問い:脳梗塞の急性期について教えて下さい。

答え:
初めの症状は、
軽い脱力やしびれの程度から
重度の意識障害まで様々であり、
数時間から数日に渡って徐々に具合が悪くなっていくこともあります。

また、症状が軽いからといって
病気の程度も軽いとは限りません。

もちろん、
症状が軽いうちほど、また症状が出てから早くに
医療機関を受診した患者さんほど、治りは良いし、
入院期間は短くて済みます。

そのため、
出来る限り早い時期に
医療機関を受診することが最も重要
となります。

検査としては

頭部のCT、
MRI(磁気による画像)あるいは
MRA(磁気による脳血管撮影)の他、
頚部のMRAや超音波検査、
脳血管撮影、
心臓超音波検査、
ホルター心電図、
髄液検査、
脳波等検査、

が必要に応じて行われ、
その結果は診断や治療に役立てられます。

この時期の治療は、
全身状態を把握し、
脳浮腫を取り除き、
生命の危機を取り去ることに重点が置かれ、
主に点滴を行います。

更に、

感染症、
消化管出血、
心筋梗塞等の合併症を予防あるいは治療し、
早期からのリハビリテーション(リハビリ)も開始します。
時には、緊急手術が必要なこともあります。


問い:脳梗塞の慢性期について教えて下さい。

答え:
内科的管理は
内服薬が主体となり
リハビリが治療の中心となる時期
です。

脳血管障害では
約10%が早期に機能障害を残すことな
く完全に回復すると言われており、
70%以上の患者さんが
何らかの後遺症のための
慢性期リハビリが必要になります

しかし、

残念ながら発病から1ヶ月以内に
10~12%が死亡してしまいます。

また、
麻痺に関しては、
発症後1ヶ月までが比較的回復しやすいのですが、
その後回復が鈍り、
3ヶ月で8~9割り、
6ヶ月で9割以上の回復が終了してしまいます。

一般的に
6ヶ月以降の回復はほとんどないといって良いのですが、
廃用による筋力低下の要素が関与している場合は
改善の余地があり、
症例によっては訓練効果を期待できることもあります。

慢性期には、
医師、理学療法士、
作業療法士あるいは看護婦(士)等に
よく相談をし、
根気強くリハビリを続けていきましょう。

問い:退院後について教えて下さい。

答え:
定期的な通院によって
全身状態の管理と
脳梗塞の再発の予防を行っていきます。

在宅でのリハビリは
入院中のリハビリを継続することが可能ですし、
必要に応じて
医師、理学療法士、作業療法士、
看護婦(士)から訓練内容の
アドバイスを受けることもできます。

また、脳梗塞のために
身体障害者の障害等級に該当する
身体機能障害が残存すれば、
通常は発症後6ヶ月以上を経てから
その障害等級を申請することになります。

退院後は患者さんが
家族に頼りがちになり、
家族もその要求を
安易に受け入れることがあります。

そうすると、
患者さんの日常生活の自立度が
徐々に低下し、
生活のリズムが乱れ、
意欲の低下や痴呆の悪化が引き起こされます。

これを防ぐには、
可能なことを出来る限り自分で行うように
心掛けること、
新聞や本を通して
外部からの様々な刺激を受けること、

十分な睡眠と早寝早起きによって
日常生活を規則的に行うことが大切です。

また、持病が十分にコントロールされている患者さんでは、
主治医から
日常生活の特別な制限を受けていなければ、
軽作業、散歩あるいはゲートボール等の
軽い運動をしても問題ありません。

しかし、汗を沢山かくほど
あるいは疲れを翌日まで残すほどの
運動は行わないようにし、
主治医と相談の上で
徐々に運動の強度と時間を増していくと良いでしょう。

更に、地域活動としての老人会や
行事等に参加することは、
身体活動を増加させるとともに、
友人との会話などを通して
有意義な知的活動にもつながりますのでお勧めします。

トイレや浴室を利用するときは
予め部屋を暖かくしておきましょう。
更に、便器は洋式で加温できるものが良く、
風呂の温度はぬるめのお湯とし、
長湯は避けましょう。