ただ、とにかく心に響く漫画

小さいときから死ぬほど漫画読んできて、結局どんな漫画が良かったかと振り返ると、いつまでも心に残る漫画だと思う。
裏を返せば、どんな内容だったか覚えてないような漫画は、自分にとって良い漫画とはいえない。

そういう観点で見れば、『新ブラックジャックによろしく』はこの先の人生で、忘れることはないだろう。
それだけ衝撃的な内容だった。



話は研修医の斉藤英二郎が、腎不全のために人工透析を受けている同僚の看護士・赤城カオリのために腎臓移植をするというものである。
シンプルな内容のため理解はしやすいが、内臓を移植するというヘビーな内容のため、とても考えさせられる漫画である。

何しろ主人公の斉藤赤城は一応職場の同僚ではあるが、恋人でもない赤の他人である。
他人に自分の腎臓をあげることができますか?ということだ。



人工透析という治療の存在は、『ミナミの帝王』(134巻参照)を読んで知っていたが、これほど過酷なものだとは思わなかった。

知らない人のために簡単に説明するが、人間は腎臓の機能が低下すると体内の血液にある老廃物をろ過することができない。
つまり、腎臓が働かないと体内に毒がたまっていくため、透析機械に血液を送って綺麗にして、再び体内に戻すという治療を行わなければならない。

そして、その治療は一般的に週3回・4時間程度しなければならないのである。



これ、皆さんは耐えられますか?



体力的な苦痛もあるだろうが精神的にも相当辛いと思う。
週3回も病院のベッドで、長時間針をさされて治療する。

最も現在は自宅でも治療が可能らしいが。


自分だったら、仕事もしながらそのような生活に耐えられるだろうか、深く深く考えた。



赤城が先天性の糖尿病を幼いころから患い、若くして人工透析生活をしていると偶然知った斉藤は、腎臓提供者(ドナー)となることを願い出る。

実は腎不全患者の数に対して、ドナーの数はかなり少ない。
しかも、死者(脳死患者も含む)からの移植ではなく、生きている人間からの移植(生体移植)は倫理的にもしがらみが多い。

ドナーの腎臓がレシピエント(受取側)に適合するかどうかもわからない。

などなど、腎臓移植と一言でいっても簡単にはできないものである。



これを読んで、腎臓移植に関していろいろ調べていたら、国内でも親子間や夫婦間、そして他人同士の生体移植はいくつか実例がある。

移植をテーマとしたドキュメンタリーを見ると涙が出そうになる。



この漫画を見ると、改めて周りの人を大切にしているか見つめ直すことができる。
家族はもちろんのこと、他人に対しても「無償の愛」を与えることができているだろうかと。


全人類に共通する宿命があるならば、それは「人にやさしくする」ということである(格言)。



この格言が言いたい方、

利己主義(エゴイスト)の方、

ただただ心が汚れていると感じる方、


この漫画を強くおすすめしたい。



[まとめ買い] 新ブラックジャックによろしく