神に愛されし美しき髪を靡かせ、少女は凶暴なる刃を振るう。王国随一の可憐な令嬢――だが、その中身は『野蛮なる牙〈サベージファング〉』の異名を持つ、最強の傭兵!? すべてが規格外なお嬢様の蹂躙が今始まる!

 ◆◆ストーリー◆◆

  DJ.KOOHEE 
  4点 最近の転生ものを比べると、転生前をわりと紙幅を使って展開している。それなのに転生を受け入れるのがあっという間で拍子抜けした。別に展開が早いのは悪くないが、だったら転生前のイキリが長すぎって話。
  
  金魚         
 
 4点 転生チート、歴史改変、悪役令嬢、TSと組み合わせや要素自体は悪くないのだが、それを活かしきれなかったように思う。特にTS要素はほぼ死んでいる。最後はともかく、他の見せ方をもう少し工夫してほしかった。

  藤田メロンパン 
  5点 可もなく不可もない、ありふれた持たざる者から持つ者への転生もの。過去転生にTSといった要素もあるが、それも特に目新しくはない。キャラデザは良いのでシンプルな話が故にメディア化はしやすそう。


 ◆キャラクター◆

  DJ.KOOHEE
  4点 主人公の達成すべきことがよくわからない。そのせいで「何をやってでも生きる」みたいな主人公の矜持が、ただのイタい厨二病にしか見えん。学園に行ってからは力が抜けて脇の2人もよかっただけに、もったいない。
  
  金魚 
 
 4点 いい年をしたおっさんが、立場を笠にきて気弱なものに強く出る感じがなんだかみっともなかった。目の前の目標がないのも魅力減だと思う。コレットのキャラは嫌いじゃない。王子はもっと主人公に影響を与えて欲しい。
 
  藤田メロンパン 
  4点 メディア化したら見栄えはするかもだが文章で読む分にはあまり冴えないキャラ達。描写に工夫もないのでTS転生ギミックは小説内では死んでいるが、令嬢と王子のガワで内面は男同士の主従というのはやはりアニメ向き。

 ◆文章

  DJ.KOOHEE 
  6点 特に言うべきことはないかと。ラノベにおいて文句の出ない文章なんてかなり上等な方。ただ主人公の目標がフワフワした状態で物語を展開して、それを面白く見せることができるような力のある文章でなかったのも確か。
  
  金魚 
 
 4点 生まれ変わったはいいものの心身への言及がほとんどなく、地の文も相まって女装している男という感じで書かれていて、個人的には好みではなかった。絵や声があればこれでいいかもしれないが、小説だと描写不足。

  藤田メロンパン 
  4点 一人称視点の地の文ということもあるが、主人公のガワと内面のギャップをかけらも文章で表現しようとしないところは潔い。多シリーズを展開する作家だけあって話の構成はしっかりしていてページ配分もちょうどよい。


 ◆総合

  DJ.KOOHEE  14点 
  金魚         12点
  藤田メロンパン    13点
  合計         39点