高血圧症(成人病)
1.正常値血圧
①血圧 正常値 一覧表
といういうことになっています。
②血圧決定因子
・心拍出量や大動脈の弾性→最高血圧(収縮期血圧)
・末梢動脈血管抵抗性→最高血圧と最低血圧(拡張期血圧)
一般に、最高血圧が高くなると、最低血圧も高くなります。
しかし最高血圧が高く最低血圧が低い場合、太い動脈が硬化していることを
考えます。これは心臓や腎臓の血管にも硬化があることを示していますので
死につながるような素質をもっていることになります。
2.高血圧の原因分類
〇本態性高血圧
〇症候性高血圧
・腎性高血圧:急性糸球体腎炎、腎不全など
・腎血管性高血圧
・内分泌性 → クッシング症候群
原発性アルドステロン症
褐色細胞腫
※クッシング症候群
副腎皮質でつくられる副腎皮質ステロイドホルモンのひとつ、
コルチゾールが増えすぎるために起こる病気。
※原発性アルドステロン症
副腎皮質ホルモンのひとつ、
アルドステロンが分泌が過剰になるために起こる病気。
※褐色細胞腫
副腎や交感神経節にできる腫瘍。
3.本態性高血圧
1)概念:老化に伴う細動脈硬化によって起こる高血圧。高血圧者の約8割。
2)病態生理・症状
高血圧になると血漿成分が小動脈に浸透して細動脈が硬化。
細動脈硬化によって、さらに高血圧になります。
血圧が高いなりに一定値を持続すれば、あまり自覚症状はありません。
3)現代医学治療
①基礎療法
食事療法:塩分制限、肥満防止
運動療法:エネルギーを消費し、結果肥満防止にもつながります。
ストレス、過労をさける(細動脈血管の痙攣が防止される)
②薬物療法
a)利尿剤
b)交感神経遮断剤
心臓の仕事量を減らす(心臓を強く収縮させず、拍動数も減らす)
c)末梢血管拡張剤
d)精神安定剤
4.本態性高血圧の鍼灸治療
本態性高血圧は、ストレス→交感神経興奮→末梢血管収縮→血圧上昇
という 具合に起こります。
この連鎖を遮断することが降圧の鍼灸治療になります。
具体的には、ストレス改善、心拍出量と脈拍数の低下、
末梢血管収縮防止で、目的とするところは薬物治療と同じです。
1)精神安定
リラクゼーションを目的とし、交感神経の緊張を緩和させます。
頸肩部のコリは、血圧中枢である延髄の血流を低下させる可能性が
あるので、とても大事です。
ツボとしては、頭部、項部、肩井、膏肓、身柱,、天宗など
2)心臓を強くは収縮させず、拍動数も減らす
頚動脈洞では、血圧を動脈壁に加わる張力で感知しています。
血圧が上昇して張力が増せば交感神経中枢を抑制して全身の血管を
拡張させて、血圧と心拍数を低下させる方向に動きます。
洞刺、膻中が効果的です。
3)末梢血液循環の改善
上下肢とくに前腕以下と下腿部以下に存在する「冷え」の改善させます。
冷えは末梢動脈血流低下で生じます。冷えのある四肢部に施術することが
血圧を下げることにつながります。
前腕 : 手三里、曲池、郄門、阿是穴
下腿 : 中封、解谿、三陰交、照海、陽陵泉、阿是穴
この鍼灸の意味は、動静脈吻合部位を刺激する意味で、
指間刺鍼や指端刺絡があります。
五指間刺鍼へ5分置鍼。拡張期血圧が下がったという報告があります。
4)鍼灸治療の効果
他の治療法と同様に、動脈硬化が強いほど、
高血圧になってからの期間が長いほど、
鍼灸で血圧を下げるのは困難になります。
1.正常値血圧
①血圧 正常値 一覧表
血圧 正常値 一覧表 | 上の血圧 | 下の血圧 | 自宅測定時 |
至適血圧 | 119まで | 79まで | 125/80未満 |
正常値 | 120~129 | 80~84 | |
正常高値 | 130~139 | 85~89 | |
Ⅰ度高血圧 | 140~159 | 90~99 | 135/85以上 単位mmHg |
Ⅱ度高血圧 | 160~179 | 100~109 | |
Ⅲ度高血圧 | 180以上 | 110以上 |
年代別一覧表
40代 血圧 正常値 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 |
女性 | 114/71 | 123/77 | 133/81 | 140/82 | 145/79 |
男性 | 124/79 | 130/84 | 138/85 | 142/84 | 146/80 |
といういうことになっています。
②血圧決定因子
・心拍出量や大動脈の弾性→最高血圧(収縮期血圧)
・末梢動脈血管抵抗性→最高血圧と最低血圧(拡張期血圧)
一般に、最高血圧が高くなると、最低血圧も高くなります。
しかし最高血圧が高く最低血圧が低い場合、太い動脈が硬化していることを
考えます。これは心臓や腎臓の血管にも硬化があることを示していますので
死につながるような素質をもっていることになります。
2.高血圧の原因分類
〇本態性高血圧
〇症候性高血圧
・腎性高血圧:急性糸球体腎炎、腎不全など
・腎血管性高血圧
・内分泌性 → クッシング症候群
原発性アルドステロン症
褐色細胞腫
※クッシング症候群
副腎皮質でつくられる副腎皮質ステロイドホルモンのひとつ、
コルチゾールが増えすぎるために起こる病気。
※原発性アルドステロン症
副腎皮質ホルモンのひとつ、
アルドステロンが分泌が過剰になるために起こる病気。
※褐色細胞腫
副腎や交感神経節にできる腫瘍。
3.本態性高血圧
1)概念:老化に伴う細動脈硬化によって起こる高血圧。高血圧者の約8割。
2)病態生理・症状
高血圧になると血漿成分が小動脈に浸透して細動脈が硬化。
細動脈硬化によって、さらに高血圧になります。
血圧が高いなりに一定値を持続すれば、あまり自覚症状はありません。
3)現代医学治療
①基礎療法
食事療法:塩分制限、肥満防止
運動療法:エネルギーを消費し、結果肥満防止にもつながります。
ストレス、過労をさける(細動脈血管の痙攣が防止される)
②薬物療法
a)利尿剤
b)交感神経遮断剤
心臓の仕事量を減らす(心臓を強く収縮させず、拍動数も減らす)
c)末梢血管拡張剤
d)精神安定剤
4.本態性高血圧の鍼灸治療
本態性高血圧は、ストレス→交感神経興奮→末梢血管収縮→血圧上昇
という 具合に起こります。
この連鎖を遮断することが降圧の鍼灸治療になります。
具体的には、ストレス改善、心拍出量と脈拍数の低下、
末梢血管収縮防止で、目的とするところは薬物治療と同じです。
1)精神安定
リラクゼーションを目的とし、交感神経の緊張を緩和させます。
頸肩部のコリは、血圧中枢である延髄の血流を低下させる可能性が
あるので、とても大事です。
ツボとしては、頭部、項部、肩井、膏肓、身柱,、天宗など
2)心臓を強くは収縮させず、拍動数も減らす
頚動脈洞では、血圧を動脈壁に加わる張力で感知しています。
血圧が上昇して張力が増せば交感神経中枢を抑制して全身の血管を
拡張させて、血圧と心拍数を低下させる方向に動きます。
洞刺、膻中が効果的です。
3)末梢血液循環の改善
上下肢とくに前腕以下と下腿部以下に存在する「冷え」の改善させます。
冷えは末梢動脈血流低下で生じます。冷えのある四肢部に施術することが
血圧を下げることにつながります。
前腕 : 手三里、曲池、郄門、阿是穴
下腿 : 中封、解谿、三陰交、照海、陽陵泉、阿是穴
この鍼灸の意味は、動静脈吻合部位を刺激する意味で、
指間刺鍼や指端刺絡があります。
五指間刺鍼へ5分置鍼。拡張期血圧が下がったという報告があります。
4)鍼灸治療の効果
他の治療法と同様に、動脈硬化が強いほど、
高血圧になってからの期間が長いほど、
鍼灸で血圧を下げるのは困難になります。