今日は昨日の女性先生に続いて某男性常勤講師の先生の小論文を紹介しよう。何と素直な文章であろうか。好感度が高い。府内の有数な私立の進学校を卒業し大阪教育大教育学部の教養学科に現役で進学し初めの勤務先が本校のピカピカの新卒の先生である。
木村理事長先生ブログについての小論文
常勤講師 理科(化学)
・大学を卒業し、教員として浪速高等学校に着任させて頂いてから二ヶ月半がたちました。社会人としても教員としても未熟な私に、お忙しいにも関わらず先輩方がアドバイスを下さり、まだまだ出来ないことや分かっていないことも多いと思いますが楽しく充実した毎日を過ごすことができています。木村理事長先生とは、天王山での校外学習、そして歓送迎会では同じテーブルに座らせて頂きお話をお聞かせ頂くことができました。ですが、この様に木村理事長先生と直接お話出来る機会はほとんどございません。そのため、木村理事長先生の考え方等を知ることの出来るブログはとてもありがたいものです。ブログで初めて知ることができたことも多く、宇宙エレベーターという今までそれこそ空想でしかなかった物を作り出そうとしている、大林組が新校舎建設のゼネコンに決まったということをブログの1回目で知り大きな衝撃を受けました。この新校舎建設についてのお話も大変 興味深かったのですが、二つに絞るとなると(私学人気は本物か?)そして、(煙草をやめたらどうだ?)になります。ここからは、この二つについて書かせて頂きます。
・まず(私学人気は本物か?)について書かせて頂きます。私学で働くものとして、このタイトルを見ただけで内容を読んでみたいと思いました。読んでみると、当時の橋本知事が作り上げて下さった、私立高校生等授業料無償化制度がメインのテーマになっていました。この授業料無償化制度が成立し、今まで金銭的な理由で私立高校を志望していなかった、出来なかった子供に大きな選択肢を与えることとなるのだと学生の時に思っていましたが、自分自身が私学の教員として働くこととなり、実際にブログによってその数値を知り感動しました。私学に進学する生徒がこの制度によって確かに増加していました。更に、浪速高等学校は大阪の私学の新入生数でトップ5に入っていることを知り、尚嬉しかったです。浪速高等学校に着任させて頂いたのが今年からですので、このトップ5に入るまでに理事長先生や先輩方がどれほどの努力をなさったかは、断片的にしか知りません。多聞尚学館、武道館そしてクラブハウスの建設等は知っているのですが、トップ5に入るためにはもっと沢山の血のにじむ様な努力があったのだと思います。ブログにもあったように、それこそ今までの学校としての古い常識に囚われていては、この様な変化は無かったはずです。その私の知らない部分をこれからのブログで知っていけたら嬉しいです。そして、浪速高等学校を選んで入学してきてくれた生徒に、選んで損はなかったと思って貰える様に、自分自身の教科指導能力や生徒指導能力を高めていきたいと改めて思いました。またウイングの広さを守るために、勉強だけに縛り付けるのではなく部活動にも理解を示さないといけないなと思いました。
・次に(煙草をやめたらどうだ?)について書かせて頂きます。これもタイトルだけでとても大きなインパクトがありました。確かに現在は、煙草に対する世間の考えが厳しくなり、分煙や禁煙が叫ばれています。ですが、ここまでストレートに煙草をやめるべきとお書きになっていることには驚きました。私自身は煙草を吸っておらず、煙草の煙や臭いについても嫌悪感は持っていますが、ここまでダイレクトにやめるべきと言う勇気は持てないです。その分このブログを読ませて頂き、喫煙者をニコチン中毒者とお書きになられているのは、読んでいて痛快でした。特にアンケートの部分が印象深かったです。その内容は、煙草を吸うのをやめて欲しいと考えてはいるが我慢するが全体の92.5%で、はっきりと吸うのをやめて欲しいと言うが全体の3.8%で、理事長先生はこの3.8%だとのことでした。ここまで言い切る勇気が私にあれば見える世界も違うのだろうとこの文章を読んで羨ましく思いました。
・この二つ以外にも松井知事や前市長である平松市長についてお書きになっている文章も読んでいて面白く、新校舎建設やその他の様々な新しい知識を読んでいて得ることが出来るブログをいつも楽しみにしています。このブログで得た新校舎についての情報等を、生徒に授業の導入の部分で話すと喜んでくれるので、これからも情報をどんどん生徒に還元していきたいと思います。
・私は浪速高等学校に着任させて頂いてまだ二ヶ月半しかたっていません。ですが生徒にとっては新卒もベテランの先生も同じ先生ですので、生徒にとってこの先生に教えてもらえて良かったと思える様な先生になれる様に、これからも精進していきたいと思います。宜しくお願い致します。
この先生は去る5月11日の歓送迎会において私と同じメインテーブルであった。そのように私が決めたのだが最初から最後まで一言もしゃべらなかったのではないか。加えて「飲まず食わず」でとにかく「大人しい人」「超真面目人間」という印象を私は有した。とにかく「静か」なのである。
メインテーブルで新卒の先生が理事長と同席することは、確かに敷居が高いし、緊張するのだろう。殆どの人があまりしゃべらない。この先生、私が何かを聞いても答えははっきりと返って来ない時もあった。
以前、全くしゃべらずただ食べるだけの常勤講師がいたことを思い出す。中華料理だったがとにかく料理が出てきたらまず最初に手を付けるのだ。しかしこの先生、食べるだけ立派だった。余談であるがこの先生は晴れて専任教諭に昇格し来月には元本校の常勤講師の先生と結婚式だ。まあしゃべらなくとも食べてさえおれば専任教諭にはなれるし、結婚も出来るのだ。しかしこの先生は食べもしなかったのである。
間違いなくこの先生のお人柄はこの小論文に表れている。「はったり」を言わず、「出しゃばらず」陰ひなたなく仕事はするがまだ存在感が薄いが品格はある。しかしこれだけでは教師は務まらない。
頭脳明晰で思索する能力は有ってもそれが生徒の為に生かされないと教師とは言えない。頭が良いだけでは良い教師にはなれないのだ。案外頭の回転がそれほどでもなくても良い教師だったりすることもある。偏差値では教師の能力は評価できないのだ。
今後の教師としての成長を期待するばかりだがそれには自分の性格も含め相当な努力が必要だ。物静かであることは得難い特性ではあるが生徒の前で言うべき時には言わないとやってはいけない。「自ら殻を破る」努力も必要である。そして周辺のベテラン教師がこの若き教師の卵を育てて行かねばならない。
私はこの先生がどこまで努力し変貌していくか大変興味を有して見守っていきたいと思う。来年は担任をさせてみる積りだ。それで分かる。少なくとも小論文では及第点を得たと思うだけに今後大切に育てる余裕が本校にあるかどうかだろう。 時間はそれほど多くはない。一人の先生に「かかりっきり」にはなれないからだ。それだけに本人の必死の努力がいる。貴重な理科の先生だけに私は大きく育って欲しいと思う。頑張って欲しい。