大学生活における最大の敵は単位ではなく長すぎる休暇ですね。間違いなく。週の半分はアルバイトに費やし、残りの半分は仲間と共に繁華街を練り歩く若者を眺めることに費やして、そしてそんな生活があと1か月続くことに今更ながら愕然としている文学部1年のLです。(なんて苗字の特定しやすいイニシャル......)

 さて、2012年度ソフィア祭作家講演会にお招きする方が児童文学者の角野栄子先生に決定した、ということはまだ公にはしていなかったと思うのでこの場を借りて発表、もしくはご報告申し上げます。併せて角野栄子ブックレビューの開始も。
 ブックレビュー第1回目の作品は2012年8月時点での角野先生の最新作品。版元は小峰書店、絵ははたこうしろうさんが手がけています。小峰書店のウェブサイトに載っている内容紹介をそのまま引用されていただくと、

〈ヒロとタッちゃんの家の階段にすんでいるふたごのおばけ、ダンダンとドンドン。ふたごなのに、いつもいうことがはんたいなんだって。なかよくなるには、草木もねむる「うしみつどき」まで、おきてなくっちゃ!?〉

だそうです。小学校低学年くらい向け。2010年12月に同じ小峰書店から出版された『ひゅーどろどろかべにゅうどう』という作品と共に、「おばけとなかよし」というシリーズを構成しています。

 とても可愛らしいおばけの話です。可愛いおばけの話というものは巷に幾らでも出回っているものですが、この作品の秀逸なところは、「おばけ」というものを「人外のもの」つまり本来的に人間と異なる性質を持ち、人間と異なる空間に棲むものとして捉えた、その意識のもとで書かれているというところでしょう。自分たちと根本的に相容れないものと交わるためには一定の手続きが必要であり、逆にその手続きを踏めば彼らとも仲良くなることができる。非常にやさしく噛み砕かれたお話の中でもそのような、東西を問わず世界各地の文化の中に受け継がれてきた「おばけ」との付き合い方が自然とわかるようになっている作品です。少年期の「おばけ教育」に是非。

では。