第2節 息切れ
1.息切れとは
息切れとは運動等により息が苦しくなり、短い呼吸を繰り返す状態のことで、
症状が強いと呼吸困難となります。息切れではまず、肺疾患を考えます
(しかし肺は心臓との関わりが密接なため、進行すると心臓も悪くなり、
肺性心となります)。ちなみに動悸は心疾患を考えます。
※循環経路
肺 → 左心 → 体循環 → 右心 → 肺
左心不全は肺の症状(肺うっ血、息切れなど)を呈し、
右心不全は体循環の症状(足の浮腫、門脈圧亢進→腹水)を呈します
2.原因分類
息切れの原因には
1.空気が十分に肺胞まで入らないもの(気道通過障害・閉塞性障害)と、
2.空気は十分肺胞まで入ってくるが酸素の取り込みが不足する
もの(拘束性障害)とがあります。
1)空気が十分に肺胞まで入らないもの
〇気道通過障害(閉塞性呼吸障害)
慢性気管支炎、気管支喘息、肺気腫など
2)空気は十分肺胞まで入ってくるが酸素の取り込みが不足するもの
〇肺の伸展性低下(拘束性呼吸障害)
肺炎、気管支拡張症、気胸、肺線維症
※1)(慢性気管支炎、気管支喘息、肺気腫)と2)(肺炎、気管支拡張症、気胸、
肺線維症)については「下気道症状」を参照のこと。
〇心臓障害による肺うっ血
心不全、心臓喘息
〇血液成分が悪い
貧血、アシドーシス
①心臓喘息
心臓がうまく血液を押し出せないために、血液が肺に溜まり、
その血管の水分が血管から器官に染み出てきて、
その結果呼吸困難が起こります。左心不全の症状です。
睡眠時に仰臥位をとると、心不全の結果、身体下部に浮腫として
存在する組織液が血液中に入り心臓に負担をかけます。
そのため夜間睡眠中に発作性呼吸困難を生じます。
②肺性心
心臓自体に原因疾患はありませんが、肺疾患のため肺動脈の抵抗性が増して
肺動脈圧が亢進し、右心室の加重負荷となり右心不全を起こします。
最も多い原因疾患は長期の気管支喘息で起こる慢性肺気腫
(肺が膨らんだままの状態。
咳などで肺胞同士がつながり大きな空間となる)で、
肺症状として咳嗽・息切れ・右心不全。
体循環うっ血症状として、足の浮腫・静脈怒張・門脈高血圧症による
肝腫大・腹水などが起こります。
③貧血
血液中のヘモグロビンの酸素飽和度が100%であっても、
ヘモグロビンが減少していれば、血液全体として酸素含有量は低下
し呼吸困難となります。
④アシドーシスとアルカローシス
血液中のペーハーが酸性に傾いた状態をアシドーシス、アルカリ性に
傾いたものをアルカローシスといいます。
血液中のペーハーの正常値は、7.35~7.45。
アシドーシスになる代表的なものの一つに、
呼吸不全による血液中の炭酸ガスの溜まり過ぎがあります。
もう一つは、ケトン体増加です。糖尿病でインスリン不足のため、
血液中の糖を組織がエネルギーとして利用できない状態です。
代償として脂肪を分解してケトン体を産生し、
身体組織はこれをエネルギーとして利用するようになります。
このケトン体は最終的に、CO2と水になるので、炭酸ガスが
血中に増加することになり、アシドーシスになります。
アシドーシスの原因
呼吸器性:CO2排泄障害
代謝性 :ケトン体増加(糖尿病)
アルカローシスの原因
呼吸器性:過呼吸
代謝性 :塩酸の消失(嘔吐)
1.息切れとは
息切れとは運動等により息が苦しくなり、短い呼吸を繰り返す状態のことで、
症状が強いと呼吸困難となります。息切れではまず、肺疾患を考えます
(しかし肺は心臓との関わりが密接なため、進行すると心臓も悪くなり、
肺性心となります)。ちなみに動悸は心疾患を考えます。
※循環経路
肺 → 左心 → 体循環 → 右心 → 肺
左心不全は肺の症状(肺うっ血、息切れなど)を呈し、
右心不全は体循環の症状(足の浮腫、門脈圧亢進→腹水)を呈します
2.原因分類
息切れの原因には
1.空気が十分に肺胞まで入らないもの(気道通過障害・閉塞性障害)と、
2.空気は十分肺胞まで入ってくるが酸素の取り込みが不足する
もの(拘束性障害)とがあります。
1)空気が十分に肺胞まで入らないもの
〇気道通過障害(閉塞性呼吸障害)
慢性気管支炎、気管支喘息、肺気腫など
2)空気は十分肺胞まで入ってくるが酸素の取り込みが不足するもの
〇肺の伸展性低下(拘束性呼吸障害)
肺炎、気管支拡張症、気胸、肺線維症
※1)(慢性気管支炎、気管支喘息、肺気腫)と2)(肺炎、気管支拡張症、気胸、
肺線維症)については「下気道症状」を参照のこと。
〇心臓障害による肺うっ血
心不全、心臓喘息
〇血液成分が悪い
貧血、アシドーシス
①心臓喘息
心臓がうまく血液を押し出せないために、血液が肺に溜まり、
その血管の水分が血管から器官に染み出てきて、
その結果呼吸困難が起こります。左心不全の症状です。
睡眠時に仰臥位をとると、心不全の結果、身体下部に浮腫として
存在する組織液が血液中に入り心臓に負担をかけます。
そのため夜間睡眠中に発作性呼吸困難を生じます。
②肺性心
心臓自体に原因疾患はありませんが、肺疾患のため肺動脈の抵抗性が増して
肺動脈圧が亢進し、右心室の加重負荷となり右心不全を起こします。
最も多い原因疾患は長期の気管支喘息で起こる慢性肺気腫
(肺が膨らんだままの状態。
咳などで肺胞同士がつながり大きな空間となる)で、
肺症状として咳嗽・息切れ・右心不全。
体循環うっ血症状として、足の浮腫・静脈怒張・門脈高血圧症による
肝腫大・腹水などが起こります。
③貧血
血液中のヘモグロビンの酸素飽和度が100%であっても、
ヘモグロビンが減少していれば、血液全体として酸素含有量は低下
し呼吸困難となります。
④アシドーシスとアルカローシス
血液中のペーハーが酸性に傾いた状態をアシドーシス、アルカリ性に
傾いたものをアルカローシスといいます。
血液中のペーハーの正常値は、7.35~7.45。
アシドーシスになる代表的なものの一つに、
呼吸不全による血液中の炭酸ガスの溜まり過ぎがあります。
もう一つは、ケトン体増加です。糖尿病でインスリン不足のため、
血液中の糖を組織がエネルギーとして利用できない状態です。
代償として脂肪を分解してケトン体を産生し、
身体組織はこれをエネルギーとして利用するようになります。
このケトン体は最終的に、CO2と水になるので、炭酸ガスが
血中に増加することになり、アシドーシスになります。
アシドーシスの原因
呼吸器性:CO2排泄障害
代謝性 :ケトン体増加(糖尿病)
アルカローシスの原因
呼吸器性:過呼吸
代謝性 :塩酸の消失(嘔吐)