いかのおすし

この前コンビニへ向かっている途中、幼稚園のフェンスに変な標語看板が付いているのに気付いた。

いかない
のらない
おおきな声で叫ぶ
すぐ逃げる
しらせる

どうやら子供たちが犯罪に巻き込まれるのを防ぐための5つの約束の様なんですが、いかのおすしと覚えよう！とか書いてある。




※参考画像



具体的には
・知らない人についていかない
・他人の車にのらない
・おおごえを出す
・すぐ逃げる
・何かあったらすぐしらせる
という事らしいのですが、正直非常にキビシいと言わざるを得ない。

子供たちはインパクトのある言葉が好きなので、確かに『いかのおすし』は一見意味不明だけど覚えやすいし『イカ』という言葉の響きにはなんとなく惹かれるものがある。

しかし、だ。

子供たちは圧縮ファイル「いかのおすし」を正しく解凍できるのだろうか。


私が小学生の頃、年に一度くらいは「避難訓練」というものがあった。
震度5の地震が発生したという想定で校内放送が入り、とりあえず机の下に退避し、揺れが治まったところで速やかに校庭に避難するという訓練だ。
その際にはこんな標語があった。

『おかし』

お　……　押さない
か　……　・・・・構わない？
し　……　・・・・・・・・死なない？

たった三行なのに覚えてナイヨ☆

調べましたところ、どうやら

　　お　……　押さない
　　か　……　かけない
　　し　……　喋らない

が正しい様です。

この様に、どんなに覚えやすいと思っても人間の記憶なんてこんなもんです。
ましてや本当に災害が起こったらそれどころではないでしょう。

いかのおすしもまた然り。
そもそもこの言葉が防犯のイメージからかけ離れ過ぎている。
しかも「いか」だけ一行から2文字取るというイレギュラー編成で、文字の選び方も微妙におかしい。
さらに5行もあるとくれば、有事に正しい標語を思い出すのはかなり困難なのではないでしょうか。
それに「おおごえを出す」とありますが、人間は突然の状況では声が出なくなるものです。

私なんて、サンダルで電車に乗ってる時に足を踏まれて爪が半分剥がれた時には息を止めるだけで声なんて出ませんでしたからね！
「イタッ！」とか言ってる内は余裕のある証拠です。
交差点で信号待ちしている時に狂ったオヤジに突然顔面を殴られた時も、衝撃と共に地面に倒れただけで声を出す暇なんて全くありませんでしたしね！
走って逃げて行くオヤジの背中を呆然と見ながら、なぜ自分が倒れているのか状況を脳内で整理するのが精一杯で「そいつを捕まえてぇ〜〜！！」とか言う余裕0ですからね！

犯罪を防ぐためには、単に個人の裁量に依存しているだけではいけません。
集団登下校を行ったり地域でパトロールするなど、大人がサポートしてあげなければ危険は回避出来ないのです。

・・・はっ。
こういうツッコミどころを残す事により、深く印象付けるという作戦だったのかも・・・

いかのおすし。
みんな、覚えたかな？

Comments

1. Posted by ろん   2007年07月09日 07:14

トラックバックで満足してしまって、コメントしそびれました…

“おかし”は、僕も覚えています。これに「もらない」という
意味で“も”がついてました。

結局“いかのおすし”の詳細は覚え切れてないままですが、
さすがにかなりインパクトはありましたね。
こういうのって、誰が考えるんでしょうね？

2. Posted by kinoko@管理人   2007年07月09日 10:46

ご丁寧にコメントありがとうございます。

私も調べていて知ったのですが、学校によっては
「おかしも」と教えてるところもあるんですね。
（『戻らない』の打ち間違い？）

このノリで考え出されたのが「いかのおすし」なんでしょうが、
内容を盛り込み過ぎたせいでやっぱり覚えられませんよねぇ。

3. Posted by ろん   2007年07月09日 23:44

あぁ、すみません…「もどらない」です。

今回、“いかのおすし”でここまで連呼したんだから、
もう、いい加減覚えてもいい頃だと思うんですけど、
まだまだのようです（笑）

4. Posted by kinoko@管理人   2007年07月10日 09:29

私もです。
もう覚えられる気がしません（笑）