(5月25日)文化財行政ともかかわりのある北鎌倉隧道(緑の洞門)開削問題は、行政側が隧道保全に向けて舵を切ったため、削減反対の抗議活動を進めてきた地元住民側にも軟化の兆しが出始めています。でもこれで解決ということになるのでしょうか。長嶋議員は問題が表面化してから長期にわたり洞門の動きをフォローしてきました。市議選でトップ当選されたのを機会に、洞門の現状と今後の展望について意見を聞きました。カッコ内は高木の質問です。
市議選で駅立ちする長嶋議員(本人提供)
     市議選での駅立ち(後ろ姿の左側)(本人提供)
≪松尾市長の変貌≫
 (松尾市長が開削を引っ込めて洞門を残すと発言したことで洞門問題は保全に向けて動き出したように思えるが)市長はいつも場当たり的で自分の信念がないから、周りから強く言われるとすぐ曲がってしまいます。文化庁が出てきて住民組織「緑の洞門を守る会」代表の出口茂さんらが強く攻めると、へなへなとなってしまうのです。そもそも鎌倉のまちづくりをどうするということについても市長にはビジョンがありません。

 たとえばいろいろなものを守っていこうというスタンスなのか。そのために環境とか文化財を守っていこうというのか。そうではなくて開発を進めて大勢の人が住めるようにしていこうというのか。そういうことですら明確なビジョンが伝わってきません。なんでも場当たりで、その場で主張がガラリと変わってしまいます。

 結局請願等も出たのですが、近隣住民の方でも温度差があります。洞門閉鎖が長期化したので、何でもいいから早く通れるようにしてくれという意見が、圧倒的に増えています。学校に通う子供たちのことを考えるとこうした意見がかなり多くて、多分出口さんたちもそうした変化を肌で感じているのかも知れません。文化庁の息もかかっていることだし、市長が言っていることはもう曲げられないでしょう。

≪洞門仮設と本設≫
 (予定されている本設の内容次第で再び住民側が態度を硬化させることも考えられるか)それは分かりません。要は今回の選挙で結構議員も入れ替わっています。新人の人たちがそれこそどういうスタンスを取るのかは私らには分かりません。今までいた人たちは分かるのですが、そういうこともあるので、結構入れ替わった新人の人たちが全体的にどういうスタンスを取るのかは、見てみないと何ともいえません。

 (「守る会」の出口代表が選挙前に候補者を対象に「洞門への意識調査」をしていたが)候補者全員ということではなく、新人全員ということでした。私については「もともとは洞門を守る側」とされていましたが、質問は来ていません。選挙への票はこんなことでは動きません。若干はあるかも知れないけれど、もっと複合的なものです。洞門は開削反対か、賛成かだけでしたが、新人は聞かないとわからないということなのでしょう。

 (洞門問題は最終的にはどういう結着になると思うか)難しいですが仮設がまずできたとします。そこから先が難しいと思っているのですが、本設に向かって仮設状態のままで、ずっと行ってしまいそうな気配を感じます。そこは懸念するところです。また市長だってどうなるか分かりません。10月の選挙で市長が代わると洞門対策もまた代わるかも知れません。いずれにしても仮設までは行くと思います。その先がちょっと今は予測ができません。

 (長嶋議員の洞門の立場は)私は早く本設まで行ってほしいと思っています。仮設なんかも必要なのかなと疑問符がつきます。問題になる前に20年あったわけですから、何で放っていたのか聞きたいところです。開削にしても最初の段階できちっと近隣住民や関係者と話をしてから決断すべきで、開削ありきで決めてしまったから間違いが起きたのです。その前に両方の意見をちゃんと聞いて、どうするべきかを決めるべきだったのです。

 鎌倉で壊すとなったら、絶対に反対運動が出てくるというのは目に見えていました。行政は過去の勉強をしていませんね。だったら市民も一緒になって、みんなでどうしようか考えようというステップもありませんでした。行政が勝手に決めてしまって「こうです」といったから、それは反発をくらいますよ。その前のステップをもうけるべきだったのです。

≪欠落した住民対話≫
 あとは文化庁がかかわってきたことが大きいですよね。ただ文化庁も悪いですよ。それだったら最初にいっておいてくれよということになります。開削を決める前に、文化庁も入れて賛成の人、開削をしてほしい人もいたわけですから、そこでみんなで話せばよかったんです。20年もあったのに話す機会がなかったというのは、それは悪いことです。20年もあったのだから話しておいてくださいよ。

 揉めることは分かっているのだから、賛成、反対あって仕方ないですよ。生活もあるのだから話してみなければだめですよ。話し合いで解決できれば一番いいのですが、そう簡単にはいかないから、最終的に話した中で政治家が政治判断すればいいことです。やり方については市長にもいいました。旧図書館もそうだし、いろんなこともそうです。だから私は「対話でまちづくり」といつも言っているのです。

 みんなの意見、何で聞かないのか。旧図書館だって子どもの意見聞いてください。使うのは子どもなんですから。子どもは突飛なことを言うかもしれないし、何を言うか分からないけれど、親の意見だってろくに聞いてないでしょ。本庁舎の移転だってそうです。もっと聞いてください。このことが鎌倉のまちづくりには、絶対不可欠のことなのです。勝手に役人が決めてしまってはダメですよ。洞門に限らず、鎌倉みたいな街は当然意見をいろいろ言う人はいるのだから、やはりやるべきなんです。それでこそ民主主義だと思います。