二十歳の原点 (新潮文庫)
二十歳の原点 (新潮文庫)
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このままではいけない。問われたときに何かは返すが自分の答えや姿勢にどうも自信が持てない。芯が足りていないような気がする。そんなときにぜひ手に取って欲しい一冊。著者はそのような自らの姿を「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」と綴ってみせる。二十歳の年から自殺する直前までの半年間に書かれた日記は読者の深い共感と思索を呼びおこすだろう。自殺という結末からは暗いだけの内容を連想するかもしれないが、決してそんなことはない。ここにあるのは現代にも通ずる等身大の大学生の日常と思考である。自分をどのように捉え、深めていくかということを考えるとき、この本は生きることそのものと誠実に向き合うことを示すことで、あなたに寄り添い、勇気付けてくれる。僕たちはたしかに「独り」だが、しかし、その傍らには常に同じようにして悩む別の「独り」の姿があるのだ。(O)