コンサルティングとファイナンス

コンサルの仕事や書籍から得たコンセプトのメモ

2012年09月

自分で考えること、共に考えること

コンサルのアプローチは凄い。これまでと全く違う衝撃的なものだった。


彼らは自分だけで考えることを必ずしも良しとしない。
自分で考えるかみなで考えるかいずれの生産性が高いかを常に考える。


彼らは上司を非常に上手く利用する。
上司が持っていること仮説を聞き出す、仮説が無ければ共に考えてもらう。
この「共にに考えてもらうこと」がポイントだ。


自ら仮説を持っておらず下に丸投げする上司は多いが、生産性の高い人間は自分が動き出せるイメージを持てるまでは上司を離さないのだ。たとえそれが上司の希望ではなかったとしても。


圧倒的にアイデアが出るのが早いし、合意形成を兼ねるため、あとでひっくり返されることもない。


結果としてチームにとって最小の時間で最大のアウトプットをすることとなる。


自分で考えるべきことと共に考えるべきことの見極めが肝要なのだ。

意味のない仕事

上の人から怒られた。
意味の無いアウトプットを作ってしまったからだ。

僕は目的や背景の確認をきちんとせずに、作業を始めるという悪い癖があることに気付いた。


この原因はおそらく監査法人時代での姿勢によるところ大きい。

監査は「財務諸表の適正性」という唯一の目的の下、やらなければならないことが基準で定められている。いかなる監査であっても必要な手続がある。

文書化してあるということとは、基準の要求を満たすという意味でそれなりの価値がある。


一方、今の仕事は目的を設定して、目的にそったアウトプットが出来るかが肝。
この目的を果たすために、イシューを設定・分解し、それぞれ結果を予測し(=仮説を立て)、その結果を得るためにはどういった分析が必要で、分析のためにはどういったデータ必要かどうかを検討する。


しかし、「文書化することに意味がある」感覚で生きてきたがために、「こういったデータがあるから、こういった分析が出来る」という、データありき・文書化ありきで作業を進めてしまうのだ。


コンサル出身者は「これって意味がないよね」とよく口にする。

目的を見失わないという当たり前の姿勢が身についているんだと思う。


結論、作業に入る前に目的と背景を確認すること、常に「今やっていることは意味があるのか?」を問い続けること、を自らに課さなければいけないと感じた。

財務リストラ

夜に財務リストラクチャリングをテーマにした研修があった。
こういうコッテコテのファイナンス話は好きだ。

コンサル出身の同僚は「まったく興味わかない」と言っていた。
人それぞれなのだろう。


財務リストラも詰まるところ、「譲歩したら損が確定してしまうが、譲歩しなければ丸ごと損するかもしれない」という貸し手側のチキンレースで、一定以上の人同士ならば、理論よりも交渉事の世界。

ただ、新たなスキームを組成することで、メインバンクすら諦めてた倒産寸前の会社を救った例があり(僕も投資口を持っている不動産ファンド会社の話であった)、こころへんなんかはプロの腕の見せ所なのだろう。

起点と終点を決める

今週の月曜は案件審査なるものがあった。代表含む全役員の前でプロジェクトの説明を行い、のちに質問責めにされるもの。
相当緊張感のあるもので、このためにディレクターと2人夜な夜な準備していたのだ。

で、結果はボコボコ。

我々に仕事を依頼してきた企画部門以外の部門に切り込んで対応できなかったため、業績不振の原因分析が甘いとの指摘。

契約上そこは直接のスコープではなかったのだけど、代表より「『業務スコープを決めて、これ以上やりません』ってのは俺達が一番やっちゃいけないコンサルなんじゃないの?」って。ガーンって思った。

うちの新規クライアントの案件内容としては、まず事業デューデリをして、中期経営計画の策定をから入るケースが多い。
先方として営業戦略とかコスト削減とかいうテーマに問題意識があっても、そこだけに絞ってやるようなことはあまりしない。結局、部分最適になっちゃうから。

そういった、まさに部分最適な状況を指摘された。考えるところは多かった。

クライアントの意向がそうだったんだけれども、本当にクライアントのためを思ったらそれじゃいけない。

 尊敬するコンサルタントである冨山和彦さんが「早い段階で始点と終点をクライアントから引き出せれば、あとは流れ作業になるから楽。でも本当にしなきゃいけないことは、起点と終点はそこじゃないんですか、と言えるかどうか」って話をしていた。

クライアントの都合や意向はあるけど、「それはやらないとダメでしょう」って言えないといけない。

それこそが本当に価値ある行動だと思う。クライアントに迎合しているだけではいけない、そう考えた。

財務シミュレーション

新しい職場に移り、もう3か月が経つ。
途中で体調を崩し二週間もの休みを頂くなど、職業人生最大レベルの挫折があった。

いまも日々不安が絶えない。しかし、学びは大きい。

いまのプロジェクトは生産拠点の再編やダウンサイジングの計数のシミュレーションだ。

シミュレーションの策定においては、重要論点を網羅的に押さえる一方で、ロジックのシンプルさが求められる。
Excelは膨大な量になるので、シンプルさの欠如は誤りの原因にもなる。

一つ感じたことは、意思決定に資するシミュレーションが求められており、その網羅性は割り切る側面があるということだ。スコープはいくらでも広がり続ける。

シミュレーションで満たすべき最低要件は、意思決定を反転させるような過ちを犯さないこと。

そのラインを満たした上で、実行段階でのリスク対応策も加えられればなお良い。

そういうスタンスで行うことが肝要と思った。

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