げーむ部屋

アニメ・映画・読書などを通じて、フィクション・ノンフィクション問わずTRPGのネタになりそうなものを幅広く集めています。

アメリカの都市伝説上の怪異。
とても恐ろしい怪物ということは伝わっているが、誰もその姿を見たことが無い謎の存在で、以下のような話の中に登場します。

ある二人の兵士が、危険を冒して生け捕りにしたガイアスカタスを見物料をくれれば見せると宣伝すると、人々が大勢集まってきて、入場券は完売します。
集まった大勢の人々の前で、まず一人の兵士がガイアスカタスがいかに恐ろしい動物であるかということを説明し、もう一人はカーテンの向こうでなるべく恐ろしい声を出します。
観客が次第に不安になってきたころ、説明をしていた兵士が突然「大変だ!ガイアスカタスが逃げ出した!」と叫び、観客たちに避難を促します。
するとすっかり彼の説明と演技を信じ切った観客たちは我先にと逃げ出すのです。

勿論、ガイアスカタスを直接見た人間はおらず、ガイアスカタスは謎の怪物のままです。

兵士たちに騙された人々は、存在しない架空の怪物への恐怖を体験するというわけです。

「コンテイジョン」は、スティーブン・ソダーバーグ監督による2011年のスリラー映画です。

香港出張からアメリカに帰国したベス・エムホフは体調を崩し、2日後に亡くなります。
時を同じくして、香港で青年が、ロンドンでモデルが、東京ではビジネスマンがそれぞれ謎のウイルス感染により突然倒れます。
新型ウイルスは、驚異的な速度で全世界に広がっていったのでした。

未知の致死性ウイルスが猛烈な勢いで世界中に拡散していく中、各国関係当局の懸命の対策もむなしく、恐怖と混乱が人々を支配していく様を、ドキュメンタリータッチで描いた作品。

何が凄いって、本作にて描かれている、デマと陰謀論の拡散、医療従事者の感染および伝染、無症状のまま感染を広げる可能性、買い占めや都市封鎖などの事態が、2019年末から始まったCOVID-19の世界的な感染拡大に伴い現実に発生していること。
図らずも本作における考証や予測の適確さを裏付けることとなっている点でしょうか。
その意味では、実に良く出来たディザスター映画です。

それだけでも観応えは充分なのですが、加えて、本作はキャストも豪華。
マット・デイモン、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレット、グウィネス・パルトローなど錚々たる顔ぶれが出演しています。

さらに、個人的にツボだったのは、その構成の素晴らしさ。
ウイルス発生2日目から物語が始まり、世界的に感染が拡大していく様子が描かれるのですが、最後にウイルス発生1日目の様子が描かれて幕となるのは実に良かったです。

群像劇となっているため、様々な視点からパンデミックを描いた作品。
その考証の適確さから、資料的価値も高いのではないでしょうか。

現在「トーグ エタニティ 基本ルールブック」の日本語版が新紀元社より発売されています。
本作は、ウェスト・エンド・ゲームズ社のTRPG「トーグ(TORG)」の最新版。
2010年に同社が操業を停止し、ドイツのゲーム会社、ユリシーズ・シュピールが版権を購入、2017年にデザインを一新し、キックスターターにて出版したものの日本語版にあたります。

「トーグ」の大きな特徴は、多様な世界観。
これは、複数の、異なるリアリティを持つ「コズム(世界)」から、自らのリアリティを引き連れてやってきたリアリティ略奪者によって侵略を受けている地球を舞台としていることから来ています。
ざっくり言ってしまうと、ひとつのゲームで、現代ものからファンタジー、サイバーパンク、パルプフィクション、ゴシックホラーなど、様々なジャンルを扱っているのです。

その新版となる本作は、旧版とは別の「コズムバース」を扱っているという設定。
なんだかちょっとわかりにくいですが、我々の世界である「コアアース」は、無数のコズムの集合体であるコズムバースの一つに過ぎません。
そしてそのコズムバースも、無数のコズムバースの集合体である「インフィニバース」の中の一つに過ぎないのです。
つまり、本作の世界は旧版とは別の世界の話であるということになります。

そんな感じで、旧版では設定が膨らみ過ぎて色々とおなかいっぱいだった設定も仕切り直し。
本作は、情報量からすればそのほんのさわりを紹介したもの、といった印象があります。
ですが、必要な情報はしっかりと押さえられており、導入としては充分と言えます。

加えて、ルール面では、より現代風に洗練されたというのが正直な感想。
全体の構成も読みやすくなっており、その点の評価は高いです。
一方、キャラクターのテンプレートが無くなったのは、賛否が分かれるところでしょうか。

カードも付いて、コンポーネントとしても完成度の高い基本ルール。
今後の展開に期待が膨らみます。

このページのトップヘ