暇つぶし!久しぶり!

2014年12月24日

サンタ・カムバック

・クリスマスですね。

 そういえば昔、クリスマスをネタにコント作ったなぁ、と振り返ってしまいました。

 懐かしいです。

______________________________

 

  そりに大きい荷物を積んだ、サンタ1が少し途方にくれたようにたたずんでいる。
  サンタ2が登場し、荷物を押そうとするも、びくとも動かない。
  二人ではかったように、そりを動かす。

サンタ1  あなたもですか?
サンタ2  ええ、トナカイに逃げられましてなぁ
サンタ1  私の場合は愛想をつかされたというか、何年も前からなんです
サンタ2  そうですかこの大きさだと随分、遠くまで、でしょう
サンタ1  いや、私は今年まで足を洗っておったもんで、たまってしまいましてねぇ
サンタ2  そうですか

  そりを、ふんっと、動かして

サンタ1  いやー助かりました、ありがとう。次はそちらのそりを
サンタ2  ええ、でも、少し休みましょう、やっぱり年をとると、この峠はきつい。サンタもトナカイがいないとカーネルサンダースとかわらないですな
サンタ1  ええ、クリスマスの登録商品です
サンタ2  ・・・はぁ、聞いてもいいですか?どうして何年も足を洗ってたのに今年からやろうと?
サンタ1  ああ、娘に見つかってしまいましてねぇ、そう、あれは今年の夏も近づく八十八夜の頃です

  茶摘の歌が聞こえてくる。
  サンタ2→娘に
  サンタ1は帽子を変える。

       私は東京からずっと西の田舎でバスの運転手をやっていました

娘  三田拾字みたじゅうじ村って、このバスに乗ってけばつきますか?
サンタ1  いや、あそこはバス通ってないから
娘  そうですか(写真をみて)
サンタ1  つれてってやろうかい?
娘  え、いいんですか?
サンタ1  どうせ茶摘終わるまで暇だから
娘  ありがとうございます

  (パー!プシュー・・というバスの音)
  (そりがそのままバスになり、乗り込む娘)

   ここから遠いですか?わっ

  (よろめく)

サンタ1  気をつけて、ちゃんとつかまってないと、この辺道が凸凹だから。そうだなぁ、そんなにかからないと思うよ、おじさん運転うまいから、お譲ちゃん東京から?
娘  ええ、出身はずっと北のほうなんですけど
サンタ1  へぇー、じゃ実家は牧場かなんか?
娘  そうです、え?私そんなに田舎くさい顔してます?よく友達から言われるんです
サンタ1  いやーめんこいよ、好きだなぁ、北の人は色白で
娘  そうですか(照れる)それほどなんですけどねぇ
サンタ1  そうそう、そうだ!認めてこ!本当のことは認めてかな、な
娘  はい
サンタ1  牛乳飲んで、うまいもん食ってりゃ、そりゃ別嬪にもならぁな
娘  でも、うち牛じゃなくてトナカイ飼ってたんです
サンタ1  トナカイ?へぇ、そりゃ珍しい
娘  でも、最近じゃ、ダチョウ飼ってる農家もいるし、農家もいろいろなんです
サンタ1  はぁ、それで三田拾字村に、サンタクロスっていって、クリスマスなんか盛り上がるんだ、村長がサンタやって村の若い衆がトナカイやって、子供たちから菓子なげつけられて、んーあれ豆まきとごっちゃになってんだなぁ
娘  へ~(半笑い)
サンタ1  でも、今は何にもないぞ、畑もこの時期、皆茶摘に行ってるから
娘  いえ、実は父を探してて
サンタ1  あら~お父さんサンタかなんか?
娘  さあ?なにをしてたのかはよくわからないんです、よく電話をして、トナカイの世話してただけだった気もします、あんまり覚えてないんです、小さい頃に離れて暮らすようになったから
サンタ1  へぇそうかいそうかい  
娘  運転手さん、トナカイって飛ぶって知ってました?
サンタ1  あれ?トナカイに羽でもはえてたかな
娘  違うんです、すごいジャンプするときがあるんですって、ほら(写真を見せる)
サンタ1  なんだ、この豆粒みたいなのが、おっと(ゆれる)
娘  これ、トナカイなんです、合成とかじゃないんですよ、昔から鹿の仲間は、こう、ものすごいジャンプをする姿を目撃されてて(手帳にびっしり書いてある様子)100メートルぐらいジャンプしちゃうんだって
サンタ1  そりゃすごいや、でもトナカイは三田拾字にはいないよ
娘  でも昔誰かが飼ってたって聞きました、もしかしたら
サンタ1  おっ、ついた。ま、誰かに聞いたらわかるかもな。親父さん見つかるといいな
娘  ええ

  娘、降りる。

   運転手さんも生まれは北のほうですか?
サンタ1  え?
娘  いや、さっきめんこいって
サンタ1  あぁ、うちの親父が北の出身でね

   サンタ1、帽子を変える。

       そのままバスで成田に向かってこっちに飛んできたんだ

   娘→サンタ2に

       {本当は言いたかった、自分が父親だってこと、サンタだってこと・・・でもいえませんやねぇ、サンタは  
        生涯、サンタですからねぇ}

サンタ2  そうですかぁ、それじゃいろいろばれてますかね?
サンタ1  さぁ、わからん、子供の頃から勘のいい子だったからねぇ・・・まぁ僕の話はこのくらいにして、冷え込んできた、そちらのそりも運ばなくちゃ
サンタ2  (立ち上がって)ええ、話聞いてる間にふもとまでくだっちゃいましたねぇ

  暗転

kimamanoensyutu at 22:22│Comments(1)TrackBack(0)

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by A1   2014年12月26日 11:01
5 今宵こそはと、よろこびました!おもしろかった。サンタと娘に明かせない父さんが、切ないね。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
暇つぶし!久しぶり!