紀尾井文学会

上智大学紀尾井文学会の公式ブログです。日々の活動報告から書評なぞまで。

ソフィア祭講演会

ソフィア祭講演会

2013年11月2日に行われた当会主催の中村文則講演会が大好評のうちに終わりましたことをご報告いたします。ここ数年では類を見ない盛況ぶりで、こちらとしましても嬉しい限りです。ご来場してくださった皆様、大変ありがとうございました。

これからも中村文則先生、及び紀尾井文学会の活動への支援をお願いします。

中村文則講演会のお知らせ

紀尾井文学会では、ソフィア祭、11月2日に芥川賞受賞作家の中村文則先生をお招きして講演会を開催します。
詳細は、以下の通りです。

日時:11月2日 13:30開場(14:00講演開始、15:30終了予定)
場所:上智大学3号館1階 3-123教室

学内・学外問わず、どなたでもご参加いただけます。是非、足をお運びください!

『何もかも憂鬱な夜に』中村文則作品ブックレビュー

2年のLです。いつもながらなんと分かり易いイニシャルだこと。

ソフィア祭講演会ブックレビュー企画、遅くなりましたが第二弾です。

『何もかも憂鬱な夜に』

中村作品の主人公は宿命的に世界から拒絶された存在として生まれ、成長している。読んでいるとそう思うはずです。本作品の主人公も施設に生まれ、常に世界との隔たりを否応なく意識させられながら社会人となり、未だに苦しんでいる。

しかし、この作品を通読してみると、それは少し違うのではないかなと思えてきました。詭弁のように見えるかも知れませんが、これは本質的な違いのように思えるので、このブックレビューのメインテーマとして書いてみたいと思います。

前提として、中村文則氏という方は一般に純文学作家と呼ばれるカテゴリーに含まれる作家であり、そのカテゴリーの中でも特に日本的な意味合いの強い、私小説と言ってしまうと語弊がありますが、個人的な問題を常に作品の核として創作される作家であると云う断定をしておきます。つまり、氏の作品の現在は氏の現在と連動しており、過去もまた然りということになります。

先ほど「宿命」という言葉を使いましたが、この言葉を最も明確に作品の中核となして創作を行った小説家は、おそらく中上健次であり、またこれはなかなか西洋の小説には見られない問題意識であるのですが、中村氏の作品の中核にある問題意識も、言語化すればこの「宿命」そして「運命」ということになると思います。
「人間と、その人間の命は、別のように感じるから。......殺したお前に全部責任はあるけど、そのお前の命には、責任はないと思ってるから」
本作品の終盤で、刑務官である主人公が、死刑囚に対して語る言葉です。この下りを読んだときに「おや?」と思いました。中村作品の主人公が感じている「拒絶」は、「宿命」ではないのではないかと。

つまり、作品の主人公が感じている世界からの拒絶、或は現実世界に於ける異物感というものは、作品の中では宿命的なもの、所与的なものとして設定されてはいますが、作者の意識としては、「拒絶」というのはあくまで作品(作者)の現在に「のみ」関わるものであり、宿命的なもの(つまり現在完了形としての拒絶)というのはその現在から逆算して作られた「物語」なのではないだろうか、ということです。「物語と云えば作品自体物語だろう」と思われるかも知れませんが、前提としてある作者と作品の関連性から考えれば「物語」のここでの意味合いもお分かり戴けると思います。

この作品に関して云えば、その解釈から導きだされるのは「存在(生命)の絶対肯定」ですが、別の作品では違う出口があるようにも思えます。なにか、作者自身手探りをしているような。抗っているような。

講演会の際に、差し支えがなければ是非聞いてみたいと思います。

迷宮

 三年のKです。今年のソフィア祭では中村文則先生をお招きして講演会を催すこととなりました。
 それにあたって今年もブックレビューの企画をやります。

 今回僕は中村文則先生の作品では新しい方の作品をブックレビューすることになりました。作品は『迷宮』。あらすじは次の通りです。

 

「僕」が何気なく知りあった女性は、ある一家殺人事件の遺児だった。密室状態の家で両親と兄が惨殺され、小学生だった彼女だけが生き残った。「僕」は事件のことを調べてゆく。「折鶴事件」と呼ばれる事件の現場の写真を見る。そして……。巧みな謎解きを組み込み、圧倒的な筆力で描かれた最現代の文学。著者最高傑作。
新潮社の紹介ページ http://www.shinchosha.co.jp/book/458805/ より


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ソフィア祭講演会2012アンケートより

2012年11月1日に行われた当会主催の角野栄子講演会「児童文学と魔法」が好評のうちに終わりましたことをご報告いたします。ご来場くださった皆様、大変ありがとうございました。

さて、ご来場の皆様にご記入いただきましたアンケートの中に角野先生への質問がございました。
「今後、紙媒体に代わり電子書籍の児童書が増えていくのでしょうか」
(女性、上智大学文学部ドイツ文学科)

講演会後の部員との懇談会にて先生のご意見を伺ったところ、
「児童書は大人向けの本と違い、挿絵などの、電子化が難しい要素の占める割合が大きい。また絵本などは文庫、新書など画一的な本と違い本の規格、構造が魅力となっているものも数多い。したがって、児童書が電子化されるかとは全くないわけではないにせよ多くはないのではないか」
とのことでした。どうぞよろしくお願いします。

これからも角野栄子先生、および紀尾井文学会の活動へのご支援をお願いしつつ。

では。
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