2009年02月09日
足を曲げてうまく進む
一二歩進み、ひょいと右か左、どっちかの足を曲げて、パン! と靴裏でもう片方の脚の腓(こむら)辺を叩く。靴が軟かいし、永年の修練で、
ハオ! パン!
と、それは丸い、其癖ひどく刺戟的な勇ましい音を出したものだ。子供の胸に、一種のセンセイションが湧いた。柔軟な鞣に包まれた肉体が、薄い布を透して肉体を搏つ音。原始的な何ものかが在ったに違いない。(この間来ていたデニショウン舞踊団の男の踊手が、そう云えば、かなりしばしばこの肉体を搏つ、野生な、激情的な音を織込んで利用していた――)そこで、水芸の後に、めずらしくイタリー女のハアプ弾奏を聴いた。日本では、天平時代の絵で見るぎり、今でもハアプは数尠い楽器の一つだから、ましてその頃は珍らしい。父が外国から買って来た絵画の本に描かれているそれと同じハアプが裾の広い黒衣の、髪に只一輪真赤な薔薇をさした女と現れたのだから、私は感歎した。女は随分気高く、美しく、音楽も上手に思えた。ハアプが、ヴァイオリンのようではなく、ピアノのような音なのをその時始めて知った。女は、両手で絃を掻き鳴らしながら、高い、顫える声で三つばかり歌を唄って引っ込んだ。何を唄ったのだったか、果して本当に女が気高かったのか、上手に弾いたか、今になっては判らない。
――それから後――……そうそう、まだもう一度あの坂の中途まで行ったことがあったが――いずれにせよ、あの辺はつい近頃の馴染(なじみ)と云える。
二三度続けて散歩するうちに、何となく感じたのだが、神楽坂というところは、何故ああ店舗も往来も賑かで明るいくせに、何処か薄暗いような、充分燦きがさし徹し切れないようなほこりっぽいところがあるのだろう。布地にでも例えると、茶色っぽい綿モスリンのような雰囲気――つまり、どんなに燈灯が軒なみに輝いても、それを明快にキラキラ反映させる何かが無い、明るさを吸い込んでしまう。そんな心持がする。奇妙なことに、私は牛込区という名をきくと、決して神楽坂ばかりでない牛込全体をどうしても茶色と連想する。どうしてだか茶っぽい。他の色が浮ばない。丁度昼間の銀座ときくと、日光に反射する乾いた白灰色の平面しか思い出せないように。その茶っぽい雰囲気は、山伏町の通へ来ると殆ど黒い程になる。
また今夜ー
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ハオ! パン!
と、それは丸い、其癖ひどく刺戟的な勇ましい音を出したものだ。子供の胸に、一種のセンセイションが湧いた。柔軟な鞣に包まれた肉体が、薄い布を透して肉体を搏つ音。原始的な何ものかが在ったに違いない。(この間来ていたデニショウン舞踊団の男の踊手が、そう云えば、かなりしばしばこの肉体を搏つ、野生な、激情的な音を織込んで利用していた――)そこで、水芸の後に、めずらしくイタリー女のハアプ弾奏を聴いた。日本では、天平時代の絵で見るぎり、今でもハアプは数尠い楽器の一つだから、ましてその頃は珍らしい。父が外国から買って来た絵画の本に描かれているそれと同じハアプが裾の広い黒衣の、髪に只一輪真赤な薔薇をさした女と現れたのだから、私は感歎した。女は随分気高く、美しく、音楽も上手に思えた。ハアプが、ヴァイオリンのようではなく、ピアノのような音なのをその時始めて知った。女は、両手で絃を掻き鳴らしながら、高い、顫える声で三つばかり歌を唄って引っ込んだ。何を唄ったのだったか、果して本当に女が気高かったのか、上手に弾いたか、今になっては判らない。
――それから後――……そうそう、まだもう一度あの坂の中途まで行ったことがあったが――いずれにせよ、あの辺はつい近頃の馴染(なじみ)と云える。
二三度続けて散歩するうちに、何となく感じたのだが、神楽坂というところは、何故ああ店舗も往来も賑かで明るいくせに、何処か薄暗いような、充分燦きがさし徹し切れないようなほこりっぽいところがあるのだろう。布地にでも例えると、茶色っぽい綿モスリンのような雰囲気――つまり、どんなに燈灯が軒なみに輝いても、それを明快にキラキラ反映させる何かが無い、明るさを吸い込んでしまう。そんな心持がする。奇妙なことに、私は牛込区という名をきくと、決して神楽坂ばかりでない牛込全体をどうしても茶色と連想する。どうしてだか茶っぽい。他の色が浮ばない。丁度昼間の銀座ときくと、日光に反射する乾いた白灰色の平面しか思い出せないように。その茶っぽい雰囲気は、山伏町の通へ来ると殆ど黒い程になる。
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kingsoap at 18:29|Permalink│
2005年12月30日
茶色っぽい町
小石川――目白台へ住むようになってから、自然近いので山伏町、神楽坂などへ夜散歩に出かけることが多くなった。元、椿山荘(ちんざんそう)のあった前の通りをずっと、講釈場裏の坂へおり、江戸川橋を彼方に渡って山伏町の通りに出る。そして近頃、その通りのつき当りに、何という医者だったか屋根の上へ、大万燈のように仰山な電飾(イルミネーション)広告をつけたのを遙か中空に見上げながら、だらだら坂をのぼって左、神楽坂へ行く。時には、神田辺へ行った帰り、廻って逆に音羽通を戻って来ることなどもある。――本郷辺にいると神楽坂は全く縁遠い場所だ。どうせ電車にのって下町に出る位なら、賑かな人通りをぶらつこうと云う位なら、銀座まで一息にのす。歩く道なら大学赤門前から三丁目がある。電車のルートの工合で、動き廻る道筋を制御される我々は、東京の他の沢山の隅々を、何か特別なきっかけのない限り外国に在る街同然知らないで過ごす通り、牛込、神楽坂などに縁遠かった。
けれども、思い出して見ると、神楽坂は、さすがに去年までまるで歩いたことがないでもなかった。ずっとずっと前、いくつ位だろう、十一二になっていた頃か、飯田町に引越した叔父につれられ、まだ七つばかりの従弟と夜散歩したことがあった。淋しい牛込駅の傍の坂を下って、俄に明るく、ぞろぞろひどい人波が急ぎも止まりも仕ないで急な坂を登り降りしているのにびっくりした覚えがある。今は活動写真館になっている牛込館がまだ寄席であったらしい。そこに入った。高座の上で支那人が水芸をするのを見物した。小学校の記念日に大神楽がきっと来た時代だ。支那人のする水芸そのものは、黒紋付に袴の股立ちをとった大神楽のやることと大して違いはないのだが、その支那人は、(水色の、踝でしっかり結えた股引に、黒い靴を穿いていた。)派手な三味線に合わせ、いざ芸当にとりかかる時、いかにも支那的音声で、
ハオ!
kingsoap at 20:29|Permalink│
2005年12月29日
地方文化・文学運動にのぞむもの
各地方の文化・文学運動がこれまで経験したむずかしさの中で一番主なものは、ほんとに若い人々の自主的な活動として成長しにくく、何かのことでその地方の文化ボス、文学ボスのまわりに吸いよせられてしまうことではないでしょうか。九州での文学運動の経験のように。同じことはその地方の民主団体がセクト的である場合にもおこりがちです。
地方主義、地方英雄主義にならないで、これからますます現実の複雑になる日本の諸地方生活のために、人民の自主と文化反動への抵抗となってゆくべきと思います。
kingsoap at 20:28|Permalink│
2005年12月28日
はじめと今との発展的相異は?
○一〇・三〇事件 \
○岩田労農葬(デモに高まった力?)〉と労救托児所との関係、
○小林労農葬 / アジプロ実際の影響
◎どうして、となりのおかみさんがデモに入って来たか?
○褓母の具体的な闘争と人とについて。
9月25[#「25」は縦中横]日
緑と赤の「子供の家」に 「市電ストライキをオー援しましょう!」
臨時托児所のこと
◎雨のふる日 しみじみ砂場がほしい
――――――――――
おやつ一人二銭五リあて、
――――――――――
四月 玄関先のこわれたブランコのまわりの子供
男の子も女の子も仲よく
「ここ工場にしようよ」
「うん、これあたいたちの工場にしようや」
「ブランコ工場だよ」
女の子は手拭をかぶって働くまね。そのうち本当になおそうとして汗をかいてすっかり組立てた。
――――――――――
お母さんへ!
エプロンをかけてよこして下さい ズロースをはかせて下さい てぬぐいをもたせて下さい。
○岩田労農葬(デモに高まった力?)〉と労救托児所との関係、
○小林労農葬 / アジプロ実際の影響
◎どうして、となりのおかみさんがデモに入って来たか?
○褓母の具体的な闘争と人とについて。
9月25[#「25」は縦中横]日
緑と赤の「子供の家」に 「市電ストライキをオー援しましょう!」
臨時托児所のこと
◎雨のふる日 しみじみ砂場がほしい
――――――――――
おやつ一人二銭五リあて、
――――――――――
四月 玄関先のこわれたブランコのまわりの子供
男の子も女の子も仲よく
「ここ工場にしようよ」
「うん、これあたいたちの工場にしようや」
「ブランコ工場だよ」
女の子は手拭をかぶって働くまね。そのうち本当になおそうとして汗をかいてすっかり組立てた。
――――――――――
お母さんへ!
エプロンをかけてよこして下さい ズロースをはかせて下さい てぬぐいをもたせて下さい。
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2005年12月27日
朝六時――夜六時
五銭四銭(おやつをふくむ)一ヵ月一円
――――――――――
*一月にはガスがない。
一月七日までの休みを利用して家主が釘づけ。
八日から釘をぬいて働きはじめる。
労救と托児所との結びつき
支部┌─┐ ┌─┐
│ │→│ │托児所
書記└─┘ └─┘
(一)[#(一)は縦中横]城南消費組合 広尾が全部。托児所の籐椅子をくれた。
(一)[#(一)は縦中横]市従の父が托児所の子供の親にいたか。
(一)[#(一)は縦中横]各托児所と応援委員会との関係。各托児所そのものの活動とオーエンとはどう結びついてその経験を研究し合ったか。
(一)[#(一)は縦中横]オーエンの頃 その頃土建(中野)の人というのはどうしていたか。
左翼の人はちっともかまってくれないの
ハンさんは支持してくれるのに
○托児所の成り立ちと労救へうつってからの工合、周囲との関係、
五月に労救
○一月十九日の夜は何人集り それは父母の何%か?
半分 十八人 13[#「13」は縦中横]人
○防衛委員会の構成
――――――――――
*一月にはガスがない。
一月七日までの休みを利用して家主が釘づけ。
八日から釘をぬいて働きはじめる。
労救と托児所との結びつき
支部┌─┐ ┌─┐
│ │→│ │托児所
書記└─┘ └─┘
(一)[#(一)は縦中横]城南消費組合 広尾が全部。托児所の籐椅子をくれた。
(一)[#(一)は縦中横]市従の父が托児所の子供の親にいたか。
(一)[#(一)は縦中横]各托児所と応援委員会との関係。各托児所そのものの活動とオーエンとはどう結びついてその経験を研究し合ったか。
(一)[#(一)は縦中横]オーエンの頃 その頃土建(中野)の人というのはどうしていたか。
左翼の人はちっともかまってくれないの
ハンさんは支持してくれるのに
○托児所の成り立ちと労救へうつってからの工合、周囲との関係、
五月に労救
○一月十九日の夜は何人集り それは父母の何%か?
半分 十八人 13[#「13」は縦中横]人
○防衛委員会の構成
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2005年12月26日
原っぱへ行こう、
どこがいい
真中がいいよ
あしたっからどうする?
私は褓母をさがし おっかさんがかわり番こに世話をすることにする。
三月まで弾圧が来なかった。
三月十一日に又三人やって来た。雪ふり。十四人子供がいた。デモにも行ったお母さん、笹井、私、労救の人。
「おやつの前で 今困るんですよ」
二階からにげる
〔欄外に〕新井光子はこの頃。
二十日からいよいよひどい。
四月一日――一杯新しい保母でやった。
五月一日の日に 又つれて行ってしまう。
品川労働者クラブの人を三人たのんでいて貰ったのにつれてゆく。
五月八日頃 臨時の托児所をひらくことを長やで相談し、防衛委員会をつくろう、デモの効果を高めるために。
たたき大工の人 私のところは六畳二間で上に友達がいるが話は分るからそこをつかおう。
「じゃ褓母の人はどうしますかね」
「サア どうしましょう」
「二階の六畳をすっかりあけて、先生たち二人に泊って貰おう」
七八人。私と渡辺。
ここでは居住に結びつかないのでハンモン。
すると、田中のお母さん(?)が新興の河上さんのところへ行ったら、ガサが来ていた、そこで臨時の托児所もこわれた。
――――――――――
二ヵ月経った、何をしているか。
――――――――――
真中がいいよ
あしたっからどうする?
私は褓母をさがし おっかさんがかわり番こに世話をすることにする。
三月まで弾圧が来なかった。
三月十一日に又三人やって来た。雪ふり。十四人子供がいた。デモにも行ったお母さん、笹井、私、労救の人。
「おやつの前で 今困るんですよ」
二階からにげる
〔欄外に〕新井光子はこの頃。
二十日からいよいよひどい。
四月一日――一杯新しい保母でやった。
五月一日の日に 又つれて行ってしまう。
品川労働者クラブの人を三人たのんでいて貰ったのにつれてゆく。
五月八日頃 臨時の托児所をひらくことを長やで相談し、防衛委員会をつくろう、デモの効果を高めるために。
たたき大工の人 私のところは六畳二間で上に友達がいるが話は分るからそこをつかおう。
「じゃ褓母の人はどうしますかね」
「サア どうしましょう」
「二階の六畳をすっかりあけて、先生たち二人に泊って貰おう」
七八人。私と渡辺。
ここでは居住に結びつかないのでハンモン。
すると、田中のお母さん(?)が新興の河上さんのところへ行ったら、ガサが来ていた、そこで臨時の托児所もこわれた。
――――――――――
二ヵ月経った、何をしているか。
――――――――――
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2005年12月25日
九時から十一時までがんばり
行政学会のおかみさんにのこれと云う、七つの男の子をつれている。
「じゃ入ろう。坊や、じゃ二人で入ろうね」
「ウン」
もう一人の若いお母さんは赤坊を背負っている。
二十一日の朝 デモが出たあとへ文学新聞の人が来た。
その人がかけて行って、警察へ入るのを見届けてかえって来て、
一人のホボをつれて行っちまった。同時に文学新聞の二人、(地区の者です)つれてゆかれた。
――――――――――
おっかさんの家で
小学校三年生の男の子が様子を見てゆく。
「誰もいねえんだ」
警察へ行って
「うちのかあちゃんや何かいない?」
「何だ子供のくせに! しばっちゃうぞ」
「何だ大根じゃあるまいし!」
入って行って見ると総立ちになっている。
「無駄だったよ」
「じゃ入ろう。坊や、じゃ二人で入ろうね」
「ウン」
もう一人の若いお母さんは赤坊を背負っている。
二十一日の朝 デモが出たあとへ文学新聞の人が来た。
その人がかけて行って、警察へ入るのを見届けてかえって来て、
一人のホボをつれて行っちまった。同時に文学新聞の二人、(地区の者です)つれてゆかれた。
――――――――――
おっかさんの家で
小学校三年生の男の子が様子を見てゆく。
「誰もいねえんだ」
警察へ行って
「うちのかあちゃんや何かいない?」
「何だ子供のくせに! しばっちゃうぞ」
「何だ大根じゃあるまいし!」
入って行って見ると総立ちになっている。
「無駄だったよ」
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2005年12月24日
「何故あんなことをするのか」
「あれは共産党だ」
「共産党って何ですか」
「共産党っていうのは××をたおして、国をやって行こうという つまりロシアのようなものさ」
「うちの赤坊なんかまだこんなで 赤だって黒だっていいよ、こういうのは托児所へあずけて居ない」
「お前一体なんだ?」
「私かい? 私はツナやだよ」
「つなやって何でい」
「ツナやも知らないバカヤロー、つなやってのはヨイトマケさ」
「托児所へあずけさせないんなら 私ァここへ子供をおいてくよ」
「お前たち子供が可愛くないか」
「可愛いからこそ五十銭なり一円なりをボーにしておねがいに来た」
「托児所は子供をわるくする、そんなに托児所がいるなら、自分たちでやれ。」
「だって金がないから、労救のようにやって貰う」
デマをとばし
「総同盟のようなのならいい、あっちの人たちにやってもらえ」
かえって「総同盟って何さ」と云う。
「共産党って何ですか」
「共産党っていうのは××をたおして、国をやって行こうという つまりロシアのようなものさ」
「うちの赤坊なんかまだこんなで 赤だって黒だっていいよ、こういうのは托児所へあずけて居ない」
「お前一体なんだ?」
「私かい? 私はツナやだよ」
「つなやって何でい」
「ツナやも知らないバカヤロー、つなやってのはヨイトマケさ」
「托児所へあずけさせないんなら 私ァここへ子供をおいてくよ」
「お前たち子供が可愛くないか」
「可愛いからこそ五十銭なり一円なりをボーにしておねがいに来た」
「托児所は子供をわるくする、そんなに托児所がいるなら、自分たちでやれ。」
「だって金がないから、労救のようにやって貰う」
デマをとばし
「総同盟のようなのならいい、あっちの人たちにやってもらえ」
かえって「総同盟って何さ」と云う。
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2005年12月23日
二十日、平常のとおり
「おばさん、時間ちゃんとね」
「大丈夫だよ」
「あしたよろしくね」
二十一日、雪もよいの寒い風の日
六時半ごろから子供をあつめる。
屑やのお父さんが自転車で七時ごろ来る、
「おじさんどうしたんです タクちゃんは?」
引こしがあってその荷もつを
八時半までにつれて来る
「小母さん、じゃ煉炭に当ってて下さい ひぐまいさんが来ればすっかりそろっちゃうから」
行くというのが父母が十三人 みんな子供をつれて行くということ。
「キットスパイが来るから 私のうちに行ってろ」
「留守たのむよ」
という。
「何だ 何だ 何だ、お前たち何だ デモか?」
先ず入って行ったおっかさんの頬っぺたを打った。
屑やのお父さんが
「デモじゃない、私たちはおねがいに来たんだ」
「大丈夫だよ」
「あしたよろしくね」
二十一日、雪もよいの寒い風の日
六時半ごろから子供をあつめる。
屑やのお父さんが自転車で七時ごろ来る、
「おじさんどうしたんです タクちゃんは?」
引こしがあってその荷もつを
八時半までにつれて来る
「小母さん、じゃ煉炭に当ってて下さい ひぐまいさんが来ればすっかりそろっちゃうから」
行くというのが父母が十三人 みんな子供をつれて行くということ。
「キットスパイが来るから 私のうちに行ってろ」
「留守たのむよ」
という。
「何だ 何だ 何だ、お前たち何だ デモか?」
先ず入って行ったおっかさんの頬っぺたを打った。
屑やのお父さんが
「デモじゃない、私たちはおねがいに来たんだ」
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2005年12月22日
「あした金曜だから土曜日だったら、
一晩とまったっていいよ、みんな都合はどうだろうね」
「じゃ警察へ行くことは決定したんですね」
「ああ、そりゃ きまったんだ」
あさってというのは 一月二十一日のレーニン・デーだときがつき ハッとする、
「二十一日なら私 となりのおかみさんもつれてゆくよ」
「じゃおかあさん工場どうします(タビ)」
「私もじゃやすむ」
――――
「工場がひけてからがいい」
「その時分じゃもうひけていないよ」
行政学会が 九時に行こう、托児所(八時半)
こんどは褓母がいっちゃいけない。みんなだけでゆこう。
屑やのお父さんがこの前、褓母を迎えに行った。そして誰にそそのかされたかときかれたから
「行くときのことを話さない?」
大崎の特高の入口はせまい。下でぐずぐずさせちゃいけない、
「誰かあすこ知っている人居ない?」
裏から入ることにする、
話すことをきめる。
一、褓母を早くかえしてほしい
一、托児所のところへスパイが来ておどしたり、ものをもって行ったりしてくれるな。
みんな話について一人一人が自分についての実験
屑やのお父さん おいて行ったら迷子になった、
そのあと、おしるこなどをのんだ。
「じゃ警察へ行くことは決定したんですね」
「ああ、そりゃ きまったんだ」
あさってというのは 一月二十一日のレーニン・デーだときがつき ハッとする、
「二十一日なら私 となりのおかみさんもつれてゆくよ」
「じゃおかあさん工場どうします(タビ)」
「私もじゃやすむ」
――――
「工場がひけてからがいい」
「その時分じゃもうひけていないよ」
行政学会が 九時に行こう、托児所(八時半)
こんどは褓母がいっちゃいけない。みんなだけでゆこう。
屑やのお父さんがこの前、褓母を迎えに行った。そして誰にそそのかされたかときかれたから
「行くときのことを話さない?」
大崎の特高の入口はせまい。下でぐずぐずさせちゃいけない、
「誰かあすこ知っている人居ない?」
裏から入ることにする、
話すことをきめる。
一、褓母を早くかえしてほしい
一、托児所のところへスパイが来ておどしたり、ものをもって行ったりしてくれるな。
みんな話について一人一人が自分についての実験
屑やのお父さん おいて行ったら迷子になった、
そのあと、おしるこなどをのんだ。
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