紀尾井文学会

上智大学紀尾井文学会の公式ブログです。日々の活動報告から書評なぞまで。

伊坂幸太郎

『砂漠』 伊坂幸太郎

青春小説であります。

そして、伊坂節を楽しむ本です。

なんて言うか青春だし、読んでるこっちがにやにやしてしまうし、
なんだかんだで心に来るし。王道だと思います。
主人公がちょっとだけひねくれている(この表現が妥当かは微妙ですが)のも好感度高いです。

あと、麻雀が出てくるのが個人的には嬉しいです。
やっぱり大学生と言えば、麻雀なんです。
いくら考えが古いと言われようと譲るつもりはありません。
大学生=麻雀。この図式は永遠に崩れるべきではないのです。
ようは、皆で麻雀をしましょう、という話です。嘘です。すいません、ふざけ過ぎました。
楽しくて、ほろ苦くて、青臭くて、ちょっとだけ驚いて、笑って。そんな本です。


砂漠 (Jノベル・コレクション)砂漠 (Jノベル・コレクション)
著者:伊坂 幸太郎
販売元:実業之日本社
発売日:2008-08-01
おすすめ度:4.0
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『オーデュポンの祈り』  伊坂幸太郎

コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。
江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。
嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、
人語を操り、「未来が見える」カカシ――。

こういった紹介文で有名なこの作品ですが、伊坂幸太郎の小説のエッセンスが濃く凝縮されているように感じました。
まだ伊坂幸太郎を読んだことがないという人にオススメしたい本です。
これがデビュー作とは正直思えないです。
ミステリ、推理小説という形をとっているものの、その謎を意識しなくても読み応えがありました。
荻島という箱舟の中で、不思議な人物、不思議なできごとが次々あらわれるわけですが、その手法が凄い。
現実離れした話を人に信じさせるというのは難しいことで、詳しい理屈を作って並べると、逆に読者が意識してしまい「なんだかんだ言ってもこれって小説でしょ?」と引いてしまうのが普通です。
ところがこの人の書く小説ではほとんどの場合、理由を直接は説明しない。
少なくとも登場人物が露骨に語ることはない。
けれど、小説全体の中に、理由らしきものが断片的にちりばめられている。
繋ぎ合わせれば理由が見えてくるけれど、説明はしない。
作者はヒントを与えるだけ。

露骨に語らないからこそ「こういう不思議なことも、実は起こりうるのかも……」と思わせる技術。
それが伊坂幸太郎は非常にうまいんじゃないかと思います。

オーデュボンの祈り (新潮文庫)オーデュボンの祈り (新潮文庫)
著者:伊坂 幸太郎
販売元:新潮社
発売日:2003-11
おすすめ度:4.0
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