2005年01月31日

帝国海軍善玉 陸軍悪玉論は GHQの情報操作で真っ赤なウソ?

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世の中には色々な見方をする人がいます。
今日紹介する内容は、
大東亜戦争で帝国海軍は善戦し、陸軍が足を引っ張ったという日本の定説を
真っ向から否定する書籍です。

【太平洋に消えた勝機 佐藤 晃】

私も理論武装もないまま、朝日新聞の情報操作に幼児的に噛み付いたりして
無教養・稚拙さの生き恥を存分に発揮してますが
大東亜戦争に関し、私が刷り込まれている「常識」は

真珠湾電撃奇襲を口火に、海軍さん中心に破竹の連戦連勝を続けたが
ミッドウェイ海戦の敗北を機に、南太平洋では転進〜玉砕を強いられ
辻・牟田口等の陸軍参謀は精神論のみで陸軍兵士は犬死。
奮闘するのは海軍航空隊ばかりで陸軍は無能。
兵站軽視のインパール作戦大失敗から陸軍は総崩れとなり
ラバウルの海軍航空隊は柔よく剛を制し格好良く
ガ島から沖縄までダサイ陸軍は全て連戦連敗で、
海軍は孤軍奮闘で本土防衛を続けたが矢折れ尽き果て
原爆2発で無念降伏。
陸軍はシベリア抑留。

海軍さんはスマートでオシャレ。錨に桜。海軍カレー美味しいよ。
陸軍は坊主で匍匐前進。銃剣で肉弾突撃。食料は虫や戦友。
(誇張してます。本当にすみません)

という荒っぽいですが、こんな流れが脳内を支配していました。

それが、ことごとく逆だというのが筆者の意見です。

この筆者さんがいうには
日露戦争から海軍の無能さが始まるが、日本人は「司馬史観」に取り付かれ
乃木=無能 東郷=有能 が定説。
しかし、逆であった。
連合艦隊=無能 乃木=海軍の犠牲者。
(秋山真之もボロクソ書かれています)
運が悪い事に「日本海海戦」で簡単に勝ってしまったので、
海軍の発言力が強まる〜統師権分裂。
ここから日本の迷走が始まる。という切り口です。

大東亜戦争以降の記述について、端的に説明すると
「山本五十六は躁鬱病」
「海軍は戦いを恐れ、ひたすら太平洋を逃げ回っていた挙句、日本近海で勝手に自滅」
「陸軍の敵地に対する艦砲射撃要請を無視〜旅順のトラウマ〜大和の射程距離は4キロなのに」
「陸軍は兵站と情報戦重視の結果、米英には勝てない〜局地戦&独伊と共同戦線で戦争早期解決狙い」
「海軍は日本海海戦の艦隊決戦に固執、太平洋一帯拡大路線&連合艦隊のみでアメリカに本気で勝てる」
「陸軍の戦果は正確、海軍の戦果は全て捏造=大本営発表」

※これは確かに、源田の剣 第三四三海軍航空隊―米軍が見た「紫電改」戦闘機隊で、
米軍の記録と比較し厳しく指摘されています

「海軍の捏造発表に陸軍と大本営が騙された」
「硫黄島守備隊より海軍が害悪・足引っ張り〜栗林打電の海軍隠蔽工作」
「沖縄決戦も海軍が足を引っ張り戦線急激悪化」
「ニミッツが帝国陸軍最強と絶賛」
「海軍は敗戦を見越して海軍兵学校生徒を大量採用〜海軍保身の為、戦後に備え内地で温存」
「特攻隊対策として予科練を大量採用し皆殺し」
「東京裁判での絞首刑に海軍軍人は一人も入っていない」
「GHQによる陸軍善戦史実の徹底検閲〜戦争贖罪周知徹底計画」
「旧日本悪玉=陸軍蔑視はGHQがマスコミを使った情報謀略」
「海軍関係中心の書籍流通」

詳細は是非ご購入頂いて読んで下さい。定価900円です。安いですよ。

コペルニクス的転換で、こういう見方もある。という知的刺激は非常に参考になります。
確かに、大東亜戦争については、陸軍蔑視のバイアスが凄い掛かってますね。反省。
あとは、これを電波書籍と嘲笑するか、自分自身で裏付けを取るか、ご自身で思考して下さい。
私は完読直後で混乱中。

太平洋に消えた勝機
太平洋に消えた勝機佐藤 晃

おすすめ平均
stars海上護衛戦以来の衝撃
starsやっと明かされた大東亜戦争敗戦の真実のひとつ
starsこの本を読むまで・・・
stars海軍悪玉論によって太平洋戦争がより立体的に考えられる

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(3)大東亜戦争 
Edit







コメント
TBありがとうございました。

ご紹介の本は読んだわけではありませんが、当たっている部分もあるかもしれません。

例えば「海軍の捏造発表に陸軍と大本営が騙された」は、台湾沖航空戦の虚報(誤報?)に煽られて陸軍がフィリピン作戦を決行したり、終戦を視野に入れた成立したはずの小磯内閣が一転強気になるなど、後々の影響は少なくなく、この一点をとっても海軍の罪は決して軽くないと思います。

なぜ海軍善玉説が出るかといいますと、海軍がその二面性を巧みに利用したといえるでしょう。つまり、三国同盟を阻止した米内、山本、井上のトリオはドイツが欧州で快進撃を続けると「バスに乗り遅れるな」とばかりに中枢から追い出し対米強硬派が中枢に座り対米開戦を始める。そして戦況が悪くなると、いち早く米内、井上を中枢に戻して終戦工作をやらせる。機を見るに敏でいち早く動いたから善玉というイメージがあるだけだと思います。

GHQが情報操作をするまでもなく、海軍の自己宣伝が巧みだったということでしょう。
Posted by o_sole_mio at 2005年02月01日 23:00
コメントありがとうございました。
>GHQが情報操作をするまでもなく、海軍の自己宣伝が巧みだったということでしょう。
仰る通りですね。戦時下〜戦後共に内外工作が巧みだった訳ですね。

GHQの工作活動については、戦後半世紀が経過しても実態が未だ不鮮明です。
暇な時にこのblogで、松本清張の「日本の黒い霧」ダイジェストを書き留めてみたいと思案中です。
Posted by king curtis at 2005年02月02日 00:35
海軍は陸軍よりえげつないですよ。零戦で有名な台南航空隊は343隊を越える誤認戦果を報じています。14機撃墜、12機撃破の実戦果が1機のみ撃墜だったこともあります。

巷の海軍マンセー戦果を他にも検証する必要ありますね
Posted by 帝國軍人 at 2008年01月18日 16:03
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