1.胸痛について
胸痛に胸壁に起因するものではなく、心臓や肺の疾患から
起こる胸痛は基本的には鍼は適応外です。
1)体壁痛or胸壁痛
体壁痛の特徴として、本人が痛む部位を狭い範囲で示すことが
でき(指で示せる)、体動時に痛みがひどくなりますが、
それに対して内臓からのものは痛む部位を掌で示し、
特に体動時に痛むといったことはありません。
※心臓神経症の本人の訴えは内臓痛に似ています。
2)体壁痛の鑑別
棘突起の叩打痛があった場合、
胸椎の圧迫骨折や胸部変形性脊椎症を考えます。
肋間神経に沿った痛みであれば、肋間神経痛、帯状疱疹後神経痛、
胸壁の痛みなら、肋軟骨炎、肋骨骨折、筋筋膜痛を考えます。
3)内臓痛の鑑別
消化器が原因なら胸焼けや悪心を伴うことが多く、
この場合食道炎を考えます。
肺・気官枝からのものなら、咳・呼吸困難を伴い、呼吸時に痛みます。
心臓に原因がある場合、左胸に痛みが出ることが多く、
また不整脈を伴います。
2.動悸・息切れについて
1)動悸では、ます心疾患を考えます。
しかし進行すると心肺ともにやられ、左心不全となります。
左心不全は心臓(左心)から出ていく血液よりも、
入ってくる血液の量のほうが多く、 肺うっ血をきたします。
肺うっ血の主訴は「息切れ」。
夜間には、日中に全身に貯まった水分が血液中に入るために、
心臓への負担が増え、夜間発作性呼吸困難(心臓喘息)をきたす
ことがあります。
頻度の多い虚血性心疾患胸痛で、このときの主訴は左胸痛です。
2)息切れ
息切れは、肺疾患を考えます。
しかし進行すると肺心ともにやられ肺性心となります。
肺性心では、右心室へ流れ込む血液に抵抗が生じ右心不全となり、
全身の静脈うっ血をきたします。
3)非心肺疾患
いずれも、症状の一つとして動悸は起こりやすいですが、
息切れはあまり出ません。
①貧血 → 動悸・息切れ
ヘモグロビン数減少によって各組織の酸素不足を起こします。
これを代償しようと心拍数が増加して動悸を生じます。
②甲状腺機能亢進症 → 動悸
洞性頻脈(100回/分以上の脈のこと)に伴い動悸が起こります。
他疾患に甲状線種、精神的イラつきetc.
③低血糖 → 動悸
反射性に交感神経が緊張することによって起こります。
他症状として、空腹時冷や汗、ふるえ、失神。
食後数時間して発症します。
④呑気症 → 心窩部痛、動悸
横隔膜が挙上し心肺を圧迫し起こります。
他症状として、胃膨満感、ガス、げっぷ。
⑤心因性・自律神経失調症
過換気症候群、心臓神経症、ヒステリー、更年期障害、自律神経失調症
3.胸部内臓の体壁反射
肺 : 交感神経-、 副交感神経+、横隔膜神経+
気管 : 交感神経-、 副交感神経+、横隔膜神経-
食道 : 交感神経-、 副交感神経+、横隔膜神経?
心臓 : 交感神経T1~T4、 副交感神経+、横隔膜神経+
1)各臓器の内臓体壁反射
①肺実質の内臓体壁反射
肺の実質に知覚はほとんどなく、肺のある体表部位の反応もあまり
みられません。
肺疾患で胸痛を生ずるのは、炎症が胸膜や縦隔に及んだ場合です。
肺結核や肺がんの初期に自覚症状がないのはこのためです。
②気管の内臓体壁反射
気管と大気管支に知覚あありますが、中小気管支にはありません。
③心臓の内臓体壁反射
冠血流量が不十分となり、心筋が酸素不足となり、
心臓を支配する交感神経が 興奮して狭心痛が起こる。
2)内臓体壁反射と鍼灸治療
一般に内臓治療に際しては、兪募配穴治療のように、
体幹前面と体幹後面から 病変内蔵を挟むように鍼灸治療を行うことが多い。
これは体幹の両側面に交感神経反応があることを
前提として成立する理論です。
心疾患においては交感神経反応が明瞭なため、
兪募肺穴も有効と考えられますが、
肺・気管支疾患では、交感神経反応が不明瞭なため、
その効果やメカニズムもブラックボックスの中ということになります。
胸痛に胸壁に起因するものではなく、心臓や肺の疾患から
起こる胸痛は基本的には鍼は適応外です。
1)体壁痛or胸壁痛
体壁痛の特徴として、本人が痛む部位を狭い範囲で示すことが
でき(指で示せる)、体動時に痛みがひどくなりますが、
それに対して内臓からのものは痛む部位を掌で示し、
特に体動時に痛むといったことはありません。
※心臓神経症の本人の訴えは内臓痛に似ています。
2)体壁痛の鑑別
棘突起の叩打痛があった場合、
胸椎の圧迫骨折や胸部変形性脊椎症を考えます。
肋間神経に沿った痛みであれば、肋間神経痛、帯状疱疹後神経痛、
胸壁の痛みなら、肋軟骨炎、肋骨骨折、筋筋膜痛を考えます。
3)内臓痛の鑑別
消化器が原因なら胸焼けや悪心を伴うことが多く、
この場合食道炎を考えます。
肺・気官枝からのものなら、咳・呼吸困難を伴い、呼吸時に痛みます。
心臓に原因がある場合、左胸に痛みが出ることが多く、
また不整脈を伴います。
2.動悸・息切れについて
1)動悸では、ます心疾患を考えます。
しかし進行すると心肺ともにやられ、左心不全となります。
左心不全は心臓(左心)から出ていく血液よりも、
入ってくる血液の量のほうが多く、 肺うっ血をきたします。
肺うっ血の主訴は「息切れ」。
夜間には、日中に全身に貯まった水分が血液中に入るために、
心臓への負担が増え、夜間発作性呼吸困難(心臓喘息)をきたす
ことがあります。
頻度の多い虚血性心疾患胸痛で、このときの主訴は左胸痛です。
2)息切れ
息切れは、肺疾患を考えます。
しかし進行すると肺心ともにやられ肺性心となります。
肺性心では、右心室へ流れ込む血液に抵抗が生じ右心不全となり、
全身の静脈うっ血をきたします。
3)非心肺疾患
いずれも、症状の一つとして動悸は起こりやすいですが、
息切れはあまり出ません。
①貧血 → 動悸・息切れ
ヘモグロビン数減少によって各組織の酸素不足を起こします。
これを代償しようと心拍数が増加して動悸を生じます。
②甲状腺機能亢進症 → 動悸
洞性頻脈(100回/分以上の脈のこと)に伴い動悸が起こります。
他疾患に甲状線種、精神的イラつきetc.
③低血糖 → 動悸
反射性に交感神経が緊張することによって起こります。
他症状として、空腹時冷や汗、ふるえ、失神。
食後数時間して発症します。
④呑気症 → 心窩部痛、動悸
横隔膜が挙上し心肺を圧迫し起こります。
他症状として、胃膨満感、ガス、げっぷ。
⑤心因性・自律神経失調症
過換気症候群、心臓神経症、ヒステリー、更年期障害、自律神経失調症
3.胸部内臓の体壁反射
肺 : 交感神経-、 副交感神経+、横隔膜神経+
気管 : 交感神経-、 副交感神経+、横隔膜神経-
食道 : 交感神経-、 副交感神経+、横隔膜神経?
心臓 : 交感神経T1~T4、 副交感神経+、横隔膜神経+
1)各臓器の内臓体壁反射
①肺実質の内臓体壁反射
肺の実質に知覚はほとんどなく、肺のある体表部位の反応もあまり
みられません。
肺疾患で胸痛を生ずるのは、炎症が胸膜や縦隔に及んだ場合です。
肺結核や肺がんの初期に自覚症状がないのはこのためです。
②気管の内臓体壁反射
気管と大気管支に知覚あありますが、中小気管支にはありません。
③心臓の内臓体壁反射
冠血流量が不十分となり、心筋が酸素不足となり、
心臓を支配する交感神経が 興奮して狭心痛が起こる。
2)内臓体壁反射と鍼灸治療
一般に内臓治療に際しては、兪募配穴治療のように、
体幹前面と体幹後面から 病変内蔵を挟むように鍼灸治療を行うことが多い。
これは体幹の両側面に交感神経反応があることを
前提として成立する理論です。
心疾患においては交感神経反応が明瞭なため、
兪募肺穴も有効と考えられますが、
肺・気管支疾患では、交感神経反応が不明瞭なため、
その効果やメカニズムもブラックボックスの中ということになります。