( ´∀`)こんにちわ

原稿の締め切りまであと一ヶ月を切ったということで、
紀尾井の原稿もそろそろ本腰いれなきゃですね。

『チャイルド44』はこのミス2009の海外版第1位に選ばれたほか、
映画化の話もあり、凄く評価されてる作品みたいです。

本の内容がまじめなので、
わりとまじめなレビューを

スターリン体制下のソビエトロシアでの出来事。
モスクワの国家保安省に所属するレオ・デミドフ捜査官は、
国家の安全を守り、反共産党的な人物を狩る仕事をしている。
ある日、彼の部下フョードルの息子が、奇妙な"しるし"を残して殺されたという報告があった。

しかし、レオはその報告を聞いてこう思う。
「社会主義の理想を実現したこの国では、殺人という犯罪など存在しない。
 それは集団ヒステリーにすぎず、共産党の基盤を揺るがす危険な考えだ。
 この社会に犯罪は存在しないという基盤を、だ」

かくして事件は不幸な事故として葬りさられる。
だが、それは恐ろしい出来事の氷山の一角に過ぎなかった・・・・・・

この本が最も効果的に使っているのは
スターリン体制下の、ソ連という社会でした。

そこでは、犯罪はあってはならないものとして闇から闇へ葬り去られます。
不穏な動きをした人間も密告され、摘発され、銃殺刑を受けます。
殺人事件を追った人間すら、「社会主義を疑う者」として殺されます。
国家のために全てを捧げなければ、生きていけません。

このソ連社会の描写には、もはや脱帽するしかなかったです(((( ;゚д゚)))
そして、そんな暗い世界の中でも、主人公が活躍する様子が
生き生きと描かれているのに驚きました。

国家保安省という、まさに国家の手先、人民を摘発する側だったレオ。
しかしそんなレオ自身が国家から追われるようになったとき、
そこに凄まじい心情の変化が現れます。

自分が生きるのを諦めてでも、殺人犯を追う必要があるのか?
自分が生きるために、周りの人間を売るべきなのか?

そういった選択に迫られる主人公の姿に、
自分はソ連社会の恐ろしさを垣間見た気がしました。

作品中で使われているトリックは、ミステリの中では軽いほうです。

本格ミステリ大好きな(T代表みたいな)人には
ちょっと物足りないかな?という感じですが、
エンタメ系が好きな人は気に入るんじゃないかと。

文章力に優れた傑作だと思います

チャイルド44 上巻 (新潮文庫)チャイルド44 上巻 (新潮文庫)
著者:トム・ロブ スミス
販売元:新潮社
発売日:2008-08-28
おすすめ度:4.0
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