司法書士 木村真由美の視点

司法書士法人名南経営 木村真由美公式ブログ

1.改正民法の施行日

 すでにご承知済の方が多いかと思いますが、
 
昨年12月15日に改正民法の施行日が決定されました。

 

 『2020年(新元号2年)4月1日』


 原則、この施行日前後で、
 
現行法適用(2020年3月31日まで)か、
 改正法適用(2020年4月1日以降)か
 
異なってきます。

 
今後、数十年にわたって覚えておいて頂く必要のある日付となりますので

 皆さんしっかり覚えておいて下さい。



 尚、この例外として、次の2つがあります。

 

 ①定型約款の遡及適用

  施行日に契約された定型取引であっても、

  改正法における「定型約款」の要件満たすものは、遡及適用し、
  
改正法における「定型約款」として取り扱われます。〔附則33条〕

  (但し、施行日前に反対の意思表示を書面(又は電磁的記録)で示せば
   
改正法は適用されません。)

 

  ※特に、定型約款は、現在の定型取引がその要件を満たすか否かの判断が難しく

   適用を望まない場合は、施行日前までの意思表示を要するため、
   早期のご確認が望ましいです。   

  

 施行日前の保証における公正証書作成

 (前提として、事業のために負担した貸金等債務を保証する保証契約等は、
  
一定の場合を除き,契約締結の日前1か月以内に公正証書の作成が必要ですが)
  
施行日から円滑に保証契約の締結をすることができるようにするため
  
施行日前(2020年3月1日)からこの公正証書の作成が可能となっています
                          〔附則21条2項・3項〕    

 

ここからはしばらく、民法改正によって皆様に起こりうる具体的な影響について、

お伝えしていきたいと思います。

 

まずは、『賃貸』です。

 

A.賃貸物が一部滅失、使用・収益できなくなった場合


 ①賃料の減額


 <改正概要>
  
賃貸物が一部滅失(地震で建物が一部損壊した等)してしまったような場合、

  
現行法では、

  「借主に過失がなく(自然災害等で)、賃貸物の一部が滅失した場合、
  
賃料の減額請求をできる
  
となっています。

  

   ↓

  これに対して、新法では、「滅失」だけでなく
  「使用・収益をすることができなくなった場合(給湯器の故障等)」

  賃料減額対象となります。
  (借主に過失がない、という前提条件は同じです)

 

  また、「減額を請求できる」でなく、「減額される」と改正されるため
  
借主が請求しなくても、その事象が発生した時点で、自動的に賃料が減額される
  
ことなります。

(つまり、借主は、オーナーに減額の請求しなくても、オーナーと合意しなくても

減額した金額を支払えばよい、ということになります。)

 

<ご注意>

  実際、何をもって「使用・収益できなくなった」といえるか、減額金額は相当か等
  判断が難しい部分がありますが、
少なくとも、貸主の方は、借主から「給湯器が壊
  れた」等の連絡があった際、従来以上に
速やかに対応が必要になるでしょう。

 

1.民法改正の背景


 「民法の一部を改正する法律案」及び「民法の一部を改正する法律の施行に伴う
  関係法律の整備等に関する法律案」が、2017年6月2日に公布されました。

  明治29年に民法制定されてから約120年間、債権関係の規定はほとんど改正
  がなく、今回は大きな改正となります。


  本改正の目的は主に下記の2点で、その観点で見て頂くと、ご理解頂きやすいと
  思います。


  <主な目的>

  社会・経済の変化への対応実質的な変更) 例:時効・法定利率・約款等

  実務に定着した判例や解釈等の基本ルールを明文化
   
国民一般に分かりやすい民法とする(形式的な変更) 

  

2.施行時期と事前準備の必要性

  改正民法は(一部の例外を除き)公布の日(2017年6月2日)から3年内
  に施行されます。

   (2020年1月1日や2020年4月1日と噂されています。)

 
  まだ先の話だな、と感じられるかもしれませんが、比較的大きな改正のため、
  契約・債権管理・回収実務等への影響があり、皆様のお仕事にも影響があるかも
  しれません。
  
  施行されてから不都合が出ないよう、この猶予期間に情報収集・実務面での
  事前準備を行って頂くのが望ましいです。

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