これはひどいです。

北朝鮮がとかの話ではありません。
これを書いた日本人ジャーナリスト。

長くなりますが、
一人の日本のジャーナリストが金正男と偶然に北京で出会う所から始まります。

金正男という男は北朝鮮の中でも異質で、海外でほとんどを過ごしてきた。日本が好きで、来日の際は日本のDVDシネマを買いあさり、日本食も大好物。

日本人の仕事における姿勢まで尊敬していて、とても

日本に興味を持っていたことを感じます。

正男氏は最初こそ、日本人ジャーナリストに警戒をするが、徐々に心を開いていく。
そもそも、人が良さそうで、気さくな性格だというのが本の中からも伝わる。


小さい頃から海外に出ていて、北朝鮮とは全く違う思想を持っていたというのを世間に知ってもらいたかったというのもあると思うが、北朝鮮が変わって良い国になってほしいとの願いがあったと、この本の中で感じ取れる。

父の金正日に対し、たびたびこのままでは国がダメになる、北朝鮮も変わっていかないと、ということを直談判しているのだ。

それは金正日の思想とは違い、のちに後継者に選ばれなかった要因の一つにもなったと思われる。


当初はこういった自分の発言を世間に出して良いと言っていたものの、(それも母国を離れ世界を見てきた彼が語ることで、真剣に北朝鮮が良き方向に変わってくれると信じていた)


チラチラこういう正男氏の言動が一人のジャーナリストによって、日本の新聞に掲載されることにより、

北朝鮮からたびたび忠告をかけられるようになってしまう。

第三者から見れば、正男氏の発言は客観的に的を得てる意見だと思うが、当の北朝鮮からすればとんでもない話になるのは当然。

特に弟正恩氏にしてみれば大変不愉快であったはず。


自分の思っていた以上に母国の北朝鮮が皆が思っているような改革など望んでいない、難しい国なのだと気づいていく中、正男氏に日本人ジャーナリストは、何度も本の出版を投げかけていく。

その頃には何度か会うような仲になっていた二人。

もし、僕がジャーナリストだったら、本にするのはいつでもいいと考える。まず、こんな貴重な人物と出会い、その彼がナイスガイなわけだから、そこを偶然の産物、特権として、
じっくり仲を深めていくだけでも貴重だったと思う。

最後にどこかのタイミングで、ドーンと出したって、いつだって遅くはない、インパクトがある。

特に生い立ちや、その後の生き方、思想、性格も含め、じっくり付き合っていくだけでも興味深い人だったと思う。


正男氏への度重なる北朝鮮からの忠告をよそに、ジャーナリストは本の出版を幾度となく焦り迫り、

当の正男氏は、今は時期が悪い、父親も死んでしまい一番タイミングが悪い。とりあえずは中止するというわけではなく、

出版の時期を延ばしてもらいたい、理解してほしいと、自分の命が危ないことを、何度も繰り返し説明、お願いする。

その正男氏のメールは一貫していつも丁寧で、やり取りの中からも彼の人柄の良さを感じる。

ジャーナリストとはいえ、日本人であることでの信用は少なからず正男氏にあったと推測する。

このジャーナリストだけに心を開いた訳で、そう考えると、正男氏のお願いを忠実に守ってほしかった。

二人のこの関係だからこそお願いしてる部分もあったにも関わらず、ジャーナリストは、何度も我を通し、無茶な投げかけをしていく。

これは日本と北朝鮮のために出したほうがいいのです、逆に表に出ることで危険な状況を避けれると彼は譲らない。今となればこの結果に、独りよがりの行動で、そこに全く説得力もないのだが。


北朝鮮の危険さも一番分かっているのは、金正男氏本人以上にはいない。それを本当に良かれと思ってやってるのだとしたらどうにも理解に苦しむ。


自身のジャーナリストとしての利益が大部分で、その他にあるとしたら独りよがりになりがちの強い性格。

それを正当化して良いように語っているのが、この今回の事件をより一層腹ただしいものにさせている。


そして、彼は本人の許可なしにとうとう本を出版してしまう。

金正男氏があれだけ頼んで、身の危険、命が危ないことを説明して出版の延期をお願いしていたのにも関わらず、無許可で出してしまうのだ。

完全にルール違反だと思う。ビジネスの世界に、契約書に記載されてる以外のルールがなくても、人としてのルールはどうだろう!?

少なくとも相手には死がかかっている。

今までだって狙われていたのは間違いない。しかし、あの本で確実なものになったのも事実。

同じロイヤルファミリーの一員が語る、北批判、正恩氏批判とも取れる本など他にないからだ。(実際は国が良くなる為にという思いであり、発言にはかなり注意しているが)

自分たちの国をどう語っているのか世界中をチェックしている北朝鮮が、この本をチェックしていないわけがない。

自分も格闘家として、今までの対マスコミとの関係で考えても、許可していないものを載せるのはとにかくルール違反。パパラッチならまだしも、お互いを知ってしまえば、そんな行動はなかなか出来ないのが普通。

危険を感じ、何度も理解を求め、仮にも心を開いて何年も経ち、それなりの仲になっていた相手に命乞いをしているのだ。

可愛そう過ぎでならない。

相当焦っただろうし、出版されたあとは恐怖の日々だったと推測する。

これは、仕事だからとか、プライベートだからとか関係なく、人としてどうなのだろうか。

どうして、北朝鮮の謎多きロイヤルファミリーにも関わらず、彼は心を開いてくれたのか。よく考えてほしかった。亡くなった今、残念でならない。

この頃から正男氏は北朝鮮に完全にマークされる。

しかし、ジャーナリストは言う、

あなたと自分は友達。仮に本を出版したとしてもこんなことであなたとの関係が崩れるとは思っていない。。

なんと勝手な話だろうか。

案の定、正男氏からの連絡は途絶え、数年後の今年初めKLで殺されてしまう。間違いなく、良い方向へ行ってほしいと願っていた金正男の母国への思いは、北朝鮮、そして弟正恩氏の批判と捉えられ、怒りをかってしまった。

この二人は、異母兄弟、思想の違い、長男への嫉妬、財産問題、内部の中での派閥、色んなところから狙われる要素があると言われたが、この世界初となるロイヤルファミリーの一員による暴露本は、また狙われる要因の一つになった事は否定できない。

ロイヤルファミリーが話す北朝鮮の批判は最大の国の恥。正男氏が最初こそ警戒していたのに、人の良さが出たのか、隙があり、なぜこんな人物に心を許してしまったのか、本当にやりきれない思いです。

彼の人の良さが仇となった事件とも捉えられる。


日本が大好きで、日本人のことも、とても尊敬していたという話を聞くと尚更残念なのです。


こんな話をすると、ジャーナリストなんてそんなもんだよと聞こえてきそうですが、そうは思いたくないほど悔しい。


しかも、この本のあとに彼は、あの正男氏と関係を持った男として、

オトす力 ~金正男の心を開かせた新聞記者の「知的仕事術」~
仕事に役立つ実戦スキル?なる
ビジネスにおけるコミュニケーション能力の本を出している。

こんな本まで出しておきながら、本当に良かれと思って、世の為に金正男の本を出したのだろうか。

そんな正義感を出す所がまた納得いかない。

それなら、俺はジャーナリストだ!仕事をただしただけだ!と言われるほうがまだましだし、

ビジネス本では、勝手に仲よさそうに写ってる正男氏の写真を使っている。相手は特殊な人だが、そういう場合って著作権ってないものなのだろうか!?

あの正男氏の心に入れたそのコミュニケーション能力とは?ではない。単に正男氏が、人が良かった、隙があった、ただそれだけです。

このジャーナリストのコミュニケーション能力が高いとは本の中でも全く感じない。


自分で友達だと思っていて、コミュニケーション能力も高い!?

相手から連絡も取れないで愛想をつかれているのに。



金正男殺害事件から、ジャーナリストは批判を浴び続けているが、彼は記者会見でこう言っている。責めるべき相手は北朝鮮でしょう!?

それはそうです。

でも、皆そういう国だっていうのも分かっている、もちろん、このジャーナリストだって分かっていたはずだと思うんだけど。

身勝手過ぎる。一人の人間が殺されてしまっているのです。しかも、今ではもうなかったかのように。

だから、このジャーナリストが普通にテレビに出ていると僕はちょっと首を傾げてしまう。

あるテレビでは、あの金正男とメル友、としてテレビに出ていました。かなり遠慮気味に出ていましたが。

なんか良くないです。
僕の個人的な意見ですが。

この本を読んだ人は皆どう思うのでしょうか。

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