(6月30日)「彦根城」も「武家の古都・鎌倉」も同じ悩みを持ち合わせています。彦根城の世界遺産登録を図る彦根市の今後の動きは、鎌倉にとっても参考になるはずです。彦根との意見交換の機会などがあれば積極的に活用してもらいたいと思います。
彦根城とその周辺地区(彦根市専門員谷口徹さん提供)
でも鎌倉同様に「彦根城」のこれからの道のりも険しいようです。読売新聞大阪版の記事(6月24日付け)では「天守閣を中心とする姫路城との違いを城郭や城下町に求める戦略にも、特別史跡内に地裁彦根支部や彦根東高などがある、という難点がある。城下町となると、開発や建物の外観に規制をかけるなど住民生活への影響があり、理解や同意を求める必要も生じてくる」としています。小学校敷地の地下にあるとされる大倉御所跡など重要史蹟への対応を余儀なくされている鎌倉にも共通する緊急課題です。
「もう一つの問題が、県との連携不足だ。登録活動は通常、都道府県が国との窓口となり、地元自治体が推薦書策定などの実務を進める二人三脚で進められるが、彦根城については、すべて彦根市が単独で担い、5月から県との勉強会が始まったばかりだ」
4県市(神奈川県・横浜・逗子・鎌倉市)と推薦書作成での文化庁との協働体制など行政主導で固めてきて失敗した鎌倉にとっても彦根の手法は、検討の意義がありそうです。
県教委文化財保護課は彦根市の準備不足を理由に「推薦書の中身がまだ定まっておらず、話が進められない」としている。これに対し、彦根市彦根城世界遺産登録推進室の谷口徹専門員は「方向性を定めた上で、県にも本腰を入れてもらえるようにしたい」と話している。「彦根城」の現状をまとめた読売新聞彦根支局の藤岡博之記者に鎌倉の現状をどう見るか聞いてみました。
「鎌倉の推薦取り下げについてですが、技術的に見れば、強行して不当録となり、暫定リストから外れるリスクを冒すよりも賢明な措置ではないかと思います。世界遺産は本来、登録がゴールではなく、人類の遺産を末永く守っていくという趣旨ですので、じっくり腰を据えて取り組めばよいのではないかと思います。文化庁もその方針を示しています。年々登録が厳しくなっているため、この時期の推薦書提出かと思いますが、拙速に進めて指定解除(日本ではないと思いますが)となるよりは、よいのではないでしょうか」
再挑戦に向けての鎌倉の暑い夏が始まります。

でも鎌倉同様に「彦根城」のこれからの道のりも険しいようです。読売新聞大阪版の記事(6月24日付け)では「天守閣を中心とする姫路城との違いを城郭や城下町に求める戦略にも、特別史跡内に地裁彦根支部や彦根東高などがある、という難点がある。城下町となると、開発や建物の外観に規制をかけるなど住民生活への影響があり、理解や同意を求める必要も生じてくる」としています。小学校敷地の地下にあるとされる大倉御所跡など重要史蹟への対応を余儀なくされている鎌倉にも共通する緊急課題です。
「もう一つの問題が、県との連携不足だ。登録活動は通常、都道府県が国との窓口となり、地元自治体が推薦書策定などの実務を進める二人三脚で進められるが、彦根城については、すべて彦根市が単独で担い、5月から県との勉強会が始まったばかりだ」
4県市(神奈川県・横浜・逗子・鎌倉市)と推薦書作成での文化庁との協働体制など行政主導で固めてきて失敗した鎌倉にとっても彦根の手法は、検討の意義がありそうです。
県教委文化財保護課は彦根市の準備不足を理由に「推薦書の中身がまだ定まっておらず、話が進められない」としている。これに対し、彦根市彦根城世界遺産登録推進室の谷口徹専門員は「方向性を定めた上で、県にも本腰を入れてもらえるようにしたい」と話している。「彦根城」の現状をまとめた読売新聞彦根支局の藤岡博之記者に鎌倉の現状をどう見るか聞いてみました。
「鎌倉の推薦取り下げについてですが、技術的に見れば、強行して不当録となり、暫定リストから外れるリスクを冒すよりも賢明な措置ではないかと思います。世界遺産は本来、登録がゴールではなく、人類の遺産を末永く守っていくという趣旨ですので、じっくり腰を据えて取り組めばよいのではないかと思います。文化庁もその方針を示しています。年々登録が厳しくなっているため、この時期の推薦書提出かと思いますが、拙速に進めて指定解除(日本ではないと思いますが)となるよりは、よいのではないでしょうか」
再挑戦に向けての鎌倉の暑い夏が始まります。