2012年06月

2012年06月05日

軽井沢町のふるさと納税還付

先日の新聞に下記の記事がありました。

軽井沢町の男性町民が、多額の株式譲渡所得のうち約7億円を東日本大震災の被災自治体に「ふるさと納税」として寄付したことに伴い、確定申告で寄付金分が控除されたため、町民税を徴収していない町が男性に4700万円を還付しなければならなくなったことが、30日分かった。町は28日の議会で、還付金4700万円を含む一般会計補正予算を可決した。藤巻進町長は「(ふるさと納税の)制度上はあり得ることだが、これだけ多額の還付は想定していなかった」と困惑している。
 町によると、男性の株式譲渡所得は課税され、7%は国の所得税に、3%の約1億円は県民税として源泉徴収された。1億円の6割は県内77市町村に配分され、軽井沢町の交付額は約100万円だった。
 一方、男性には、ふるさと納税の控除があり、県民税から7870万円(県負担分3170万円、軽井沢町負担分4700万円)が還付されることになった。
 還付が多額なことから、藤巻町長は、総務省市町村税課に対応を相談したが、制度改正は困難だったという。町長は「(町負担分4700万円は)県を通じ、特別交付金で手当てしてもらうよう働き掛けたい」と話した。【藤澤正和】

5月31日朝刊

この記事を見て、最初はなぜ還付になるんだろうと思いましたが、よく考えると確かに還付でした。
仮にこの男性には株の譲渡しか所得がなかったとします。株売却の利益が約33億円あり、そこから地方税として3%で1億円を源泉徴収されました。ふるさと納税は約7億円なので所得金額33億円の30%以下。そのため7億円が計算の対象になります。住民税の税額控除額の計算は、条例分10%(県4:市町村6)=7000万円、特例分7億円×75/100=5億2500万円となりますが、特例分は住民税の10%が限度です。この男性の住民税は1億円なので、その10%の1000万円が特例分になります。控除額は合計で8000万円になります。

当初支払うべき住民税は1億円で、8000万円が税額控除なので差し引き納税額は2000万円になりますが、事前に1億円源泉徴収されているので8000万円が還付になります。8000万円の還付は県が4割、市町村が6割で行うので、町の負担が4800万円になります。

源泉徴収された地方税1億円のうち、県が4割、市町村が6割ですが、この6割は居住している市町村ではなく県内の他の市町村にも配分されているとは知りませんでした。他の市町村にも配分されているのに、還付は居住している町が行うというのが今回の問題点だと思います。

最初から軽井沢町に1億円の6割の6000万円が入っていれば、今回の還付の問題はなかったと思います。
地方税はすべて自分の住んでいる町に支払っていると思っていましたが、株の譲渡所得は課税主体が都道府県なので一度すべて都道府県に入ってしまいます。




kikuchi37 at 12:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 地方税 
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