なぜ会計監査でハマるのだろうか?
私自身、幾度となくハマってきた。何度徹夜したかわからない。
なぜハマるのか?
なぜあんな遅い時間まで働かなくてはいけなかったのか?
原因がわからないことには、適切な対応策が打てない。
今回、会計監査でハマる要因(※)について検討したので、共有したいと思う。
...
※「ハマる」「ひっかかる」「詰まる」といった表現の他、私の所属していたチームでは、あまりに複雑な会計処理の監査に挑むことを「入山」と呼んでいた。
挑んだら最後、帰って来れなくなることがあるからだ。
まず、そもそも会計監査とは何だろうか?
会計監査とは「クライアントが採用した会計処理が、ビジネスの実態を反映しているか否か、所定の基準に照らしてチェックすること」と考える。
この定義に従えば、会計監査においてハマる要因は実は3つしかないことになる。
1.クライアントが採用した会計処理(AS IS①)
2.ビジネスとしての実態(AS IS②)
3.基準に照らしてあるべき会計処理(TO BE)
(これはコンサルでもよく使うAS IS(現状)とTO BE(あるべき)の枠組みである)
先ほどの定義を言い換えると、会計監査とは「1と2と3が全てイコールならば『適正である』と結論付けることが出来る業務」と言えよう。
では、1~3それぞれのハマる要因としての具体例とは何か?
AS IS①
1.の具体例としては、会計情報がぐちゃぐちゃ、ベタ打ち、つながってない、といった現状の会計処理が理解できない状態だ。
会計士たるもの、クライアントの作成したExcelの意味がわからず、徹夜したことが一度ならずあるだろう。
この数値は一体どうやって出したんだろうか?、と。
AS IS②
2.の具体例としては、、複雑なストラクチャー、かつ関与者が沢山いて「誰が何を意図して組んだ取引なのかよくわからない」といった状態だ。
TO BE
3.の具体例としては、そもそも基本的な会計基準の考え方が頭に入っていない状態だ。
退職給付や組織再編の会計処理なんかは、会計士でも知識が怪しい人は結構いるはずだ。
では、具体的にどう対処すればいいのだろうか?
私の浅い経験に基づけば、3.の「基本的な会計基準の考え方」をきちんと理解してないことにより、ハマっているケースが意外に多かったと思う。
実は3.がよくわかっていれば、1.についても当たりがつくし、何が間違っているかどうかもわりと早くわかるものだ。
一番ハマるパターンで多いのは、クライアントの算出ロジックに沿って、あるべき会計処理を理解しようとする状態。
つまり、仮説無し(期待値無し)で挑んでいるケースだと思う。
従って、
・まず、3.に関連して、自分でExcelで簡単な数字を使って算出できる程度まで会計基準・会計処理の理解を深める。
・次に、1.に関連して、自らあるべきロジックにて試算して、クライアントの算出結果と比較する。
といったアプローチが非常に効果的であった。
要は、順番は常にTO BE→AS ISであって、AS IS→TO BEと逆にしないことが大事だ。
最後に2.であるが、ストラクチャーの理解において最も重要な視点は「経済合理性」と思う。
要は「誰がどれだけ儲かるのか?」といった視点だ。こうした誰がどれだけ儲かるのか仮説を作った後に、取引を意図した人物にインタビューするのが良いだろう。
以上。
ハマった時にまず問うべきは「そもそも基本的な会計処理が頭に入っているかどうか?」だと思う。
私自身、幾度となくハマってきた。何度徹夜したかわからない。
なぜハマるのか?
なぜあんな遅い時間まで働かなくてはいけなかったのか?
原因がわからないことには、適切な対応策が打てない。
今回、会計監査でハマる要因(※)について検討したので、共有し
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※「ハマる」「ひっかかる」「詰まる」といった表現の他、私の所
挑んだら最後、帰って来れなくなることがあるからだ。
まず、そもそも会計監査とは何だろうか?
会計監査とは「クライアントが採用した会計処理が、ビジネスの実
この定義に従えば、会計監査においてハマる要因は実は3つしかな
1.クライアントが採用した会計処理(AS IS①)
2.ビジネスとしての実態(AS IS②)
3.基準に照らしてあるべき会計処理(TO BE)
(これはコンサルでもよく使うAS IS(現状)とTO BE(あるべき)の枠組みである)
先ほどの定義を言い換えると、会計監査とは「1と2と3が全てイ
では、1~3それぞれのハマる要因としての具体例とは何か?
AS IS①
1.の具体例としては、会計情報がぐちゃぐちゃ、ベタ打ち、つな
会計士たるもの、クライアントの作成したExcelの意味がわか
この数値は一体どうやって出したんだろうか?、と。
AS IS②
2.の具体例としては、、複雑なストラクチャー、かつ関与者が沢
TO BE
3.の具体例としては、そもそも基本的な会計基準の考え方が頭に
退職給付や組織再編の会計処理なんかは、会計士でも知識が怪しい
では、具体的にどう対処すればいいのだろうか?
私の浅い経験に基づけば、3.の「基本的な会計基準の考え方」を
実は3.がよくわかっていれば、1.についても当たりがつくし、
一番ハマるパターンで多いのは、クライアントの算出ロジックに沿
つまり、仮説無し(期待値無し)で挑んでいるケースだと思う。
従って、
・まず、3.に関連して、自分でExcelで簡単な数字を使って
・次に、1.に関連して、自らあるべきロジックにて試算して、ク
といったアプローチが非常に効果的であった。
要は、順番は常にTO BE→AS ISであって、AS IS→TO BEと逆にしないことが大事だ。
最後に2.であるが、ストラクチャーの理解において最も重要な視
要は「誰がどれだけ儲かるのか?」といった視点だ。こうした誰が
以上。
ハマった時にまず問うべきは「そもそも基本的な会計処理が頭に入