皆様、こんばんは。

昨日に引き続き、本日も「エリザベス女王杯」の有力馬分析を行います。
本日は「後編」の5頭です。

スカーレットカラー
3歳時はコーナー加速の優秀さを活かした小回り専用機かと思っていましたが、今年の春以降は別馬のように成長し連続好走。特に前走の府中牝馬Sは圧巻で、前後半46.7‐46.2秒と淀みなく流れる中を後方追走し、直線は自身上がり3F11.0-10.8-11.4秒の脚を使って差し切り勝ち。雨にびくともしないこの秋の府中とは言え、台風の影響が色濃く残る馬場を考えるとトップスピードのレベルは相当なものでした。直線序盤では進路がままならない場面がありましたが、あそこで慌てず騒がず待ち続けた岩田Jの挙動はこの馬のギアチェンジ力の優秀さを知っているからこそのもので、この馬に相当な信頼を置いていることが分かる騎乗ぶりでした。もしかすると、こちらの想像以上のポテンシャルを持っているのかも知れません。
その府中牝馬Sだけではなく2走前のクイーンSの内容も悪くなくて、前後半48.4‐46.4秒と前有利の流れの中、直線でスムーズさを欠きながら残り1Fだけでミッキーチャームとの3馬身差をクビ差まで詰めたギアチェンジ力は圧巻(これがあったから府中牝馬Sでの「待つ」騎乗に繋がったのでしょう)。スローな流れからのギアチェンジ力とトップスピードのレベルは牝馬トップクラスと言って良いと思います。
その一方で、ややタフな馬場で前後半59.8‐60.5秒と2番手以下は平均的に流れたマーメイドSではゴール前で失速しての3着。直線で追えない場面があったり、進路確保してからバイアス不利のインに入れたことも多分に影響したでしょうが、近2走との比較で見劣ることは間違いなく、ペースと距離の不安が見え隠れする一戦であったことは間違いありません。
さてエリザベス女王杯ですが、近年のトレンド通りにスローからのラスト3F戦になれば、そのギアチェンジ力とトップスピードのレベルはこのメンバーでも最上位クラスですから、まとめて面倒を見る可能性があります。4角からのペースアップ&キツいコーナー角度による遠心力で馬群がバラけやすい特性を考えると、とにかくインに拘るであろう岩田Jの戦略が嵌りやすいコース・レースでもあります。騎手として過去20年のエリザベス女王杯で5度の馬券絡みは最多タイ(もう一人は武豊J)という事実がそれを如実に物語っています。現時点では重い印を打つことになると思いますが、悩ましいのは2Fの距離延長とペースが上がってしまった場合の不安。この2点の不安要素は小さくなくて・・・

シャドウディーヴァ
秋華賞前の分析を転載します。
2走前のオークスがかなり好印象。このレースは前後半59.1‐59.2秒と淀みなく流れたレースでしたが、実はキャリア中でこれが唯一のイーブンラップとなったレース(後は全て後傾戦)。スタート後にインに潜り込んで距離ロスを防ぎつつ、直線ではダノンファンタジーを出し抜いて残り250mでは「やったか」と思わせる場面を作ったものの、ラスト1Fでは失速しての6着。ただ、それまでスローしか経験してこなかった馬が初めて経験する流れにも怯まず見せ場を作った点は着順以上の評価が必要だと思います。大箱のスロー特化戦ばかり走ってきたので、そういう条件に強い馬だと思われがちですが、ジャストアジゴロやアトミックフォースに凌駕されたように実はトップスピードはそれほどでもなくて、もしかするとオークスのように速い流れの中から一脚使う形に適性があるのではないかと感じました。秋初戦のローズSは前後半47.1‐45.1秒のスローな流れを前半掛かり気味に追走し、直線はバッタリ止まってしまう惨敗。非常に印象は悪いですが、先に書いたようにトップスピードは並の馬ですし、元来が使って使って良くなるタイプでもあります(昨春も中14週のフリージア賞→フラワーCを平凡な内容で敗退した後のフローラS→オークスと調子を上げました)ので、まだ見直す余地は残っていると思います。
タイトな流れになって良さが出るはずと4番手評価した秋華賞は、その期待通りに13人気4着激走。前後半58.3‐61.6秒とかなりの前傾戦で良さが出た印象で、上に転載した読みは正しかったと言えます。ただし今回は大箱スロー想定のレース。秋華賞前にも書いたようにスローからのトップスピード戦で発揮しているパフォーマンスレベルは低いもので、そういうレース質で狙うべき馬ではありません。前走のパドックも褒めたように春から明確に成長を遂げている一頭ではありますが、今回は静観が妥当ではないでしょうか

クロコスミア
エリザベス女王杯は2年連続2着。この距離になると確実に先手を取れますし、操縦性が高いので道中もペースを落とせて、終い出し抜ける一脚も持っていると。何が何でも逃げたいタイプが居ればそれを行かせて番手からでも競馬が可能なのは2017年に証明している通り。考えてみれば走って当たり前の能力馬なのですが、イマイチ毎年人気が出ないのは大目標レース以外での成績が奮わないためでしょう。
昨年も札幌記念8着→府中牝馬S5着という過程からの好走でしたが、陣営はいかに目標レースにベストの状態を作れるかだけを考えていると思われ、過去中10週以上は【0-1-0-6】。逆視点で言えば本番にはキッチリ作って来るとも言えて、昨年のエ女王杯の他にも今春は中山牝馬S6着→阪神牝馬S5着→ヴィクトリアマイル3着と最終目標であるヴィクトリアマイルでしっかり果実を収穫したという前例もあります。
今年も札幌記念7着→府中牝馬S5着という昨年と同じような過程で本番に臨みますが、これは青写真通りに運んでいると言えて、同馬の臨戦過程としてはベスト。今年で6歳という年齢が懸念されるところですが、前述した今年のヴィクトリアマイルでは前後半44.8‐45.7秒と一貫して速い流れを追走しつつ、一旦は前に出られたラッキーライラックを差し返す3着とむしろ老いてレース対応幅を広げている印象もあって年齢を云々言うことはナンセンスでしょう。今年もペースが上がり切らないようなメンバー構成ならば、この馬がレースを支配出来るでしょうから3年連続の好走は現実的です。ただし、個人的には鞍上が問題。イマイチ脱皮できず攻めきれないこの鞍上は、近年競馬IQをハッキリと高めている戸崎Jと比べると申し訳ないですが鞍上弱化。その評価を覆す騎乗を期待したいですが・・・

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3走前がそれまでの印象(=トップスピードに限界がある)を一新する内容で、前後半63.0-57.1秒の超スローながら自身10.8‐10.8‐11.2秒で差し切った内容。それまででは決して使えなかった脚を使った点は、昨秋から20㎏以上馬体重が増えたプラスの影響でしょう。5走前は前後半62.7-59.1秒のスロー、5Fロンスパ戦を快勝。4走前は同61.1‐59.5秒のスロー、6Fロンスパ戦で敗れはしたものの勝ち馬は国際G1馬で3着には0.6秒差を付けていますから勝ちに等しい内容で、本質的にはロンスパ戦で強さを発揮するタイプでしょう。
一方で、2走前が前後半59.8‐60.5秒、前走が同58.6‐58.9秒とそれぞれ前半から流れたレースでしたが、後半の良さが見られずの凡走。前走に関してはそれに加えて、コーナー出口からの手応えが非常に悪かったように(その割にラストは盛り返した)初の左回りに戸惑った感もありましたが、いずれにしても前半から流れるレースでは追走に脚を削がれる印象で、このパターンが同馬の凡走パターンと考えて良いと思います。
そう考えると現状スロー想定のエリザベス女王杯には合致してきそう。これまでなら上がり特化の流れになるとトップスピードのレベルに不足感がありましたが、その不安は3走前でとりあえず払拭。動き出しが早くなってロンスパ戦になるのは元々歓迎ですから、この後半の対応幅の広さは魅力です。同馬の良さを知っている鞍上への乗り替わりも心強く、ここは一発あって不思議ないと思います

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同馬は気難しい気性で折り合い難。そのくせ馬群に入れると力を発揮出来ないという何とも乗り難しい馬。となると逃げるしか手がないのは必然で、3走前に偶発的に逃げることになりましたが、そこに行きついたことは必然だったのかも知れません。トップスピードのレベル自体は平凡ですが、逃げて一脚使えるのは京都のスロー戦では強い武器になるのは月曜日の記事で書いた通り。今回は乗り替わりになりますが、その辺りのコースの特徴をよく理解している鞍上ですから、この乗り替わりは心強いです。スローのエリザベス女王杯で穴を開けるのは決まって前の馬。同馬はその候補になり得る一頭です

ということで本日は以上です。

昨日・今日で取り上げていない人気馬もいますが、その辺りは「最終見解」をお待ち頂ければと思います。
明日は「エリザベス女王杯」の調教分析(全頭対象)を行います。