4.春~初夏の管理(5月下旬~6月中旬頃)
(1)戸外に出す時期
大阪では5月下旬以降となります。
最低気温15℃以上かつ、室温も同程度の時期になると戸外へ出すことができます。室温が常に20℃程度あるご家庭でしたら、もう2~3℃上がるころまで待つ方がよいでしょう。
気象庁のHPでは、過去の気象データを閲覧できるのですが、東大阪に近い八尾市で15℃を超すのは5月下旬となりますが、その頃になると、週間天気予報を確認しながら戸外へ出す時期を判断していきます。育てている方の中には、もっと早い時期からお昼間だけ戸外に出し、夕方までに室内へ取り込んで、少しでも生育期間を延ばそうとする方もおられます。
(2)遮光
概ね50~70%の遮光をして育てますが「寒冷紗」という遮光ネットが販売されていますので、一般にはそれを購入して使用します。では、どの程度の遮光が望ましいかと言えば、時期ごとに異なるのはもちろん、朝の光だけ当たる、昼だけ当たる、一日中当たるなど、ご家庭の環境によって異なってきます(朝の光と昼の光は強さがまったく違います)。
結論から言えば、葉の色や形を見て判断していただくのが最もわかりやすいかと思います。先述の通り、適切な光管理をされた葉は、ほどよい緑色をしていて、細長くなく、卵型をしており、肉厚となっているでしょう。その色や形のまま、より葉を大きくすることが目標とする葉です。
・光が不足している場合
非常に濃い緑色となる
葉が細長くなってしまう
葉が薄っぺらい感じがする
葉が下に垂れてしまう
・光が強すぎる場合
やや黄ばんでいるような色となる
上記のように葉を観察しながら(購入当初に撮影した葉の写真と比較しつつ)最終的な遮光率を決定します。
当園では、それほど日照時間は長くないこともあって、50%遮光で管理していますが、ベストは60%ぐらいに感じています。
なお、戸外に出した直後は、急に強い光に当たることにより葉焼けする場合もありますので、確実に遮光します。
(3)水やり
コチョウランの水やりの基本は「十分に乾かしてから与える」です。
ミズゴケやバークがカラカラになっても、すぐにしおれるようなことは絶対にありませんので、乾かすことが大事です。特に、戸外へ出した直後は、気温が十分ではありませんので、表面が乾いてさらに数日待ってからの水やりでも遅くはないでしょう。先述の通り、低温時に水をやりすぎて根腐れさせることが多いように思います。慣れていない方は「ここまで乾かして大丈夫なのか?」と思うくらい乾かすくらいでちょうどかもしれません。
水やりの時間は、気温が上がるまでは昼頃がよいでしょう。しかし、先述の通り、夕方には鉢の周りに散水するなど、湿度を高める水やりも大切です。
6月も終わりが近づき、最低気温が20℃を超すようになると、より積極的に水やりを行い、水やり時間も夕方に切り替えます。それでも(ミズゴケの場合)表面が十分に乾いてからでよいと思います(鉢の大きさによっては毎日。
なお、ミズゴケは乾くと水にはじく性質がありますので、何度も繰り返し与える、バケツに数分漬け込むなどの方法により与えます。
(4)施肥
施肥の基本は「成長期に与える」です。
成長しているかの判断は葉を見て行います(乱暴な言い方をすれば、花は無視してもよいくらいです)。つまり、小さな葉が出て大きくなりつつある時期に行います。戸外では6~9月がメインの時期となるでしょう。
肥料の種類は洋ラン用のものを用意し、まずはその記載の通りに与えることをおすすめします。普通の草花のように適当な肥料を与えていては確実に失敗します。そして、もともと多くの肥料を必要としない植物なので、意外なほど肥料の量は少ないです。
・液肥
もっとも入手しやすいです。週1回から2週に1回程度が一般的ですが、愛好家の方たちはそれぞれ工夫して独自の施肥方法を行っておられます。
・置肥
緩効性のコーティング肥料を使用しますが、店頭ではあまり見かけることがありません。専門店やネット販売でなら入手できると思います。液肥と置肥の両方を行っている方やどちらか一方のみの方もおられます。
吊るすと適度に風も当たって乾きやすくなるので、管理しやすい。
吊るす用の金具も洋ラン専門店で販売されている
5.夏の管理(6月中旬~8月)
最も成長の進むコチョウランにとって大切な時期です。
(1)
遮光
気温も高く、光も強いことから葉焼けを起こしやすい時期です。遮光率は50~70%。先述の通り、葉がやや黄化しているようなら遮光率を高めるとよいでしょう。もちろん、葉が細長く伸びているようならば日照不足の可能性が高いですので、逆の対応が必要となります。
(2)
水やり
もっとも水の必要な季節ですが、培地への水やりは表面が乾いてから行ってメリハリをつけます。ただし、この季節は成長期なので乾かしすぎには注意が必要です。また、潅水時間は夕方が望ましく、毎夕の鉢周りへの散水や葉水(葉にさっと水をかける)をすることによって夜間の空中湿度を高めてやります(この季節は夜間湿度が比較的高い(平年値で70%前後)季節ですが、都市部は乾燥気味なうえ、コチョウランは夜間湿度80%程度の多湿を好みます)。
(3)
施肥
液肥や置肥を引き続き与えます。
6.秋の管理(9~10月中旬)
この時期になると、葉の成長も終わりに近づき、花茎が伸びだしている株が多くなります。
(1)遮光
遮光率は50~70%。夏と比較して50%で問題ないご家庭も多いかもしれません。
(2)水やり
9月も終わりに近づくと、最低気温が20℃を切る日も多くなり、やや乾きにくくなりますので、水やりの回数は少なくなるでしょう。また、時間もお昼ごろに変えていきます。さらに、最低気温、温度が15℃程度まで下がると、葉も成長しなくなります。成長期が終わると多くの水を必要としない上、潅水過多で根腐れする場合もありますので、表面が乾いてさらに数日待って与える程度で十分です。
(3)
施肥
葉の成長が止まるとともに肥料は与えなくても問題ありません。最低気温、温度が18℃程度保っており、日差しも十分確保できる環境ならば夏の施肥量の1/2,1/3程度は与えても問題ないでしょう。
(4)
室内への取り込み
最低気温が18℃を下回るころから室内への取り込みを意識します。夜間も暖房がかかっており、日差しの入る窓辺の置き場所を確保できるご家庭なら18℃を下回る頃から、その他のご家庭では、15℃近くなる頃から室内管理とします。
次が最終回となります。


























































