2006年09月20日

点と線

「点と線」
言わずと知れた松本清張の名作のタイトルである。
一問だけの問いを解くためには点で記憶すればそれで済むことだが、こと試験や検定となると点を線に変える学習方法が肝要であり、それは応用力を養う面でも重要な意味も持つ。
さらに、その線を繋げて図形を形取る事が出来て初めて実生活や実務で活用できる知識を備えていると言えよう。
勿論その図形の形は四角形である。
四角形……四角……資格。
物事は最後に駄洒落で終える事もまた肝要である。

どうも、きのねです。

資格取得日記の第一回目は『ファイナンシャルプランニング技能検定3級』であります。

資格の概要を説明すると、FP3級とは国が公証する国家検定であり、合格するとファイナンシャルプランニング技能士という名称独占資格が貰える試験である。
合格率の高さも去ることながら、年に3回検定が実施されると言うこともあり、設置されてからまだ間もないにも関わらず結構な人数がこの資格を有しています。

司法という高い頂に登る為の第一歩として(と言うか職場の上司に半ば強要されて)ワタクシもこの度この試験を受けて参りました!

合格率の高さとは裏腹にその試験範囲は相当広く(試験対策テキストは800頁を越えていた!)のっけから嫌気がさすワタクシ。
嫌気がさしたものの、最終目標から考えるとこんな所で躓いている訳にもいかないし、合格率のことを考えると落ちたら上司に何を言われるか分らないし、試験を受けることを友人にも話をしていて、そっちからの口撃のすさまじさも想像を絶するし、とにかく受かって当たり前、落ちたら真のクズと言う覚悟を持って挑みました。

統計では合格するのに3〜6ヶ月の勉強が必要とのことだったのだけれど、そこまで時間はとれないので業務の合間を縫って1ヶ月前から勉強開始。

とにかく、ドストエフスキーの罪と罰ばりに分厚いテキストから目を通す事にする。テキストは7分冊に別れているのだが、どれからやっていいのか検討もつかないので1冊目から順番に読んでいくことにした。1冊目はFPの業務内容やそれに関する法規、ライフプランの設計などなど。この辺りは「ふむふむそう言うものか」と頷きながらスイスイと進める。2冊目は公的年金・保険、ここで再びやる気が失せる。老齢厚生年金、寡婦年金などなど全く意味不明の単語が並ぶ、読み進んで行くと言葉の意味不明さなど比較にならないぐらいに内容も意味不明な事が分ってくる。それでも我慢して途中まで読み進み、そこまで読んだ内容が全く頭に入っていない事を確認した上で(苦笑)きのね式勉強法(興味が持てない物はやらない)により「2冊目は後回しにする」ことを選択する。3冊目はタックスプランニング、税金や税金控除の類だ。非常に重要で覚える事や計算式も多いのだが、かつてクイズ研究会という異形の組織に属していた経験がここで爆発する。内容がどの様に問題化されるかぼんやりとだが分ったのである。その勘に従って自分で問題を作りながら読み解いて行く。それでペースを掴んだのか、その後の相続・事業継承、不動産、資産運用と読破し、最後に飛ばしていた2冊目の公的年金・保険に戻ってみる。脳の温度を1度五分ぐらい上げながらも何とか一通り目を通した後、過去問題に取りかかる事にした。

この時点で試験まで残り8日となっていた。
試験内容は学科が60問、実技が15問。問題数の多い学科の方は兎も角として、実技がネックだった。15問中10問正解でほぼ合格とそれほど高いハードルでは無いのだが、ひとつの分野について3問ずつ均等に出題される形式が厄介だった。つまり1−1を解けなければ1−2も1−3も間違えるという事態が起こりかねないのである。結局、実質の問題数は5問だとも言える訳だ。それを思うと範囲の広さが問題になってくる。多くのカテゴリーの中から5題が出題される為、山を張るなどと言う行為は自殺行為であり、全て万遍なく覚えて挑むべきなのである。
とは言え試験までのこり8日しかない。800頁全てを記憶する時間など皆無に等しい。
「合格には本当に3ヶ月はかかるのかも知れない」
と一瞬思ったのだが、待てよ……と思い直す。
800頁を頭に詰め込まなければならない試験にしては過去の合格率があまりにも高すぎはしないか? 学科と実技のどちらかが合格点なら次回にその科目は免除になる制度ではあるが、それを差し引いても高い合格率が腑に落ちない……。
その疑問に対する答えは過去問題を解いている内におのずと明らかになった。
800頁の内容の中で問題になりやすい物とそうでない物を区分してみると、問題になりやすい分野はそう多くはないようで、過去問にはその傾向が正に浮き彫りになって現れているのである。
「過去問を記憶すれば受かるタイプの試験」
そう結論付けて過去問集を書店で買い、納得がいくまで反復してみた。
それでも試験当日の朝の自己分析では、合格する可能性は6割ぐらいの感触であった。
取り分け実技の方はやはり最初から最後まで年金に悩まされ続けたし、過去問に出ていない分野からの出題があったとすれば、最初に一通り目を通したテキストだけの予備知識、それも反復はしていない為うろ覚えの部分だって相当ある。
何よりも試験という物が相当久しぶりで、雰囲気に飲まれはしないかと別の悩みまで抱えている始末。でも、今更どう嘆いて見たところで勉強する時間など1分も残されてはいない為、ここは腹を括るしかない状況であった。

試験会場は地元の国立大学。教室にはいると雨のせいもあって蒸し暑い。机は小学校にあったタイプの物で、それが二つ平行にくっつけてならべられていて、隣の席の人との距離は数センチしかない、とても窮屈だ。はっきり言って劣悪な環境である。
……試験にはある程度「運の要素」も必要だが、試験開始前に僕には早速その運が向く。
隣の席の人間が欠席したため、かなりゆったりとしたスペースが確保できたのである。
「でも、こんなことで運を使ってしまって良いモノだろうか?」
そんなことを思いながら学科試験開始。
今年の問題においては過去問に類似した物は予想より多くはなかったが、それでも合格ラインを確保できる数は出題されていた。残りの見慣れない問題にしても良く考えれば分るレベルで見直しをしながら自己採点をしていくと、まず問題ない水準には達している様であった。一息ついて答案を裏返し教室から出る。すぐさま煙草に火を付けて考えを巡らせる。
「これで最低限の科目合格は叶ったが、逆にどうしても実技も通りたくなって来たぞ……」
その後、一緒に受検した先輩や同僚と昼食を取る。食事が済むと皆、時間を惜しむ様に参考書を取り出し読みふける。僕も真似して参考書を取り出して開いてはみるものの、すでに腹を括っているから眺めているだけだ。

午後。実技の試験。

教室に入ると午前中とは座席が違っていて、先程のゆったり感は得られないと思っていたのだが、あろうことかまたしても隣の席の人間が欠席しているという幸運に恵まれた。
「でも、こんなことで運を使ってしまって良いモノだろうか?」
午前とまったく同じ事を思いながら実技試験開始。

1問目から3問目は住宅金融公庫のフラット35など住宅資金についての問題。
「これが出るか!」と一瞬声をあげそうになる。
テキストではフラット35について商品説明ということで1頁を割いていたが、あくまでも住宅資金融資のひとつとしての扱いであり、それが実技問題の一括りで出題されるとは全く想像もできなかった。従ってテキストでは熟読していなかったが、実務で何度も目にしている身近な物であった為、3問とも引っかかるところなく解けた。ひどく幸運な話である。

「でも、こんなことで運を使ってしまって良いモノだろうか?」
いや全然良いのだが、むしろこのポイント以外のどこで使うのだって話だが、テンパっているのでそんなことを思ったりする。

年金出るな!と思いながら次に進む。
二題目は株や債券などに関する問題。若干苦手ではあったがそれでも解る問題ばかりだった為安堵する。
年金出るな!と思いながら次に進む
三題目は所得税に関係する問題。これは過去の試験にも鉄板で出題されている為、準備には怠りがない……つもりであったが解らない問題が一問だけ含まれていた。
年金出るな!と思いながら次に進む
四つ目は資産運用に絡んだ問題。建築物の容積率なども含むバラエティーに富んだ設問であった。バラエティーに富んでいるが故に一問一問に関係性が無く、三問全滅は免れることを確認して再び安堵する。
そして、いよいよ次が最後の設問である。
年金出るな!と強く念じながら次に進む
恐る恐るページを捲るとそこには相続の問題が鎮座している。
年金は出なかった!
しかも、相続も過去においては鉄板問題であり、また最近実務の絡みで個人的に勉強していたから問題を見た瞬間に「ニイタカヤマノボレ!」などと叫びそうになったのだが、叫ぶと完全に試験会場からつまみ出されて全てが水の泡となるので心の中で「サクラサク、サクラサク」とつぶやくにとどめた。

結局終わってみると「飛んでもない勘違いをしていない限り合格しているのではないか?」との思いが強く、帰路で同僚達との簡単な答え合わせで更にその思いは増した。
合格発表は10月20日だが、模範解答はその日の内にHP上に掲載されていた。
まったく便利な世の中になったものだ。
自己採点では合格。
まあ、年金が出なかったことが非常に大きい。

でも、これはほんの通過点。いや、通過点でも無い。例えば遠足とか旅行とかの準備のようなものである。僕が人生において受けることに決めた試験はあと3つ。その全てをパスして初めて「サクラサク」と声に出して言える訳である。

次回は来年10月の宅建。

「点と線」
随分先のようだが割りと近い。


kinone7 at 16:55│Comments(2)TrackBack(1)試験体験記 【きのね検定】 

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この記事へのコメント

1. Posted by okiraku   2006年09月21日 17:35
ついに第一弾いきましたか
プレッシャーも跳ね除ける強い心臓が欲しいねぇ
合格祝いという口実の飲み会は10月20日以降だな
(笑)
わしの第一弾は5月なので、まだまだ先だ。

最近仕事が忙しく勉強する暇がない
やはりヒキコモリかぁ
2. Posted by きのね   2006年09月25日 11:49
>おきらく

では、10月20日以降に祝って(笑)
ワタクシもにわかに忙しくなって来ているけれど、最悪毎日1時間でも勉強するつもりだ、飲みに行った日以外は(わはは)

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