「はい、次はここを伸ばしましょう」

霧島温泉郷の中心部にあるセンターの訓練室。

男性患者のまひした右手に手を添えて、川平教授が声をかける。
患者の人さし指を素早く内側に折り曲げた後、指を伸ばす。

「こうすると、刺激が脳に伝わり、患者さんは自分の力だけで動かすよりも
はるかに楽に人さし指を伸ばすことができるんです」
と川平教授は話します。

これを繰り返すと、
脳の人さし指を動かす部分だけが興奮して、神経回路が強化されるという治療法

刺激を与えるため、男性患者に施した「手関節の伸展と屈曲」のほか、
筋肉が引き延ばされると収縮する「伸張反射」、
皮膚に刺激を与えると周囲の筋肉が収縮する作用などを利用するとの事。

リハビリ動作は指やひじ、肩など上肢8パターン、
下肢3パターンがあり、まひの程度に応じて選択します。

それぞれを1日100回繰り返す。

靭帯(じんたい)などをつくるタンパク質が柔軟化して
関節や筋肉の弾力性が高まる温泉の効果を利用しながら、
まひした部位をセンター内の温泉で温めてからリハビリをするのもポイント。

川平教授は、
「神経回路が切れていなければ、まひをかなり回復させられる」
と話します。