚いた。

 

西で起こった青酸化合物を使った連続不審死事件と同列に語られるのは

非常に迷惑である。

あのオバサンは、殺害を認めているのだから。

 

去年の12月に週刊新潮で佐藤優さんが

「資本主義の特徴は、信頼や愛情もカネに転換して儲ける事ができる

というところにある。」

と書いていた。

当時私はトミー君と熱愛中で、この幸福な関係はお金なんかにとても

換算できないものだわ!と思いながら読んでいたことを覚えている。

入籍するときも、彼の年齢や離婚歴や、肩書、資産などを考え

後妻業と呼ばれるのはイヤだから内緒にしておこう、と思ったものである。

 

夫婦になると、恋人関係とは次元の異なる煩わしい手続きや親族との交際が

つきまとう事を知った。

そして互いに、あらゆる面で責任が生じる現実も知った。

私は夫の老後を心配し、夫は私の確定後や自分が先だったときのことを考えている。

そんな夫から手紙が届いた。

 

「もう一本保険に入ろうかと思っています。なにしろ、いきなり死ぬことがあるからな~。

しかし、保険金もらっても、拘置所じゃたいしてお金使えないね()

だって!後妻業まっしぐら。

 

長寿家系の家の人だから、夫は私より長生きするんじゃないかと思う。

女にとって、自分がこの人だ!と選んだ相手に一生保護されることより

幸せってないでしょう。

夫には、私より1日も長生きしてほしいと切に願う。

 

夫はあと数年で定年退職するのですが、実は自分の会社を持っており

代表取締役という肩書もあるから私は一応社長夫人。

彼はサラリーマン辞めたらもとバリバリ働くゾ!と恐ろしいことを言うのである。

仕事ってそんなに楽しいだろうか。私には全く分からない世界のことだ。

 

仕事、寿司、お酒、ゴルフ、筋トレ、車。

夫にとってこれらは私より大事なんじゃないかと思われる節があるので

これから教育していこうと思っている次第。

 

昨日からTBSラジオで「サウンドビストロ」という素敵な音楽番組が始まった。

私の好きな曲がたくさん流れていたので新聞のラジオ番組表を見たら

テーマは「欲」だった。

私が自主的に覚えた英語の歌は、マドンナのマテリアルガール。

あれは確か、中学生に入ったばかりの頃だったはず。

 

ライナーノート開いてCD聴きながら歌詞を覚えた30年近く前から

I am material girl !!

そんな後妻にしてくれたトミー君に感謝。

木嶋佳苗の食卓日記 ~2015年春バージョン~

そんなに食べてないはずなのに、痩せないな~おっかしいな~と思い

食べた物を記録してみました。

自弁(領置金による自費購入)

差し入れで入手している食品(A)と

拘置所で給与される食事(B)

を一緒に載せるとわかりにくいので、別に書きました。

2015年の春のある5日間の食卓日記です。

季節によってかなり変わります。

Aのなかで、飲み物とマヨネーズと納豆以外は

外部からの差し入れによって調達しています。

記載のないもので、ライオネスコーヒーキャンディとロッテグリーンガムは

気分転換に毎日口にします。

かりんのど飴は、長時間話をした日や空気が乾燥している日に欠かせません。

 

Bの給食は、基本的に半分以上残します。

サンドウィッチを作ったときに、丼ご飯(米麦)を口にすることはまずないです。

あんまり食べてない、と思っていましたが、結構食べてますね、はい。

道理で痩せないはずです。納得。

でも太ることもないし、病気知らずの健康体です。

その秘訣のひとつは食生活だと思うので、ちょっと公開してみました。

 

B330日~43日までのメニューです。

3食の前に必ず熱い番茶がでます。1日2ℓくらい。

記載は省略しましたが、毎食必ず丼1杯の米麦飯がつきます。

献立表が見れないので、メニューは勝手に名付けました。

私が見て、何か分からない素材は口にしません。

着色や漂白されている物も食べません。

味は皆さんが想像されているよりはまともです。

昔の学校給食に7:3の米麦飯をつけた感じです。

食べてみたいなんて思っちゃいけません。

拘置所ごはんを食べたことのある人とない人の間には深い溝があります。

合掌。

 

(A) 1日目 朝 

UCCインスタントコーヒースティックタイプ2g(以下コーヒー) 2

・サクラ印カナダ産純粋はちみつ

・バナナ1

・りんご1

・ブルボン五穀のビスケット2袋(8枚)に雪印北海道バター

(A)1日目10

・あんドーナツ2

・明治北海道牛乳成分無調整 1杯

・いか味付缶

・紅茶(リプトンイエローラベルのティーバッグ)

・明治アーモンドチョコレート7粒

(A)1日目3時

・コーヒー2本

・森永クリープスティック3g(以下クリープ)2本

・ロッテチョコパイ1個

・三和製パン7枚切り食パン 1枚

・ソントンブルーベリージャム

・雪印6Pチーズ2個

・亀田の柿の種 40g弱の小袋

18

・森永ミルクキャラメル大粒8g 2

・でん六豆 55g

・きのこの山5

・クリームパン1

・紅茶

(A)2日目 朝 

・コーヒー2

・コンデンスミルク

・食パン2

・明治屋 スマートカップコンビーフ40g

・味の素マヨネーズ15g

・チョコレートクリームにバナナ1

・甘夏みかん1

10

・大福こしあん 1

・ロッテカスタードケーキ 1

・パイの実 4

・コーヒー2本、クリープ2

・バタピー(でん六)67g


・リンゴ1

・浜名湖印うなぎの蒲焼き

3

・カステラ2切れ

・オレンジマーマレード

・コアラのマーチ 6

・紅茶(リプトンレモンティー)

・不二家アーモンドチョコ5

・ブルボン シルベーヌミニ(バニラとココア)各1

18

・大福 1

・ブルボンミニバームロール(コーヒーとホワイト)各2

・ミスターイトウのチョコチップクッキー 5

・緑茶(明治の深蒸し茶)

3日目 朝

・ナビスコプレミアムクラッカー 1袋(6枚)

・6Pチーズ3個

・イチゴジャム

・ミニッツメイド朝の健康果実100% 1杯

・食パン 2枚

・キューピーツナフレーク 40g

・マヨネーズ 15g

・コーヒー 2本、クリープ 2

10

・豆大福(つぶあん)1

・紅茶

・キットカットミニ 3

・歌舞伎揚げ 2

・甘栗むいちゃいました 60g


・食パン 2

・函館五島軒イギリス風カレー 中辛口400g

・カシューナッツ(共同食品)35g

・バナナ 1

・リンゴ 1

・ココア1杯

3

・コーヒー2

・クリープ2

・二度揚げ本造り黒糖かりんとう(ミヤト製菓)100g

・カリっと枝豆(ギンビス)20g

18

・スペシャルチーズ帆立(燻製)6

・五穀のビスケット

・蜂蜜とバター

・緑茶

4日目 


食パン 2

・味付けうずら玉子 8

・コンビーフ、マヨネーズ

・牛乳

・バナナ

・りんご

10

・ミルクココア

・グリコクラッシュポッキー 8

・海老黒胡麻(岩塚製菓)

・パイナップル缶 輪切り10


・食パン 2

・鮭水煮缶、マヨネーズ

・五穀のビスケット

・ピーナッツクリーム

・明治ブレンドコーヒー(ブリック)

3

・カステラ2切れ

・明治ミルクチョコ

・白桃缶

・ミルクティー

18

ブルボンロアンヌ(バニラとショコラ)ゴーフレット 各2

・ルマンド3

・抹茶と栗ようかん(杉本屋製菓)40g 各1

・緑茶

5日目


・食パン 2

・明治屋レトルトパウチ(脂肪分50%カット)

・コンビーフ、マヨネーズ

・6Pチーズ

・バナナ

・コーヒー2本、コンデンスミルク

・カントリーマアム(バニラとココア)2枚

10時

・ナビスコバタークッキー 15枚

・明治アーモンドチョコ 10粒

・紅茶


・木戸納豆4パック

・りんご

・ナビスコリッツクラッカー

・ずわい蟹缶、マヨネーズ

・ココア

3時

・紀州有田みかん大粒缶435g

・森永マリー 9枚、バター

・炭焼珈琲飴 2

・どら焼き1

・牛乳

・コーヒー3本、クリープ3

18

・緑茶

・小倉と塩ようかん 各1

・グリコのビスコ 5

・たけのこの里 5

・カステラ 1切れ

・牛乳

(B)

1日目 


・味噌汁(さつま芋、キャベツ・油揚げ)

・のりたまふりかけ(丸美屋)

・山菜ミックス水煮


・塩味スープ(いんげん、ハム、じゃが芋、玉葱)

・エビフライ15cm 2

・キューピータルタルソース 12g

・ミックス野菜(コーン、人参、グリンピース)

・鶏挽き肉とメンマとキャベツの煮物


・みぞれスープ(豚肉、干し椎茸、白菜、大根おろし、長葱)

・味噌煮込み(鶏肉、里芋、ゴボウ、人参、筍、こんにゃく)

・緑のしば漬けみじん切り

・森永ピクニックコーヒー

2日目


・味噌汁(もやし、キャベツ、豆腐)

・味付のり

・納豆


・和風スープ(卵、椎茸、玉葱、ほうれん草、ベーコン)

・カレイ煮付け

・山盛りピリ辛きんぴら(ゴボウ・人参・ちくわ)


・カレーうどん(豚肉、人参、玉葱、きぬさや、長葱)

・厚揚げとイカゲソと大根の煮物

・うぐいす豆甘煮

・りんご(2cmくし切り8個)

3日目


・みそ汁(なめこ、玉葱、ワカメ)

・ツナ

・のり佃煮(島の香)


・中華スープ(ザーサイ、ベーコン、白菜、人参、筍、長葱)

・五目煮(大豆、昆布、ゴボウ、人参、大根)

・豚ロース生生姜焼(厚さ1cm


・ホワイトシチュー(鶏肉、椎茸、じゃが芋、人参、玉葱)

・ソーセージと野菜炒め(キャベツ、もやし、玉葱、グリンピース、コーン)

・糸こんにゃくの赤しそ風味

・みかんゼリー

4日目


・味噌汁(いんげん、油揚げ、キャベツ)

・たらこ風味ふりかけ

・青菜としめじの漬物


・塩味スープ(豆腐、白菜、玉葱、小松菜、椎茸)

・焼魚(ほっけの開き)

・山盛り切干大根煮(さつま揚げ、人参、豚挽肉)

・おろしぽん酢(国産大根使用)


・けんちん汁(里芋、ちくわ、こんにゃく、大根、長葱)

・春巻き1

・特選しょうゆ、からし

・牛野菜甘辛炒め

(牛肉、黒ゴマ、青菜、春雨、人参、玉葱、細く黒いクラゲみたいなもの)

 

5日目


・味噌汁(豆腐、ほうれん草、長葱)

・味付けのり

・納豆


・コンソメスープ(海老、白菜、じゃが芋、玉葱)

・山盛り瓜しょうゆ漬

・甘酢炒め(ミートボール8個、人参、玉葱、コーン、ピーマン、筍)


・塩味スープ(豚肉ブロック肩ロース、大根、青菜、椎茸、ナルト)

・ソース焼そば(中華麺、豚挽き肉、キャベツ、人参、もやし、紅生姜)

・ピクニックストロベリー

・フルーツミックス缶(みかん、パイン、りんご)

注記:朝食は725分、昼食は11時半、夕食は16時に配当された。

(A)と(B)の10日間の記録ではなく、(A)の1日目と(B)の

1日目は同じ日である。

ヤマザキ超芳醇からロイヤルブレッドに変わった日

私がいつも食べてる食パンは差入屋から届く7枚切りのものなのだが

自弁購入の食パンがメーカーの都合により生産中止となり

新商品に変更するというので買ってみた。

 

従来のものより40円も安くなるという。

4月から食料品が軒並み値上がりしているというのに、どういうことだろう。

私の食生活に欠かせぬバターもコンビーフも牛乳も値上がりしたというのに。

 

私は超芳醇の甘さと劣化の早さと原材料名の多さ(13種類!)

が気にいらず、差入屋でしか扱っていない耳がハードでシンプルな

イギリス風食パン(牛乳や卵、バターを使っていない原材料6種!)

を好んで食べている。

ルセットの@shokupanのような味である。

ヤマザキの食パンとの違いを、噛んで含めた説明でトミー君に理解させ

いまでは、彼が自ら「食パン入れる、はい、わかってる」

と言えるまでに育てたほど、私の食パンに対する思いは熱い。

 

今回も、「ロイヤルブレッドって食パンに変わったんだけど、やっぱりマズかったから

売店で食パン買って」と言う理由作りの為の試食だったのだが・・・。

 

ロイヤルブレッド案外美味。

1172円にしては結構イケる。

耳まで柔らかなコクのあるしっとりとした食感という点では超芳醇と

さして変わらないのだが、安い方がおいしいという新たな発見にちょっとびっくり。

 

冬季限定の豆大福が今日で販売終了となった。

桜の便りも賑やかで春もたけなわですが、

私の生まれ育った北海道東部はまだ冬景色。

 

トミー君に

「私の実家がある町は桜が咲くの5月下旬なんだよ、チシマザクラっていうの。

私ね、ソメイヨシノは上京するまで見たことなかったんだよね~」

なんて話したばかりだが、ロイヤルブレッドのことは内緒にしておこうと思う。

夫が入れてくれるもの

「何を入れてほしいんだ?」

「長くて大きいの」

「どれくらい?」

「たくさん」

 

私たち新婚生活の会話です。残念ながらベッドの中ではありません。

場所は東京拘置所の面会室です。

 

夫はなぜか会って早々に、生理用ナプキンの話をはじめました。

夫が以前差し入れてくれたナプキンが小さかったので

今度来たときに夜用を買ってちょうだいね。とお願いしておいたのです。

ちなみに夫はいつも、差し入れの「差し」を省略します。

 

「ナプキンはサイズが色々あるけど、中で買う物だって売店の人が言ってたよ。

小さいのんしか入れられないんじゃないのかね?」

「えーーーっ長くて大きいの入れてよーーー」

とおねだりしておいたのに、やはり小さいのんが届きました。

 

セペの流せるナプキンふつう用21cmタイプ28個入りです。

自弁では350円で買えます。

なんと官物と同じ商品です。職員に尋ねたら、夜用ナプキンの差し入れは

見た事がないと言います。

東拘では羽付きの夜用ナプキンを取り扱っていないんですよ。

埼玉では売っていたのに。なぜだろう。

2年近くずっと気になっています。

結婚報道記事の誤りにイラッとしたこと

獄中結婚!と報じた女性週刊誌が26日に届きました。

記事には、夫とのなれそめや家族について書かれてありましたが

「10回ほど手紙をやり取りして結婚に至った」というのは誤りです。

10回ほどというのは、恋人関係になるまでに面会した回数です。

手紙は知り合ってから80通くらい送っています。

彼からはそれ以上の数の手紙を受け取っています。

また、夫には離婚歴がありますが、妻に先立たれたわけではありません。

 

私は取材にしっかり答えているのに、こういう間違った報道をされるのは迷惑です!

 

10回の文通で結婚するわけないでしょうが!

愛情を確認する手段のひとつとしてお金やモノの存在が大きくなるだの

女子力の高さを誇示だの、何だか悪意を感じる「女性自身」の記事に

私は怒っている!

 

けれど、夫は怒らないと思います。

つまらんこと気にするなって言うと思います。

大丈夫だよって言ってくれると思います。

 

トミー君と結婚して良かったと、こういうときに実感するのです。

トミー君のお嫁さんになりました!

「木嶋佳苗(40)獄中結婚!」

新聞に載っていた雑誌広告の見出しにギョッ!とした24日の朝。

 

偶然ですがこの日私はトミー君と面会の約束をしていました。

いつも通り颯爽と面会室に現れたトミー君の手には日刊ゲンダイ。

1面に私の写真が載っているじゃありませんか。

 

「旦那さま、遂に報道されまして・・・」

「ゲンダイの記者と会ったの?」

「会ってない。先週女性週刊誌の記者の取材受けるって伝えたでしょ。

その情報から引いてるんだと思う」

「勤務先まで書かれてるよ。裏取りされたんだろ」

「わからない。ごめんね」

「ヤフーニュースにも出てたよ」

「えッ・・・」

「こうなったもんは仕方ないだろ。立ち向かうしかないんだから。

まぁどうってことないよ」

「うん、ありがとう。お相手はエリートサラリーマンって書かれてたよ」

「経歴調べたんだろ」

 

ここから私は、彼の過去を知ることになったのです。

ワタクシ、実は今日まで、夫が帝国大学と呼ばれていた大学の出身だと

知りませんでした。

彼は、「別に自慢することやないし」と言ってましたが。

 

「40歳を前に部長になれたっていうのは早い出世じゃないの?」

「そうだね」

「私はあなたの奥さんなんだから、その辺のことちゃんと教えておいてよ」

「まぁ、これからおいおい話すよ」

「ホントにもうあなたって人は・・・愛人つくって浮気されても私は絶対

離婚しませんからねッ」と釘をさしておきました。

夫は恋人時代「まさか愛人はいないでしょうね」という私の詰問に

「今はいない。そのうち出来るかもしれへんけど」なんて口走る男なので

油断ならないのです。

 

だから、渋る彼に迫って、婚姻届に判子を押させました。

木嶋佳苗の手管です。

忍ぶ恋こそ最高よ。拘置所では旧姓も使えるから結婚したことは

身内だけの秘め事にしましょうね、なんて言っていたのに、著書の宣伝と

騙されて取材を受けることになり・・・ 

旦那さま、ごめんなさい。

 

面会後、夫は「玄関ホールがジャングルになってる」という高島屋に

行きました。

今シーズンのトレンドだというお花や植物がモチーフの春物寝具の

買い出しです。

平日の昼間から仕事休んで拘置所にいる妻のために布団カバーや

タオルケットを買いにデパートへ行かされるなんて誰にも言えないでしょうが

本人は案外楽しんでいるようです。

 

私はトミー君と恋愛関係になってから、彼を愛することの喜びの中で

生きています。

彼とはどんな感情をぶつけ合っても無為のうちにすべてが良い方向に

愛が積み増されていくのです。

 

私と夫は結構な年齢差なのですが、年上好きの私としては

願ったり叶ったりで、違和感はまったくないです。

 

彼が着ていたモンクレールのダウンジャケットを、それ脱いで差し入れて

帰ってよ、と私に奪い取られてから、温熱ヒーター内蔵のジャケットを

愛用している姿を見たときに、オジサンなんだな、と思ったくらいです。

 

あとは近くのものが見えにくい仕草をするときに、老眼なんだな、と

思ったり、そんな程度です。

 

夫婦関係に支障はないし、私も40歳になったので

いたわりながら付き合ってます。

 

夫は「礼讃」の続きを書いてくれ、と言いますが、私は拘置所日記を

バージョンアップさせて、トミー君との物語をノンフィクションで綴って

ゆきたいのです。

 

「困った事が起きたら助けてあげるから、好きなことをしていいよ」

と言ってくれる寛大な夫に恵まれたので、のびのびやってます。

 

3月2日に婚姻届が受理されまして、私は正式にトミー君の妻になりました。

 

以上、拘置所婚活成功!のご報告でした。

あんドーナツのじゃりじゃり砂糖と年下の彼

平松洋子さんのエッセイで、白砂糖がまぶしてある全聚徳の北京ダックと

ベトナムのバインミーと呼ばれるバゲットの砂糖まぶしの存在を知った。


東京拘置所の売店には「あんドーナツ」という魅惑の商品がある。

大福と同じ和菓子店がつくっている。

私が東拘に入所した年から納入しているお店なのだが、ここの和菓子はまことに美味。

以前は1パックに5個入りだったのだが今季は4個入り。ドーナツが大っきくなった。

大福より一回り大きい直径7cm


甘くて白いグラニュー糖が絡みついたあんドーナツをかじってはコーヒーを飲み

じゃりっと音がする目の粗い砂糖と、ジュワッと音がしそうな揚げ油のしみたドーナツと、

しっとりしたこしあんのハーモニーにクラクラする月曜のお三時。

よく会う年下の男性が差し入れてくれたもの。

あんドーナツを食べてるときだけ彼の事を好きになる。

トミー君はこんなちっちゃい事を気にしないと思う。

 

 

カップヌードルを食べた日曜に届いたラブレター

トミー君から速達で手紙が届いた。

「カップ麺なんか食わないよ!」と書かれてあり、カップヌードルのことを思い出す。

日清食品のアレ。

土日の給湯は職員がしてくれる。今日はオバサンだった。

東京拘置所に勤める女性職員の既婚率は凄い。結婚しても、子供が出来ても

退職しない。

 

「フタに時間が書いてあるから読んでみて。麺によって時間が違うから~」と給湯オバサンに

しれっとウソ言われ3分待つ。

シーフード以上に驚き!フタを開けたら、ちっちゃい卵ボールとミートボールとエビが一面に

覆っている。何か怖い。ちっちゃい肉団子は2種類入っているようだ。

 

味と食感が違う奇妙なミートボール・・・

スポンジ玉子・・・

干からびてから生き返った小エビ・・・

しなびたネギ・・・

ゴムみたいな麺・・・

むせるスープ・・・

こんなん食べてたら気分が下がるわ。

しかし、毎日2回もカップヌードル食べている女子がそちこちに。

 

ウーワンワン!

「土日に面会できたらいいのに。週末なら行けるのに。休日に面会できたらいいのに。」

トミー君の言葉に泣く日曜日。早く会いたいワン!

男の人の髭

「南アルプスの美味しい水で丁寧に淹れられました」という紙パック入り深蒸し茶を

飲みながら、期間限定「濃い抹茶ケーキ」を食べている。


 抹茶贅沢仕立てというだけあって、抹茶の香りたつケーキとクリームは緑色!

管の薄い番茶じゃなく、ちゃんと煎茶の風味がする緑茶(明治)を飲みながら

抹茶ケーキ(森永)と抹茶ポッキー(グリコ)を食べて、贅沢している気分を

味わっている。

 いい年した大人が、明治、森永、ギリコ、ロッテ、ブルボン、不二家、ナビスコの

お茶菓子を食べて喜ぶなんて、こんな環境で暮らしているからだろうな。

 きのこの山、たけのこの里、コアラのマーチにビスコ・・・40にもなって

「おいしくつよくなる」ビスコを食べんでいいでしょうが。

 

 私はウィッシュリストを作成して親しい人たちに渡しているのだが、これらの菓子は

リストに書いていない。

 「缶詰は不要!」とはしっかり書いている。それなのにまた本日、サンヨーの

パインアップル缶(10枚入り!)が届いた。

みかん君の仕業だが、どうしたらこんな事ができるのだろう。

差入便箋に「パイン缶」て書くとき、彼は何を考えているのだろう。不思議。

でもいいんだ。みかん君は髭を伸ばして来てくれたから。

 
 私はハンサムな男性が髭を剃っていない2日目くらいの顔が好き。
3日目になると、もう大好き。けれど、トミー君は髭を伸ばせないんだって。
 会社に行く日は髭を剃らないといけないんだって。
世の中の男性が髭を剃るのは、会社の規則で決まっているからなの?初耳なんですけど。

週末に髭を剃らないで日曜の夜に写真を撮って送ってと、彼に頼んでみようかな。
髭は生えている彼の顔が見たい!トミー君は絶対髭が似合うと思うんだ。顔がシュッとしてるから。
 初摘みミントの香りに癒されるロッテグリーンガムを噛みながらそんな事を考えていた。
 今日は緑づくしの1日で気分爽やか。

フレッシュみかんとカップヌードルシーフード

10日に届いたカップヌードルシーフードは、想像より小さかった。

「MINI」と書いてある。

調理方法は

   フタを半分まではがし、熱湯を内側の線までゆっくり注ぐ

   フタをして3分でOK!

ふむ。ケーリさんにお湯をいれてもらうときの恥ずかしさたるや・・・。

しかも、シーフード推しの職員さんが夜勤明けで休みときた。

どれ、やみつきになるという即席カップ麺のお味は・・・。

と期待に胸をふくらませ、フタを開けると、ビックリ!

乾燥してた麺や具がふくらんでいる!

当たり前なのだろうが、ビックリ!

丸くて小さな黄色いスポンジみたいな具は卵か。

シーフードは見当たらんが。白濁したスープを飲んで、むせた。香辛料がきつい。

私には胡麻が苦手なのだ。ゴホゴホむせながら麺をすすった。ゴムか。

 

味にムラがあるのは、もしかして食す前にかき混ぜた方が良かったのだろうか。

しかし、これのどこがやみつきになる味なのかさっぱりわからん。

これは、誰がどんなタイミングで食べるものだろう。

少なくとも女が日常的に食べちゃいかんと思う。実は明日、しょうゆ味が届くことになっている。

おそらくこっちがスタンダードなのだろうから、しょうゆ味を食べてからカップヌードルを

評価したい。今のところ、まったく興味なし。胸がムカムカする。

 

さて、みかん君がやってきて温州みかんを買ってくれた。

季節限定の果物、フレッシュみかん。缶詰じゃない!

いや~成長したな~と感慨にひたっていたら「カントリーマウムです」って

職員が差し出すじゃないの。

「チョコパイです。チョコポッキーです。アーモンドチョコです」って並べだしたではないの。

みかん1個にチョコのお菓子いっぱい。どういうセンスなんだか。

 

甘い物ばかりでどうにもならんので、トミー君に電報を打ったらNTT東日本から

「ご不在の為、不在通知書投入して持ち戻りました。」っていつもの電報がきた。

嗚呼!と嘆いていたら「来週面会に行けます。次回食パン買う。」と返事がきた。

待ち遠しいな、食パン、じゃなくてトミー君。

 

そういえば、最近のことですが読者から面白い手紙が届いた。

「木嶋様は花魁ではないでしょうか?」ですって。

この人、妻子のいる私と同い年の男性なのだが「仕事で嫌な事があって眠れない夜も

不思議と木嶋様のブログを読むと元気が出て眠る事ができます。」って

社会で仕事をしている人に私が元気を与えているとは嬉しい限り。

 

私はトミー君の言葉から、たくさんの元気をもらっている。

「私が何より優先するのは木嶋さんの命の尊厳を守る事です。裁判を諦めないで。

執念!執念!」

 

トミー君からの手編みには必ず笑いあり涙あり、毎回感動しきりです。

かっぱえびせんとカップヌードルと桜餅

明日は啓蟄というのに、エレベスト登山隊も着ているという

防寒肌着を脱げません。

 「体温を魔法瓶のように蓄えて逃がさないあったかいインナー」を

上下2組買ってちょうだいと頼んだら、3万円もして

「まったく、寿司に3万は払えるが、下着に3万は問題だね。

大事に着てくれ。毎日トミー君に買ってもらったんだと思って着てくれ。」

と言われたこの下着。本当にあったかい。広告で見たときは

実用一点張りの白くてダサイものだと思っていたのだが

届いた下着はピーチ色。淡いピンク。


今使っている今治タオルも、ラックスのチェリークリーム配合の石鹸も
同じ色。村上開新堂のクッキー缶と同じ色。


突然、トミー君から「寿司の教科書」なる本が送られてきた。

実は私、ナマモノが苦手でして、好きなお寿司は玉子焼きとかんぴょう巻き。

上下から熱を加えるようにして焼き上げた玉子焼きがあるでしょ。

真ん中に切れ目を入れて、酢飯をはさみこむ。

アレがいちばん好き。アレの名が「すし玉であることを「寿司の教科書」で学んだところ。

私が食べられる寿司ネタと言えば、ゆでた車海老、イカ、蒸しアワビ

煮ツメを塗ったゆでハマグリ、とびこ。

これを知ったら、もうトミー君はお寿司の話をしてくれないかもしれない。


今日、職員が色んな部屋を回り「127円を返金します」と伝えていた。

現金のやりとりはなく、書面に受領指印を押すだけなのだが

かっぱえびせん代だというではないか。


9g少ない商品を交付してしまったので、返金処理される。というのだ。

商品回収はしていなかった。

要するにタダでかっぱえびせんがもらえたらしい。

今後、増量予定の商品は注文しておいた方が得かも。


自弁購入限定商品に「カップヌードル」という商品がある。

これがよく売れている。

ずっと気になったので、私が入所当時からいる長身美人の若い女性職員に

「カップヌードルってどんなものですか?」と訊いてみた。

「えっ?あのカップヌードルよ。ニッシンの醤油とカレーとシーフード味がある

普通のカップヌードル」

「ヌードルってからには麺ですよね?」

「カップ麺よ」

「カップって?」

「えっ?カップヌードル食べたことないの?」

「う~ん、わからない。初めてでも作れるかな?」

「お湯入れるだけよ。シーフードがオススメ!」

「魚介入り?レトルト?」

「レトルトじゃないない。ドライ。1度食べてみたら。やみつきになるわよ」

「へぇ。じゃあ注文してみる」

この商品は10日に届く。凄い楽しみ。


お三時にカステラ、紅茶。週刊新潮「私の週刊食卓日記」で見た

「ばぁば」の愛称でおなじみ日本料理研究家鈴木登紀子さんのマネ。

私はこの連載にかなり影響を受けている。

先月は日本語学者の山口仲美さんが「眼ざめの定番メニュー」として

起きたてにカップ半分ほどの蜂蜜入りコーヒーにバナナがお伴と

書かれてあり、早速マネしている。

これにバターをのせた五穀のビスケットを食べるのが最近の定番。


ブレックファストは自分で作る。このきっかけは、アメリカにいるご婦人から

「日本の国民の血税で生かされているだけの売春婦」と罵られ

屈辱を受けたことから、拘置所で出される食事が喉を通らなくなったことによる。


私はこう見えて案外デリケートなところがあり、本当にご飯が食べられなくなった。

拘置所は国が運営している施設ですから税金で賄われていることは

事実で、世話をしてくれる職員は国家公務員。

名前すら書きたくない鈴木某夫人が声高に叫ぶ

「国税で生かされている」のも、ある意味では真実。


私は某夫人の配偶者と知り合う以前から官物は使わない生活を

してきたのですが、血税うんぬんで攻撃されて以降は家族と支援者の協力を

得て、食方面も自炊を始めた。


精神的に落ち着いてくると、なぜ某夫人の呪縛で周囲に多大な負担を

かけなあかんの、私は悪いことをしていないのに!

という正常な思考ができるようになり、今は半分自炊。

理由は拘置所の朝食がショボイのと、私は基本的に料理がすきなので

献立や食材の調達を考え、食事におやつを作って食べるのが楽しいから。


某夫妻からは「日本国民の意見」として「多くの拘留者はそれほど恵まれて

いない中で過ごしているのに、自分は特別だと思っていないか?」を

考えろと言われましたが。


威迫!刑罰法令に触れる威迫!

たび重なる侮辱と脅迫に私の関係者も我慢ならんッということで

これから交渉に入るのだが、果たしてこの泥沼民事案件の落としどころは何処に?


既婚者なのに愛していると言われ続け、釈放後にセックスしようと誘ったのは

私を元気づけて無罪釈放の望みを持たせようと思ったからというのは

私を馬鹿にしてるでしょうが!

私には最初から恋愛感情なんて全くなかったけれど。


いまではこの人、自分に関する記事を削除してほしいと求めている。

この経緯は非常にドラマティックでして、昨年11月~12月のブログ内容は

主に彼との往復書簡なので、真実を是非公表したいのですが・・・。


裁判になっても負けないゾ。

私はメディア訴訟はしないと決めていたが、この夫妻にされたことだけは

看過できないのだ。

不仲な夫婦の痴話喧嘩に巻き込まれ、上告趣意書作成の

大事な時期を潰された。

心身ともにズタボロにされた。

夫妻の顔を思い出すと吐き気がする。

創太君と杏菜ちゃんの顔を思うと涙が出る。

子供は何も悪くないのに。

この件は、読者の皆さまのご意見も参考にしたいと思ってる次第。

2ちゃんねるが日本の世論だと思い込んでいる夫妻と話をしても

埒が明かない。一刻も早く私の目の前から消えてほしい。


今日はお三時の直後に元検事の大学教授とあったのだが                                         

白髪交じりの男性の魅力を黒々とした頭髪の先生の前で熱く語った

私の空気の読めなさ加減が恥ずかしすぎて・・・。

高橋源一郎さんの白髪が素敵だと力説したら

先生が「あぁ、源ちゃん」なんていうではないの。

高橋さんと同じ大学で教えているとは知っていたが、「源ちゃん」と

呼べる仲とは。いいな、源ちゃんとお話ができて。


源ちゃんに興味を示さないトミー君は、アホみたいにジムで体を鍛えている。

私のウェイトより重たいベンチプレスを上げてるらしい。

筋トレ馬鹿と付き合うのは人生初。

長男としか男女としての交際をしたことがなかった私が次男坊と付き合うのも初。

何から何まで新鮮な恋愛。

桜餅の話ですが・・・今年は無視された!


東京拘置所で、桃の節句の夕飯はちらし寿司が出た。

パインとオレンジとピンクグレープフルーツとメロンのカットフルーツに

道明寺の桜餅も出た。

トミー君は桜餅を食べただろうか。


しかし、無視するとはけしからんので、今度会ったら叱ろうと思う。

オイコラ!ワンワン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「礼讃」がやっと交付されました

衣替えの準備で春物の服を揃えようと考えていたら

末期癌で入院中の支援者井川さんから手術日が決まったと連絡がきた。

同棲相手の彼女は、みっちゃんという。

「佳苗。みっちゃんがね、貴女の冬物の衣類をクリーニング屋に出して

自宅でしっかり保管するので時機を見て送って下さいと言ってます。

他の人に頼んだらダメ。

みっちゃんが責任を持って預かってくれます。」だって。

これは善意か罠か。怖いなぁ。

一番お気に入りのカシミヤベースのジル・サンダーのニット

にじゅうまん円以上したんだよ。

スウェット×ニットみたいな肌触りのミノトールのリラックスパンツだって

さんまん円だよ。無地だし地味なデザインだけど

案外高価な服が多いのに、捨てられたらどうするよ。


男性支援者のパートナーをごこまで信用するか、悩むなぁ。

嫉妬や怨嗟の声をさんざっぱら聞かされたせいで

男性支援者のパートナー女性が私に対し、本当に好意を持っているのか

憎悪からの復讐をするのか判断がつかぬ。

過去には結構ひどい嫌がらせを受けていますからね。女は怖い。


raisan
2月25日に窓口で差入れされた著書がやっと今日手渡された。

検閲に一週間もかかった。

なるほど、こういう装丁ね。赤い帯。

四六判で厚さ3cmもあるよ! 469頁。

初稿は倍以上書いたんだが。

いや~~、恥ずかしくて読めません。

職業作家の偉大さを感じるなぁ。

装丁が私と同じ名前の人ってことにびっくりした。

「佳苗」って珍しい名前だと思うのですが。本名かな。


「礼讃」は2013年の夏に書き上げたもの。

プロフィールを見ると、著者の私は詐欺師の殺人犯のように思われそうだが

上告審では全面無罪主張で闘います。

私は男の人からお金を騙し取ったわけじゃないし、窃盗なんてしていないし

まして人を殺害なんてしていないもの。

私は無実だもの。

何で私が男の人を殺さないといけないのよ。


と書いていたらトミー君からの手紙が届いた。

ウーワンワン!


住民票の字体に変更が生じたらから名前の漢字に点が増えるって。

減るんじゃなくて増えるなんてことがホントにあるんだろうかって思ったら

ご丁寧に役所からの書類まで同封してくれた。

画数が悪くなるとお怒りだ。

そして私にもお怒りらしい。

「差し入れに文句言うな()よくわからんから適当に入れた。

バターも入れた。ビスケットはいつものがなかったので

別なの入れた。せっけん買うのん忘れた。」


むぅ・・・。仕事が忙しいってさ。

彼はほとんどが家にいないから、電報も速達も不在票が入ったまま受け取れない。

通販頼んでもらったら、宅配便の再配達を受け取れなくて返送されたという。


そんな生活の何が楽しいのか。本人はイキイキしているが。

成熟された男らしさがカッコイイ。現役の男!


私は最近気づいたことがある。

トミー君と上告審の選任弁護人の性格が似ているのだ。

焦らない。動じない。心が広い。とぼけている。

暖簾に腕押し。マイペース。

「普通の価値観」なんてつまらないこと言わないし。


今日は、大学生にしか見えない30代の男性弁護士と面会したのだが

「手書きのお手紙には手書きで返信しないといけないと思うので

なかなか連絡ができずすいません、手紙を書くより面会に来た方が早いので・・・。」

って港区からやってきた。

若い男の子の考えることはワカリマセン。

私に向って「その話は黙秘させて頂いてよろしいでしょうか・・・」

って言ってたゾ。

草食系どころか絶食系男子なんじゃなかろうか。


3日から、かっぱえびせん内容量が99gに変更されると告知があったので

試しに買ってもらったら、届いたかっぱえびせんは90gだった。

これは夜7時に書いているのだが、製造メーカーの都合により変更の時期が

未定になるとアナウンスが流れた。

わざわざかっぱえびせんの量を知らせるためだけに。


東京拘置所生活1年8ヶ月目にして初めて「告知放送のお知らせ」

をする男性職員が変わった。青い声だ。


男性は50過ぎないと渋みが出ないよな、と思いながら

やめられない、とまらない!かっぱえびせんをポリポリ食べている。

美魔女のことは・・・忘れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

著者なのにまだ見ていない本のこと

表紙の色さえ知らない著書のことが気になって仕方ない今日は土曜日。

出版社の担当君が窓口で差し入れてくれた本が交付されるのは週明けなので、本屋に並んでいるか確かめて面会に来るようトミー君に連絡しておいたのだが、仕事の都合がつくか調整中とのこと。 会社勤めの人が平日の昼間にお休みとるのって大変らしいな。

 

トミー君は私と付き合って5kg痩せた。 出版社の担当者は埼玉時代に既に5kg減。 彼らは元から普通よりスリムな体型だったので5kg痩せたら超細身になってしまった。 私が苦労をかけてるせいだろうか。

 

私も心労が絶えないのだが、一向に痩せる気配はなく、むしろ増えてる気さえするものだから、トミー君に

「今度来るとき、長友佑都の体幹トレーニング20と伊藤理佐のなまけものダイエット買ってきて」

とお願いした。 痩せる気があるんだかないのか分かりにくいチョイスに苦笑されたのだが、痩せないと困ることがないんだもの。

 

しかし、去年11月から続くスー夫妻とのトラブルで、私は砂糖中毒になった。 なぜか常に甘い物を欲するようになり、私の心配をしてお見舞いに訪れた人たちがお菓子を差し入れて下さり、それがちょうどコーヒーアディクトの時期と重なり、クリープとシュガーたっぷりの珈琲にスウィーツを日がな飲み食いしボーッとするという恐ろしい時間を過ごしていた。

 

トミー君は、そんな私に同情して付き合ってくれたのかもしれない。 多分こんなにこき使われるとは思ってなかっただろうが。 彼は本物の男なので、決して逃げない。 やり逃げしたのは、手記リレーの発案者であり支援体制の方向性を変えたスーさんである。

 

彼と面会した際に、奥様が私の支援を反対しているのでこれからは表立ったことは控える、と伝えられた日から悲劇は始まった。

それから彼は妻の常軌を逸した言動に苛まれ、おかしくなっていったのだ。 彼は妻から私との関係を不倫だ、浮気だと責め立てられていた。 スーさんと私は不貞を働きようがないのだが、スー夫人にとっては文通も不倫だという。 彼女からは「自分の夫が売春婦などと卑しい関係である」とも言われた。

 

自分の面前で夫に私と別れる旨の手紙を書かせてからも彼女の怒りは収まらず、子供の前だろうがところ構わず怒鳴り、泣き叫び、スーさん曰く

「妻は完全に壊れてしまいました」。

彼女は夫に、私へ送った数と同じだけの手紙を自分に書けと要求し、スーさんは律儀に書いているという。

 

彼女は結婚式が自分の望むものでなかったこと、姑との不仲、流産や帝王切開での出産、その後のセックスレスなどを並べ立て夫を叱責した。 それらは10年以上にわたる結婚生活の不満であって、私とは何の関係もないことなのに。

 

12月になってからも夫婦関係は相変わらず奥様は情緒不安定で、Anger Managementを含めたカウンセリングを夫婦で受けているという手紙が届いた。 そのなかで私は、一日中思い出しては泣いている妻からスーさんが殴られていることを知った。 妻が夫にDV。

 

スーさんはフラッシュバックする妻からヒステリックに浮気を非難されながらも

「愛する木嶋佳苗様

釈放後のデートは楽しみにしています。 佳苗さん、大好きです!!」

と言い続けた。

妻から一日何時間も説教をされ、反省文を書かされ、暴力まで受けているのに。 彼は正常な思考による判断ができなくなっていった。 遂に彼は、私や支援者のあり方まで批判をしはじめ、威迫じみた文面を送ってくるようになった。

 

私は脅かされている気持ちになり、コネチカットからの手紙が届くと部屋の空気が重苦しいものになるのを感じ、気の滅入る日が続いた。 正月早々、年末に妻が子供たちの前で、ナイフを持って狂言自殺をしたという知らせを受け、たまげた。

もうこれ以上、スー夫妻と付き合っちゃダメだ、と思った。

 

無視していたら、スーさんが私の弁護人に連絡して、さあ大変。 修羅場。 どうなることやら・・・。

 

周囲の献身的なサポートにより、いまの私は砂糖中毒から脱し、面会後に届くトミー君の手紙に

「元気そうだったので安心しました。」

という一文を読み私も安心する、という日々。

 

トミー君は「ウーワンワン」と犬のイラスト入りの署名が可愛い手紙を送ってくれる。 西原理恵子風の手書きで、風情がある。 いきなり

「私の前世は犬だったと思う。 御主人(木嶋さん)にはなつくが、他の人にはまったくなつきません。」

と書かれてありびっくり。 私と違い愛想がよくて、誰からも好かれそうな人なのに。 そんなふうに思っていたなんて知らなかった。

 

最近は語尾に「ワン」をつけて遊んでいるのですが、何だか10代の恋愛みたい。 いい年した大人のカップルだが。

 

彼は「礼讃」を読んでどう思うんだろうな。 手紙は3枚以内にまとめろと言う彼が、400頁以上ある小説を読むとは・・・思えん。

この報告は次回。

 

個人的には、トミー君が桜餅にどう反応するのかがいま最大の関心事。

きっと3月3日の雛祭りに東京拘置所では桜餅が出る。 去年のトミー君は

「季節感があっていいですね」

なんて言っていた。

 

しかし、去年のクリスマスケーキには

「俺は甘いものなんて食べないよ」

って。 一昨年は

「女の子はケーキが出たら嬉しいでしょう。 良かったですね」

って言ってたのに! 新密度が増すと、コメントがぞんざいになっていく気がしてならないのだが、本音で付き合ってくれていると思うことにしよう、と自分に言い聞かせている2月の最終日。
 

ところで検事を褒めるのも何だが、西澤さんは検察官としては珍しく、出世欲の薄い人だった。 彼は人間として善い人だと私はいまでも思っている。 事務官の佐藤君も西澤Pのことを本心から尊敬しているようだった。 クレームがきたら仮名にしようと思っているけれど、そういうこともないし。 西澤さんと佐藤君元気かな?と久々に思い出した。

 

「コンビニのお弁当はイヤッ!パンが食べたい!」と護送の警官に言ったら、何と私の食事用に検察事務官の佐藤君が専門店でサンドウィッチを買ってきてくれたことも懐かしい。 あれ、美味しかったな。

 

食べ物のことばかり考えてないで、ここは私もオシャレ女性誌を読むべきか。 トミー君を美魔女に奪われたら困るからな。  

 

40歳になっても、拘置所にいても、女!

 

新聞の全面広告で「2月28日はビスケットの日」という唐突な記念日情報を得て、森永マリーをサクサク食べてる場合じゃない。

自叙伝「礼讃」が出版されたそうです

 今週面会室に現れた黒いキャップを被った男の手に、本はなかった。 彼は出版社の担当者である。

「えッ!? 面会室に持って来ていいの? 鞄の中に入ってるから後で差し入れておきます」

だって。 何しにわざわざ葛飾の小菅くんだりまで来たんだか。 舌打ちしそうになっちゃった。

 

私が気にしてる事実チェックの不首尾や誤植や校正ミスについては

「ん~ 4~5箇所はあるかもしれないけど、増刷になったら直すんで」

って、オイ。 何なんだ、この適当さは。 恥。

彼との面会は軽く50回超えていると思うのだが、なぜこうも通じ合えないのか。 謎。

 

今週は、みかん君がカントリーマアムを差し入れて帰ったのにもぶっ飛んだが、トミー君がバターとジャム選びにまごついて食パンを買い忘れるという失態を演じ、叱咤モードで「どういうつもりなんだッ!」と苦情の手紙を出した。

「アベノミクスで内部留保が増加した大企業ランキング50」にランクされた会社に勤めている男のすることとは思えぬ不手際に呆然。

「英語は帰国子女にまったく太刀打ちできません。 willとwellの違いが聞き取れません。 木嶋さん、世の中はすごいことになってます。 グローバル人材です。」なんて言っている。 オジサンになってから突然職場で英語力を求められるのは辛いだろうな。

 

今年になってから私はトミー君に「木嶋さん」と呼ばれている。 お正月のことだった。 初詣に行くトミー君から届いた手紙に

「私もお参りするから、木嶋さんも神様の方向に祈ってください。」

と謎のメッセージが書かれてあり、それ以来ずっと「木嶋さん」。 まぁいいけど。 好きとも愛してるとも言ってくれませんが。

私はトミー君に無償の愛を捧げている、と思っている。 面会室がカツアゲの現場みたいになってますが、それはそれ。

「女の子は男に甘えていいんだよ」ってトミー君は言ってくれるし。 素敵!

彼は、私の顔にイボができたと知ると

「よく効く塗り薬送ります」

歯科診察を受けたと伝えたら

「歯医者代はいくらかかったの?」

面会は平日の午後に来てほしいとお願いしたら

「日中は仕事が忙しいので、平日の夜か週末にできませんか」

なんて言う素人。 使えない・・・。

 

今月に入りやっと

「ガンバルね!」と、やる気を見せてくれたのだが、いつもと違うテンションに、お酒に酔って書いた疑いもあり、そこはあえて確かめず、「ガンバル」という言葉を信じることにしていたところの失態。

男性を「礼讃」しているという本を書いた私が言うのも何だが、男の「頑張る!」は当てにならん。

 

拘置所生活を語るにあたり、去年は実験的なことを色々してきた。 今年はその報告的なものを書いてゆく。

人や物や思想を取捨選択していくなかで、自分が何を好きかが分かり、私はやはり「木嶋佳苗」であると気づかされ、ちょっとショック! 

「特打フリックでスマホの文字入力を練習してるオッサン」な彼氏に「フリックって何?」と訊いた塀のなか歴5年半のオバサンな私にもショック!

 

でもね、幸せですよ、私は。 ジル・サンダーのニットを着て、ふっかふかの今治タオルで顔を洗い手を拭いて、コンビーフのサンドウィッチを作り、熱々の珈琲を飲みながら本を読む。 クッキーとチョコレートを食べながら原稿や手紙を書く。 好きな人との面会と手紙から元気をもらう。

 

去年も数百冊の本を読んだが、自分で買ったことは一度もない。 無料貸出の官本は一度も借りなかった。 衣類や寝具を自分で買ったこともない。

 

これは幸せですよ。 女に生まれて良かったと思いますよ。 私の書くものは資本主義を信じない人にはつまらないかもしれませんが、私の言葉をヒントに自分の頭で考えられる人には楽しんでもらえると思います。

 

ポートネックでドロップショルダーのとびきり肌触りが良いふっくら起毛感のあるクリーム色のニットを着る幸せを与えてくれる彼に感謝しながら、拘置所の冬は寒くても、心身が暖かいのは物欲が満たされているから、という現実を堂々と書く。

 

私は木嶋佳苗だから!

自伝小説「礼讃」が遂に刊行されるらしいです

 昨年10月に大学の同窓会出席のため来日したスーさんと2度面会して以来、スー夫人の支援反対攻撃は過激さを増しました。

スーさんは妻から

「いつも佳苗さん、佳苗さんと思いながらオナニーしてたんでしょ! そんな汚い手で私を触らないで!」

と言われたそうです。 しかし、次に続く

「これも当たっているので何も反論できません」

の一文に私は釘付け。

「当たっている」 すなわち、私を思いながらオナニーしていた・・・。 恋愛感情があったからこそ支援してきたという衝撃告白を超える驚き。

 

私は、男性ばかりの支援チームメンバーに指さし確認しましたよ。

「ちょっとお尋ねしますけど、このサポートは恋愛感情に基づくものでしょうか?」と訊きました。 いたって真面目に。 そうしたら1人出てきました!

「5年前に佳苗さんが逮捕された時から、私の思いはあなた一筋でしたよ。 今もこれから先も愛し続けます。 他人がどう思おうと気にしない。 木嶋佳苗マジで大好き。」

 

えーッ!

だってこの人、私より若くて綺麗で家事が得意な彼女と同棲しているんですよ。 彼女は一般企業に勤めるOLなのに、なぜ私に惹かれるのか分かりません。 その辺りを改めて訊いてみましたら

「佳苗さんと彼女のどちらを選ぶか。 ハッキリしています。 木嶋佳苗に決まっているでしょう。 変なこと聞かないで下さい。 たとえ肉体関係がなくても、そんなのは問題じゃあありません。 佳苗さんが様々な問題を抱えているからどうだと言うの。 そんなの気にしてはダメ。 俺の恋する佳苗、しっかりしなさい。」と励まされ・・・。

 

しかし、セックスレスのスー夫妻と違い、この人は彼女と頻繁にセックスしてるのです。 そのことを問い詰めると「昨日も彼女を抱きました。 彼女も俺の愛撫に応え燃えてくれました。 でも佳苗さんだからハッキリ言います。 俺は卑怯な男かも知れませんが、彼女を抱くのは、お世話になっているお礼と自分の性欲発散の為です。 彼女も薄々感じていると思いますが、俺は彼女の体を求めながら、頭は佳苗の裸を想像しながら責め立てて果てる。 どうしても佳苗のことが気に掛かり、俺は彼女を泣かせています。」

 

ひぇーッ!

私の知らない所でとんでもない事態になっているじゃありませんか。 彼女は佐渡流謫の刑に処された世阿弥の、花と幽玄がからみあいとけあった濃密な夜の舞みたいに、彼の想いに添うように身も心も預ける出来た女性かと思いきや、違いました。

スー夫人ほどでないにしろ、彼女も嫉妬心から怒っていると聞き、もう女のトラブルは勘弁して頂きたい、と思っていたところ、彼に悪性腫瘍が見つかり緊急入院。

 

おじさまは下血だったが、こっちは吐血。 生死の境をさまよいながら、佳苗に連絡を!と叫ぶ彼に、堪忍袋の緒が切れた彼女は看病放棄。 嗚呼、どうしよう。 私は身を退きますのでどうか彼のお世話をして下さい、お願いします、と彼女に手紙を書きまして、何とか関係修復。

放射線治療を終えて全身麻酔から目覚め、朦朧とする意識でベッドの横に付き添う彼女に向かって「佳苗」と呼んだ彼。 それを責めずに涙を流す彼女。 体の痛みと彼女に対する心苦しさを弱い筆致でしたためた彼の手紙を投函してくれた彼女に謝罪する私。

 

いったい私は拘置所で何をしているんだろう。

お父さんお母さんごめんなさい。 私は泥棒や人殺しはしてませんが、罪深い女のようです。

 

アメリカナイズされたスー夫人からは

「世間一般の普通に仕事を持って生活している私が、木嶋さんのような労働もせず日本国民の血税で生かされているだけの売春婦と、人生で関わりを持つという事そのものが許せない屈辱」という手紙が送られてきました。

私の家族は泣いています。 社会の偏見とバッシングに耐えている家族と支援者には、本当に申し訳なく思っています。

 

一部始終を伝えてきたトミー君に謝ったら

「たいした問題じゃないよ、大丈夫」

と言ってくれたのが嬉しかったです。 トミー君てカッコい~!とムラムラして、バレンタインデーに改めて告白したら

「私を選んでくれてありがとう。 素直にうれしいよ。 愛情を感じます。」

と返事をくれました。 号泣!

トミー君から「オカン」の話を聞いて、息子が木嶋佳苗と付き合っていることを知ったらどう思うのだろうかと考え、切なくなりました。 トミー君のご兄弟が好意的なことは救いですが、いたたまれなく思うこともあります。

 

彼は仕事が好きで、友だちがいっぱいいて、遊びは外で自宅にはほとんどいないという、私とは逆のベクトルで生きています。 読んでる新聞も本も趣味も違いますが、妙に馬が合います。

都心で働くトミー君には誘惑がたくさんあって、きっと女の子と会うことも多いだろうし、そんなことを悶々と考えてる自分が恥ずかしいのですが、トミー君に浮気されたら私は泣いちゃうな。

 

私は最近思うんです。 プラトニックラブこそ、永遠の美しさを保てるのではないかと。 性的関係を持たないからこそ、ロマンティックを永続できるのではないかと。

 

トミー君と私は頑丈なアクリル板に隔てられ、手を握ぐことも、抱き合うこともできません。 トミー君は、5年以上、恋の休暇中だった私が心底惚れた男性です。 私の人生最後の恋です。

 

トミー君以前の恋は「礼讃」に綴りました。 実話です。

 

私は編集や装丁に一切関わっていないので、どんな本に仕上がっているのかとんと分かりません。 気の利かない出版社の担当者が、発売前に面会室で実物を見せてくれるという期待はできないので「まさか郵送で済ませようと思っていませんよね?」と電報を打とうかと考え中。

 

ぐずぐずしてると発売日になりそうですが、3年の付き合いになる担当者のことは、今度ゆっくり書きたいと思っています。 私より年下の男性なのですが、この人がまた色々と仕出かしてくれるので、彼と付き合ってる限りネタは尽きません。

ホントに蹴っ飛ばしてやりたい時ありますからね、この温厚なワタクシが。 しかし、彼のお蔭で著書を完成できたのも、まぎれもない事実であり、深く感謝しています。

 

もっと平穏な環境で執筆したい。 それがいまの切実な願いです。

 

「礼讃」は、KADOKAWAから出版の運びとなりました。 どうぞよろしく!

 

なお、印税の収益は、社会福祉に貢献している団体へ寄付いたします。

「2015年1月1日~2月20日 未公開記事タイトル一覧」

・1月1日 謹賀新年

・2日 「一緒に散歩したいね」と年賀状に愛犬からのメッセージとして書いてきたトミー君の優しさに心がぬくもる

・3日 スー夫妻の狂乱に怯える私に石神さんは「いつも貴女の傍にいます」と言った

・4日 正月休み最終日に去年との違いを振り返る

・5日 稲刈り式ヘアカットに呆然とした私は短髪になった

・6日 小寒に想う

・7日 皮膚科診察で医務の職員に肌がキレイと煽てられ医師からはイボと言われ治療を頼むと職員に東拘を訴えないでよと念押しされつつ顔をジュッと焼かれ痛かった話

・8日 トミー君が送ってくれた今治タオル「ゆいわた」で美肌になるスキンケアを続けてみる

・9日 武田久美子さんのようにあんぱんを食べても私の体はかゆくなりません

・10日 林真理子さんのものを食べながら本を読むと読書がもっと楽しくなるというアイデアを実践する

・11日 「人は死なない」か?と首を傾げる

・12日 「フランス人は10着しか服を持たない」に学ぶマダムシックの生活と振る舞いを貫く難しさ

・13日 平成27年版給食アンケート調査に「パン食の給与回数」の設問が!

・14日 身体各部の軸の動きが見える向井万起男さんの視座が好き

・15日 「トルソーウォーキング2015」がすごい!とデューク更家に感心する

・16日 最後のオウム裁判に見る被告人の容姿の変化

・17日 「しつもん!ドラえもん」で知った奈良の靴下

・18日 「Life 五話」に想うネット社会とリアルの価値

・19日 在所証明交付願

・20日 「週刊パーゴルフ」でルーティンを考える

・21日 北海道南幌町の高2女子の少年審判の保護処分に安堵する

・22日 図書検閲にて初めての雑誌切り取り交付が何と「週刊文春」だった件

・23日 不許可領置された郵送差入れ品が居室で使用許可になった顚末

・24日 大相撲の歴史と伝統と文化と誇りを守った力士

・25日 死刑制度に関する内閣府の世論調査結果

・26日 ヤマト運輸の新聞広告を見てメール便で手紙を送ることが違法と知る

・27日 「ライオン洗たく石けん」を差し入れたトミー君の魂胆を見抜く

・28日 歯科診察室で内容を読ませてもらえない承諾書にサインしたことを懸念しつつ歯科医の凄腕に感動する

・29日 「橋本マナミさんとの淫夢」を読みグラビアン魂アワード2014でとてもしたいT4な人だと絶賛されていたぶっちぎりセクシーな彼女を思い出す

・30日 印鑑所持願を提出して居室で判子を使い始めた感動

・31日 初めて僧侶と会った月に「一日が一生」と考える

 

・2月1日 衣食プラス喜楽足りて礼節を知ると「AERA]で糸井重里さんのインタビュー記事を読み改めて思う

・2日 差し入れのスペシャリストを「週刊プレイボーイ」で知りオーボンヴュータンのフランス菓子の甘さを懐かしく思い出す

・3日 でん六豆を食して4年目の節分の日にトミー君から素敵なランジェリーを贈られた感激!

・4日 私に口止めを強要しながら返信を待たず弁護人宛に手紙を送り付けてきたスーさんの非道な行為にテロと言論の自由を仲間たちと考え泣き寝入りすべきじゃないと決意した

・5日 シャバは毎日猛烈に忙しいんだよ!と言いながら私の服を買うためデパートに行ってくれたトミー君に愛を感じていたらレシート入りの手紙が届き男は女の下着の適正価格を知らないらしいとほくそ笑む

・6日 ピラミッド型ティーバッグで淹れた紅茶に入れてみた「氷砂糖クリスタル」の高純度な甘さに溺れながら天声人語で裁判員制度の意義を知る

・7日 小さい物の差し入れは面倒だから自分で買えよ高い物だけ買ってやるからという手紙が届き来週会ったら文句言ってやると心に決めてアホトミー!と呟く

・8日 面白いテレビ批評を書くので気になって取り寄せた今井舞さんの「気になるあそこ見聞録」に「木嶋佳苗ムード」なる記述を発見しその意味が知りたくてたまらない

・9日 読むのが大変だから用件は箇条書きで3枚以内にしろと言われ字間を詰めて漢文のような手紙を送ったら読みにくいんだよ!と私を叱ったくせに自分は13枚も近況を書いてきたトミー君の可愛らしさ

・10日 「40代から気をつけたい病気と不調を総チェックできます」という「クロワッサン」の特集を読み私は実に健康だとひとりごつ

・11日 函館「五島軒」のイギリス風カレー缶詰でオープンサンドウィッチを作ったら冷たいのに予想外の美味で驚いた話

・12日 トミー君に週プレ入れてと頼んだら俺は1度も読んだことないと言われそんな日本男児が私と付き合っていることに驚いた日

・13日 豆大福の原材料名に疑念を抱き製造者に問い合わせたらすぐ回答がきてラベルも訂正され和菓子納入業者の誠実さに感心する

・14日 「考える人」冬号で山極寿一京大総長のインタビューを読み「人にはどうして家族が必要なのか」を真剣に考えるバレンタインデー

・15日 お坊さんが使いそうな直径60cm超のふっかふか座布団をトミー君が差し入れてくれたのでカバーも頂戴と頼んだら仏壇の前に置くのがふさわしい柄を選ばれ私は座るたび神妙な気分になる

・16日 末期癌で入院中の男性支援者が病床で毎日私に手紙を綴り伴侶が投函し彼に代わって差し入れまでしてくれる彼女の思いやりに胸打たれる

17日 トミー君が牛丼屋で朝定食をとりランチは立ち食いステーキ店だということに驚いてたら夜はファミレスでちょい飲みしたと聞き卒倒しそうになりながら庶民の暮らしぶりを彼から教わる

18日 私が暮らすフロアの職員たちは異常なほど美人でスタイルが良くて声も可愛いうえに敬語で話しかけてくれる心優しい女性ばかりで癒されるという事実

19日 砂糖断ちを決めたものの物品購入用マークシートに白砂糖のコードを書いては取消のマーク枠を塗りつぶすことを繰り返し職員から結局砂糖は注文しなくていいんですか?と念押しされ頭がおかしくなったと思われていないか不安になる

20日 こんなややこしい頼み事されるのホントは迷惑なんだよとアホトミーに言われブログに書いてやるッ!とキレたらじゃんじゃん書けと言うその男らしさに惚れ直す

「すべての経験があなたを強く、美しく、凛とさせる」

スー夫妻が引き起こしたトラブルは民事訴訟になりそうな気配がする余寒の候。

愛用しているフリースのタグをよく見たらMADE IN JORDANと表示があり、この時節にヨルダンって微妙だなぁと考えながらポッキー食べてます。 カントリーマアム君が、やけにオシャレなグリコの「和ごころ 宇治抹茶クッキークランチポッキー」を選んでくれたので「みかん君」に改称しました。 気分的には昇格です。

なぜか今日もおなじみサンヨー堂みかんの缶詰が差し入れられまして、彼のことはもう異星人だと思うしかありません。 みかん君はルックスだけが取り柄の男だと思いきや、実は結構優しいところもあるんです。 今日は大福まで買ってくれたから褒めておきました。 彼はこれを読んでないでしょうが。

支援者手記リレー後のごたごたからブログ管理人が交代し、私は昨年12月から毎日欠かさず記事を書いているのですが、諸般の事情により、公開はもう少し先になります。 最新情報はこのサイトで発表しますので、たまに覗いて下さい。

 

今日は、いま一番気に入って繰り返し読んでいる本を2冊ご紹介しましょう。 1冊目は「文藝春秋2月臨時増刊号 佐藤優の実戦ゼミ」 職業作家になって10年になる彼の過去の論考や対談などを再編したムック。 佐藤先生が「地アタマ」を鍛えてくれる10講座。 彼の思考法がよく分かる1冊です。

私はこの本の表紙で笑顔の佐藤さんの写真を初めて見ました。 私は彼のことをカメラの前じゃ笑わない人かと思っていたのですが、佐藤さんは笑うんだ!と分かりちょっとびっくり。 仏様のような微笑が素敵でした。

佐藤さんはもう少し肩のラインがスッキリ見える背広を選んだ方が良いと私はいつも思うのです。 体型や姿勢の問題もあるのでしょうが、スーツ姿の佐藤さんを見るたびいつも肩のラインのダブつきが気になっています。 会う人によって、仕立てがイギリスかロシア製かってことまでこだわって使い分ける佐藤さんが、シルエットに無頓着というのは興味深いところです。

 

さてもう1冊は「ダイヤモンド すべての女性が美しく、幸福になるとっておきの言葉」 これはメンタルコーチ・ワタナベ薫さんのメッセージ集。 花の写真の美しさと宝石のような言葉にうっとりします。 この記事のタイトルは、ワタナベさんのお言葉から拝借しました。 これは男性支援者の伴侶から頂いた本でして、女性からの贈り物は嬉しさもひとしおです。

 

「愛のある人生とは、

誰と比べることもなく、

今の自分を好きになり、

与えられた環境に感謝して、

喜びに満ちて生きていくこと。

 

その心さえあれば、

人生、大大大成功!!」

 

私にはこの言葉がいちばんジーンときましたねぇ。 私は、愛のある人生を与えてくれたトミー君に、深く感謝しています。

私の愛情を引き受けてくれたトミー君は、本物の男です。 私はいま、しみじみと幸せを感じております。

 

人を愛するとは何かを、私は40歳になって初めて知りました。

人生、大大大成功!!

5月31日~12月31日 未公開記事タイトル一覧


531日 裁判員制度5年を迎えて

63日 ムダ毛のこと

65日 彼らが誤解することの悩みについて

66日 煙草と騎乗位

616日 夏季処遇のお知らせ

619日 岩波書店「世界」6月号

622日 トイレの衝立

627日 上告審の弁護団

71日 エアコンとアイスとかき氷

77日 「所内生活の心得」改正

714日 タオルケット

715日 カントリーマアム再び

722日 冷や奴

723日 下ちり終売

724日 2度目のお引っ越し

729日 いわし缶の女

730日 東拘生活1周年

84日 「こころ」のカステラ

85日 プレー後と色泣き

86日 ZEBRAボールペンへの苦情

87日 今治タオルのお値段は?

811日 ペニスをバキュームフェラするようなもの

812日 盂蘭盆に思う

813日 木偏に羽という漢字

820日 万年筆を使う

821日 オール・イン

829日 約束と想像する気持ち

831日 ごま塩と生理

91日 弁護士ドットコムトピックスの誤り

93日 サニタリーショーツ

94日 アマゾン最強

95日 冷凍食品の丼の素

96日 ジャムの適量とは

98日 中秋の名月

910日 刑務官の英語力

912日 レバニラで!

913日 面会室で歌うこと

915日 敬老の日の快適さ

917日 速達料金のこと

919日 梨の季節

925日 平日の夕食にパンが出た!

928日 秋の味覚

930日 パンの女

101日 茶まん休止と下ちり再開

102日 鶏のから揚げにマヨネーズ

105日 七味唐辛子

106日 競馬への関心度の変化

108日 私物の保管総量及び領置総量の検査を実施することについて

109日 ラブドール

1015日 秋冷の候のレストランカツ

1017日 最後の梨と富士山初冠雪

1018日 納豆デビュー

1021日 みかんとシャンプー

1023日 中国産食材

1024日 味付のり

1028日 夏季処遇最終日

1029日 熱々ラーメンとイースト菌のパン

1031日 年賀ハガキの受付

112日 スーさんの面会記について

117日 ゆべしと豆大福

1111日 毛布のひざ掛けと体感温度

1118日 カイロと手袋と慰め

1119日 オナニーする人させる人

1120日 「出版ニュース」11月上旬号

1121日 New HavenHamdenの憂鬱

1122日 婚外恋愛と支援者妻の異常な嫉妬

1123日 支援者手記リレーのコメントを読んで感じたこと

1124日 毒になるやり逃げ支援者の愛情表現

1125日 歯科診察願

1126日 シルクの手袋

1127日 ~手記リレーを終えて~ 「豆大福と珈琲」のような人

1128日 私からの求愛レター

1130日 恋愛成就!彼からの受諾レター

121日 コーヒーアディクト

122日 日の出の読書

123日 愛するトミー君の来訪

124日 物品制限全面解除1周年と私物総量検査合格記

125日 トミー君のバターと愛の詰まった赤い箱

126日 寝具新調冬バージョン

127日 「虚ろな十字架」と鈴木夫妻

128日 パーフェクトな冬季ファッション

129日 パルスイートの奇妙な甘さとじゃりじゃり砂糖の愉悦

1210日 歯科診察中にまさかの睡眠

1211日 庶民感覚の謎と挑戦

1212日 「小菅新聞」東京拘置所視察委員会ニュース

1213日 防寒オブセッション

1214日 トミー君の年齢詐称疑惑

1215日 庶民生活体験の茨道

1216日 私がトミー君を選んだ理由

1217日 年末年始休庁日の準備ウィーク

1218日 愛を伝える言葉と行為とその効能

1219日 支援者の在り方会議と謙虚な私

1220日 靴下の重ね履き健康法

1222日 肌に皺ができない理由

1223日 腰痛知らずの秘訣

1224日 63万円だって。トミー君のメガネがーッ

1225日 クリスマスの面会デートで大笑い

1226日 トミー君のサンドウィッチとムルムルマヨネーズ

1227日 9連休の寂しさ

1228日 エア疑惑に関する私と支援者の見解

1229日 トミー君の大福とカントリーマアム君の真面目な暴挙

1230日 正月菓子と「殉愛」

1231日 2014年の積み残し案件

手記リレーを終えて ~「豆大福と珈琲」のような人~

立冬の117日に豆大福が届いた。これは運命だと思った。私はすぐに豆大福を食べた。あまりの嬉しさに、夢中でふたつ。コーヒーを飲みながら。5個入りの豆大福を「食べ終えたあとの、いまだかつてなかった満ち足りた幸福感」は今でも鮮明に覚えている。普段コーヒーを飲まない私が、突然閃いて、7日に届くようコーヒーを注文しておいた偶然と豆大福の幸福が重なった。閃きは、10月から朝日新聞の夕刊で連載していた片岡義男さんの「豆大福と珈琲」という短編小説の連載を読んだことで得た。東京拘置所では冬季限定で大福が販売される。差し入れ品は、透明な箱に個包装された5つの大福が詰められている。なんと今年は豆大福を取り扱うという。その初日が7日だった。面会室で彼は「佳苗さんの手は白くて柔らかそうで大福みたい」と言った。そして、豆大福が届いた。自分で注文していた珈琲と共に。

 

私はこの1年間、支援者によって励まされ、知恵と勇気を与えられ、彼らの庇護を受け生きてきた。そして支援者の家族によって、傷つけられ苦しんできた。本当に辛い日々だった。世論という鵺のような正体不明のものではなく、支援者である既婚男性の妻という、はっきり存在がわかる人間からの攻撃によるダメージは大きかった。その圧力は手記リレーによってピークに達した。私の支援者は全員男性で、9割が既婚で妻子がいる。社会的地位と家族を養う責任感がある人だから、私のような立場の者に情けを掛けて下さるのだと感じていた。特に男女の意識はなかった。しかし妻という立場の人は関係を知ると、夫と私が不倫をしているかのように責め立てた。犯罪者というレッテルを貼られた人間と関わることが穢らわしい、ということならわからないでもない。しかし妻という女性たちは、あくまで「恋愛感情」が原因だというのである。嫉妬に基づくとしか考えにくい言葉を私に投げつけた。彼女たちは、例外なく同じ行動をとった。自分の面前で夫に手紙を書かせ、投函するのを見届けた。その手紙には、私に恋愛感情があると誤解させるような言動を詫び、私より妻の方が大事であることを延べ、家族を裏切り傷つけてしまったことを償うために、私への支援をやめる旨が書かれてある。手紙には、こうした文例集があるのかと勘繰りたくなるほど、木で鼻をくくったような文言が並んでいた。

 

彼らが私に恋愛感情がある!?私への支援が家族を裏切ることになる!?夫人の誤解による理不尽な暴挙に、私は抗議した。この交渉は大変骨が折れる作業だった。一度こじれた関係を修復するのは難しく、従前どおりの融和には戻れなかった。妻という女性の嫌悪や怒りが消えることもないようだった。世間の風当たりの強さを身に染みた私は疎外感でいっぱいになった。不本意ながら送った手紙で、私に喪失感や心の傷を与えたであろうと憂慮した彼らは、崩れ落ちそうな私を励まし続けてくれた。

 

私と彼らの間にある思いは友情なのだから、やましいことはない、と思っていた。しかしある男性から、離婚も辞さない覚悟で愛していた、と告白されたことで事態は混迷した。手紙や面会から、私は彼の思いに気づけなかった。私は本当にわからなかった。妻子ある恵まれたエリートが、死刑判決を受け勾留されている女性被告人に本気で恋愛感情を抱くなんてあり得るだろうか。私は今でも理解に苦しむ。私の支援者たちは「大好きな佳苗さん」「愛する佳苗さん」と手紙に書いてくる。これは拘置所で不自由な暮らしをしている私へのメンタルサポートの一環だと思ってきた。けれど一人だけ、本心が言葉通りのものだった。そんな不純な気持ちは迷惑だ。狂気でしかない。支援者と被告人という信頼関係が崩れた彼とは、今後交流を続けることはできないだろう。彼と別れることは残念で悲しいけれど、私は既婚男性と恋愛する立場にない。

 

116日、ドイツで行われたウェルト文学賞の授賞式に出席した村上春樹さんは、多くの壁が存在する現状を嘆いていた。私は塀によって社会と隔離されている。そして支援者の家族の不寛容や欲や恐れによって、壁をつくられた。逮捕された人間は、通り抜けられない壁によって社会から排除されることを思い知らされた。壁が存在する限り、真に自由で幸福な社会とは言えないと私は思う。

 

倫理は言葉で表現され得ないのだろうか、言語は命題からのみなるのだろうか、命題それ自体も結局は無意味なものではないか。ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインは「論理哲学論考」の最後に「語り得ぬものについては沈黙せねばならぬ」と書いている。既婚者の彼とのことはまさに語り得ないことで、私は問われても沈黙するよりほかない。

 

私は大人の男性が、こんな気軽に好きだの愛してるだの言う生き物だとは知らなかった。かなり以前のテレビで「ニュースステーション」という夜の報道番組に「最後の晩餐」という企画があった。久米宏さんが若い女優に、男というのは何歳になっても、女の人に激しく拒絶されるとか、この人はなんてバカな事を言うんだって思われたら、その人との人間関係はおしまいだという恐怖感がある。傷つきたくないし、恥はかくたくないし、その後の彼女との人間関係がまずくなってしまうのもイヤだし、男って勇気がなくて好きだなんてとても言えない、と話していたことを覚えている。そして、この企画でプロレスラーが最後の晩餐に、豆大福と珈琲を選んだことも思い出した。

 

テディ片岡というペンネームで書かれていた頃から好きだった片岡義男さんは、連載を終えて4日に「素晴らしく美味しい豆大福が素敵な女性を象徴するなら、相手役のよくもののわかった男性は、深煎りの豆を使ったコーヒー、ではなく漢字で書いた珈琲だ」というアイディアで書いた今回の短編の、少なくともその十倍は書くことになる長編を書くことを決めたという。新聞連載小説は豆大福(律子)と珈琲(真彦)だけでずっと続きがありそうな奥行を感じさせる、素晴らしい短編だった。寺門孝之さんの画も素敵だった。

 

私はこの1年間の支援者との交流と手記リレーを振り返り、40歳になったいま、私は珈琲のような人を求めていることに気づいた。私もこれから「豆大福と珈琲」の物語を実生活で紡いでゆきたい、と思っている。

おじさまと佳苗さんのこと(支援者手記リレー#4)

 ぼくは820日記の「万年筆を使う」の原稿を読んで、自分がクロス君と呼ばれていることを知りました。ぼくが使っているボールペンがクロスのものだと佳苗さんは気付いていたということも、その時初めて知りました。佳苗さんは男が身につけているものをチェックする習性があるようです。特に腕時計と靴のメーカーは数秒で当てます。あの人はモンブランの万年筆にブレゲの時計だった、その人はパーカーにウブロ、シェーファーにゼニスという風に覚えているのです。ぼくはセイコーですが。ペリカンさんの靴はジョンロブだとか、弁護士がチャーチのウイングチップを履いていたとか、大阪の彼はエドワードグリーンのチェルシーだったと目ざとく指摘するので驚きます。ぼくはABC-MARTで買ってると話したら、私そのブランドは知らないわと言われました。拘置所で面会した女性の時計のことも翌日、話していましたから、同性に対しても同じ視線を向けているのかもしれませんが、男性の心しか見抜けないと話していたことがあります。いろんな意味で佳苗さんは本当に目が肥えているなあと感心します。

 ぼくは、いわゆる団塊ジュニア、ロスジェネ世代と呼ばれる佳苗さんと同年代です。前置きが長くなりましたが、本来この手記はおじさまが書くことになっていました。草稿もできていました。でも残念ながらおじさまが手記を完成させるのは厳しいとわかり、ぼくが代筆を頼まれました。佳苗さんの支援者第1号のおじさまは、5月に潰瘍から大量下血で入院し、ショック症状から一時は危篤になりました。その後、療養中の8月に横断歩道でトレーラーに撥ねられ3日間意識不明の重態という災難に見舞われ、まだ後遺症と薬の副作用がひどく、この夏は佳苗さんと面会することもできませんでした。病気と交通事故で2度も生死の境をさ迷い奇跡的に蘇生しましたが、長文を書くにはもう少し時間がかかるということで、ぼくが代打に指名されました。

 おじさまと佳苗さんのキャラクターを巧く書く自信がなくてどうしたものかと考えあぐねていたところ、手紙を引用するのがベストだと思い2人から互いに宛てた手紙を拝借しました。100通以上の往復書簡を読みました。2人だけで共有していたエピソードに、何度も涙腺が緩みました。彼の投函した手紙の消印は銀座、日本橋、六本木駅前。彼女は葛飾でした。

 おじさまが初めて佳苗さんに手紙を送ったのは2012年の春です。裁判員裁判後、埼玉の拘置所にいた佳苗さん宛に「激励」と大きな文字で書いた手紙を送りました。以下の「 」は、手紙からの引用(抜粋)です。佳苗さんは手紙でおじさまのことを名字にさん付けして呼んでいますが「○○さん」と表記しました。

 「小生は報道を見て、非常に憤慨しております。憶測だけで命を奪う重大な判決を出していいものでしょうか。はっきり言って佳苗さんの裁判員裁判はデタラメです。是非控訴して闘って下さい。出来るだけ支援したいと思います。本当にこの裁判には怒髪天を衝きます。正しい者が不当な扱いを受けてはいけません。神経を太く持ち、無罪を勝ち取って下さい。差し当たって切手送ります。何か必要なものがあれば、本を差し入れろとか金必要とか書いて、弊社まで発信下され。弁護士からでもいいですよ。男が自殺するのは、まったく珍しいことではありません。かくいう小生も、バブルで6億失い借金の返済が出来なかった時、自殺して保険金で支払うことを本気で考えた経験があります。男とはふっとしたことで死にたくなる弱い生き物です。」

 この手紙に佳苗さんは返信しなかったのですが、おじさまは日記のように近況を書いて送り続けました。どの手紙にも「無罪判決を勝ち取ろう。」「早く娑婆に出て、旨い物を食いに行こう。」「不当な裁判に断固立ち向かい、勝利しよう。」「体を大事に。」といった力強い励ましの言葉が並んでいました。2012年の秋に届いた手紙に書かれてあった「くれぐれも体を大切に。風邪ひくなよ。」の一文が返信の決め手だったと、後日佳苗さんは話してました。会ったこともない女性に「風邪ひくなよ」と言える男性に、ぐっときたそうです。彼女が初めておじさまに返信したのは2013年の秋でした。

 「1年半前からお手紙と差し入れを頂戴していたにもかかわらず御礼が大変遅くなり、まことにご無礼いたしましたことお詫び申しあげます。平素より何かと御厚情をいただき、心より感謝しております。○○様の御高配は大変有難く存じていたのですが、一審の判決から今日まで自叙伝の執筆をしておりまして、ようやく返信を差しあげる余裕ができました。」

 その後2人は意気投合し、頻繁に文通と面会を繰り返すようになりました。親しくなり、支援チームができてブログを始めてからは、手紙の内容に固有名詞が多くて引用しにくいのですが、おじさまは30年来通っている千葉のゴルフ場を一緒に回ろう、銀座の寿司屋に行こうとたびたび誘い、佳苗さんが裁判で無罪を勝ち取り外で会うことを目指していました。おじさまが「すきやばし次郎に連れて行くよ。」と誘えば、佳苗さんは「私は銀座ならすきやばし次郎より鮨青木がいいわ。」と言うように、丁々発止の掛け合いで気心が知れている者同士のやりとりが続いています。フレンチレストランの話題では彼女の好きなワインのことが書かれてありました。おじさまは「じゃあ、佳苗さんの生まれ年のシャトー・ディケムを飲もう。」と誘うと、佳苗さんは「シャトー・ディケムに1974年のヴィンテージはないのです。ディケムの品質に達するワインが作れない年は販売しないだなんて、マルゴーやペトリュスですらしていないでしょう。」と答えています。ぼくは彼女からお酒には興味がないと聞いていたので、おじさまとはワインの銘柄や格付けのことまで話していたのかとびっくりです。

 2013年の12月に、おじさまが毎年おせちを予約しているデパートに佳苗さんの分も注文してあげようとした話は感動しました。

 「おせちを届けたいのですが、拘置所は年末何日まで差し入れ出来るのかな?休みは官公庁と同じかな?小生に出来ることは何でもしますから気軽に言って下さい。そして私の協力は隠さなくて結構です。弁護士やご家族にも伝えて下さい。佳苗さんの支援に何ら恥じることはありません。困っている者に救いの手を差しのべる、これ当たり前です。こういうことは損得考えたら何も出来ません。自分の気持ちでやってるだけです。それに小生、割と気のいい男ですから。女性には優しいし。基本的に人間性が卑しくありません。自分で言うのも変か。ワハハー!!拘置所は寒くないですか?高島屋から布団と毛布送りました。発熱素材の下着も手配しました。拘置所に直送されます。早く届くといいね。暖かい服を探しておきますよ。必要なものがあったら遠慮なく言って下さい。早急に送ります。松葉かにとふぐの旨い季節ですが、拘置所の食事はどうですか。今度面会に行く時に、何か見繕って旬のもの差し入れしますから。待ってて下さい。」

これに対する佳苗さんの返信。
 「お心遣いは大変嬉しいですが、食品は拘置所の指定業者(売店)が扱っているものしか差し入れできません。青いタグがついたズワイ蟹、懐かしいです。下関の料亭で食べた南風泊の天然とらふくのコースも、忘れられぬ味です。ふく刺し、ちり鍋、唐揚げ、ひれ酒、どれも大好き。拘置所の食事でズワイ蟹やふぐは望めませんが、お正月におせちの折詰めは出るんですよ。東京拘置所のお正月は初めてなのでわかりませんが、埼玉では2段の立派なおせち料理が出されました。いつも何かとご配慮いただき、感謝いたしております。ブレスサーモは20代の頃から冬に野外イベントがあると着ていました。拘置所で着ると、抱きしめられているような温もりを感じます。この格別な暖かさは、○○さんの思いやりが加味されているのだと思います。毛布は、フタコブラクダの毛を織ったキャメル生地とウールとスーピマ綿の3枚持っていますが、そろそろ洗濯したいと思っていました。東拘は服1枚さえ無料で洗ってくれないのです。有料クリーニングに出すと2週間戻ってこないので春まで我慢しようと思っていたところでしたから、毛布は嬉しいです。」

おじさまの返信
 「拘置所でおせちが出るの?驚き!!洗濯が有料なの?びっくり!!そりゃ金かかるねえ。週に1回くらい、洗濯物回収に行ってあげましょうか。コインランドリーで一気に洗って乾燥機に入れりゃいいだけだろ。クリーニングも外の方が拘置所の業者より早くて綺麗に仕上げてくれるから、必要なら言ってくれ。ブログの原稿読みました。君は天才だね。小生の心の友です。早く娑婆に出てくれ。もっと早く出会いたかった。我々はいい仲間、多分生涯の友となりますよ。佳苗さんのことはのんびりずっと大事にしますから。緊張感を持って、油断したらバシッとやられて。いいねぇ~今日も酒が旨い。そうそう、執筆用に原稿用紙とペンを送りましょうか。伊東屋か丸善で選びますよ。いいモノは筆の滑りがまったく違いますから。次回の手紙で申し付けて下さい。クリスマスが近いので、あったかそうなウールのカーディガン送りました。部屋で着て下さい。ささやかなものですが、気持ちのプレゼントです。寒さに負けず、裁判に立ち向かいましょう。佳苗さんの裁判は、どう考えてもおかしいよ。強い憤りを感じます。小生、出来る限りの支援をします。絶対負けてはなりません。体調はどう?よく食べてしっかり寝て、体を大事にして下さい。年末年始はゴルフです。年明けに面会行きますから。」

佳苗さんの返信
 「ブログの件は業者に依頼して下さったとのこと。恐縮しております。ご友人の方たちにも、平素ひそかたならぬお世話をいただいておりますことに厚く御礼申しあげます。ブログ運営においては、お手数ばかりわずらわせ、まことに心苦しく存じております。衣類のことですが、男性に洗濯をさせるなんて・・・クリーニング店に出していただけると助かります。宅下げをしておきますので面会後に受け取って下さい。冬物はシルクやカシミヤ素材が多いので、間違ってもコインランドリーの洗濯機に入れないようお願いします。原稿用紙とペンの差し入れは、残念ながら許可されません。○○さんの心やりを嬉しく感じています。こまやかな芳情、いつもありがとう。お正月からゴルフとはいいですね。千葉は65歳になるとゴルフ場利用税が半額になります。70歳超えるとタダです。元気で長生きして下さい。カーディガン本当にあったかい!愛情が芽生えそうです。私は御蔭様でつつがなく過ごしております。どうぞご安心下さい。今年の師走はとても幸せでした。もっと早く○○さんに連絡したら良かったなぁと思います。今年も残り少なになりました。ご面倒ばかりお掛けいたしておりますが、来年もどうぞよろしくお願いします。」

 手紙は双方、15枚~7枚で、近況報告が主な話題です。20141月からブログの更新を始めると、原稿のやりとりが増えて業務連絡と近況が半々といった感じになりました。2014年の年明けには、おじさまが小菅駅から東京拘置所までの風景を写真に撮り、手作りマップを佳苗さんに送っています。なんと彼は外観だけでなく拘置所の面会待合所までカメラで撮影し、テレビや受付ナンバーが表示されるボードや売店、差し入れ受付窓口などが映った写真を貼り付けた施設内部のマップも作りました。これは検閲に2週間かかり写真部分だけ黒塗りされて佳苗さんに交付されました。おじさまは根性と思いやりがある誠実な男です。彼がマップと一緒に送った手紙によく表れています。

 「拘置所周辺の地図を作ってみました。ブログの参考になるかと思って。小生、品性はいいです。面倒見がいいし。しかし、よく私を選んで手紙くれましたね。男、失礼、人間を選ぶ嗅覚はすごいものがあります。私はなんの見返りも求めず、気軽に尽くします。性格です。数ある手紙から、よく見抜いたものです。ホント、スゴイ。パチパチ(拍手)」
 2審中の報道や世論に落ち込んでいた佳苗さんに対するメッセージもありました。
 「情況が悪くても死ぬなよ。死のうと思ってるんじゃないかね。佳苗さんの為に汗をかいている人がいますので、まだまだ生きて下さい。私なんか何回死のうと思ったか。あと1mmの所で踏みとどまっただけです。こんなデタラメな裁判で佳苗さんが死刑になるなんておかしいよ。世間のバッシングが不思議でなりません。佳苗さんは無実です。自信を持って生きて下さい。あなたは素晴らしい女性です。そんな所に閉じこめておくのはもったいない。ホントの佳苗さんを世間は知らないんだ。佳苗さんがホントはいい子だって知らないんだ。何とか助けてあげたい。早く娑婆で会いたい。救いたい一心です。夢想と言われても私だけになっても、それが願いです。小生の本心です。裁判所に裏切られても、裁判所に期待するしかないことがもどかしい。辛抱強く頑張ろう。拘置所で佳苗さんに忍耐させるなんてしのびない。やるせない。歯痒い。何もしてあげられなくてスマン。結果でどうであれ、絶対死ぬなよ。佳苗さんが元気で生きてることが私の誇りだから。佳苗さんを死なせたら、私は男として失格だ。判決出たらすぐ面会行きます。」

 312日に控訴審の判決が出てから、不正アクセスでログインした第三者にブログが乗っ取られ、更新できない事態に陥りました。佳苗さんはぼくらのチームとは別に、石神さんとスーさんとの交流を始めていました。お2人のことは手記の通りです。8月に佳苗さんがおじさまに手記の執筆依頼をした際の返信にはこうありました。

 「実は2月に下血があって、ちょっと調子がおかしいなあ~と思っていましたら5月にひっくり返ってしまいました。小生は3月からパソコンに触ってません。株も一旦休止です。ブログのことはよくわからんけど大変だったらしいね。解決して良かった。リハビリ中で、今は体を元に戻すのに精一杯です。トレーラーに撥ねられたおかげで、右手が痛くって靭帯がじんじんします。昨日整形外科で注射を打ってもらったら、手ではなく肘に打つのです。驚き!文章を書けということですね。承知しました。ただ少し待って下さい。もうちっと体力が戻るまで。リハビリでゴルフクラブ振りましたが、7番アイアンが鉄の棒かと思いました。あと2か月程ゆっくりしたら動けると思います。また面会に行きますから。」

 2ヶ月経過しても容態が思うように快方に向かわなかったので、ぼくが代筆を仰せ付かりました。往復書簡を読んで思ったのは、ぼくの知らないエピソードがたくさんあったことです。これはスーさんやペリカンさんの手記を読んだ時も感じたことでしたが、佳苗さんは同世代のぼくには話さないことも、年上の彼らには伝えてました。そういう意味でぼくはよき相談相手にはなれていなかったのかもしれないと、力不足を感じました。

 彼女のサポーターは、持ち味も守備範囲も異なる個性の強い男達なので、それを取り仕切る佳苗さんはすごい女性だなあと思います。とにかくすごいとしか言えないです。彼女はいつも超然としています。でも、本当は重圧と葛藤で押しつぶされそうな心理状態に置かれている時間もたくさんあるはずなんです。特にこの春から秋にかけては、可哀相でなんて声をかけたらいいのかわからないくらい、苦難が重なっていました。
 味方の動きだけ見ても、おじさまが倒れて、ブログが乗っ取られたことで疑心暗鬼になって、彼女の意向に沿わない「木嶋佳苗チャンネル」が開設されて、杜撰な運営が行われて、個別に付き合ってる石神さんとスーさんはぼくらとは意見が異なるとわかって、サポーターの中にブログ継続に反対する人がいて、ぼくらが面識のない石神さんとスーさんをブログ管理人にしたことに納得しない人がいて、執筆や取材や民事訴訟など目立つことはしない方がいいと言う人がいて、裁判員裁判や死刑制度の存廃問題に主義の異なる人がいて、3審の判決も同じに決まってると言う人がいて、最高裁逆転勝訴を目標にする人がいて、と数え上げたらきりがないくらい対立があるのです。佳苗さんは多方面から何かにつけ、こうすべき、それは間違っていると攻撃を受けてるような状態でした。

 今でも解決していない問題はたくさんありますから、佳苗さんは迷ったり悩んだりしています。ストレスでおかしくなっても不思議じゃない中で、彼女はよく頑張ってるなあと感心します。彼女の立場でノンフィクションの執筆をするのは強い精神力がないとできないと思うので、その自己管理能力をぼくは尊敬しています。スーさんの登場で、佳苗さんは今まで以上に強く優しい女性になったとぼくらは強く感じています。成長したというのはおこがましいですが、スーさんと付き合うようになってからの佳苗さんは、人間として確実にスケールアップしているのです。彼女はぼくなんかじゃ最初から太刀打ちできないレベルのカリスマ性を持った聡明な人でしたが、スーさんと繋がってからの佳苗さんは、手の届かないグレードに上がった感があります。

 スーさんは、とても勇敢で心の広い男性です。この手記リレーに企画段階では「木嶋佳苗さんの支援者の皆様へ」という長文の手紙を送ってくれました。佳苗さんのサポートに対する情熱に、ぼくらは圧倒されました。こういう男性がアメリカに流出するのは日本の社会的損失だと思いました。郵送回覧されるプリントには、いつもスーさんからぼくらへの感謝やお礼のメッセージがあり、男としてほれぼれする気骨と思いやりはおじさまと重なります。

 いつだったか佳苗さんが「スーさんからのお手紙読んで泣いちゃった」と言っていたことがあります。ぼくらの送った手紙で感涙したのはおじさまのだけと言う佳苗さんを、会ったこともないのに落涙させるとは只者じゃありません。「スーさんは、かけがえのない運命の人」とも聞きました。極刑という判決の重たさと世論の厳しさに、日本で萎縮しがちなぼくらは、スーさんの行動力に発破をかけられました。

 最後に、佳苗さんの事件報道は嘘八百だったと声を大にして言って終わります。木嶋佳苗さんは、悪女でも毒婦でもドライでもない、心の温かい情が厚い女性です。
 以上、稚拙な文章で恐縮に思いますが、スーさんの尽力と、おじさまと佳苗さんの絆をご判読下さると幸いです。いまだ試行錯誤しながらの支援ですが、1人でも多く佳苗さんのサポーターが増えることを願っています。

 ぼくらの手記リレーを読んで下さりありがとうございました。


石神さんとの問答(支援者手記リレー#3)

 前半は私と石神さんとの問答で、後半は支援者との問答になっております。質問者は、最年長サポーター三木さんです。どちらも原稿は手紙で受け取りました。支援者は皆、独自の哲学で活動しており、チームとして円滑に運営するためにそれを同じ方向にする難しさ、メンバー間の利害調整まで考えなくてはいけない苦悩や彼らの葛藤が伝わると思い、後半部分の追加を決めました。前半は89月、後半は10月に石神さんが回答したものです。

Q1:石神さんは最初に下さったお手紙で、「何か役立つことが有りましたら、どうぞお申し付け下さい。」と書かれました。当初ご自身では、どのようなサポートができると思っていましたか?
A1:自分にできる範囲の可能なことはすべて。一番は財政面と心。

Q2:あなたは私の裁判を一審から傍聴され、「貴女が真犯人とは、とても思えないのです。」とも書いていました。なぜそう思われたのですか?
A2:
警察・検察は、犯人と決めたら何が何でも犯人にする為に努力しますが、貴女の件はデッチ上げだと思った。

Q3:初回の手紙には、「本当に、身代わりが可能ならば、男性の私が代わってあげたい思いです。」ともありました。私はこの言葉に男らしさを感じましたが、私が女性であることは意識していますか?
A3:
男女の異なりは関係ない。理不尽な判決だったので、四面楚歌の貴女を守らなければ、と思った。人間に限らず、生まれたら死ぬのであり、原因の如何に関わらず生まれたら死ぬ、と知っていますから。知らないであろう貴女より、苦悩は全くないから大丈夫。

Q4:あなたは日本の刑事司法についてよくご存知ですが、いつから学ばれたのですか?
A4:
物心ついた頃。刑事司法のいい加減さで人間の命が消されてゆく時、それに携わった人の行く末を知ってから。

Q5:今まで被疑者や被告人の支援経験はありますか?
A5:
ない。

Q6:あなたはフリーランスでクリエイティブなお仕事をされていますが、趣味は何ですか?
A6:
自然に関わること。釣り、登山、海、花、鳥。それにお酒。

Q7:あなたは米国での勤務経験がありますが、今後は日本で働くのでしょうか?
A7:
外国との区別はありません。その時の自分の環境を懸命に生きるだけ。

Q8:あなたは私と交流を持つようになってから1ヶ月で、「片手間で関われるとは思ってません。全力でサポートする為に仕事を調整していきます。」と決断されました。なぜそこまでのことが出来たのでしょうか?
A8:
その時の自分の心に従って動いた。貴女に面会して、貴女の存在を僕の魂が認識したのです。第6感が、貴女という存在の善悪を見抜いたのです。誰でもいいわけではありません。貴女との出会いは必然です。

Q9:あなたはいつも私のことを、「尊貴な女性」と言います。どのようなことから尊貴と感じるのでしょうか?
A9:
人生は物語であり、登場人物にはそれぞれの役目があります。過酷な役目を与えている人は、その役をこなすレベルの崇高な魂の持ち主。この世での大変な役目を引き受けて生まれてきた女性、それが貴女です。

Q10:法廷の傍聴席で見た私と、拘置所の面会室で話した私の印象は違いましたか?
A10:
いつも、常にあなたは尊貴であり、場面によって貴女の存在価値は変わらない。法廷で見た貴女の凜とした姿に、悪人の役を演じる女神ではないか、と思ったのです。言葉や着る物では飾ることができないものを、僕の心が判断した。

Q11:あなたは初めて面会する前に、「1ヶ月の半分は貴女の手助けができるように仕事を調整中です。」と手紙を下さいました。相当の覚悟がなければ出来ないことだと思うのですが、なぜ私を信用したのでしょうか?
A11:
インスピレーション。直感です。理屈を超えたもの。

Q12:知り合ってからの期間は関係ないのでしょうか?
A12:
ない。たとえ長い付き合いであっても裏切る人はいるし、短い付き合いでも、最初に自分に信じられるとの思いを与えた人を信じます。それが裏目に出たとしても、相手が悪いのではなく、選んだ僕の責任。

Q13:あなたはよく、私が何の為にこの世に生まれてきたかを話してくれます。あなたの役目は何でしょうか?
A13:
多分、今生では貴女の脇役。

Q14:あなたは「男として」という言葉を使うことが多いですが、あなたの考える男らしさとは何でしょうか?
A14:
男として、と言っているのは男らしさを表わすジェンダーの意味ではなく、単に生物学的な性別から考えて、男の方が女性より苦痛や暴力に耐えられる、という男の本能、性質からです。

Q15:あなたは後輩や女性に奢ることはありますか?
A15:
人生の先輩として、女性を守る立場にある男として、一度でも相手にお金を支払わせたら、さっさとあの世に還ります。

Q16:何をしている時がいちばん幸せですか?
A16:
幸せな心にある時は、何をやっても幸せです。

Q17:自死についてどう思いますか?
A17:
人の死なんて、どのような原因で死を迎えても、自殺でなければ自然なのです。人間に限らず、生物は生まれたら死にます。事故や病気で亡くなるのではなく、生まれたから死ぬのです。宿命なのです。この世での表現で死というと全ての終わりに考える者もいますが、それは違う。桜が散って翌年同じ桜が咲きます。散った桜が咲いたのではなく、バトンタッチです。そうして永遠に繰り返されてきたのは、死が終わりではないからです。自殺だけは行く先が異なります。そのことで少し説明します。死と考えられているものの実体は何であるかといえば、この3次元の世界で我々が着用している肉体という衣を脱ぎ捨てて、別の次元に入ってゆくことです。肉体を離れたあなた自身の本質的存在には何の変化はなく、別の次元に於いて、あなたは存在し続け、考え続け、感じ続けます。だから死を恐れることは何もないのです。医者も早くそれに気が付いて、ターミナル段階にある者に、それを教えてやるべきだと思います。しかし、医学者の多くはなかなか認めようとしません。たとえば、臨死体験も無視するか精神異常と片付けるかするでしょう。それしか説明のしようがないからです。人間とは霊魂と肉体で構成されており、霊魂は物質を超越した霊体であり、生命の源です。物が無くなるというのは、その物が分解したり、化合したりして他の物に変化することです。霊魂は物質のように分解や化合の要素を持たない単純な実体であることから、変化はあり得ない。つまり、無くなることがないのです。したがって、人間は死によって霊魂と肉体が離れても霊魂は無くならず、永遠に存在し続けます。自然科学は物質的世界に於いて、物理学や化学によって解明される学問であり、昔からみれば驚くべき進歩を遂げているけれど、多くの人が考えているように全部を知り尽くしているわけではありません。宇宙ロケットが飛ぶ時代であっても、それは一部の進歩であって、解明できない事の方が遥かに多く、本質的には何もわかっていないのです。繰り返し述べますが、死は霊魂が幽体と共に肉体から抜け出して、霊界に所属する際の現象です。心や記憶は肉体の死後も生前と少しも変わらず、幽体は窮屈で鈍重な肉体から離れ、かえってよく働くことができるのです。したがって、心の苦しみから逃れるために自殺することは全く無意味で、後悔を増すばかりなのです。以上、この回答は珍しくシラフで頑張って書きました。いつも手紙は仕事の合い間に酔って書くことが多く、文章の推敲にまで頭が働かないのです。ごめんなさい。

Q18:あなたは私がブログや取材で、最期の日まで美しい魂でありたいと思っている、と言っていることに対し、「違う!と叫びそうになった。」と手紙を下さいました。どういう意味でしょうか?
A18:
貴女派は始めから、師として使命を持って生まれてきた崇高な魂の持ち主。高次元からこの世に生まれてきたのです。貴女が自分を卑下する言葉を否定したかった。

Q19:あなたは特定の宗教を信仰していますか?
A19:
ない。

Q20:私は逮捕されてからの5年間で、親しい男性が4人も、病気で数ヶ月間休職するという悲しい事態に見舞われました。あなたは健康ですか?
A20:
9月に3日間、精密検査を受けましたが、いたって健康です。

Q21:入院したことはありますか?
A21:
6回ある。そのうち1回はロサンゼルスで1年。

Q22:7月に女性週刊誌で、私があなたに片思いしていると報じられました。そのことをどう思いますか?
A22:
記事にしなければ生活が成り立たない人が書いたことに、何も思いません。

Q23:あなたは私より年上の独身者ですが、今後も1人暮らしを続ける予定ですか?
A23:
はい。

Q24:あなたは異性愛者でしょうか?
A24:
実はよく勘違いされますが、「冗談じゃないよっ!」と言います。

Q25:あなたは女性にモテますよね。
A25:
人として好かれる事はありますが、異性としてモテたなら、いま独りでいません。

Q26:あなたは最近、スナックで撮った(ママの肩を抱いている!)写真を送ってきて私をイラッとさせましたが、あれはどういうつもりでしょうか?
A26:
えっ?イラッとしたのですか?何で?ママの誕生日に、ママの妹の要請で撮った写真です。2人並んで撮ってくれると言うので行儀よく並んだら、酔ったお客が、「小学生の入学式じゃあるまいし、肩に手ぐらい回しなさい」と言うので、あのスタイルになったのです。イラッとしたのはかわいい。一緒に送ったボタン椿の写真は、自宅の寝室から撮ったもの。この椿が気に入って決めた住まいです。椿の花にヒヨ鳥が毎日来ていたので、ベッドから眺めてました。手を伸ばせば届くところに椿が植えてあり、毎日、咲いた時を想像しながらお酒を飲んでいたら、びっくりするほど見事な花を咲かせたので記念に撮った一枚です。

Q27:今後もあなたとのエピソードをブログで公表しても構いませんか?
A27:
いいよ。

Q28:死刑制度について存置派ですか?
A28:
廃止派に決まってるでしょっ!

Q29:被告人の支援をする上で大切なことは何だと思いますか?
A29:
被告人も一般人も同じ人間ですから、僕は自分を相手の立場に置き換えて考え行動します。

Q30:私へのメッセージを。
A30:
貴女の欠点は、決断が早く、外面は柔らかで内面は剛。

Q31:読者へのメッセージを。
A31:
ない。これは貴女に答えているのであって、読者の意見には頓着しない。

Q32:様々な事情から、周囲には内緒で支援活動をして下さっている人もいます。そのような人をずるいと思っているのですか?
A32:
当たり前でしょ。隠すということは、貴女を厄介者扱いにしているから。他人に知られたくないなら、やるなっ!僕は全てオープンでOK

Q33:上告審(三審)の結果は変わると思いますか?
A33:
最高裁でも判決は覆らない。でも、裁判は頑張りなさい。しっかりした趣意書を作るように。生きることは誰でも命がけなのです。

Q34:死刑廃止論者の中には、死刑に代わる刑罰として終身刑の導入を提案している人もいます。終身刑についてどう思いますか?
A34:
終身刑は飼い殺しでしかない。希望が見えず救いのない刑罰なんて、あってはいけない。刑務所は矯正施設としての役目が、正しい在り方。

Q35:私が未決時代に外に向けてすべきことは何だと思いますか?
A35:
その立場になって知ったこと、心が悟ったことを世間に叫べばいい。自分の不自由の愚痴とか処遇の不満を言っても、野次馬が喜ぶだけです。1万人のブログ閲覧者を喜ばせるより、たった一人でも生きる希望を与えられたなら、貴女の人生は成功であり、そのモニタリングを貴女は常にされています。貴女はこの世のことしか見えないから知らないでしょうが、あの世からこちらの世界は丸見えです。本当のサポーターは、貴女の地上での生活をずっと見守ってくれています。

Q36:石神さんは他の支援者とかなり思想が異なりますが、私をサポートする気持ちに変わりはありませんか?
A36:
当然でしょ。

三木さんと石神さんとの問答

Q1:支援チームのリーダーであったおじさまが病気療養中のため、石神氏より年長である私が質問させていただきます。佳苗さんから「石神さんが自分のすべてを話して、僕の立場としてどう関わるべきかアドバイスを聴きたい」と私を指名されたと伺いました。あなたは、支援チームとの交流を拒み一匹狼として行動してきましたが、どのような心境の変化があったのでしょうか?
A1:三木さんなら、僕の非科学的な話を笑わず聞いて貰えるのではないかと思ったからです。

Q2: 石神氏の単独行動により、佳苗さんは大変な不利益をこうむりました。そのことをご存知ですか?
A2:知ってます。僕の仕事と私生活に、のっぴきならない事情があり迷惑をかけてしまいました。

Q3:僕らは、石神氏が夏から全力でサポートできる態勢が整ったと聞き、支援体制を見直しました。佳苗さんが発信する手紙や面会のスケジュールも石神氏を優先するよう譲りました。ところがあなたは当初の約束を守りませんでした。それについて「要求を突き付けられただけ」「支援を義務と考える方がおかしい」「僕は部下や従業員ではない」と批難されました。そのお考えは、今も変わっていませんか?
A3:僕の身に起きたトラブルにより態勢が崩れてしまい協力出来ませんでした。批難した考えは変えません。

Q4:僕らは、支援は情熱と覚悟が必要だと思っています。約束を守れない不実な男は支援する資格がないとも考えています。これについて石神氏の見解を教えて下さい。
A4:情熱と覚悟は有りました。資格が無いと言われたらその通りです。

Q5:佳苗さんはあなたの不誠実な言動を、秋になるまで僕らに伝えませんでした。あなたのことを僕らから批判されるのが目に見えているからです。アメリカのスー氏、日本の支援チーム、石神氏との板挟みで佳苗さんは大変辛い思いをされてきました。あなたを庇う彼女の優しさと、彼女が抱える憂いを、どう感じていらっしゃるのでしょうか?
A5:学者や社長の心の豊かさに比べて僕は非人情だと責められている気がしたので、そちらに頼めばいいと思いました。

Q6:あなたの仕事や人間関係、経済、体調など様々な面から考えて、僕らは石神氏に非があると思っています。あなたの言動は男として恥ずべき行為で、人としても問題があります。佳苗さんに対する手紙で、ご自身には非がないから謝る気持ちはない、と書かれました。今の胸中も同じでしょうか?
A6:僕の出来る範囲で微力ながら支援してきました。

Q7:支援チームとの関わりを拒否し「佳苗さんの支援は一人で造作ない」と言い切った石神氏は、結局のところ一人で担うことはできませんでした。それはとても無責任な言動で、命懸けの裁判を闘っている佳苗さんとサポーターに迷惑を掛けたのですから謝罪すべきだと思います。この件について、どうお考えでしょうか?
A7:命がけで戦う彼女に、ろくなサポートが出来なかったことは恥じています。彼女には申し訳ないと思ってます。感謝もしてます。

Q8:僕らが石神氏の言動で一番驚き、失望したエピソードは、佳苗さんが要望した差し入れをあなたの判断で勝手にやめたことです。あなたの考えは、早いうちから死刑確定後の環境に慣れておいた方が佳苗さんのためになる、というものでした。その発想自体、僕らには全く理解ができないものです。あなたは死刑確定者の処遇を知っているのでしょうか?現在も、当時の判断は誤っていないとお考えでしょうか?
A8:考え方の違いです。何もかも無くした環境に身を置けば、魂のレベルが強力な何かを引き寄せると確信してるからあの言い方になってしまいました。悪意などある筈がない。

Q9:獄中からの要望に対し、外にいる僕らは素早く行動して願いを叶えてあげることがサポーターの役目だと思っています。石神氏の当初の心意気は立派なものでしたが、すぐに実践しなくてはいけない場面で物事を引き延ばし、他者に迷惑をかけても意に介さない態度は改めるべきではないでしょうか?
A9:能力の無い自分が関わるべきではなかったと思っています。

Q10:被告人への支援は損しかない、という石神氏の考えに僕らは同意できません。佳苗さんとの交際で得たこと、彼女から学んだことは沢山あるはずです。彼女に対し「損しかない」と言うのは失礼だと思いませんか?
A10:その様な意味で損しかないと言ったのではありません。見返りなど考えたこともないとの意味です。

Q11:佳苗さんは石神氏のことを、屈折した心理を持っているけれど本来は男らしさのある人だと言い、僕らから見ると卑劣で無慈悲と感じるあなたの言動を自分の胸にしまっていました。8月にあなたから「死ぬな」という電報が届いたと聞き、心配した僕に事情を打ち明けてくれました。死刑判決を受けた彼女を支援者が追い詰めるなど言語道断です。あなたのことを敵の刺客だ、縁を切るべきだと言う者もいました。佳苗さんは心丈夫な人ですが、女性という弱い存在、辛い立場にあることを理解し支えるのが僕らの役目ではないでしょうか?男としてあなたのご意見を聞かせてください。
A11:「死ぬな!」と電報を打ったのは、生きることを放棄させたくなかったからです。僕は何もしてあげられなくても、彼女の命が尊貴なことは知っています。必ず道は開けることも知ってるから、「死ぬな」という言葉は僕の魂の叫び。心の中でいつも彼女の魂に向けて、守護霊よ早く動けと叫んでます。

Q12:塀の中にいる佳苗さんに対し、安全な場所から支援者として攻撃することは卑怯だと思いませんか?
A12:攻撃してる気など毛頭ありません。

Q13:石神氏は佳苗さんへのメッセージで欠点しか挙げませんでした。あなたから見た佳苗さんの長所を教えてください。
A13:僕の文章表現の拙さが原因です。長所は、その存在。魂の尊貴さは並のレベルではない。僕は彼女の額に星を見た。

Q14:あなたは匿名の支援者をずるいと批難しますが、秘密にしておいた方が良策の場合もあります。他者の様々な事情を汲み取ることはできませんか?
A14:匿名だから狡いと言ったのではなく、サポーターの心の内が見えたからです。

Q15:石神氏はご自分の殻に閉じこもる孤独な人のように感じます。僕らが佳苗さんに献身的なサポートをしても、あなたの否定的で消極的な思考によって彼女は混乱し、心を煩う事態になっています。人としての愛情を素直に注ぐことは、あなたにとって難しいのでしょうか?
A15:僕の表現は劣悪なのだと知りました。心を許した者には、あれこれ飾らず言ってしまうが悪意はありません。

Q16:佳苗さんを支援することには覚悟と技量が必要です。被告人としての彼女に対し、どういう感情を抱いているのでしょうか?
A16:犯罪者という目で彼女を見たことはないです。犯罪者という立場を担って、司法の矛盾を世の人に示す為にこの世に降臨した尊貴な女神の化身ではないかと思い接触しました。今は確信してます。

Q17:稀代の悪女という誤ったレッテルを張られた無辜の佳苗さんを救うために、石神氏のお力を貸していただけますか?
A17:稀代の悪女という文字を目にした時、非常に気の毒な人と思いました。彼女を気の毒に思ったのではなく、その字句を書いた人の心のレベルの低さを感じたからです。その時僕は思いました。彼女の額に星が見えない程度の者より、僕はましだと。でも、僕には貸してと言われる程の力はありません。

Q18:石神氏が支援を申し出た際の手紙は、一蓮托生の思いがにじみ出る暖かい文章でした。そのような人が彼女のサポーターになってくれることを僕らは願っていました。今後あなたは佳苗さんとどのように携わるおつもりでしょうか?
A18:一蓮托生の思いは変わらない。しかし僕の現在の環境は、当初と一変してしまったのです。先のことはまだわかりません。

Q19:あなたは佳苗さんに、これからどのような女性に成長してほしいと思っていますか?
A19:高い次元から降りて来て、低い次元の魂を上へと引き上げる為の役目を与えられているのですから、僕の言った尊貴な魂を忘れないで生きてほしい。

Q20:あなたが佳苗さんと面会し、感じたことを教えて下さい。
A20:思った通り、崇高なオーラに圧倒されました。他の人には多分見えないだろうけど、僕には後光が見えた。信じられなくてもいい。僕には、はっきり見えたのです。

Q21:手紙のやりとりを通じて感じたことを教えて下さい。
A21:人々を啓蒙する文筆力の有る女性。余りにも僕とは差があり過ぎて、何故出会うことになったのか今でも不思議でならない。短い時間の面会中、ずっとホッとするような気持ちを感じていました。

ペリカンさんの手記(支援者手記リレー#2)

 私が佳苗さんと出会ったのは、昨年の秋です。ハンドルネームは、この手記を書くにあたり、佳苗さんが急遽つけてくれました。拘置所の面会室で佳苗さんから「その素敵なペン先の万年筆はどちらの?」と聞かれたので、私は「Pelikanだよ。」と答えました。ちょうど8月から万年筆を使い始めた佳苗さんは「私はPentelよ。せめてPelikanのスーべレーンを使いたいわよ。」と言っておりました。そして「あっ私、浅草のペリカンのパンが好きだったから、ダブルミーニングでニックネームをペリカンさんにしましょう。」と言われまして、これが、パン好きの佳苗さんにパンを差し入れる係である私の、命名の由来です。

 昨年、親友の自宅に呼ばれた際、唐突に「木嶋佳苗ってどう思う?」と聞かれました。「首都圏連続不審死事件の婚活詐欺師と呼ばれてる彼女?」と聞き返すと、そうだと返事がありました。私はアメリカのスーさんと違い、2009年から日本での報道を見聞きしていましたので、先入観はあります。しかし、その先入観は、決して悪いものではなかったのです。その理由は、20121月から4月まで行われた彼女の裁判員裁判を、私の息子がよく傍聴しており、その様子を聞いていたからです。

 当時息子は法学部の学生でした。実は、私も大学は法科出身で、裁判の傍聴経験は学生時代から数えますと、数十回あります。息子から、佳苗さんの百日裁判は、49の傍聴席を毎日抽選で決めるから行列に並ばないといけないと聞き、オヤジの私は寒いのと人混みがイヤなもので、さいたま地裁まで行こうとは思いませんでした。しかし、くじ運に強い息子は、凄い確率で抽選に当たりまして、結構な回数、傍聴したのです。帰宅してから裁判の様子を話す息子は饒舌でした。

 「あんな面白い裁判見たこと無いよ。木嶋佳苗ってスゴイよ。こんなに騒がれてるのに全然動じないんだ。1日中平常心。仕草は上品で、ゆっくり喋る声は可愛いし。妹や彼氏に送ったメールも丁寧語だよ。演技じゃなく、素が真面目なお嬢様っぽい。俺さ、抽選外れた日に他の法廷で傍聴して女の被告人を見たんだけど、びっくりしたよ。スウェット上下に髪の毛ボッサボサ、肌は荒れて女らしさなんて微塵もない。姿勢は悪いし、話し方もバカっぽいし、同じ拘置所に勾留されてる被告人と比べると、木嶋佳苗がいかにきちんとしてるかよくわかった。オーラが違うんだよ。肌は真っ白だし、唇はツヤツヤだし、髪は整ってるし、2年以上も勾留されていた女性とは思えないオーラがある。手錠をかける時まで物腰が優雅でさ。弁護士や拘置所の職員と話す時の表情は優しくて、何か魅力的なんだよね。」

 息子の話を聞いていると報道とは随分と違うなあ、と思いました。肝心の事件の審理は、自白も直接証拠もなく、情況証拠だけの争いで、検察官が感情的になり、演技じみたことをして裁判員に訴えている、と聞きました。

 息子は言いました。「これだけ長いこと希代の悪女だってメディアで報道されて、ネットで叩かれてたら、裁判員や裁判官どころか、日本中が彼女のこと犯人だと思ってるわけじゃない。怪しいことはたくさんあっても、グレーはどんなに重ねてもブラックにならないのに、裁判前からブラックのイメージが作られてるから、その空気で裁かれてる感じがするんだよね。死体の写真見せて、この女がこんな姿にしたんですみたいな演出で情に訴えられたら、ひどい犯行だなって思いそうになるけど、この女が殺したって前提が植え付けられてるから不審死が殺害事件なんだってことになるわけで、否認してる彼女側から冷静に見ると、検察のやってることの方が不審に思えてくる。
 目撃者もいなくて、物証も自白もないことから、検察は道徳観とか倫理性を持ち出して、こんな常識とかけ離れた価値観の女なんだから、付き合ってた男を殺すのも平気なんですって主張するしかない。被告人質問の追及の仕方も、嘘とか売春とか詐欺とか騙すとか、嫌悪感満載のキーワード連発して攻撃するわけ。検事や裁判官って、女は嘘つかないってホントに信じてるのかね。報道じゃ、犯人扱いでルックスのバッシングばかりしてるけど、女として魅力なかったら、あんなたくさんの男が本気で惚れて金出すはずないでしょ。
 殺した動機が、男性に嘘がバレたら困るからっていう検察の主張も無理筋だよ。全然説得力ないじゃない。貢いだ金を返せと言われたら他の男から貰って補填すればいいわけで、彼女はずっと男から貰った金で生活してきたんだから特に困らないでしょ。借りたんじゃなく貰ってるんだから、返せと言われる蓋然性も低い。常に複数の男と、本命の男と付き合うスケジュールの管理能力があって賢い彼女が、リスクを冒してまで男を殺す理由が見つからないんだよね。冤罪かはわかんないけど、これで有罪になったら確実に死刑判決でしょ。こんな茶番みたいな裁判で、死刑にしていいのかな。
 俺が一番陳腐だと思ったのは、遺族が書いて読ませた意見陳述。火事で死んだ千葉のおじいさんの息子が、なぜ木嶋佳苗なんかに騙されたのか情けなく思いますって書いてた。東京の青梅のおじさんのお姉さんは、出来が悪い中学生の作文みたいな文章で、木嶋佳苗を貶めまくるわけ。今そこで生きて何をしているのでしょうか、とか、亡くなった人を返すことはあなたには出来ない、とか訳わかんないこと書いて、挙句の果てには、他者の命を奪ったものは、奪われた人の命と等しい等価でいうなら、同じ命が絶たれることでしか合わないって、国家に殺人依頼してるんだよね。そんな陳腐な文章を検事が泣きながら読んで、法廷は白けてた。
 だってこのお姉さん、木嶋佳苗と1回も会ったことも話したこともないんだよ。法廷でも遮蔽されてるから、おじいさんの息子以外、被告人と遺族は1度も対面していない。警察と検察と報道の作った木嶋佳苗像のストーリーで、勝手に裁いてる。あの手紙の朗読聞いて、このやり方は卑怯だと思った。これが社会正義なのか。木嶋佳苗裁判傍聴して、検事と裁判官にはなりたくないと思った。」

 こう話していた息子は、現在も大学で法律を学んでおります。息子は小さい頃からスポーツが得意で、女の子に人気がありました。バレンタインデーには、女の子からチョコレートをたくさん貰ってくるものですから、ホワイトデーにお返しするクッキーを用意する妻は一苦労、というのが23月の我が家恒例の光景でした。息子は、モテない時期がない、と生意気なことを言う奴です。若造ですが、一般人よりは、リーガルマインドを持っています。そんな男が、木嶋佳苗を、魅力がある女性で、あの裁判はおかしい、と憤っていた。それが、2012年の4月のことです。朝日新聞デジタルの手記を読み「拘置所で判決を待っている時間に、こんな文章を書けるなんて才女だ。」と言っていたのには、私も共感しました。

 それから1年半経ち、親友から「木嶋佳苗ってどう思う?」と聞かれたのです。私は息子が、1審を傍聴していた話をしました。すると彼は「そうなんだよ。実は彼女、いい子なんだよ。」と言うので、愛人として付き合っていたのかと思いました。「やっぱり具合がいいのか?噂によると凄い機能だって聞くけど。」私はスケベなオヤジの本性丸出しで聞きました。「いや、違う違う、性格のいい子。チャーミングで可愛いよ。」「あっちは?」「だから違うって。そういう関係じゃない。」彼は否定し続け、話がなかなか噛み合いません。「実は拘置所で会ってるんだ、彼女と。」「えっ、あの木嶋佳苗と?」「そうそう、あの木嶋佳苗。佳苗さんはね、いい子だから応援してあげたいんだ。協力してくれないかな。」親友から、佳苗さんが書いた手紙を読ませてもらい、支援を決めました。何しろ我々は仕事が忙しく、家庭もありますから、支援活動を分担するため、信頼できる友人を紹介する形で、チームを作ることにしたのです。

 実際に拘置所で会った佳苗さんは、礼儀正しく、気品のある女性でした。彼女は予想外に気さくで、いつまでも話していたいと思わせる、魅力的な人です。知性があり優しく、女らしい人ですが、スーさんの手記にあるように、彼女はとてつもないレベルの「天然ボケ」でもあります。我々は、外で佳苗さんのことを話す時に「不思議ちゃん」という符牒で呼んでいます。私は正直なところ、彼女はどんな手練手管で男を騙してきたのだろう、と興味がありました。でも付き合ってしばらくすると、佳苗さんは、清純な女性だと気付きました。

 世の男たちは、佳苗さんの事件の話をすると「騙されたのはモテない馬鹿な男だ、俺は絶対騙されない。」と言います。そういう男が一番危ないんですけどね。佳苗さんと付き合うと、そういうことを学べます。彼女は婚活サイトで知り合った男性に、本名、住所を教えて堂々と交際しています。彼女の頭には、「男を騙す」という概念がないのです。男を自分の虜にさせたい、という思いもないようです。佳苗さんは楚々としていますが、媚びない大胆さのある女性です。水商売のホステスや風俗嬢の決まり文句のような「すっごーい」という褒め言葉も使いません。我々が佳苗さんから、お褒めの言葉を頂けるのはいつになるのか、見当もつきません。

 この手記を書くにあたり「俺たちが佳苗さんに惹かれる理由は何だと思う?」と聞いてみました。「あら、私に惹かれているの?魔術を使っているんです。ペリカンさんは、私に騙されているんじゃないかしら。」私は初めて佳苗さんからジョークを聞きました。しかし、彼女が冗談を言うはずがないのです。手紙にさえ、(笑)は、1度たりとも使わない人です。これは魔術かもしれません。私もわからなくなってきました。これが彼女の魅力です。

 スーさんの原稿が回覧されてきたので「スーさんとのテニスのラリーは、佳苗さんからするとうまくいってるの?」と聞いたのは、私です。佳苗さんは、当然といった表情で「うん。いつも私が勝ってるわ。」と答えました。彼女の言い分はこうです。「ガルシア・マルケスが他界したニュースを聞いて、「コレラの時代の愛」の主人公フロレンティーノのエピソードを思い出したから、スーさん宛の手紙に書いたのよ。自分を捨てて別の男性と結婚しちゃった初恋の人を待ち続けた、一途な恋心を示すエピソードが、いちいち面白いでしょう。1リットルのオーデコロンを飲んだり、手紙をバラの花を食べながら、何度も読み返して便秘になったり。だから、スーさんも、お花を食べながら私の手紙を読み返さないように!って注意したのよ。それが魔球だって言うスーさんがおかしいでしょう。スーさんはきっと、ガルシア・マルケス読んだことがないのよ。」佳苗さんは弟さんに差し入れて貰い、拘置所で「百年の孤独」を20年ぶりに読んだことや、高校時代に父親の書斎の本棚に並んであった、ラテンアメリカ文学叢書を読んだとか、故郷の図書館で、ラテンアメリカの文学シリーズを借りて熱中して読んだと、中南米文学について語っていました。「族長の秋」で、ガルシア・マルケスに挫折した私は、佳苗さんの教養に圧倒されました。

 彼女は、聞き上手です。本来は話すことが苦手だと彼女は言いますが、どんな人が相手でも話せるタイプだと思います。空気は読みません。彼女が本物の天然不思議ちゃんだと確信したのは、その言動で、彼女自身が損をしていることを何度か目にしたからです。スーさんが書かれていた「白衣の写真・御希望事件」は、我々も聞いていました。「アメリカ人の科学者と文通を始めたのだけど、何だかおちょくられている気がする。」と彼女は真剣に悩んでいました。「ピンク色だって言ってたのに、普通の白衣だったのよ。」とご立腹でした。埼玉の拘置所に通ってくる歯科医は、毎回違う色のラボコートを着てくる男性で、赤や緑、青とカラフルだったからピンクもあるはず、と言うのです。それなのにスーさんから「天然」と指摘され「意味がわからない。研究馬鹿なんだわ。変なジョークばかり言う人なのよ。」と戸惑っておりました。

 彼女は真面目で、いつも冷静な人ですから、冗談はほとんど通じません。佳苗さんは、スーさんの手記にある、本当の「木嶋佳苗」像とは?のA)C)の例は、どれも面白くないから削除した方がいい、と主張したのですが、我々はよく理解できるので、残すべきと意見しました。佳苗さんは「ふ~ん。どこが面白いのか全然わからないけど。」と不満顔でした。天然の自覚はなく、頑固な人ですから、今でも天然という言葉は拒絶します。彼女は言葉を真に受けるので、我々も軽率なことは言えません。社交辞令は許されないから大変です。男の仕事に対して要求するレベルが高いので、頼み事をされると、気を引き締めて取り組まねばなりません。女王様に仕える家来のように思われるかもしれませんが、彼女の人としての器の大きさは、大企業の経営者も顔負けの度量です。尽くすことに喜びを感じさせる魅力があるのです。

 拘置所という、社会から隔絶された特殊環境にいる彼女と、外で暮らす我々支援者が意思疎通を図るのは非常に大変で、かつ重要なことであります。しかし、彼女は自分の意図を正確に伝えることが上手でして、感情に訴える部分と、理詰めで迫る部分を無意識に使い分け、我々に指示します。彼女は各々の資質と適性を見極めて、役割分担を決めますが、采配を振る手腕は見事なものです。彼女は温厚で気長な性格ですから、我々が反対しても粘り強く交渉します。支援を受けている立場だからといって、意に沿わないことには迎合しない、芯の強い人です。彼女の情熱によって我々は、奮い立たされます。支援の方向性がはっきりしていると動きやすいですから、スピーディーに明確な方針を打ち出せる彼女は、チームの司令塔を担っています。ビジョンと戦略を提示する能力は素晴らしく、そのリーダーシップには驚かされるばかりであります。

 彼女は天才肌ですが、本人に自覚はないところも天然です。この才覚は天性のものもあるでしょうが、企業に勤めた経験がほとんどないことを鑑みると、若い頃からアッパークラスの男性と付き合ってきたことから培われたのではないかと窺われることが、多々あります。裁判員裁判までの過熱報道で「セレブ」と揶揄されていましたが、本人は判決までその報道を、全く知らなかったそうです。私が、佳苗さんはセレブ志向の派手な女性だと思っていた、と話した時に、こう言っていました。「私はセレブリティへの憧れは全くないんです。有名になると、面倒なことも増えるでしょう。私はずっと、静かで地味な暮らしをしていたのよ。好きな食材でお料理が作れて、ベンツに乗れる普通の生活で十分なの。」

 スーさんがリサイクルショップの社長から昼食を作るように言われた話を書かれていたので「佳苗さんは月の食費にどのくらい使ってたの?」と聞いてみました。「11万円で済むってことはないわよね、食材の宅配業者が週に何度も来るし、デパ地下やスーパーでもお買い物するし、築地の場外市場にも通っていたし、ホテルのラウンジやカフェで休憩したり、レストランで外食したり、何かと入り用でしょう。遠方まで行くと交通費だってかかるし、ネットショッピングでお取り寄せもしたし、月に数十万は使っていたと思うわ。」

 佳苗さんにとって、ベンツでドライブし、高級食材で料理し、グルメを楽しむ生活は、地味で普通なのです。千円で2人分の食事を作れるはずがありません。リサイクルショップの社長が1億円以上の報酬を与えた理由は、彼女と接すればわかります。彼女に千円の予算で、食事を作るといった世俗的な枠にはめて矯正すると、佳苗さんの魅力は損なわれてしまうと、社長は気付いたのでしょう。おそらく過去に関わったすべての男性が、同じようにありのままの佳苗さんを受け入れてきたことで、少女時代の純真さを保ったまま今に至るのだと思います。大人になるまで、テレビのない環境で育ったことの影響も大きいようです。佳苗さんとの付き合いは、帰国子女と話しているような錯覚を起こすことがあります。女子社会に揉まれてこなかったことで、穢れを知らないまま30代になったのでしょう。

 佳苗さんには、男の前では媚びるけど、女同士では酷評し男をけなす、という発想がないのです。思っていることは、男の前で言うのです。何しろ男性を礼讃する自伝を書いた佳苗さんですから、世の女性にありがちな、男への憎悪もありません。ひたすら清純な女性です。我々は佳苗さんが他人の悪口を言うのを、聞いたことがありません。「でも」、「だって」という言い訳もしない潔い人です。妬み、僻みもありません。この辺りの実像が、佳苗さんと直接交流したことない記者やライターでは、報道できない面だと思います。まして、真実とは呼べない報道から推察するしかない世間の人達には、想像も及ばないのは当然かもしれません。

 東京拘置所では夏にかき氷が買えると書いたブログを読んだ新聞記者の女性が、面会で「かき氷にシロップはかかっているんですか?」と聞いたそうです。私は「まさか拘置所で天然氷を削った宇治金時でも出されると思っているのかね。」と苦笑して言いました。すると彼女は「秩父の阿佐美冷蔵のかき氷食べたことある?小説にも書いたんだけどね、あんな美味しいかき氷ないわよ」と、埼玉にあるかき氷屋の話を始めました。スーさんの指摘通り、彼女は私の言った「天然氷」というワードにだけ反応し、自分の興味のあることにしか注目しないのです。彼女は言外の意味や、ほのめかしを汲み取ることが苦手なようにも感じます。暗黙のルールも通用しません。器用にできることと、不器用なことが極端なのも特徴です。突飛な言動もある彼女ですが、我々は、次はどんな楽しいことが起こるんだろうと、刺激的な時間を過ごしています。

 佳苗さんは心ない報道により、疎外感や喪失感、孤独や絶望を味わったはずです。ブログを始めてからも、読者のコメントや匿名掲示板への書き込み内容を知り、傷付いたと思います。それでも彼女は気丈に振る舞い、人権侵害や脅迫的な書き込みから、外で暮らすソフトターゲットである我々の心配をしてくれました。佳苗さんは、男ばかりの我々支援メンバーの誰よりも、度量の大きい、優しさにあふれた人物です。

 こんな素敵な女性を、法廷で誤った認識の人格を植え付けて、バッシングすることにより悪女のイメージを作って立証した検察は、正しいと思いますか?その主張を丸飲みした判決を下した裁判所は、正しいのでしょうか?裁判員と裁判官は自身の経験則ではなく、客観的な視点で、佳苗さんの価値観や人間性を理解しようと努力したとは、思えません。裁判所を出れば、傍聴記が載った新聞や雑誌があり、テレビをつければ、連日法廷での様子を面白おかしく報じているのですから、彼女が殺人犯であるという先入観にとらわれるのは、無理もないことでしょう。百日も裁判が続けば、裁判員同士が親しくなり、被告人の命を左右する議論を真剣に行う緊張感は薄れるのではないかと思います。これは事実、私の息子が複数の裁判員が閉廷後に、駅まで仲良く話しながら歩いているのを何度も見かけ、会話も聞こえた、という話を耳にしたからです。

 我々日本の支援者は、当初スーさんの手記掲載の申し出に快諾はしませんでした。佳苗さんを褒めることで、そうした魅力的な女性だから男は騙された、と曲解されることを懸念したのです。裁判が世論の雰囲気で有罪となり、推定無罪が成立していない現実を考えると、この試みは危険でもあると思いました。更なる攻撃を受けることになるのではないかと危惧し、この企画に賛同しない者もおりました。検察が大袈裟なパフォーマンスで、複数と平行して交際する彼女の男性関係を取り上げて、こういう価値観の女だから殺人事件を起こしても不思議ではない、という論理が認定されたのです。本来、貞操観念は殺人とは結び付かないにもかかわらず、人格や性を持ち出し、無理を重ねて導いた有罪判決です。我々が彼女の味方をすることで、より強い批判的な世論が形成される可能性もあり、迷いました。辛い環境での暮らしを強いられている佳苗さんの不安の種を増やすことは、したくないからです。

 新たな情報があるからメディアは報道し、ネット上では炎上するわけですから、情報がなければいずれ終焉します。世間を鎮静化させるために、おとなしくしているべきではないか、否、風化させてはならない、等と何度も議論をして、彼女が世間に誤解されている面を正しく伝えられるのは我々しかいないのだから、声を上げるべきだ、という結論に至りました。なぜなら、世間が木嶋佳苗と聞いて思い浮かべるイメージは、本人とあまりにも乖離しており、自分が天然だと自覚していない佳苗さんが、自身で修正することは出来ない、と思ったからであります。

 それは、名器発言で話題になった1審の被告人質問について、佳苗さんに聞いた時に確信しました。「1審でのセックスマスターアピールって弁護団の方針だったの?」と私が質問したところ、以下の会話が続きました。「えっアピールなんてしてないわよ。どうしてそんなこと聞くの?」「セックス自慢と報道されていたし、嫌悪感を煽りかねない危険性も高い発言だったと思うから、弁護士の了承を得て話したのか気になって。」「1審の弁護士さんとは2年以上も毎日のように接見して打ち合わせを重ねてきたんですもの、了承も何も、どんな問答をするか練習したに決まってるでしょう。どうしてあの発言が嫌悪されなくちゃいけないの?」「うーん、俺は、セックス観や恋愛観を批判されるのがわかっていたから、先手を打って、私は普通の女性とは違う価値観だし、名器なので男性にモテたんです、一般女性とは違うんだからそこでジャッジしないで下さいってアピールしたのかと思っていたんだけど。」「そんなこと1度も考えたことがないわ。愛人クラブとデートクラブに所属していたことを話さないと、若い頃、どういう生活をしてきたのか説明がつかないでしょう。そこで私を特異の存在だと認めてくれる男の人たちがたくさんいたから、性の奥義を極めてみたくなったの。男性は喜んでくれるし、私は気持ちいいし、お金は貰えるし、相互に幸せなんだもの、こんなラッキーなことないでしょう。そういう生活を10年以上続けてきましたって、本当のことを話しただけよ。どうしてそれが自慢になるのかしら。得意なことでお金を稼いでいましたってだけの話よ。」彼女はあっけらかんとして、言いました。「あっ私は男の人から貰った金額の何倍も競馬につぎ込んでいたけれど。馬券師だったから。」という爆弾発言もありましたが、そのことは自伝小説に書いたそうなので、本が出版されたら是非ご購読下さい。とても面白そうです。

 佳苗さんは、非常にまっすぐな人で、計算をして話をしないのです。法廷でも、自慢したいなんていう気持ちは更々なく、真実を裁判所にわかってもらうために、自分の本質的なことを正直に話したというわけです。百日裁判で毎回違う洋服を着ていたことも話題になりました。スーツを着る習慣がなかった彼女は、着慣れない堅苦しいスーツでは疲れてしまうから、長丁場に備えてリラックスできる服装をした、被告人ファッションにありがちなリクルートスーツのような格好は、反省をよそおっているようでイヤだった、初公判の午前と午後で上着を替えたのは、昼食代わりのウイダーinゼリーで汚れてしまったから昼食をとる時間もなく裁判所と拘置所を往復し、書類を見ながらウイダーinゼリーのキャップを開けて、口につける前に手に力を入れたら中身が飛び出してしまった、水で服を洗って着たら、寒いし乾かないから着替えただけ。こういう話は、本人に聞かないとわからないことです。一般には、暖房のない1月の拘置所の寒さはわかりませんし、昼休みに拘置所に戻って食事をとっていたとは、私も本人から聞くまで知りませんでした。東京地裁に出廷する被告人には、昔から昼に弁当が出ると聞いたことがあったので、埼玉も同じだと思っていました。

 こうした思い込みで物事を判断するのは恐ろしいことです。それが人の命を奪う判断だとしたら、どうでしょう。私は佳苗さんに極刑を決めた裁判員が、記者会見で、達成感がある、充足感があると言ったことに、とてつもない違和感を覚えました。当時、佳苗さんのことをよく知らなかった私でさえ、あの言葉はおかしい、と思いました。私は以前から、極刑を求める被害者遺族や、被告人に死刑判決が下されて歓喜する遺族関係者のニュースを見るたびに、不快な思いをしてきましたが、実名と顔を出して、死刑判決に達成感があるという若い男の発言を聞いた時ほど、眉をひそめたことはありません。この国の未来は大丈夫なのだろうかと憂慮に堪えませんでした。日本はここまで、社会や人間の質が低下してしまったのかと、暗澹たる気持ちになりました。

 私は裁判員制度と死刑制度に否定的な立場ですが、佳苗さんの支援者全員が同じ思想ではありません。しかし、支援チームのメンバーの中に、死刑判決を言い渡した直後に達成感を持つことを肯定する人間は1人もおりません。死生観をわからぬ20代の若者に、死刑判決を決める権限を与えることが間違っているのではないでしょうか。国家に動員され権力を持った市民の恐ろしさは第2次世界大戦を見れば、歴然です。加害者は極悪人だから自らの命で償え、という浅薄な死刑制度を支えているのは、復讐心だけ、と言ってもいいでしょう。興味本位で狂騒的なメディア報道、臆測で盛り上がるネットの無責任な情報の夥しい数、死刑を求める被害者の遺族感情、それに同調する不健全な世論、重大犯罪が増えているという誤解、死刑制度がなくなれば治安が悪化するという根拠のない言説、凶悪犯罪に手を染めた人間は更生の可能性がないから社会から排除するしかないという虚妄。これらが重なって、日本の刑事司法は厳罰化が進んでいます。

 事実として、殺人事件の発生数は減少の一途を辿っており、治安は悪化していません。近年死刑判決が多少減っているのは確かですが、それは終局人員(判決を言い渡された被告人の数)が減っているからであり、終局人員の変化率にほぼ比例しております。事件の発生数も凶悪犯罪の件数も、一貫して減り続けているにもかかわらず、厳罰化に傾いたのは、警察が「体感治安」という言葉を持ち出し、メディアを巻き込み、市民を煽動していることも一因でしょう。私は積極的に死刑廃止運動にかかわったことはありませんが、佳苗さんと付き合う中で、先進民主主義国の日本がなぜ死刑制度を手放さず、執行を続けるのかを考えるようになりました。それは佳苗さんが、冤罪問題以前に、更生のための適切な矯正プログラムは何か、国家が人を殺して良いのか、世界の潮流が死刑廃止に向かっているのはなぜか、といったことを深く考えていると知ったからです。

 今の日本社会には、抑圧された人々が増えている故、自分の鬱憤を晴らすために他人を罵倒することに痛痒を感じず、暴力的な刑罰に固執し、仇討ちのように死刑を求めている気がしてなりません。死刑制度の存廃問題を措いても、情況証拠だけの否認事件に死刑判決が下されることは、看過出来ません。7月の読売新聞に、裁判員制度本社世論調査の結果がありました。裁判員制度の継続を望む人が7割、参加したくない人が8割という、興味深い回答でした。日本の司法を信用していない国民が多くいるのに、当事者にはなりたくない無責任さも垣間見えます。今年12月に最高裁が調査した「裁判員制度が実施されていることを知っているか」との問いには、98.8%が、知っていると答えています。読売の「制度の仕組みを知っているか」との問いには、54%が、知っていると答えています。国民の半数が仕組みを知らない裁判によって、市民が死刑判断にかかわる制度なのです。

 裁判員制度スタートにあたり、読売と毎日新聞の死刑問題をテーマにした連載は秀逸でした。スタンスは違いますが、事件や裁判報道とは別の枠組みで死刑制度を取材し、被告人や被害者、執行にあたる人の心情まで多角的に描こうという姿勢が見える記事でした。大概の報道は、無機質か情緒的で、本質がなかなか見えません。裁判員が評議室で、裁判官から死刑について説示されるのは、死刑の執行方法は絞首刑で、確定から6ヶ月以内に行われるということのみだそうです。実際のところ、6ヶ月以内に執行された例は聞いたことがありません。こんなレベルの情報しか与えられない乏しい知識の市民に、国家殺人に加担させることが許されるでしょうか。日本の3審制は名ばかりで、1審判決が覆ることは滅多にありません。ですから佳苗さんの1審弁護団は、控訴趣意書で、不当な心証形成への影響を除いた条件で裁判員も含む事実認定がなされなければならないと、破棄差し戻しを求めたのです。

 あなたは裁判員裁判の仕組みを知っていますか?3審制の具体的なシステムを知っていますか?佳苗さんは控訴審判決後に面会した出版社の男性記者から「上告審も出廷するんでしょう?」と聞かれ、驚いたそうです。記者の彼は最高裁の弁論に、刑事被告人が出廷できると思っていたそうです。佳苗さんが「最高裁への上訴は、弁護人に任せています。」と話したところ「上訴じゃなくて上告でしょう?」と聞かれたそうです。上訴とは、上級裁判所に判決や決定への不服を申し立てることで、控訴、上告、棄却決定に対する異議申立て、抗告等の総称であります。それぞれ申し立て期限も違います。記者ですら、裁判や拘置所の知識が浅いのですから、市民に正しい情報が伝わらないのは自明です。私は制度についての賛否を問う世論調査の結果にも、懐疑しています。制度の内容を知らない者に、賛成か反対かという設問自体が、ナンセンスだからです。人の自由や命にかかわることを、こんな軽率に決めて良いはずがありません。スーさんの手記にもあるように、日本の我々も、佳苗さんの裁判を通じて、日本の刑事司法の在り方を考え直す機会となることを願っています。佳苗さんの事件や裁判は、メディアが狂乱的なお祭り騒ぎをしてきたのに、1冊として、真実が書かれた読む価値のある本が出版されなかったことは、悔しくてしょうがありません。

 スーさんは「ブラックホール」と書かれていましたが、佳苗さんは低反発マットレスのように、どんなものをも自分の中に吸収し、フィットさせてしまう、驚異の柔軟性と包容力のある女性です。心根が優しく純粋な彼女の本質を捉えてくれる著述家がいなかったことは、大変遺憾に思います。しかし、彼女には自身で言葉を紡ぎ出す才能があります。残念なことに、彼女は誠実で有能な編集者に恵まれておりません。彼女の文筆活動をバックアップして下さる出版業界の熱意ある方がいらっしゃれば、どうぞ彼女に力添えして戴きたいと切にお願い申し上げます。

 スーさんが「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のグルートのセリフを引用していましたが、我々と佳苗さんの関係をズバリ言い当てている言葉だと思いました。佳苗さんは我々に男らしさを求め、我々は佳苗さんの女らしさに惹かれていましたが、いつからか、彼女との関係が何であるのか考えるうち、性別を超えたものだと思うようになりました。彼女は、男以上に男らしい女性でもあるのです。人として、木嶋佳苗に魅了されていることに気付きました。彼女と我々の間にあるのは、友情です。

 スーさんが最後に、佳苗さんからの手紙を引用していましたから、私は直接会えるメリットを活かし、彼女と話したことを書きたいと思います。ある日彼女は「Good Jobニッポン」というラジオ番組で、ジャーナリストの青木理さんが話題になっていたという話を始めました。拘置所で流れるラジオから聴いたのではなく、プリントで内容を知ったというのです。ラジオでは2週にわたって、「佳苗さんをメロメロにしてる青木さんの話」をしていたそうです。この日の佳苗さんは珍しく、少し興奮しておりました。会話は以下の通りです。「ちょっと、ねえ、青木さんってジゴロ風なの?」「ジゴロ!?テレビで見る限り真面目なコメンテーターだよ。」「私も今までそう思っていたんだけどね、泥酔した青木さんがニコ生に出たら、ジゴロモードだったんですって。」「ネット放送だと、テレビやラジオより緩いんじゃないの。酒が入っていたら尚更のこと。」「私、泥酔した男性とお話したこと1度もないわ。ネット放送も見たことないから、雰囲気がわからないのよ。」「俺もネット放送は見ないからなあ。どういうところがジゴロ風なわけ?」「あのね、青木さんの声って低いんですって。低くて渋い声でいやらしいこと言って、ボディタッチしてくるんですって。AVに聞こえてくるんですって。それがジゴロモード。」「へえ。『誘蛾灯』では鳥取のスナックでスマートに飲んでる感じだったけど。」「あのね、青木さん自身が誘蛾灯で、色んなもの誘ってましたって吉田豪さんが言ってたの。男の人の体に触るのよ。青木さんってそっちの人なのかしら。」「えっボディタッチの相手は男なの?」「そう。お酒飲んで話しながら、ナチュラルにガンガン触ってくるんですって。そんな人、見たことないわよ。青木さんって奥が深いわねえ。青木理ジゴロ説。泥酔ってどういう状態なのかしら。」

 こう話した佳苗さんは、11月に40歳になります。無邪気な少女のような愛らしさと、知的な大人の女性の2面性に、我々は惹かれるのです。彼女の人柄、事件の詳細を知り、彼女は犯人ではない、と確信しています。1人でも多くの人に、彼女の真の姿を知って戴きたく筆を執りました。

 我々だけのサポートには限界がありますから、異なる属性の人々と交流することで、彼女の視野が広がると思います。刑事被告人の支援は、我々にとって初めての経験でしたが、拘置所生活には実に多くの物品が必要だと知りました。拘置所や弁護士が、日常生活の必需品すべてを用意してくれるわけではないのです。男ばかりの我々では行き届かないこともあり、サポートやケアが得意な方のお力を貸して戴けると幸甚に存じます。より多くの人が支援してくれることは、彼女の精神的な支えになるとも思います。ブログ読者からの励ましの手紙や差し入れが届いたことの報告をする、彼女の明るい表情を見て、そう感じた次第です。究極の閉鎖的な環境で暮らしている彼女に、思いやりあるサポーターが増えることを願ってやみません。

 文通や面会を通じて、彼女の支持者、理解者が増すことを希望しております。まずは、彼女に手紙を送り、生身の「木嶋佳苗」と接してみてほしいです。きっとあなたの先入観は、ひっくり返ります。そして、切磋琢磨する楽しさを味わえるはずです。ブログ読者の方々の良心に、我々の想いが響くことを祈念いたします。

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